ゲーム内ゲーム『VSアームズ』をした事がある。
『VSアームズ』で謎の神官剣士と戦った事がある。(勝ち負けは問わない)
『VSアームズ』の上位ランカーである。
桜大神社でこそこそしているさくらみこに声をかける。
「ん~」
私はコントローラーを机に置いて外を見る。
「やっば、徹夜してる」
私は立ち上がり窓を開けた。
家の外の道には、もう起きた人達が行き交っていた。
人、亜人、多種多様な人種。
そうここは【ホロライブワールド】
【ゲーマーズ】第2の町。
「少し遅くなったけど行こ」
私は寝間着のおしゃれ着を和服のおしゃれ着に変えて外に出た。
「しかし、本当に『VSアームズ』は面白い」
私はある場所に向かいながら、独り言のように呟く。
『VSアームズ』とは、【ホロライブワールド】内で出来るゲーム内ゲームの1つで、自由にキャラメイクをして、決められたポイントで技を作り対戦するゲーム。
昨日の夜にその非公式大会があって、それに私は出場していた。
「ふふふ」
思い出したら嬉しくなる。
非公式とはいえ、私はそこでチャンピオンに輝いた。
「やっぱり、毎日のこれがきいてるのかな」
見上げた先は【鬼生門】
私はその門を通って石階段を上がっていく。
朝早くないせいか、参拝者ともすれ違う。
すれ違った人に頭を下げながら私は進む。
そして、【桜大神社】に到着した。
私の日課はこの神社に参拝する事。
ま、実家が神社っていうのもあるけどねぇ。
神社を見たらお参りしたくなる。
私は早速お賽銭を賽銭箱に投げ入れて、作法にのっとってお参りした。
もちろん、願うは『VSアームズ』の公式大会での優勝。
「1週間後にその大会があるし。
今日も戻ったら練習しよ」
私は家に帰る為に、石階段へと向かう。
「ん?」
そんな時、ふと気になる人影が視線の端にうつった。
「あれって…」
私はどうしてもその人影が気になって、神社の裏側に続く小道に向かった。
「やっぱり」
少し歩いた先。
少し広くなったところで、その人影はキョロキョロしていた。
「みこちゃん?」
私は思いきって声をかける。
ビクッとして名前を呼ばれた女性が振り返った。
「み、みつかった?」
みこちゃんはそんな事を言って私を見る。
「みつかった?じゃないですよ」
「えっと、プレイヤーさんがどうしてここに?」
みこちゃんが不思議そうに聞く。
「日課のお参りをしに来たところで、みこちゃんを見つけたので追いかけました」
「はははは」
罰悪そうに笑うみこちゃん。
「それより、ここで何してるんですか?」
私が聞くとみこちゃんはキョロキョロと辺りを見回す。
「実は今からちょっとしたイベントがあるにぇ」
「イベント?」
「そう、『VSアームズ』のイベントにぇ」
「え!?」
思いがけない名前がみこちゃんの口から出たので、少しビックリした。
「『VSアームズ』ですか?」
「そう、やった事ある?」
みこちゃんに聞かれて私は頷いた。
「もしかして強かったりする?」
「え、まぁ、普通よりは」
私は少し照れながら答えた。
みこちゃんは口元に手をもっていき、何かを考え始める。
そして、少しして…
「イベント気にならない?」と聞かれた。
もちろんある。
でも、『VSアームズ』の情報ならチェックしているけど、ここでイベントがあるなんてどこにも書いてなかった。
「本当にイベントがあるんですか?」
私は少し疑うように聞く。
「それは確かにぇ。
このイベントは非公式だからどこにも情報は出てないにぇ」
「ん~」
「ま、ま、試しに来て来て」
考える私の腕をとり、みこちゃんはある扉に向かう。
その扉には『関係者以外立入禁止』と書かれている。
「え?
ちょっとここ入れないですよ」
私はここの関係者じゃない。
「大丈夫、大丈夫」
そう言ってみこちゃんは扉を開けて、私ごと扉の中に入った。
一瞬眩しい光で目を瞑ってしまったけど、目を開けると細い通路が続いていた。
「さ、こっちだにぇ」
みこちゃんはずんずん通路を進む。
私はその後をついていくしかなかった。
しばらく行くと広場に出てその真ん中に1本の桜の木があった。
そして、その前に鳥居型のゲートが。
「ここは?」
「ある場所に繋がってるゲートにぇ」
私はそのゲートの前に連れてこられる。
「さ、準備はいいにぇ?」
「え?」
背後からみこちゃんに、そう言われて振り向いた瞬間。
みこちゃんは私をドンと押した。
「へ?」
押されて体勢を崩し背後に倒れていく私。
そんな私をみこちゃんは笑顔で手を振り見送った。
ガン!
「いた」
私はガバッと起き上がる。
「え?
ここは?」
私は立ち上がって辺りを見る。
さっきまでいた場所とは違う。
所々に岩が点在する草原に私は立っている。
「なんで?」
それより、いつもより体が変な気がする。
私はそう思って体を見た。
「えええええ?
どうなっての」
思わず叫んでしまう。
どうしてか?
だって体が『VSアームズ』で使っているキャラになっていたから。
私が使うキャラは槍使いの女性キャラ。
能力は平均的で、技は3つ所持している。
地面を見ると、私のキャラが愛用している槍が落ちていた。
拾う。
手に馴染む。
私、本当にゲームのキャラになっちゃった。
っていうか、元々【ホロライブワールド】のゲームキャラなんだけどね。
私は槍を構えて、素振りをしてみる。
小、中、大の攻撃。
スムーズに出せる。
連続攻撃はコントローラーで動かすより上手く繋がる。
「ん?」
でも、ゲーム内と同じように繋がらない攻撃は、繋がらない。
「ある意味忠実か」
私は変に感心しながら槍を構える。
「あとは…」
私は構えた槍を勢いよく少し離れた岩に打ち込んだ。
ドガァ!
と槍が岩を貫く。
いや、正確には槍から放たれた衝撃が岩を貫いたか。
「へぇ、呀突も出せるんだ」
今、放った技は私が作った技の1つ。
キャラに割り振られる技ポイントは10。
そのポイントを距離に1、威力に2振って作ったのがこの技。
私が使っている槍は、距離ボーナスが付く為、距離に1だけ振ったとしても、他の近距離武器からすればポイント3振ってるのと同じ。
威力2は通常攻撃の単純に2倍の威力。
「じゃ、残りの技もいけそう」
「へぇ、あんたも参加者ってわけ?」
「!!」
いきなり後ろから声をかけられて、私は慌てて振り向き槍を構える。
岩の上に腕組みして立つ女性は、ニヤリと笑ってこっちを見下ろしていた。
「だれ?」
「だれでもいいんじゃない?
それにこれからやられちゃうんだし」
スタイルのいい魅惑のくの一のような、その女性が腕組みを解くと、その手にはナイフが握られていた。
「ナイフ使い…」
私の言葉にニヤリと笑うくの一。
「じゃ、さっさと人数減しといた方がいいから、やられて」
くの一が飛び上がりこちらにナイフを投げた!
「!!」
私は咄嗟に呀突を放つ。
ギャン
高い金属音が鳴り、ナイフと槍がぶつかり合う。
「へぇ、パリィ上手いじゃん」
パリィは武器で防御する方法。
通常の防御と違ってダメージを受けない。
しかし、パリィは武器と武器を合わせるようにしないといけないので、かなり難易度が高い。
でも、今私はキャラ自身になっている。
たから、パリィもやりやすい。
「それによく技だって分かったね」
「それはもちろんです。
ナイフ投げは通常攻撃にありませんから」
「はは、確かに」
そう普通は武器であるナイフを投げない。
なのでさっきのは技。
だから私は技でパリィした。
通常攻撃なら、通常攻撃以上で。
技なら技以上で。
そして、必殺技には必殺技でしかパリィが成立しない。
「なら、これは?」
また、ナイフ投げ?
全く同じモーションでナイフが飛んでくる。
私は無言で呀突を放つ。
しかし、何か変な感じがした。
私は槍がナイフに当たってすぐにキャンセル防御。
さっきと同じくギャンと音が鳴った瞬間、ナイフが分裂した。
「!!」
分裂したナイフが私の体にかすり傷を負わす。
「へぇ、予想してたんだ」
くの一が笑っている。
それはもちろん。
私は前ダッシュで間合いを詰め、突きを放った。
「く」
防御するくの一。
「きゃぁ~」
しかし、私の一撃は一撃ではなく三撃。
「予測できませんでした?」
私が使ったのは2つ目の技三段突き。
「うぅ、腹立つぅ」
くの一はその場でじたんだする。
「ここでやりあっても私に何も得がないし、今は見逃してあげる」
「え?」
そう言ってくの一は大跳躍で逃げていった。
「逃げれるの?」
私の知ってる『VSアームズ』とは違う?
!!
私は直ぐ様振り向き槍を伸ばす。
その切っ先に両手を上げてヘラヘラ笑う神官衣装の男性が立っていた。
「神官剣士?」
私はその姿を見て驚く。
神官衣装に腰に刀。
私が『VSアームズ』で何度か戦った相手にそっくりだ。
「戦う気はないにぇ」
そう少し高い声で神官剣士が答える。
「にぇ?
もしかして、みこちゃん?」
私の問いに神官剣士はニヤリと笑った。
「どうなってるんですか、これ」
私は槍を納めてみこちゃん?に詰めよった。
「はは、ごめんごめん。
ここは『VSアームズ』のバトルロイヤルステージだよ」
なんか男声がすごく違和感ある。
「でも、『VSアームズ』だとしても何でキャラ本人になってるんですか?」
「簡単に言うとフルダイブ型ってやつかな」
「【ホロライブワールド】でフルダイブして、そのゲーム内でまたフルダイブ?」
「ま、プレイヤーさんからしたらそうかも」
そうか、みこちゃん達はこのゲーム内のキャラだから、フルダイブは1回だけって事。
「それじゃ、さっきのくの一は他のプレイヤーって事」
私は逃げたくの一の方を見る。
「あ、あれ?
あれはトワ様だにぇ」
「はい?」
それから、みこちゃんが簡単に説明してくれた。
今、このバトルロイヤルステージにいるのは、オリジナル世代組~第六世代組のホロメン達。
今日1日使って全員で戦い、優勝を決める。
優勝者には豪華商品があるらしい。
あと、バトルロイヤルなので、必ずしも一対一ではなく、邪魔も入るし逃げる事も出来る。
トワ様も逃げたし。
「で、なんでそんなものすごいイベントに私が?」
「え?
それは…」
「もらった!!」
「はい?」
私は大きな声に反応して咄嗟にバックステップする。
ドガァ!
と音を立てて私とみこちゃんの間に誰かが飛び込んできた。
砂煙が晴れ、1人のかなり露出が多いシスターが立ってこちらを見ていた。
両手にメリケンサック?
完全接近戦用!
私は慌ててバックステップ。
しかし、遅かった。
一瞬で間合いを詰められシスターが私の懐に一撃を放つ。
私はそれを何とか防御し、背後に跳ぶ。
「ん~
浅かったかぁ」
シスターはそう言って両拳を胸の前でガンガンと鳴らした。
「さすがバトルロイヤル。
問答無用なんですね」
槍を構えてシスターに言った。
「隙があればすぐにでもね」
シスターはそう言って笑う。
誰だ?
ホロメンには間違いないけど、誰のキャラ?
すらりとした体に胸はあまり強調されてない。
シスターだけど、シルバーの装飾が多い気がする。
「まさか?
ノエルちゃん?」
「え?
なんで分かったの?」
ノエルちゃんとは全然違う声だけど、これはキャラのCVのせい。
「勘です」
私は正直に答える。
「なるほどぉ」
ノエルちゃんも拳を構えた。
ふと、ノエルちゃんの背後を見るといつの間にか、みこちゃんが消えていた。
にげたなぁ。
ここはもう1人で戦うしかない。
それにしても…
「かなり攻めた衣装ですね」
スリットはかなり深めで、胸元は網目になっているけど、谷間がくっきりと見える。
「ん、別にホロメンに見られるだけだし、普段着みたいな感じ」
「えっと、私、プレイヤーなんですけど…」
「へ?」
私の言葉にノエルちゃんはびっくりした顔をする。
「な、なんでいるの、ここに?」
慌てて胸元を隠すノエルちゃん。
「あ、ちなみにリアルも女なので」
「そ、そっか」
ノエルちゃんが胸元の手を構えに戻した。
「なんか、みこちゃんに連れてこられて」
「あ、なるほどね。
みこ先輩の考えそうな事」
「どうして私がここに連れてこられたか分かるんですか?」
「それはこれから検証するね」
ノエルちゃんが間合いを詰めてくる。
完全に詰められるとヤバい。
槍はリーチが長い分、棍と違って刃物の部分以外はほとんどダメージがない。
私はノエルちゃんの胴に目掛けて中攻撃を繰り出した。
ガン!
右フックでパリィされる。
でも、動きが止まった。
直ぐ様私は足元へ弱攻撃を放つ。
ガ!
それをノエルちゃんは足で払ってガードした?
何かヤバい。
私は直感する。
下弱2回の胴に中攻撃、大攻撃のコンボ。
ガ、ガ、ガン、ガン!
やっぱり。
私はバックステップで距離をとる。
全部の攻撃をパリィされた。
足元への弱攻撃なんて一番早くて、ほぼノーモーションからの攻撃なのに。
ノエルちゃんは笑顔。
余裕って訳。
なら、私は中攻撃を放つ。
やはりパリィしてくるノエルちゃん。
でも、続けて呀突。
ノエルちゃんが紙一重で回避。
だろうと思ってた。
キャンセル三段突き。
この練習は散々した。
ノエルちゃんがたまらずガード、しない?
三段突きを受けながら前に出てくる。
三段突きには吹き飛ばしや怯み効果がないけど、それは思いきりが…
そして、私はノエルちゃんの拳をまともに受けて吹き飛んだ。
「く」
私は起き上がりながら、ステータス画面のHPのバーを見る。
半分減ってる。
相手は3分の1か。
「ガード技ですか?」
起き上がり槍を構えながら、私はノエルちゃんに聞いた。
「すごい、分かっちゃうんだ」
ノエルちゃんは構えながら答える。
「ダメージが思っていたよりも低いです」
「ご名答」
「もう一度さっきのをもろで喰らうとヤバいよ」
ノエルちゃんがゆっくりと近づく。
「ですね」
それは分かってる。
でも、完全にパリィしてくるノエルちゃんに勝つには、あの方法しかない。
HPバーの下にあるバーは満タンだ。
なら、いける。
私はノエルちゃんに前ダッシュして突っ込んだ。
「!!」
予想外だったのか、ノエルちゃんの動きが一瞬止まる。
私は強攻撃をその隙に放った。
ガ!
パリィはないけど、防御された。
そして、ノエルちゃんのカウンター
私はその攻撃を受けて吹き飛ぶ。
ノエルちゃんの表情が緩んだ。
コントローラーで操作しているゲームと違って、フルダイブはそんな表情まで分かるのがすごい。
だから、ここ!
私はぶっ飛びキャンセル。
後ろ回転で地面に着地した瞬間。
【呀突・螺旋】
必殺技を繰り出す。
必殺技は技の2倍の威力。
しかし、必殺技ゲージを必要とする。
ノエルちゃんは驚いた顔をしていた。
勝った。
そう私は確信していた。
ドン!
「え!?」
必殺技がノエルちゃんに当たる瞬間、衝撃波に吹き飛ばされる。
ダメージはないけど…
まさか、キャンセルバースト。
必殺技ゲージを消費して、相手のどんな攻撃もキャンセルして吹き飛ばす方法。
まさか、ノエルちゃんもゲージが溜まってた。
私は体をどうにか起こす。
でも、立てれない。
HPバーはほぼない。
さっきのカウンターはギリギリ耐えれたけど、もう。
眼前に立つノエルちゃん。
「さっきのカウンターで終わったと思ってた」
「計算しましたから」
私は倒れたまま笑う。
「強かったよ。
だから、みこ先輩はここに連れてきたんだよ。
でも、残念。
ここで終わりだね」
拳を振りかぶるノエルちゃん。
確かにここで終わり。
でも、楽しかった。
「また、いつかやりたいです」
私の言葉にノエルちゃんは笑い拳を振り下ろした…
ドガァ!
凄まじい音と共に目の前のノエルちゃんが吹き飛ぶ。
「なんで?」
ノエルちゃんを見れば地面に倒れ、その体には馬上槍がヒットしていた。
「く、まさか、ここで?」
ノエルちゃんの見ている方を見れば、岩山に馬上槍を持つ鎧の騎士がいた。
「隙ありだね」
騎士が言う。
「もう、油断したぁ!
フレアのバカぁぁぁ!」
そう言ってノエルちゃんはその場から消えた。
何とか立ち上がり騎士の方を向く。
「フレアちゃん」
「そうだよ」
フルフェイスの兜で顔は見えず、声も違うけどノエルちゃんが言ったんだ間違いないはず。
「そう警戒しなくていいよ。
その場に大人しく座ってればHPは少しずつ回復する。
バトルロイヤル用のルールだから」
「なんで見逃すんですか?」
立ち去る雰囲気のフレアちゃんに聞く。
「いい、囮になってくれそうだから」
そう答えたフレアちゃんは、その場から立ち去った。
馬上槍を投げる技なんて、めちゃくちゃだよ。
普通槍はリーチがあるから投げる技にはしない。
大きな武器ほど投げ技には、硬直時間がある。
それをフレアちゃんは、単身魔界に突入した騎士が如く投げ技を作ってた。
「趣味の問題かな?」
私は大人しくその場に座る。
しばらくすると確かにHPは回復していた。
そっか、まだ私戦えるんだ。
ホロメンとのバトルロイヤルはまだ始まったばかり。
広々とした草原で私は出会った。
ボロボロの服を着た覆面男に。
やばそうな人と会ったなぁ。
あれからHPを回復して相手を探してさ迷っていたらここに出た。
そして、一番に会ったのがこの人だった。
まじで誰だか分かんないんだけど…
槍を構えながら私は考える。
「はろーぼー」
野太い声でその覆面男が言った。
「ロボ子さん!?」
「そうだよ、ぼくぼく」
野太すぎるよ声。
「どうして、そんな格好に…」
「やっぱ、強そうでしょう?」
そう言って笑ってるのだろうか、肩を揺らすロボ子さん。
「そっちは誰?」
「わ、私は訳も分からず迷いこんだ一般人です」
「あ、設定だね、分かる分かる。
ロボ子も、刑務所を脱獄した極悪人って設定だよ」
いや、なぜその格好に設定。
「ま、いっか。
じゃ、やろう」
バン!
とロボ子さんは手に持つモーニンスターを手のひらに当てて鳴らす。
また、痛そうなものを。
腕を肩ぐらいに広げるロボ子さん。
なんかもうレスラーと対峙してる気がしてきた。
もう、先手必勝。
私は小攻撃からのコンボを繰り出す。
ガガガガガ!
しかし、すべて体で受けるロボ子さんって、やばすぎる。
「防御技に全振りですか!」
私はバックステップしながら言う。
「えっとね、キャラ設定でも防御に多く振ったよ」
そう言って近づいてくるロボ子さん。
確かに動きが鈍足だぁ。
そして振りかぶられるモーニングスター
「やぁ!」
野太い気合いの声で振り下ろされたモーニングスターのトゲトゲの先の部分が、こちらに向かって飛んできた。
「わぁ!
呀突!」
ガン!
パリィ成功。
飛んできた先の部分が地面に落ちる前に消える。
いや、元の場所に戻る。
「やっぱ、当たらないかぁ」
そう言いながらのしのしと近づいてくるロボ子さん。
「まて~まて~」
「なんか怖い」
バックステップしながら距離をとる。
HPを確認。
やっぱり、ロボ子さんほぼ無傷に近い。
どうする?
さすがに技を使えばダメージ入るだろうけど、技の後やカウンターで技を使われたら、こっちのダメージの方が大きい。
どうしたものだろう。
それに近づかれたら何故か回りながら投げられる気がする。
こんな事なら遠距離技を作っとくんだった…
ん?
遠距離技?
……
そうか、これなら。
私はつかずはなれず攻撃を繰り出す。
ロボ子さんは相変わらず、防御なしで追いかけてくる。
ちらりとゲージを確認。
そして、私は一歩前に繰り出した。
「隙あり!」
ロボ子さんは好機とモーニングスターを振りかぶる。
そして、私の【呀突・螺旋】がロボ子さんを貫いた。
「HPもあまり振ってなかったんですね」
「いやぁ、防御最強かなって思って」
そう言って私の前で倒れたロボ子さんが消えた。
最後は単純。
背が高くがっちりとした男性キャラのモーニングスター遠距離攻撃をしゃがんで避けてやり過ごした後、直ぐ様必殺技を打ち込んだ。
技を使っている最中に他の技は使えない。
なら、防御技を使ってない状況に必殺技は耐えられない。
後、さっき言ったようにHPにあまり振ってなかった為に必殺技の一撃でやられてしまったと言うわけ。
今回はロボ子さんは追いかけるだけであまり攻撃をしてなかったから、必殺技ゲージはあまり溜まってなかったのだろう。
「はぁ、しんどい。
ホロメンの人と戦えるのはいいけど、一癖も二癖もあるキャラばかり。
でも、終わらないと出られない。
やっぱ、終わるなら勝って終りたいからね」
私はその場に座って次の場所に向かう準備をした。
今度は街中?
といってもめちゃくちゃ広い道路に私は立っていた。
こんな広い一車線なんて現実にないなぁ。
両端に並ぶビルディングは明かりは付いていても、人の気配が全くない。
「へぇ、まさか、プレイヤーさんが混ざっているなんて」
ぼ~とビルディングを眺めていた私に横から声がかけられた。
そちらを見るとまるで映画に出てくるような銃士姿の女性。
青い帽子の下から顔は見えるけど…
白のベネチアンマスクではっきりと分からない。
「よく私がプレイヤーだと分かりましたね」
槍を銃士に向けて構えた。
「なんとなく、雰囲気がお仲間と違ったので」
銃士はレイピアを取り出して構えた。
「名乗りをあげた方がいいですか?」
「ふふ、謎仮面とだけ言っておきましょうか」
「あ、フブキちゃん?」
「ええ!!」
私の言葉に謎仮面、フブキちゃんが驚きと残念そうな声をあげる。
「せっかくシリアスっぽくしてたのに」
フブキちゃんがプンプン怒る。
「あ、すいません。
でも、推しなんで」
私はそう言って頭を下げる。
「え?
私のファンの方?
あ、こちらこそ、いつもありがとうございます」
フブキちゃんも頭を下げる。
「いえいえ、こちらこそ」
「いやいや、こちらこそ」
しばらく頭下げ勝負を繰り返し…
私達はまた、お互いに武器を構えた。
「と言うわけで」
「はい」
構えに隙はまったくない。
「名乗りがまだでした。
プレイヤー名 ◯◯◯ 槍使い」
フブキちゃんが頷く。
「【ホロライブワールド】
第一世代組特殊型 白上銃士隊隊長 白上フブキ」
私はクスリと笑う。
白上銃士隊は設定。
なりきってる、フブキちゃん。
「では」
『勝負!』
出し惜しみなんて出来ない。
私は開始の言葉と同時に一歩踏み出し、呀突を放つ。
ガ!
しかし、呀突はフブキちゃんの赤い特殊なエフェクトの突きによりパリィされる。
さすが、ホロメン。
そのまま硬直終わりに小攻撃からのコンボ。
これもフブキちゃんにパリィや避けられて不発。
そして、コンボの切れ目にカウンターの攻撃。
でも、私もこれまでたくさん見てきた。
ガ!
カウンターをパリィ。
フブキちゃんの口元が少し上がった。
笑っている?
だめだ、攻撃に集中しないと。
フブキちゃんの攻撃はまだ続いてる。
カウンターからのコンボ。
私はフブキちゃんの動きを見てパリィを狙う。
ガ、ガ、ガ!
トン
フブキちゃんがバックステップで距離をとった。
「やりますねぇ」
その声は嬉しそうだ。
「私の全ての攻撃をパリィできているわけではないけど、8割がたできてました」
「まだまだ、貴女達には追い付きません」
私は苦笑して答える。
「それはそうですよ。
ある意味私達はチート使ってるのと同じですから」
「え?」
もともとホロメンの人達はチートだけど…
「あ、能力がって事じゃないですよ。
ゲームをしている時点で私達の能力は同じようなものです。
ただ、操作方法が事なります。
私達ホロメンはAIですから、このキャラからの視点ともう一つ、全体を見る視点。
第三者の視点の2つを同時処理してます」
「ええ?」
「ま、戦いに集中すればする程、視野は狭くなりますけど」
なるほど。
それで、細かな動きをよりはっきりと感じてパリィできてたのか。
「確かにチートですね」
「はい。
でも、キャラ視点だけの◯◯◯さんが、ここまでの高確率のパリィしてくる方が、ある意味私達よりチートです」
そう言ったフブキちゃんはふふっと笑う。
「ありがとうございます」
正直に嬉しい。
推しに直に誉められるなんてほとんどない。
だから、私は自分の全力を越える為に前に出た。
下段への小攻撃から胴への中攻撃。
しかし、フブキちゃんにはパリィされる。
でも、構わない。
私はコンボを続ける。
コンボ終わりに、フブキちゃんのカウンターからのコンボ。
なんとか防ぎながら、私もコンボの切れ目にカウンターからのコンボ。
お互いコンボの打ち合い。
コンボとパリィの打ち合いで、金属音がビルディングの街に響く。
だいぶ慣れてきた。
でも、決定打を打ち込めていない。
HPもパリィ成功回数の多いフブキさんに比べて私はかなり減ってる。
必殺技ゲージはほぼ満タン。
仕掛けるしかない。
「はぁぁぁぁ!」
私は下段を混ぜたコンボを繰り出す。
フブキちゃんの癖も分かってきた。
コンボの切れ目。
フブキちゃんがそれに合わせてカウンター
待ってた!
私はその切れ目をキャンセルするかのように、フブキちゃんのカウンターに呀突を合わせた。
一瞬、目が大きく開くフブキちゃん。
そして、私の呀突はフブキちゃんにヒット…
「く!」
せず、キャンセルバースト。
私は後方へと吹き飛ばされる。
すぐに追い討ちをかける為に距離を詰めるフブキちゃん。
知ってるんだ。
ふっ飛びキャンセル。
なら、やる。
私はすぐにキャンセルして着地体勢。
その場所に合わせてフブキちゃんが突きを放つ。
特殊な赤いエフェクト。
技。
間違いなくフブキちゃんの間合い。
でも!
私は着地と同時にフブキちゃんに向かって攻撃を繰り出した。
これがテレビゲームの『VSアームズ』なら出来ない、槍の刃の部分近くを持って。
「はは」
フブキちゃんが笑う。
「【呀突・螺旋】!」
私の必殺技が、フブキちゃんの技を打ち崩し、フブキちゃんの体にダメージを与えた。
フブキちゃんのHPは?
「心配しなくても貴女の勝ちですよ」
フブキちゃんは片膝を地面に付けて言った。
「キャンセルバーストはさせられたって事かな」
「一か八かでした」
そう、フブキちゃんの必殺技ゲージが溜まっているのは分かっていた。
だから、全力で追い詰めるように技を放った。
そうしたら、フブキちゃんがキャンセルバーストを使ってくれるかもしれない。
本当に賭けだった。
「はぁ、楽しかった」
とさっと地面に座るフブキちゃん。
「私もです」
なんか、稽古をつけてもらったような感じだってけど。
でも、楽しかった。
「もう、対戦相手は半分に減ってるはずだから頑張って」
笑顔のフブキちゃんに、私は頷いた。
「あと、1つ忠告しとくね……」
フブキちゃんが消え、私はまた1人になった。
その場に座って回復する。
フブキちゃんが最後に言った事。
忘れないでおこう。
今度はコロッセオ。
街から抜ける時にトンネルを通り、そして、出た瞬間目の前に現れたのは、円形の闘技場。
観客席が闘技場を囲むように配置してあるけど、観客はいない。
ただ、1人。
観客ではなく、闘技場にこちらに背を向けて立つムキムキな男性がいる。
私はゆっくりと闘技場に上がった。
「来たか」
そう言って振り返ったムキムキな男性は、金色のボサボサに伸ばした髪を、1つに束ねて結ぶ。
こちらに向いた男性が持つのはハルバード。
しかし、男性の体格が良すぎてハルバードが少し持ち手の長いの斧のように見える。
ニカッと笑う逞しい男性、私はその姿を見てつい言葉が出てしまった。
「ムキロゼじゃないですか」
「あれ?
分かっちゃう?」
ムキムキ男性はダンディな声で言った。
「まんまですよ、アキちゃん」
私は槍を構えた。
「そっかぁ、やっぱ、分かるんだね。
確かに今まで会ったみんなにも言われたわ」
上半身は裸。
下はボロボロの布を巻いているだけ。
「あ、ちなみに下着は履いてます」
マッスルポーズをちょこちょこ変えながら、アキちゃんはニカッと笑って言う。
「そんなの気にしませんけど、やっぱりフルダイブですね。
好きなように動けるのは」
私は少し呆れたように言った。
「え?
これは『VSアームズ』の操作方法にあるれっきとした挑発コマンドだよ?」
「え?」
そんなのあったの?
「知りませんでした」
かなりこのゲームやりこんでるのに、知らないコマンドがあるなんて。
「教えてあげましょうか?」
「え、はい、お願いします」
「えっと、コントローラーの…」
「え、あ、はい」
私はアキちゃんにやり方を教わった。
「じゃぁ、やってみて」
「は、はい…って私フルダイブ中ですから」
「あ、そっかぁ」
あはははははと2人で笑う。
「さて、それじゃ、戦いといきましょうか」
アキちゃんが間合いを開けてから野太い声で言う。
「はい、お願いします」
私は槍を構えた。
相手はハルバード。
長さやダメージが大きいダメージ部分はあまり変わらない。
だけど…
アキちゃんが踏み込んでくる。
私はそれに合わせて呀突。
アキちゃんもハルバードを振り上げるようにパリィ。
からの振り落とし。
2段技。
私は何とかバックステップで回避した。
そう、ハルバードは斧の部分がある為に、突きだけでなる振り下ろしにも大きなダメージ判定がある。
すぐにアキちゃんは一歩出て突いてくる。
私は冷静にその攻撃をパリィした。
「すごい。
私達みたいに2方向から見てる訳じゃないのに」
アキちゃんの驚きが素直に嬉しい。
「だてにホロメンの人達を相手にはしてません」
私はアキちゃんにコンボを叩き込む。
アキちゃんはそれを難なくパリィ。
やはり、虚を突くしかない。
私は止まらずコンボを続ける。
笑顔でパリィしてくるアキちゃん。
コンボの切れ目に攻撃を入れるには、アキちゃんのキャラメイクはスピードが遅い。
たぶん、攻撃特化だと思う。
隙を見つけないと、私はもう一歩前に踏み出した。
「それは軽率かな」
え?
アキちゃんの声にはっと我に返る。
しまった、踏み込みすぎた。
私がそう感じた時、アキちゃんも同じく前に出ていた。
そして、コンボを体で受けるアキちゃん。
振り上げられるハルバード。
アキちゃんも防御技を!
「やぁ!!!」
気合い一閃。
アキちゃんの二段斬りが私にヒットした。
「く」
たまらず私はアキちゃんから距離をとる。
防御技は硬直が殆どないから、他の技にすぐに繋げられる。
HPは3分の1ぐらい減っている。
2発目の振り落としに防御が間に合った。
「本当にやるね」
アキちゃんの方は防御技のお陰で減りが少ない。
はぁ、いつもこんな感じだぁ。
槍を構える。
「戦意喪失とはいかない?」
「いつもの事です」
笑う私にアキちゃんも笑う。
「それに、私はここからが強いですから」
踏み込む。
今度は間合いを詰めすぎないように。
咄嗟の動きにも対応できないと負ける。
先程と同じ、コンボを続ける。
しかし、さっきとの違いはすぐに現れる。
アキちゃんが強引に間合いを詰めてくる。
防御技でごり押し!?
振りかぶるハルバード。
バックステップ。
これで間合いは外しているはず。
一瞬アキちゃんがニコッと笑った気がした。
ドガァ!
凄まじい音。
ハルバードが地面を割りその衝撃波が空気の刃になって、私がいた場所を通りすぎた。
「!!」
「隙あり!」
私は斬撃を避けた体勢を戻し、そのまま呀突を放つ。
防げれないアキちゃん。
アキちゃんの硬直が思ってたより長い。
なら、今しかない。
技の硬直キャンセル【呀突・螺旋】
そして、またキャンセル。
三段突きを放った。
技の硬直時間は必殺技で。
必殺技の硬直時間は技で、キャンセル可能。
「きゃぁぁぁ」
ムキムキ男性アキちゃんが吹き飛ぶ。
私の持つすべての技を打ち込んだ。
これで立てられたら…
私は槍を構えたままアキちゃんを見る。
ゆっくりと立つアキちゃん。
立てれるの。
しかし、アキちゃんは私に背中を向けた。
そして、顔だけこちらを向けてニコッと笑い消えた。
最後までかっこよすぎなんですけど。
背中に滅っていう文字が浮かび上がりそう。
『連絡します。
ゲーム内に残ったプレイヤーが3人になりました。
これより、特別ステージに強制召喚します。
その際、HPは満タンになりますのでご安心してください。
では、召喚を開始します』
光の柱が私を包む。
とうとう最後の戦いが始まるんだ。
私は槍をぎゅっと握りしめた。
光が収まる。
そして、私はゆっくりと目を開けた。
「すごい」
周りは空。
ここは空の上?
「へぇ、あなたが相手ですか?」
スーツを着た女性がこちらを見ている。
赤毛のショートヘア。
どこかで見た事がある。
「今回はあなたが残ったんだにぇ」
私の横にみこちゃんが並んだ。
みこちゃんも残ったんだ。
「ええ、運がよかったところもありますけどね」
「じゃ、その運もここで終わり。
覚悟するといいよ、ルイちゃん」
みこちゃんは太刀を構える。
あ、確かに似ている。
私も槍を構えた。
「共闘ですか。
これは大変そうです」
ルイちゃんの獲物はトンファー
パリィをしやすい武器でもある。
ルイちゃんもこちらに向かって構えた。
「共闘するんですか?」
私はみこちゃんに聞く。
「もちろん、まずはルイちゃんに勝たないとね」
みこちゃんはそう言ってルイちゃんを見ている。
「分かりました」
私もルイちゃんを見た。
「では、こちらから行きます」
ルイちゃんはそう言うと、間合いを詰めてくる。
私はルイちゃんの間合いの外から、大攻撃。
ルイちゃんは難なくパリィする。
しかし、みこちゃんが横からルイちゃんに向かって攻撃。
ガ!
ルイちゃんはパリィ。
私は続けて小攻撃からのコンボ。
ルイちゃんはこちらを見ずに片手で攻撃をパリィする。
滅茶苦茶だ。
いくら2方向から見らるといっても、私とみこちゃんの攻撃を同時に片手ずつでパリィするなんて。
「本当に運だけでここまで勝ち上がったんですか?」
私は攻撃の手を休めず言った。
「ええ、もちろん。
私程度では、勝てない相手なんてたくさんいますから」
ガン!
ルイちゃんのパリィで武器を打ち上げられる。
しまった。
すぐに懐に飛び込んでくるルイちゃん。
ドドドド!
「きゃ~」
体全体にルイちゃんのコンボが炸裂する。
一気にHPを持ってかれた。
「やぁ!」
みこちゃんは、背後からルイちゃんに攻撃する。
ルイちゃんはそれを紙一重で避けて、バックステップ。
間合いをとった。
「また、腕をあげてるにぇ」
悔しそうにみこちゃんが言う。
私は立ち上がりみこちゃんの横に立った。
HPは半分をきっている。
「2人で畳み掛けるしかないにぇ」
みこちゃんの言葉に頷く。
今度はさっきみたいなへまはしない。
「それと…」
みこちゃんは私にある事を言った。
私はそれに頷いた。
「じゃ、反撃開始!」
みこちゃんの言葉に、私達は同時にルイちゃんへと向かった。
「は!」
私はルイちゃんに三段突きを放つ。
ルイちゃんはそれをパリィする為に技を出してくる。
そのパリィの終わりを見極めてみこちゃんが、コンボを入れる。
「く」
短くルイちゃんは唸り、みこちゃんの攻撃をいくらか防御した。
その防御したルイちゃんに、私はみこちゃんの横からコンボをいれる。
ルイちゃんはパリィ出来ずに防御する。
私のコンボ中にみこちゃんの技が炸裂。
ルイちゃんがたまらず後ろへ下がった。
しかし、逃がさない。
私はルイちゃんに呀突。
これにはルイちゃんは技でパリィ。
だが、その隙をみこちゃんは見逃さない。
「【円月斬】!」
みこちゃんの必殺技。
下から円を描くような斬撃が、ルイちゃんを襲う。
「キャンセルバースト!」
ルイちゃんは必殺技ゲージを使い、みこちゃんの必殺技を弾いた。
「今にぇ!」
吹き飛びながらみこちゃんが叫ぶ。
私はそのみこちゃんの横を通りすぎ、ルイちゃんの間合いへと入った。
「これで!」
私は【呀突・螺旋】を放つ。
ルイちゃんの胸に突き刺さる必殺技。
さっきのみこちゃんと私との攻撃でいくらかHPを減らしている。
だからこれで…
「やはり、2人でこられると敵いませんね」
ルイちゃんはそう言って笑いながら消えた。
やった。
私は片ひざをついて、肩で息をする。
なんとか勝てた。
「やったにぇ」
そう言ってみこちゃんが、近づいてくる。
「これで今回の優勝賞品はゲットできるにぇ」
背後まで近づいてきたみこちゃん。
そして、私はキャンセルバースト!
「な!」
太刀を振りかぶったまま、みこちゃんが後ろに吹き飛ぶ。
「なんで…?」
吹き飛ぶみこちゃんを追うように、私はすぐに間合いを詰めた。
そして、みこちゃんに向かってコンボを叩き込む。
「ぐ」
みこちゃんはそのまま、床に倒れた。
「はぁはぁ…」
「なんで分かったにぇ」
倒れたまま、みこちゃんが聞いてきた。
「ある人に言われたんです。
もし、最後に私とみこちゃんが残って、2人で共闘した後、背後からみこちゃんが近づいてきたら気をつけてと」
「ふぅ、まさかそこまで正確に助言してくるホロメンがいるなんて」
みこちゃんは空を見上げている。
「後、なんで、キャンセルバースト使えたの?
ルイちゃんに必殺技使ってたよね?」
「それは、みこちゃんを初めから対戦相手と認識していたからです。
このサバイバルモード、対戦相手の数だけ、必殺技ゲージ貯められますよね?」
「はぁ、それも知ってたんだ」
「はい、それも教えてもらいました」
「せっかく優勝できると思ったのに」
「正々堂々来てたら負けてたかもしれないです」
私の言葉に目を見開くみこちゃん。
そして、みこちゃんはにこっと笑って消えた。
『エリア内にいるプレイヤーが1人になりました。
サバイバルモード終了。
優勝者 ◯◯◯』
そして、私の目の前は光に包まれた。
後日談。
家にきちんと優勝賞品が届きました。
【ホロライブワールド】内の美味しい御飯一年間食べ放題。
私はその賞品を見て、くすっと笑ってしまいました。
さ、朝のルーティンに行こうかな。
途中、あの巫女さんに会ったら、御飯を誘ってみよう。
楽しい時間をプレゼントしてくれたお礼を兼ねて。
お待たせしました。
さくらみこちゃんからのイベントとなります。
今回は解析する事が多く長い紹介文になってしまいましたが、最後まで見てくれていただけたら幸いです。
ちなみに、このイベントはみこちゃん以外からも受けられるみたいで、場所も条件も様々なようです。
ただ、共通としてゲーム内ゲーム『VSアームズ』で何かしら功績をあげておかなければいけないみたいですよ。
さて、予告どおり、今回でこの攻略情報も一旦区切りとさせていただきます。
長い間読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
感想をくださった方、すごく励みになりました。
またいつか、十分な情報が集まりましたら、また、新たな形で攻略情報を皆様にお送りさせていただこうと思います。
それでは、長い間お付き合いいただきありがとうございました。
皆様が楽しい【ホロライブワールド】生活をおくれるように。
ホロライブを楽しく推していけるように。
心よりお祈りしております。