俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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ここから本格的に、原作9巻に入っていきたいと思います。


第99話 ほこ×たて

IS学園はその名の通り、ISの操縦や整備の技術を習得することに特化した学校だ。必然、普通の学校にはないカリキュラムや行事が大量にある。

だが逆に、普通の学校と同じようにある行事も存在する。その一つが、秋の運動会だ。

 

さて、なんで冒頭からそんな話をし出したかと言えば――

 

 

「それでは、出たい種目に手を挙げて下さい」

 

SHR、クラス代表の簪が教壇の前で仕切っていた。内容は、件の運動会の出場種目について。

黒板代わりの大型ディスプレイには、競技種目と出場人数が表示されている。メジャーなところでは100m走や借り物競争、パン食い競争などなど。全員参加の種目もある……騎馬戦はいいとして、軍事障害物競走って何だよ?

 

「マドっちは決めてる?」

 

「ふんっ、私からすれば、児戯にも等しいものばかりだな」

 

「それじゃあ織斑さんは、コスプレリレーで決定」

 

「なぁ!?」

 

デカいこと言った織斑の参加種目が、簪によって強制的に決められた。ってか、コスプレリレーって……

 

「ふざけるな! なんだその頭おかしい種目――」

 

「(^○^)やって?」

 

「(;Д;)……はい

 

あ、撃沈した。というか簪、織斑に怖がられまくって、とうとう開き直りやがったな。

 

「俺はどうすっかなぁ……」

 

「陸は私と二人三脚で決まってる」

 

「あれぇぇ!?」

 

なんか俺も、強制的に決められてたっぽいんだが。

 

「それと陸、借り物競争もよろしく」

 

「あの、俺に選択権は?」

 

「二人三脚、頑張ろうね?(ニッコリ)」

 

「……おう」

 

もう何も言えねぇ……。

 

「それじゃあ私も、借り物競争出るー」

 

「私は100m走」

 

「城戸さん陸上部だから、400m走に出てほしい」

 

「う~ん、本当は私も100m走でお茶濁したかったんだけど、仕方ないな~」

 

俺と織斑を後目に、他の種目がどんどん埋まっていく。

みんな、簪が恐怖政治を敷き始めたことについては無視か?

 

そうこうしている内に、個人種目は全ての枠が埋まった。

 

「それじゃあ、当日は頑張ろう」

 

「「「「お~~!!」」」」

 

ちなみに、なぜみんなやる気なのか。それはこの運動会もキャノンボール・ファストと同じように、優勝クラスには賞品があるからだ。

 

「デザートフリーパス、前のキャノンボール・ファストでもらったのに、まだ欲しいのかよ」

 

「甘いわね宮下君。女の子にとって、スイーツはいくらあってもいいものなのよ」

 

「それにあの時は、マドっちがいなかったでしょ?」

 

どうやら単純に数が欲しいという以外に、織斑にもフリーパスを手に入れさせたいという優しさもあるらしい。

 

「そうなんだが……」

 

奴がそんな、デザート如きで本気になるかぁ?

 

「マドっち、ちょうど運動会が終わった翌日から、食堂でイチゴフェアが始まるんだよ」

 

「そうそう。はい、これチラシ」

 

「これは……いちご大福に、ショートケーキだと……!?」

 

すげぇ目ぇ見開いて、電流流れるエフェクトが。

 

「だから頑張ろうマドっち」

 

「(^q^)し、仕方ないなぁ。そこまで言うなら、私の力を見せてやろう」

 

涎を拭け、馬鹿野郎。本当にお前、元・秘密結社のエージェントかよ? 転校初日とのギャップが激しすぎるぞ。

 

ーーーーーーーーー

 

その日の夜、陸と部屋でのんびりしていると

 

――コンコン

 

「かんちゃ~ん」

 

「本音?」

 

ドアをノックする音と、本音の声が聞こえてきた。そしてドアを開けると――

 

「やぁやぁかんちゃん♪」

 

「……え~っと」

 

そこには、本音を小脇に抱えた篠ノ之博士が立っていた。

 

「束ものほほんも、一体何してんだ……?」

 

私の後ろから現れた陸も、この光景に呆れていた。

 

「二人とも、ちょ~っと付き合って?」

 

「「はい?」」

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

なんだかよく分からないうちに、私達は夜の第1アリーナに連れてこられていた。そしてそこには、先客が。

 

「織斑先生?」

 

「お姉ちゃん?」

 

陸と私の声がハモる。

 

「ったく……束、今回だけだからな」

 

「ありがとちーちゃん! それでチェシャ猫ちゃん、準備お~け~?」

 

「(チェ、チェシャ猫?)準備出来てます」

 

「よ~し!」

 

なんか、3人の間で勝手に話が進んでるんだけど……

 

「いや、俺達にもちゃんと説明を……」

 

「きっかけは、りったんからもらったISデータだよ」

 

「ISデータって、ナインテール・セラフの?」

 

「うん♪」

 

「……陸ぅ?」

 

「俺は悪くねぇ! っていうか、すぐ俺のことを疑うのやめろ!」

 

うっ! 確かにそうかも……

 

「でも、大抵は陸君が爆弾の着火点よね」

 

「だな」

 

「……」

 

あ、お姉ちゃんと織斑先生の追撃でorzった。

 

「それで、本音のISがどうしたんですか?」

 

「もらったその日に目を通したんだけどさぁ……」

 

あ、まずい。篠ノ之博士の目から、ハイライトが消えそう。

 

 

「あんなの絶対おかしいよ!」

 

 

「どうして!? ISには射撃補正やらなんやら色々積まれてるのに、どうして停止物にすら弾が当たらないの!?」

 

「ええ~……」

 

どうやら、ナインテールの荷電粒子砲のことを言ってるっぽいけど……割とストレートに本音をディスってますよね?

 

「いや~照れますな~」

 

そんな中、ISを展開した本音が話の中に入ってくる……ってそこ照れるところじゃないから!

 

「そこで、だ。束が作った補正システムを入れて、布仏が標的に当てられるか試したいと言い出してな。学園側としても、データ採取にちょうどいいと許可した」

 

「はぁ、なるほど……」

 

陸といい本音といい、どうして私の周りには、大天災すら曇らせる強者ばかりなんだろう……。

 

「それで、そのシステムはもう?」

 

「もち! のんたんからOKもらって、インストール済みだよ♪」

 

「のんたん……」

 

本音のあだ名が増えていた。

 

「そろそろ始めましょうか」

 

そうお姉ちゃんが言うと、射撃場とかでよくある的が展開される。ここからの距離は、大体10mぐらい?

 

「それじゃのんたん、束さん謹製システム『お前はもう、死んでいる』を起動して」

 

「は~い」

 

物騒! 何そのシステム名!?

 

「おお~、照準が勝手に動く~」

 

本音が体を左右に動かす。けれど、6門の砲口は的の方を向き続けている。自動で標的をロックオンしてるんだ。これなら……

 

「さあのんたん! 発射だぁぁぁ!」

 

「りょうか~い! え~い!」

 

――ドゴォォォン!

 

発射された弾頭は、標的に向かって一直線に飛んでいき――

 

 

 

フォークボールのように曲がり、的の数cm手前の地面に突き刺さった。

 

 

 

「え?」「は?」「へ?」「んん!?」

 

私、織斑先生、お姉ちゃんの3人は絶句。陸は本音と的を交互に2度見。

 

 

 

「なんでぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 

篠ノ之博士は頭を抱え、その場でブリッジをキメていた。

 

「ごめんなさ~い、外しちゃいました~」

 

そんな中、本音だけが照れたような顔をして頭を掻いていた。

 

 

 

その後、正気を取り戻した博士は

 

「つ、次こそは! 次こそはのんたんを百発百中にしてみせるんだからぁ! あ、それとりったん、太陽光発電モジュールについてちょっと質問投げといたから、あとで返事ちょうだい」

 

という、業務連絡っぽいのが混じった捨て台詞を残して、(突然上空から降ってきた)人参型のロケットに乗って帰って行った。

 

「束の力を以てしても、布仏の呪いは破れないのか……」

 

「織斑先生~、呪いってひどいです~」

 

「いいえ、もはや呪いの領域よこれは……」

 

本音が頬を膨らめせて抗議してるけど、正直私も呪いじゃないかと思った。普通、荷電粒子砲の弾頭ってあんな曲がり方しないから。

 

こうして『絶対的に当てられない本音 VS 絶対命中させる束システム』ほこたて対決は、本音に軍配が上がった。……そんな勝負じゃないんだけど。




簪、開き直る。もう完全に4組の女帝です。(前からそうだったけど)

【悲報】のほほんの射撃下手、大天災を以てしても解決せず。感想欄から構想得ました。どうもです。

マドカは生徒になったけど、オータムはどうなったかって? それは後々……
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