【学園】に入学している。
授業を受けた時にある、テストで赤点をとった時、ランダムで発生する
「はぁ~
まさか、この時期にかぁ~」
俺はステータス画面のメッセージボックスを見て、項垂れる。
ここは【学園】の裏庭の端にあるベンチ。
メッセージはその【学園】にある魔法教育1の教師からだった。
『赤点の為、明日補習テストを行います』
との事だった。
「はぁ~」
そのメッセージを見た後、ステータス画面の右上の日時を見る。
2月14日。
「はぁ~」
また、ため息が出る。
俺は裏庭の方を見た。
あちらこちらで男女のプレイヤーがいる。
「だよなぁ~」
今日はゲーム内バランタインの日。
その日の限定イベントアイテムが販売されていて、それを買ったプレイヤー達が賑わっている。
「はぁ~
俺もこれがなけりゃぁな」
さすがに追試で落としたら、魔法を習得できない。
(ゲームだからといってINT上げを怠ったからなぁ)
ちなみに試験は基本5択でINTを上げていると、それが四択、三択と減っていく。
試験にもレベルがあって、それにあったINTの値をMAXにしていると、5択が1択になる事もあるらしい。
「しかし、いくら二択にしてても、問題を理解出来てなけりゃ間違うしなぁ」
俺はゆっくりと立ち上がる。
(勉強すっかぁ)
俺はそう思って校舎の方に歩きだそうとした。
ドン!
「いたっ!」
「あ、すいません」
うつむいていたから、誰かにぶつかった。
俺は顔を上げた。
「何、暗い顔してるんだい?」
「え!?」
ぶつかった相手を見て俺は声をあげる。
そこには俺の最推しのおかゆちゃん(制服姿ver)がいた。
(ど、どうなってんだ?)
俺はまたベンチに座っている。
ちらっと横を見ると、そこにはおかゆちゃんが座っていた。
(な、なんで推しと一緒にベンチに座ってんだ俺)
「なるほどねぇ」
おかゆちゃんは、何か画面を見ながら頷く。
「これはひどいね」
おかゆちゃんがこちらをチラッと見た。
「え?」
「テ、ス、ト」
「あ」
しょうがないなぁと言った顔で、おかゆちゃんが微笑む。
(うわぁ、俺のテスト結果見てたのかぁ。
恥ずかしい)
「仕方ない。
ここはぼくが一肌脱ごう」
「え!!」
俺は驚きながらおかゆちゃんを見る。
そんな俺を見ておかゆちゃんは「日本語って難しいぃよね」と笑った。
それから俺は図書室で、おかゆちゃんにマンツーマンで勉強を教えてもらった。
「うんうん、いいよ。
分かってきてる」
「ほら、よく考えてみて、さっきやったところだよ」
「さっすがぁ」
「これならバッチリだよ」
等、すごく誉めてくれる。
少し間違っても「ドンマイドンマイ」と励ましてくれて、俺は推しに教えてらってる+この声掛けで勉強にやる気が出まくった。
「じゃ、テストするよ」
一通り教えてもらった後、おかゆちゃんが俺の目の前にテストを置いた。
「さ、やってみて」
俺はおかゆちゃんに頷き、テストを見る。
(おお、2択になってる)
答えの部分が5択から変化している。
前回は5択だったから凄いINTがあがっていた。
(いや、2択でも油断しないぞ)
俺は問題文をよく読みながら問いを書いていった。
「できたぁ~」
俺は手を上に上げる。
「どれどれ?」
おかゆちゃんはテストを手に取り見始める。
ちゃっかり赤ペン持ってた。
(むちゃドキドキする)
「…」
黙々とおかゆちゃんは点付けをする。
「うん」
おかゆちゃんは頷き、テストをこちらに向けた。
名前の横には赤ペンで100点と書かれていた。
無言でガッツポーズ。
「お疲れ様」
「はい。
おかゆちゃんも付き合ってくれてありがとうございました」
俺は立ち上がり頭を下げる。
ふと窓の外を見ると日が沈みかけて、世界を赤く染めていた。
「こんなに時間だったんだ」
「貴重な1日がつぶれちゃったかな?」
「え?」
意地悪っぽくおかゆちゃんが言う。
(そっか、今日はバレンタインだったな…)
俺はふと思い出した。
「いえ、特に予定はなかったので」
俺は頭をかきながら答える。
「そっかぁ。
じゃ、頑張った君にご褒美だよ」
おかゆちゃんが手を出してとジェスチャーする。
俺は手を出した。
そこにおかゆちゃんが、綺麗にラッピングした小箱を置いた。
「これって?」
「中身は何でしょう?」
また、いたずらっ娘の顔で微笑むおかゆちゃん。
「開けていいですか?」
「どうぞ」
俺はおかゆちゃんの返事を聞いてから、小箱を使う。
綺麗に開いたその小箱の中には、その箱いっぱいの大きさのハートチョコが入っていた。
「あ」
感動で何も言えない。
(推しに勉強教えてもらって、それにバレンタインにチョコなんて)
「泣くことないのに」
おかゆちゃんは少し照れながら笑う。
(うわ、泣いてるのか俺。
ゲームなのにこういうところリアルで困るわ)
「い、いえ、感動して。
あ、ありがとうございます」
俺は頭を深く下げた。
その頭をおかゆちゃんは優しく撫でてくれた。
さて、今回は数あるバレンタインイベントの中でも、特殊な条件で発生するイベントをご紹介します。
あ、そうそうこの情報提供者の方は、その後無事に試験に受かったそうですよ。
最推しとのマンツーマンでお勉強会して、ご褒美にバレンタインチョコもらえるなんて、かなり最高のシチュエーションではないでしょうか。
ちなみにランダムでという事なので、狙って起きないのが、このイベントの難しいところです。
見事発生すれば夢のような時間を過ごせるみたいですね。
では、今回はここまで。
また、新たな情報の整理が出来次第、更新となります。