俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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・非一夏アンチものなのに、タイトルを『一なま』にする必要なくない?
→〇タイトル変えました
・週1ペースでしか書けないとか、プロットが煮詰まってない証拠。見切り発車やん
→△何日か寝たら一応最終話は決まったので、それに向かって書いていけばなんとか
……
・前作からの粘着さんが来て萎えた
→◎開き直った

以上の理由から再開しました。


プロローグ

一面真っ白で、見渡す限り何もない世界。

そんな世界に呼ばれて、俺はここにいるはずなんだが――

 

 

「おい」

 

「ぐすん……」

 

俺の目の前には、体操座りしてのの字を書いている、紺色スーツの短髪男がいた。

 

「おい」

 

――ゲシッ

 

「痛った! 何すんだよ!」

 

脇腹の辺りに蹴り入れたら、ようやっと再起動したようだ。

 

「何がじゃねぇよ。お前が俺を呼んだんだろうが、ロキ」

 

「だからって、蹴り入れなくたっていいじゃないかリクさんよぉ!」

 

まったく……これが俺の上司ということになっている神なんだぜ?

 

 

 

外史、知らねぇ奴に簡単に説明すると、要はパラレルワールドだ。

「もし~だったら」「この時~があったら」という想像から生まれた、一種の妄想世界だな。

で、その外史を管理してるのが、目の前で脇腹(俺に蹴られたところ)を押さえて転がってる神・ロキというわけだ。

ちなみに俺は『現地作業員』って呼ばれる存在。神共が外史に干渉すると大事になるから、代わりに俺達みたいなのが送り込まれるって寸法だ。

 

 

 

「で? 何で俺を呼んだんだ?」

 

「実は……」

 

 

ロキの話曰く、新しく生まれた外史・ISの主人公が気に食わなくて、ショウとミナミ(前作のオリ主)を介入させたんだと。

そしたらその主人公――織斑一夏だったか――が酷い扱いになった挙句、馬鹿ロキが勢いで過干渉しちまったせいで死亡、それを知った原作至上主義者の神々が、昼夜を問わず猛抗議。

「原作を大切にしない改悪系なんて反吐が出る!」

「私達の一夏様を汚すな!」

で、根負けした主神(オーディン)がロキに再介入を命令したと。

 

「……はぁ」

 

もうため息しか出ねぇ。なんだこの神共は……。というかロキ、お前はもっと怒られろ。神が外史に干渉しないために、俺達現地作業員がいるんだろうが。

 

「でさ、その抗議した神々の筆頭っていうのが……」

 

「なんだ、お前の知り合いだったのか?」

 

「……ュン」

 

「あ?」

 

「シギュンだったんだよぉ!」

 

シギュン……っておい!

 

「シギュンって、お前の嫁じゃねぇか!」

 

夫婦揃って馬鹿じゃねぇの!?

 

「うう……で、これを渡された」

 

そう言って、ロキは俺に紙切れを渡してきた。えーっと……

 

『オリ主を送る前に 言っておきたい事がある

かなり厳しい話もするが 私の本音を聴いておけ

一夏より先に目立ってはいけない 一夏より後に目立ってもいけない

一夏に会わせるな ハーレム壊すな

出来る範囲で構わないから』

 

「さ〇ま〇しか!」

 

ネタが古ぃよ!

 

「つまり、俺にその外史に介入して、原作主人公に極力接触せずにいろと?」

 

「そういうことらしい……」

 

「拒否する」

 

「即答!?」

 

当たり前だろ。俺だってついさっき別の外史から戻ってきたばっかなんだぞ。少しは休ませろ。

 

「お願いだよリクぅ! 他の現地作業員は出払ってて、お前しかいないんだよぉ!」

 

「うわっ! 縋りつくな! っていうか、ショウとミナミがいるだろ!?」

 

「いいや?」

 

「は?」

 

いやいや、ショウとミナミを介入させて抗議を受けたから、呼び戻したんだよな?

 

「2人が行ってる外史を一旦拡張空間(ローカル)に保持して、大元の世界を時間逆行(ロールバック)、そこから並行世界を創生して接続(ブランチ切ってコミット)したんだよ。だから2人はまだあっち(別の外史・IS)にいるよ」

 

「……外史はSVNか何かか」

 

副音声がバージョン管理ソフトのそれなんだが。

 

「で、また新しく並行世界を作ることになったから、そっちに行ってほしいんだよ」

 

「だから拒否する」

 

「だから何でさ!」

 

「休ませろって言ってんだよ!」

 

「むむぅ……ちなみに、外史・ISってのはこんな世界なんだけど……」

 

なーんかロキが説明し始めたが、俺は行かねぇって……何? 飛行パワード・スーツ? しかも自己進化もするだって? エネルギー源は? どういう装備を積んでるんだ?

 

「……って世界なんだけど――」

 

「行く」

 

「また即答!?」

 

何言ってんだ。そんなの行くに決まってんだろ。自己進化で自身の形状や性能を変化させるマルチフォーム・スーツなんて、見に行かないわけねぇだろうが! っていうか俺にも研究・開発させろ!

 

「ちなみに、リクにはあっちの世界で2人目の男性操縦者になってもらうんだけど――」

 

「いや、別にそれはいらん」

 

「いやいや! それが前提条件だから!」

 

「ちっ」

 

「舌打ち!? 今舌打ちしたよこいつ!?」

 

別に俺が乗れなくても……いや、実際に乗れた方が、ISとやらを作る際にフィードバックしやすいから好都合か。

 

「分かった、それがその外史に行く条件なら、呑めばいいんだろ」

 

「ったく……このメカニック馬鹿」

 

「誉め言葉として受け取っておこう」

 

こちとら、()()()人間だった頃から好きで整備工してたんだ。機械馬鹿で何が悪い。

 

「それで、俺は特に準備なしで行っていいのか?」

 

「うん、あっちへ行くための諸々は、もう済ませてあるよ」

 

そう言ってロキが指を鳴らすと、奴の横に光の塊のようなものが出てきた。俗に言う"外史への扉"ってやつだ。

 

「とりあえず、向こうに行ったら中学生まで若返った状態から始めてもらうよ」

 

「ほう。あの2人は転生したって聞いたが?」

 

前任者(ショウとミナミ)は、北山家とやらの子供として転生したんだろ?

 

「それは、ねぇ……『あっちにいる時間が長いと、一夏様と接触する可能性が増えるじゃない!』って意見がね……」

 

「お前、ホント尻に敷かれてるな……」

 

さっきも、まさかの嫁から旦那への『関〇宣言』だったからな。

 

「ま、後は行ってから考えればいいや」

 

行った先がどうしようもない所だったら、()()()()()整備士にでもなって食い繋ぐさ。

そう思って外史への扉をくぐろうとしたら、

 

「ちょい待ち。最後にこれを見せておかないと」

 

そう言って、ロキがまた紙切れを渡してきた。今度は何だ? 〇霊流しか?

 

「……おいおい、いいのかよ?」

 

「いいのいいの。今回は原作主人公に接触しない想定だから、裏で火遊びしてても問題ないでしょ」

 

そんなことを宣うロキから渡されたのは、

 

『外史・ISで持っていくものリスト』

 

と、表題はガキかとツッコミたくなるものだったが、中身は別の意味でツッコミたくなるものだった。

……書いてあるもの全部、昔俺が行った外史で作ったり手に入れたりした後、他の外史に持ち込めなくてそのまま死蔵してたもんばっかじゃねぇか! もうこれ、ISに組み込めと言わんばかりだろ!

 

「それじゃ、()()期待してるよ」

 

「おう! 楽しんでくるぜ!」

 

ワクワクしっぱなしの状態で、俺は光の中に入っていった――

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

で、外史・ISの世界に着いた途端、俺は血溜まりの中にいたわけなんだが?

見渡す限り、生きてるのは俺だけ。後はみんな、血の池に沈んでるか、ミンチよりひでぇ状態になってた。

おいロキ、さすがにこれはないだろう。

 

そんなことを思っていたら、警察が突入してきて保護されて、そのまま児童養護施設にぽーい。雑すぎね?

一応その養護施設の職員に話を聞けたんだが、どうやら俺と両親(となっている連中)はテロ(しかも犯人はIS絡みの犯罪結社)に巻き込まれて、俺だけが生き残ったらしい。で、他に親類もいないから施設行きになったと。

ロキぇ……いくら突然中学生サイズで介入したからって、もうちょっとやりようあっただろうよ……。

 

ま、まぁ、そんなこんなで俺――宮下陸(みやした りく)――の人生が始まったわけだ。

始まったわけなんだが……

 

 

 

「ISのだ、男性操縦者が現れたんですって!?」

 

「そうそう! それで他にもいないか、全国の男子中学生全員を検査するんだって!」

 

「まさか、この施設の子の中にも……」

 

「「「ないない!」」」

 

始まって……

 

 

 

――キィィィィ……!

 

「「「う、動いたぁぁぁぁぁぁ!」」」

 

「「確保ぉ!!」」

 

「えっ、いや、ちょっま!!」

 

始まって……

 

 

 

「君の身の安全を考慮して、IS学園に通ってもらうことになった」

 

「お、おぅ……」

 

展開早すぎんだろぉがよぉぉぉ!!

 

 

 

……この外史・ISに来て、たった1か月もしない内の出来事だった……。

こっち来る前の、俺のワクワクを返して……。

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