俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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100m走から次の競技、玉打ち落としになります。


第102話 玉打ち落とし! え? 実況と解説?

100m走中に熱中症で倒れたクロニクルを医療テントに運び、しばらくクロニクルに付いているという一夏と別れた帰り道。放送席の前を通ると、そこに座っていた刀奈に引っ張り込まれた。

 

「次の『玉打ち落とし』、陸君参加しないでしょ? 私と解説代わって。ね?」

 

「そういうのって、放送部の人とかに頼めばいいのでは?」

 

もう『玉を入れるんじゃなくて、打ち落とすのかよ』というツッコミはしない。だが、わざわざ俺が解説席に座る意味は無いだろう。

 

「ん~、放送部で私が頼めそうな人って、みんな次の競技に参加するのよ。だから、お・ね・が・い♪」

 

「……仕方ない、分かりましたよ」

 

「良かったぁ! それじゃあ、よろしくね~」

 

俺が了承するや否や、刀奈は玉打ち落としのフィールドに向かって走って行った。

 

「さて、どうしたもんか……」

 

解説って言ったって、何をすればいいのやら……。

 

「……いい機会だ、"やつ"に頼むか」

 

そう呟いて、俺は放送席の椅子に座ると、拡張領域から色々出して準備を始めた。

 

ーーーーーーーーー

 

ミステリアス・レイディを展開した私を含め、ISに乗った選手達が、全自動標的投擲機が設置されたフィールドに集まった。

 

「あ~、やっぱり会長が相手っスかぁ」

 

「そりゃあね、専用機持ちがいるクラスなら、当然そうなるでしょ」

 

「そうっスよね」

 

フォルテちゃんのコールド・ブラッドも、当然参加よね。あとは、イギリスのサラ・ウェルキン。キャノンボール・ファストで入賞していた2学年3人が勢揃いしたわけか。

 

『あー、次の競技は、玉打ち落としです』

 

「あ、会長のカレシっスね」

 

「か、彼氏って……」

 

放送スピーカーから陸君の声が聞こえたと思ったら、フォルテちゃんから揶揄われた。あうぅ、顔が赤くなってそう……。そんな状態でチラッと放送席の方を見ると

 

『実況は1年4組の宮下陸と……』

 

 

『か、解説は、打鉄・陰流のコア人格、ソフィア―でお、お送りします……』

 

 

「「「「はいぃぃぃぃぃ!?」」」」

 

陸君が座っている横に、待機状態の陰流と接続された装置が鎮座していた。そしてその装置から、黒髪ロングの女の子の立体映像が映し出されて……ってそれよりISのコア人格!?

 

「マ、マスター! み、皆さんの視線が怖いですよぉ!」

 

「我慢だ我慢。それに『1度でいいから、物質世界に出てみたいです』って言ってたのはお前だろう。上手い解説を期待する」

 

「プレッシャァァ!」

 

なんか主従漫才してるけど、それどころじゃないわよ!? 『ISコアには人格のようなものがある』って仮説はあったけど、あっさり証明しちゃったじゃないの! 陸君何してくれちゃってんの!?

 

『玉打ち落としでは、中央の投擲機から打ち出される玉を、ISを使って撃つ競技になります』

 

篠ノ之博士の発表の時と同じぐらい宇宙猫になったみんなを放置して、陸君が競技の説明を始める。ちょっと、ちょっと待って……。

 

『た、玉は学年ごとで共有なので、他の選手と狙いが被らないようにするのか、敢えて標的を取り合うのか。戦略がじゅ、重要になると思います』

 

コア人格のソフィアーちゃんも、時々噛みながらも必死に解説をしてくれている。何だろう……もう、どうでもいいかしら。(悟り)

 

『それでは玉打ち落とし、す、スタート』

 

ソフィアーちゃんの開始の合図と同時に、投擲機から色とりどり、大小様々な玉が上空に打ち出される。

 

「いくっスよぉ!」

 

「いきます!」

 

コールド・ブラッドとラファールが、それぞれ射撃用武装を空に、舞い上がった玉に向ける。

 

「簪ちゃんや陸君に、いいとこ見せるわよ!」

 

私も蒼流旋を展開すると、搭載されたガトリングの引き金を引いた。

 

ーーーーーーーーー

 

各学年で3つのフィールドに分かれ、中央の装置から打ち出された玉を、各チームのISが打ち落としていく。

 

「なぁソフィアー、あれっていいのか?」

 

1年のフィールドを見ると、2組の(甲龍)が青龍刀を両手に持って、打ち出された玉に向かって吶喊していった。打ち落としじゃなかったのか?

声が放送に乗るのを気にせず、俺はソフィアー聞いてみた。

 

「近接武装の使用はき、禁止されてないです。ただ、遠距離武装よりは不利になりますが」

 

「だよなぁ」

 

それに加えて、1組の選手が

 

――ピシュゥゥン! ピシュゥゥン!

 

「ちょ、セシリア! あたしの獲物を取るなぁ!」

 

「おほほほ、解説のソフィアーさんも言ってらしたでしょう? 標的を取り合うのも戦略だと」

 

遠距離特化のオルコット(ブルー・ティアーズ)なわけで、完全にアドバンテージを取られている。3組と4組? 申し訳ないが、勝ち目は無さそう。

 

「さて、他の学年は……」

 

2年の方は、刀奈とサファイア先輩、それとウェルキン先輩だったか、キャノンボール・ファストの入賞組が接戦を繰り広げていた。

 

「2学年も、と、取り合いになってますね」

 

「だな。で、3年は……」

 

 

「ちまちま打ち落とすとかかったりぃ! ズバンッといくぜぇ!」

 

 

――ぶわぁぁぁぁぁ!

 

ちょぉ!? ケイシー先輩、上空に火炎放射かましてやがった! 標的を焼き払うつもりか!?

 

「こ、こういうのもアリなんですね……」

 

これには俺もそうだが、ソフィアーも絶句。 他の3年の先輩達、『マジでこれアリなん?』って顔でこっち見んでくれ。というか、そんな炎を上空にばら撒いたら……

 

「きゃああああ! 火の玉が降ってきたぁぁ!」

 

「や、やっべぇぇ!」

 

「ダリルの馬鹿ぁぁぁ!」

 

燃え尽きなかった標的の玉が、次々に3年のフィールドに降ってきた。これはひどい。

 

「る、ルールの改定が必要ですね……」

 

「いや、来年はケイシー先輩みたいな人間いないだろうから、改定するだけ無駄だろう」

 

とりあえず、投擲機には燃え移らないように注意だな。刀奈から聞いたが、あの装置高いって話だし。

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

終了のブザーが鳴る。

 

「さて、これから各クラスの得点発表なんだが……ケイシー先輩が火の玉にした分は、得点になるのか」

 

「き、教師陣の協議の結果、燃え尽きなかった分についてはノーカウントだそうです」

 

『え~!?』というケイシー先輩の声がここからでも聞こえてくるが、そりゃそうだろ。というか、危険行為で失格にならなかっただけ有情だと思うぞ。

 

「け、結果が出ました」

 

ソフィアーがそう言うと、アリーナ上空に投影された大型ディスプレイに各クラスの得点が表示された。

 

「い、1年の得点は、1組、2組、3組、4組の順です」

 

「狙撃系はオルコットに分があったか」

 

ウチのクラスも、実習で射撃が上手いやつを選手にしたんだが、やっぱ代表候補生の相手は荷が重いわな。

 

「そして2年は……楯無さんのクラスは2位か」

 

「ウェルキン選手の精密狙撃で、ひょ、標的を取られる形になった影響です」

 

どうやらサファイア先輩も、そのウェルキン先輩に標的を掠め取られる場面が多々あったらしく、1位が2位以下に大差をつけていた。

 

「そして3年ですが、ケイシー選手はに、2位でした」

 

「マジか」

 

結構玉燃やしてなかったか?

 

「も、燃え残った玉が結構あったので、その分を差し引いた結果です」

 

あ、『それぐらいいいだろ~』ってブー垂れたケイシー先輩が、他の選手からタコ殴りにされてる。火の玉地獄に巻き込んでおいてそんな発言されたら、そりゃキレるわ。

 

「で、確か競技ごとにMVPを発表するんだったよな」

 

ちなみに先の100m走では、凰がMVPを取っていた。100m12秒とか、陸上選手並みのタイムじゃねぇかよ。

 

「玉打ち落としのMVPは、ぜ、全クラス最高得点を出したオルコット選手です」

 

ソフィアーの発表を聞いて、オルコットは『やりましたわぁ!』と叫びながらライフルを手に万歳していた。織斑が学園に入ってきたことで、BT武装を使う者として色々プレッシャーもあったろうし、目に見える実績が欲しかったんだろう。

さて、次の競技は……スプーン競争、普通だな。今の競技があれだった分、余計に。




オリ主、放送席を任されたので、相方のソフィアーを出してみる。学園祭の辺りから全然出番が無かったので、久々に出してみようと思った結果がこれだよ!

ダリルん、標的を焼き払おうとして失敗するの巻。簡易プチメテオとか怖すぎ。

次回、スプーン競争は省略するかさらっと流して、軍事障害物競走がメインになる予定です。
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