俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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すこーし巻きでお送りします。


第103話 軍事障害物競走、そして騎馬戦

玉打ち落としの後、スプーン競争は特に大展開もなく終了した。強いて言えば、熱中症から復活したクロニクルがすげぇバランス感覚を発揮して、途中に設置された大型送風機の妨害をものともせずにトップを独走したことか。

 

「すごいよくーちゃ~~~~ん!!」

 

これには教員用テントで織斑先生の隣に立ってた束もご満悦。オルコットのMVPもあって、現時点の得点は1年1組が他クラスより一歩リードしていた。

 

「さあ、続いての競技は軍事障害物競走です!」

 

「あの~、俺は解説続行ですか?」

 

参加予定の個人競技が全て終わった刀奈と交代するはずだったんだが、なぜかそのまま放送席に居座る羽目になっちまった。

 

「いいじゃない。それにしても、ISのコア人格かぁ」

 

「あ、あの……」

 

「こらこら楯無さん、あんまりジロジロ見んでください。これでもシャイなんですから」

 

「あらそうなの? ごめんなさいね」

 

そう言いながらも、刀奈はニコニコしながらソフィアーを観察し続けていた。だからやめたれって。

 

「それで、障害物競走はいいんですが、軍事?」

 

「それじゃあ、ルールをよく知らない陸君にも分かるように説明するわ。まずはスタート時に、分解されたアサルトライフルを組み立てます!」

 

「は?」

 

刀奈が扇子を向けた先には、確かに分解された小銃が置かれたテーブルが。

 

「次に組み上がったアサルトライフルを持って3mの梯子を登り、そこから5mの鉄骨を渡ります。あ、下にネットが張ってあるから落下しても安心よ♪」

 

「はぁ」

 

「鉄骨を渡り切ったらポールで地上に降りて、地面に張ってある網の下を匍匐で進みます。もちろん、ここまでライフルは持ったままよ」

 

確かに軍事だな。というかこれ、陸上自衛隊の武装走競技会と変わらんのでは?

 

「最後に実弾射撃! 弾丸は1発のみ! ちなみに外したら、スタート地点まで弾を取りに戻ってもらうわよ」

 

「それって、は、外した時点で最下位確定なのでは?」

 

そんなソフィアーのツッコミなんか聞く気がないと言わんばかりに、参加者側が大いに沸く。いや、いいんだけどよ……。

 

「それじゃあさっそく、よ~いスタート!」

 

スタートピストルの音とともに、参加選手が一斉に走り出す……ってちょっと待てぇ!

 

「なんで1組の参加選手がのほほんなんだよ!?」

 

あの束ですら解呪出来なかった、射撃下手の呪いがかかったのほほんが、なぜかこの障害物競走に参加していた。

 

「え~……私も聞いてなかったんだけど……」

 

刀奈も絶句していた。どうやらこいつも知らなかったようだ。

 

「あ、あの、今入ってきた情報なんですが……」

 

「知っているのか雷電(ソフィアー)!?」

 

「ひゃうっ! えっと、どうやら布仏さんは種目決めの時居眠りしていたらしく、気付いた時にはこの軍事障害物競走の枠しか残ってなかったそうです……」

 

「「のほほん(本音)らしい……」」

 

俺と刀奈がため息をつく中、いち早くライフルを組み立てたのほほんが、順調に梯子を登り鉄骨を渡っていく。

 

「さすが次期整備科のエースね」

 

「あいつ、そんな風に呼ばれてたんですか」

 

そうして他の選手がようやくライフルを組み立て終わった頃、のほほんにとっての鬼門が。

 

「さて、問題はここからね」

 

「ですね」

 

「の、布仏選手のこれまでのデータから、的に命中させられる確率は……え、ゼロ? 小数点以下切り捨てでなくて? ええ?」

 

わお、ISコアのソフィアーが混乱してら。1,2回しか撃ったことが無くて命中率ゼロなら分かるが、何百発も撃ってゼロは逆に奇跡だろう。

 

「む~! りったんもたっちゃんも酷いよ~!」

 

頬を膨らませたのほほんが、3つある的の内左端に狙いを定めた。きっと荷電粒子砲と同じように、フォークボールにでもなるんだろうなぁ……。

 

「いっけぇ!」

 

――パァァァンッ

 

案の定のほほんの撃ったライフル弾は、途中スライダーだと言わんばかりのカーブを描き、

 

 

隣の的に当たった。

 

 

「……え?」

 

撃った本人が一番に驚いている。

 

「……楯無さん、これってルール上どうなんです?」

 

「えっと……ルールでは『3つの的の内、どれかに命中させる』としか書いてないから……セーフ?」

 

「やったぁぁ!」

 

「「「「うっそぉ!?」」」」

 

ルンルンでゴールに向かって走っていくのほほんに対して、驚愕した顔の他選手。俺だってビックリだ。このリハクの目をもってしても(ry

 

 

 

その後、こののほほんの記録を抜く猛者が現れることは無く、軍事障害物競走はのほほんがMVPを獲得した。

 

「まさか、奴の記録を抜けんとは……」

 

ボーデヴィッヒが競技終了後に、ピットの陰で目のハイライトを消していたのは内緒だ。現役軍人なだけに、自信あったんだろうなぁ……。

 

ーーーーーーーーー

 

「続いては団体競技、騎馬戦になります」

 

そして俺も引き続き、放送席に居座っている。

 

『陸君の参加競技、午後に集中してるのよね? だから引き続き、お願いね♪』

 

刀奈に体よく仕事を押し付けられた格好だ。

 

「なぁ陸、普通騎馬戦って、女子がするもんじゃないよな?」

 

「おいおい一夏、今のご時世にそんな発言はご法度だぞ」

 

そんな俺の隣には、同じく騎馬戦に参加しない一夏が。さすがに野郎が女子に混じって騎馬戦っていうのは、な。体格から強制的に馬役になるんだろうが、色々問題になる。何が問題かって? 競技後、俺は簪と刀奈に、一夏はハーレムの面々に半殺しにされる。

 

「セシリア・オルコット、参りますわ!」

 

高らかに宣言して、三人組の騎馬にオルコットが乗り込む。

 

「お、織斑さん、オルコットさんの太ももに視線が固定されてます」

 

「なぁ!?」

 

ソフィアーの指摘を受けて、一夏がビクンと跳ね上がる。そしてその拍子に椅子から転げ落ちた。

 

「い、一夏さん……///」

 

「何やってるのよ一夏ぁぁ!」

 

「一夏の……エッチ」

 

「「まったく……」」

 

真っ赤になった顔を手で覆うオルコット。キレる凰。頬を膨らませるデュノア。そして呆れる篠ノ之とボーデヴィッヒ。嘘みたいだろ、これで一夏株、暴落してないんだぜ?

 

「全ての騎馬の準備が出来たようで……こ、ここでボーデヴィッヒ選手、織斑先生からナイフを取り上げられました」

 

「ファッ!?」

 

「ラウラ!? 騎馬戦でどうしてそんなもんが必要なんだよ!?」

 

ソフィアーの言う通り、織斑先生がボーデヴィッヒの体操服の中に手を突っ込み、大型のサバイバルナイフを没収していた。騎馬戦とは(哲学)

 

「あ、あやや、続いて凰選手から青龍刀、篠ノ之選手から日本刀、オルコット選手からスナイパーライフルをボッシュートです」

 

「「これ騎馬戦!」」

 

一夏とハモった。というかそんな長物、どうやって隠し持ってたんだよ……。

 

「デュノア選手は……あ、あれは円月輪(チャクラム)でしょうか?」

 

「シャル、お前まで……」

 

一夏的最後の砦だったデュノアすら、武器を隠し持ってたのか。簪、まさかお前も……

 

「更識選手は……あ、彼女も何か持ってたようです」

 

「簪、お前もかよ……ってぇ!?」

 

織斑先生が簪から没収していた黒い球体、あれはまずい!!

 

「織斑先生ぃぃぃぃ! それ爆弾!!」

 

思わず掴んだマイクに向かって叫ぶと、ギクッとしてこっちを振り向いた織斑先生が、全速力で走ってくる。

 

「宮下ぁ! 無力化しろぉ!」

 

「イエス、マム!」

 

織斑先生から爆弾を受け取り、ロックがかかってるのを確認して拡張領域にシュゥゥゥゥッ! こんなんで超エキサイティィィンしたくねぇよ!

 

「簪ぃ! どうしてお前が試作品の『サイクロプス・ボム』を持ってる! 言えぇ!」

 

「えっと、前に陰流から弐式に武装を移した時に入ってて、つい……」

 

「IS戦以外で持ち出すな馬鹿ぁ!」

 

俺の嫁が、一夏ハーレムの連中より危険分子だったんだが。

 

「ま、マスター、あの爆弾って、広範囲に強力なマイクロ波を発生させて、生物の肉体を内側から爆散させる代物では……?」

 

「「「「ファーッ!?」」」」

 

「宮下ぁ! お前なんてものを作ったんだぁ!!」

 

あれ? なんか怒りの矛先が簪じゃなくて俺に向かってるんだが?

 

『陸君、閉会式の後、OHANASHIがあります』

 

刀奈からも、ISのオープン・チャネルを通して呼び出しを食らった。あ、これ生徒指導室行きですね、分かります。だが解せぬ。

 

「あの~、そろそろ騎馬戦始めていいですか……?」

 

ドタバタ劇が繰り広げられている中、一夏だけが何とか進行しようと頑張っていた。

 

 

 

何とか始まった騎馬戦。下馬評では代表候補生が多い1年1組が圧倒的だったが、ここでも番狂わせが起こった。

 

「フォーメーション、ウィングダブル・スリー! 篠ノ之さんを半包囲!」

 

「くぅ……!」

 

「箒、待ってて!」

 

「今! トレイル・ワン!」

 

「し、しまった!」

 

簪の指示で、あっという間に篠ノ之とデュノアが左右から4組の横列に挟み撃ちされる。その後はあっさりハチマキを取られる2人。

 

 

「さぁさぁ! 私を止められるかしら!?」

 

「やられたっス~」

 

2年は刀奈の乗った騎馬がフィールドを走り回り、他クラスの騎馬を翻弄している。その隙に、友軍が各個撃破する形だ。今さっきサファイア先輩も討ち取られた。

 

 

3年は……

 

「ふはははははっ! オレ最強!」

 

ケイシー先輩が無双していた。その左手には、今まで討ち取ったハチマキの束が。俺の目が悪くなってなければ、一人で1クラス分取ってねぇか?

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

「え、MVPは、3年2組のケイシー選手です」

 

「おっし!」

 

大方の予想通り、ケイシー先輩が騎馬戦のMVPを獲得した。終了のホイッスルが鳴る前に、3年の騎馬を狩り尽くすとかマ?




クロエの隠された才能。このまま出番無いのは可哀想なので、差し込んでみました。

軍事障害物競走、まさかののほほんがMVP。狙わないところに飛んでいく、良くも悪くものほほんクオリティ。

騎馬戦は江戸い。原作でもいっくん、セシリアの尻に目が釘付けでしたし。気持ちは分かる。(オイ

次回は昼食を挟んで、やっとオリ主の出番・二人三脚の予定です。
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