ときのそら
「はぁ…やっと」
今日の私は家なのに緊張している。深呼吸をしてから私は時計を確認する。時刻は午後11時30分を指している。
「マネさんのボイス…」
私の目的はもちろん…マネさんのボイス。ちょうど日付が変わる瞬間にホームページのボイス一覧に出る。そしてすぐに買って聞く。
明日の予定的にもじっくりと聞いてから寝ても問題はないし。
ただ発売を待っているだけなのに手汗がいつもよりもヒドイ。それに誰かのボイスをこんな風に待つのは初めての経験も合わさって緊張しちゃっているし。
いつもよりも30分が経つのは遅かったけど…
そして日付が変わったのとほぼ同時にマネさんのマネージャーがボイスが売り出されていた。私はすぐに購入してすぐに聞くことにした。
ボイスの再生ボタンを押す手も震えちゃっている。本当に今までの人生の中でもかなり上位に入るぐらい緊張しちゃっているかも。
また深呼吸をしてから再生ボタンを押した。
『好きですよ』
「ま、まねさん!??」
マネさんは顔でも怖いイメージを持っている人がいると思う。でも、決してそのイメージが間違っている訳じゃなくて…誰かと楽しそうに話しているところは長い付き合いに入る方の私でも見たことはない。
そ、そんなマネさんが…こんな甘い言葉を…。
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星街すいせい
やっとこの日。こんな風に発表されるの今か今かと待つのは久し振りな気分。自分のシングルやアルバムよりも圧倒的に緊張する。
「それにしてもマネさんが…ボイスを出すなんて」
マネさんの性格からしてそういうことが一番大嫌いな人だから。皆で集まった時にいつも…マネさんのボイス出して欲しいよね見たいな話をしたりもよくしたんだよね。まさかそれが叶うなんて思ってもいなかった。
私は…初めてマネさんの声を聞いた時から惚れていた。マネさんはバレていないと思っているかもしれないが、私はマネさんの黒歴史を知っている。これを言ったらマネさんに起こられるから絶対に言わないけどね。
マネさんは昔…ある動画サイトでラジオのようなことをしていたんだよね。
私は偶然…その配信を見たことがあった。今じゃもう見えないのに消されているけど。マネさんの声は本当に良くて…聞いているこっちを夢中にさせる。
だからマネさんに会った時は驚いた。だってあのラジオをやっていた人が自分の目の前にいるんだもん。
それから私はこの日を待ちに待った。マネさんが…
『好きですよ』
その瞬間、私はヘッドホンを投げ捨ててしまった。
「…はぁ…はぁ…はぁ」
なんだよ、これ。私は自分の両手を頬に当てるとすっごく熱かった。
マネさんの声が良いのは分かっていたけど…ここまでの破壊力があるなんて。
「も~~本当に…これじゃあ…もっとマネさんのこと好きになっちゃうじゃん」
『お前のことが世界で一番大好きだ』
「も~むり…」
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夜空メル
メルはマネさんの声が好きなんだよね。それはマネさんがメルたちのマネージャーだった時からよく話してた。
それにメルたちは他の子たちと比べてマネさんとの付き合いも長いんだよね。
メルたちより上のそらちゃんとかからメルたち1期生までの人はマネさんとすっごく関わりが深い。だって今みたいにマネージャーが一人一人に付くようなほど会社も大きくなくて…1期生や今の0期生も含めて全てのマネージャーをしていたのがマネさんだった。
そしてその時のマネさんはいつもよりも…おしゃべりな人でよく私たちのことを支えてくれていた。正直、今から考えれば色々と大変だったはずだよね。10人近くいたら毎回何か問題起きてただろうし。
メルはいつかはこんな日が来てくれると信じてたんだ。
「早く発売されないかなぁ」
そして作業をしながら発売されるのを待っていると…やっとその時が来た。急いで買って、ヘッドホンを用意して聞き始める。
『好きですよ』
「…え………///」
誰かの声で意識が飛びそうになったのは初めての経験。マネさんの声が良いのは分かっていたけど、メルの想像を超えてきた。
『お前のことが世界で一番大好きだ』
聞いた瞬間に…鼻血が出そうになっちゃったけど…どうにかティッシュで抑えた。これは危険だよ。マネさんを本気にさせると…こんなにすごいの。
「…も、もう…だ、だめかも」
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白上フブキ
白上はパソコンの前で待っている。日付が変わる瞬間を今か今かと……。そして日付が変わった瞬間にボイスを買ってすぐに聞き始めることにした。明日はスケジュールがキツキツなんだけど、聞きたい欲を抑えられない。
『好きですよ』
「…………///」
すぐに顔を伏せた。
「マネさんって…ライバーやった方がいいんじゃないかなぁ」
絶対に人気出ると思うけど。こんなに声は良くて女性も男性も虜にする術を持っているのに会うと強面な人というギャップ。
『お前のことが世界で一番大好きだ』
「…だ、だいすき…///」
普段のマネさんを知っていればこんなことを言うようなタイプじゃない事を一番分かっている。だからこそ、この言葉の貴重さ…。
『愛してるよ…子猫ちゃん』
「だ、だめ…これはき、きけん」
その日…白上は気絶して倒れた。
白上の推しがまた一人増えた。