ゲーム時間12月24日の夜、1人でいる事。
「はぁ、何だったんだろう、これ?」
昨日、このアイテムの意味が分からず、ギルドに聞きに行ったけどギルドの受付嬢も分からないみたいだった。
あまりにチケットばかり見てたから、入り口で男性とぶつかりそうになって少し焦ったけど。
私はアイテムボックスからチケットを取り出す。
【聖なる夜のプレゼント】か。
こんな寂しくクリスマスを送る私にどんなプレゼントがもらえるんだろう?
はぁ~
そういえば、今日は【ホロライブワールド】でホロメンの人達によるクリスマスライブが2日間かけてあるはず。
ライブチケットは取れなかったけど、ライブはゲーム内ディスプレイで見れるし、それ見ながらスナックでも食べますか。
私はそう考えながら1人寂しく家路に向かう。
この町にもあちらこちらに、クリスマスの飾りつけがされていた。
気のせいか2人組やパーティーを組んでいる人が多い気がする。
はぁ、ゲームの中でもリアルと一緒か。
リアルでも、友達は何か約束があるようで、今年も女1人寂しいクリスマスをおくる事になりそう。
シャンシャンシャン。
私が町から少し離れた住宅エリアに向かっている時に、どこからともなく鈴の音が聞こえてきた。
いい子にサンタクロースがプレゼントでも運んでるのかもしれない。
ま、私には関係ないけど…
シャンシャンシャン。
ん?
なんかさっきより近くで鳴ってる。
シャン!シャン!シャン!
って、うるさいんだけど!?
私は思わず振り返り上を向いた。
そこには。
「こんばんわ!
迷える子羊諸君。
吾輩が来たぞ!」
え?
なんで?
そこにはトナカイのソリに乗った私の最推しのラプラス・ダークネス様がいた。
「え?っと、ど、どうしてラプラス様が?」
どうしても、どもってしまう。
「ん?
貴様、例のチケット持ってるだろう?」
「え?」
ラプラス様に言われて私はアイテムボックスを見る。
すると、あの【聖なる夜のプレゼント】が光っていた。
「これですか?」
私はアイテムを取り出し、ラプラス様に見せる。
「そうだ。
そのアイテムを持ってこの日に1人でいる者は、吾輩のプレゼント配りを手伝う事になっている」
「ええ?
そうなんですか?」
「知らなかったのか?」
ラプラス様は不思議そうな顔をしてソリを地面に下ろす。
そして、ソリから降りて私の側まで来た!
か、可愛い。
ちっちゃい、なのに一生懸命胸はって張り合おうとしてる。
可愛すぎ。
私はラプラス様から目が離せなくなっていた。
「ん?
何をそんなに見ているんだ?」
ラプラス様が自分の体を見ている。
「ははぁ、なるほど」
可愛いって思ってるのばれた?
「分かったぞ、吾輩のサンタコスの色が気になったんだろう」
「え?」
「ん?」
ばれてなかったけど、私のえ?にラプラス様が不振がってる。
「あ、はい、その通りです」
「やはりな。
他のホロメンさん達は知らないが、吾輩はブラックサンタならぬパープルサンタだ」
そう言って「どうだ」と言わんばかりに腕組みをして胸を張るラプラス様。
確かに、よく見ると紫だ。
暗い紫だから、夜のこの時間だと黒に見えた。
「似合ってますね」
「え?
そ、そうか?」
私の言葉に少し照れるラプラス様。
ああ、可愛い。
「ほら、それよりプレゼント配り手伝うんだろ?」
「は、はい」
「なら、ソリに乗れ」
ラプラス様と一緒にソリに乗る。
「では、いくぞ」
そうして、私はラプラス様と夜空のドライブを楽しんだ(ドライブではありません)
イベント中…(チケット持ちで1人になってない人にランダムでプレゼントを配る。
プレゼントは1人1つ)
「よし、これで終わりだな」
「5人だけですか?」
「そうだ、貴様に手伝ってもらうのは5人だからな」
私を元の場所に連れて来てくれ、私はラプラス様のソリを降りた。
ああ、幸せな時間が過ぎてしまった。
ラプラス様とのランデブーが…
「さて、よく尽くした貴様に吾輩からプレゼントだ」
そう言ってラプラス様はソリに載せてある袋をがさがさし始める。
そして、1つのプレゼントを私にくれた。
「そのプレゼントを持っていれば良い事があるだろう。
それでは、良いクリスマスを過ごせよ」
「あ、はい」
私がプレゼントを受けとると、ラプラス様は別れの挨拶を言って空に上がっていった。
「はぁ、幸せの時間ってあっという間か…」
私は手に待つプレゼントを見た。
【聖夜のプレゼント】
『自分では使えない誰かにあげる為のプレゼント』
いや、ラプラス様?
ぼっちな私にこれをどうしろと?
住宅エリアに向かう道に1人ポツンとプレゼントを持って佇む私。
かなり滑稽のような。
ん?
ふと横を見ると1人の小柄な男性が私と同じようにプレゼントを持って佇んでいた。
あ、こっち見た。
『あ!』
お互いに顔を見て驚く。
先日、ギルドの入り口でぶつかりそうになった男性だ。
向こうも気づいたようだ。
「こんばんわ」
「こんばんわ」
挨拶されたので挨拶を返す。
なんか緊張する。
「あのう、よかったらこれどうぞ。
推しの手伝いをしたらもらったんですが、自分では使えないみたいで」
そう言って彼がプレゼントを差し出してきた。
えっとなら私も。
「私も同じなんですよ。
推しの手伝いしたらもらったんだけど」
そう言って私もプレゼントを彼に渡す。
「あ、ありがとうございます」
「こちらこそ」
お互いに照れてしまって顔をまともに見られない。
「な、何が入ってるんでしょうね」
彼が空を見ながら言う。
「あ、開けてみます?」
私はプレゼントを見ながら言った。
そして、お互いにプレゼントを開ける。
あ、これって。
中にはラプラス様のグッズが入っていた。
「わぁ、すごい」
彼の方は雪花ラミィちゃんの?
「お互いに推しのグッズだったみたいですね」
そう言って彼は笑った。
う、なんか可愛い。
「どうしました?」
不思議そうに聞いてくる彼。
「い、いえ、何でもないんですよ」
私は笑って誤魔化した。
「それじゃ、そろそろ家に戻らないと。
ライブ見ようと思ってますので」
私はそう彼に言ってしまった。
はぁ、なんでここでもっと話を伸ばそうとしないんだろう、私の臆病者。
だからいつもぼっちになってしまう。
体だけは大きくて心は小さいなんて親に言われるんだ。
私は彼に分からないようにため息をつく。
「あのう」
「え?」
そんな私に彼が声をかけてくれた。
「僕も今から帰ってライブ見るんですが、よかったら一緒に見ませんか?
いきなりこんな事言って迷惑かもしれないですけど、これも何かの縁ですし。
それに、僕、料理を作りすぎちゃって1人では食べきれなくって、そのう。
いや、本当によかったらなんですが」
私は彼を見る。
顔を真っ赤にして手をあわあわ振りながら、一生懸命誘ってくれていた。
本当に可愛い。
「そうですね。
これも何かの縁。
私で良ければご一緒させてください」
私はそう彼に伝える。
すると彼はすごく嬉しそうに微笑んで、「こちらこそありがとうございます」と言った。
私としてはかなり勇気を出した。
ふと手元のプレゼントにあるラプラス様人形を見る。
ありがとうございます、良いことありました。
私は心の中でそうラプラス様に報告した。
「そ、それじゃ、行きましょう」
「あ、名前聞いていませんでした」
「あ、そうですね、僕の名前は…」
2人は並んで歩いていく。
彼等にとって今日はいいクリスマスイブになるはずだ。
「はぁ~
雪民さん~」
ソリの上からサンタ服のラミィが2人を見てため息をつく。
「ラミィさん、せっかく2人のキューピッドになったんですから祝ってあげましょう」
その横で違うソリに乗って2人を見送るラプラス。
「そうなんだけどね」
ラミィは複雑な顔をしていた。
そんなラミィを見てラプラスは苦笑する。
そして2人のホロメンは最後に鈴の音を鳴らし、晴れた夜空に帰っていった。
連続イベント聖夜シリーズが終わりました。
今回はこういった結末でしたが、みなさんはどうだったのでしょうか?
ちなみにこのイベントだけではないのですが、ホロメンが関係するイベントで、もし同じホロメンを選ぶ人がいた場合、前の人が終わるまで順番待ちになるのかという疑問があると思いますが、答えはノーです。
この【ホロライブワールド】にはこの世界で自分の意思で生活するAIホロメン。
仮にラミィちゃんにしましょう。
そのラミィちゃんは常に1人です。
ただ、イベントが起きた場合は、イベント用に別の個体のラミィちゃんがその時点で生まれます。
そして、イベントを終えたそのイベント用ラミィちゃんは消え、その時の体験や記憶はメインのラミィちゃんに受け継がれます。
ですので、メインラミィちゃんはイベントに出てはいないのですが、あなたとのイベントがどういったものだったかは知っている事になります。
なので、複数の人が同じイベントをしてもタイムラグなく同時に始まり、ブッキングする事はありません。
ただ、特定のイベントではブッキングが発生する場合もあります。
ちなみにイベントによりますが、メインホロメンさんが参加するイベントもあります。
あと、すごく稀ですがときのそらさんから虹色ダーツをもらい、世界の答えに選ばれた場合は、メインホロメン達が直々に全てのイベントに現れます。
ま、本当に稀なんですけどね。
ちなみに、ライブ等の大型歌イベントはリアルホロメンさんが、ゲーム内で自らのキャラを操作して歌うらしいと情報がありますが、定かではありません。
ではまた、新しい情報が入れば更新します。