俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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やっとマドカの出番です。そして運動会編も終わりが……

そして評価が赤に戻ってヒャッホイなんですが、この赤成り立てが一番心臓に悪いですね。万年黄色でヘラヘラしていた頃が逆に懐かしい……


第107話 コスプレリレー~デザートフリーパスは誰の手に~

「皆さんお待たせしました! 最後の競技、コスプレリレーでーす!」

 

「結局、最後もこの席に座ることになるんですね」

 

束の拉致から解放されたと思ったら、またここに座らされてるんだが。なんか俺、今日1日の半分近く放送席にいるんじゃ?

 

「なによぉ、お姉さんと一緒は嫌なのぉ?」

 

「放送部の人間はどこ行ったんだと言ってるんです」

 

「『コア人格と操縦者が一緒にいるときのデータが取りたい』っていう、各国政府の要望よ」

 

pezzo di merda!(くそったれ!)

 

「ま、マスター、どうしてイタリア語?」

 

まぁいい、とにかくさっさと競技を終わらせてしまおう。

 

「それで、コスプレリレーって言うのは仮装して走るんですか?」

 

「大体あってるわ。この競技、正式名称は『コスプレ生着替え走』よ!」

 

「は? 生着替え?」

 

「あちらをご覧あれぇ!」

 

刀奈が扇子でさした先には……手を突っ込む穴が開いた箱と、輪っか状のカーテンが。

 

「選手はまず、あの抽選箱から服装を引きます。その後着替えゾーン(カーテンの内側)で着衣して、途中設置してある障害物を突破、ゴールを目指してもらいます」

 

「で、ゴールしたら次の走者に交代と」

 

「ええ。そして第3走者がゴールした時点で順位がつくわ」

 

「足の速さもそうですけど、く、くじ運が思い切り影響しますね」

 

「走りづらい服装引いたら悲惨ねー」

 

ハイヒール履く服とか引いたら、まともに走れんだろうな。

 

「くじには、ど、どんな服装が入ってるんです?」

 

「色々よ。一応服はフリーサイズを用意したけど、ピチピチだったりブカブカだったりしても、そのまま走ってもらうからね」

 

「えげつねぇ……」

 

 

 

「それじゃあ第1走者がスタートラインに立ったようだし、よ~い……スタート!」

 

刀奈の掛け声で、1年の第1走者が一斉に飛び出す。ちなみにウチのクラスの織斑は第3走者、つまりアンカーだ。

 

「先頭は……3組か」

 

3組は知り合いが誰もいないから、コメントに困るんだよなぁ。

 

「さあ、引いた服装は……ミニスカチャイナドレスだぁ!」

 

「こ、こんなの着るのぉ!?」

 

手渡された服を泣く泣く受け取り、ぐるっとカーテンで囲っただけの着替えゾーンへ。その間に、他のクラスも次々にくじを引いていく。

 

「2組は巫女服、4組はナース服、1組は……ビ、ビキニアーマー?」

 

「なんつーもん混ぜてんですかぁ!」

 

「わ、私知らないわよ!?……はっ!」

 

ぐるんっと刀奈の首が生徒用テントの方を向く。すると、そこでカメラを構えていた黛先輩(借り物競争でやりやがった人)がこちらに気付き

 

Σd=(・ω-)ノ

 

「薫子ォォォォ! いつの間にくじに混ぜたァァァァァァ!!」

 

またあの先輩かよ! しかも今回は勝手に混ぜたんかい! しかも、ちゃんと服も用意されてるし……。

 

「う~、すごい恥ずかしいよぉ……」

 

すると、先に着替えていた3組の子がカーテンから出て……うわっ、学園祭の凰並みに攻めたチャイナドレスじゃねぇかよ。あれで走れんのかよ。

 

「3組に続いて、2組と4組もき、着替え終わったようです」

 

2組の巫女服(草履)も4組のナース服(パンプス)も、めっちゃ走りづらそうだな。

 

「うわ~ん! 何この恰好!」

 

「うわっ、エロ!」

 

「楯無さん、直球過ぎ」

 

だが刀奈の言うことも分かる。ベースはただのビキニ水着なんだろうが、そこに手甲と脚甲をつけるだけで、どうしてあんなにセンシティブになるんだろうか。

 

「で、ですが、1組の選手、すごい速いです」

 

「見た目さえ気にしなければ、草履やパンプスよりは走りやすいでしょうから」

 

「というか、さっさと走り切って着替えたいって気持ちで頭いっぱいなんだと思うんですが」

 

1組選手の表情、めっちゃ必死だし。

 

「さあそんなことを言ってる間に、先頭の3組の子が障害物エリアに入ってきたわ!」

 

「障害物……平均台?」

 

「YES! 平均台の上を渡ってもらうわ。あ、ちゃんと台の下にはマットが敷いてあるから転倒しても安心よ」

 

「誰に説明してるんですか」

 

投影ディスプレイにも映ってるだろうに。

 

「ひ~ん! 見えちゃうよ~!」

 

「ス、スリットから下着が見えそうですよ!?」

 

「これは目に毒だな……」

 

あまり見ないように視線を逸らしていると、生徒用テントの方で

 

「一夏、見るなぁぁ!」

 

「いだだだっ! ラウラぁ! 食い込んでる、食い込んでるってぇぇぇぇぇ!」

 

一夏がボーデヴィッヒに手で目隠し……いや、目潰しされていた。南無南無……。

 

「3組が平均台を何とか渡り切る。そして後続もドンドンやってきたわね」

 

「草履はともかく、パンプスで平均台は鬼畜なんだよなぁ……」

 

案の定、ナース服の4組は2組はおろか、1組のビキニアーマーにも抜かれてしまった。

 

「第1走者が全員走り切ったところで、じゅ、順位は3組、2組、1組、4組となっています」

 

「けれど、第2走者のくじ運で、またガラリと変わってくるわよ」

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

第2走者も走り切り、コスプレリレーもアンカー戦に突入していた。

 

「3組、花魁を引いてしまったのが痛かったですね」

 

「そうよねぇ。あの高下駄履いて平均台とかムリゲーもいいところだわ」

 

「に、2組も十二単を引いてしまったせいで、着替えるのに時間がかかってましたし」

 

そのおかげと言ってはあれだが、第1走者では最下位だった4組は2位に浮上、トップの1組を追う形になっていた。

 

「さぁ、私の実力を見せてやろう!」

 

そうしてさっきも言った通りアンカー戦、織斑が自信満々で引いたのは

 

「なんだこれは?」

 

首を傾げながらも、とりあえず受け取った服に着替えた織斑は……

 

「よっしゃーいったろー!」

 

白に近い銀髪のウィッグで片目を隠し、白と紺の制服に青緑のリボンを胸元につけた姿でカーテンから出てきた。それはいいんだが……その太ももにつけた、魚雷発射管っぽい飾りは何だよ?

 

「4組選手が着替え終わって、1組選手との距離を、じ、じりじりと縮めていきます」

 

「先頭を走る1組は、デュノアちゃんね」

 

そう刀奈が実況する通り、1組のアンカーはデュノアだ。しかもその服装は……

 

「この服装、すごい走りづらいよぉ!」

 

どっからどう見ても、白猫の着ぐるみだった。頭の被り物は無いから、平均台は花魁やナースよりマシだろうが、走るのはしんどそうだな。というかデュノア、お前一夏の流し目で鼻血ぶしゃーしてたのに走れるのかよ?

 

「1組平均台を渡り切る! 4組ももうちょっとで……渡り切ったぁ!」

 

デュノアと織斑との差は10mも無い。あとは織斑がその差を詰められるか、その前にデュノアがゴールするか。

 

「ぬおぉぉぉぉ!」

 

「もうちょっと、もうちょっとでゴール……!」

 

二人ともラストスパートをかけ、そして――

 

――ドテェェンッ!

 

「へぶっ!」

 

「おぉぉぉっと! デュノアちゃん、最後の最後で転んでしまったぁ!」

 

やはり着ぐるみで全力疾走は無理があったのか、デュノアが足を引っかけてすっ転び、織斑が1着でゴールした。

するとウチのクラスメイト達が集まってきて

 

「マドっちよくやったぁ!」

 

「ばんざーい!」

 

「な、ちょっと待て! おい!」

 

「「「「わーしょい! わーしょい!」」」」

 

織斑を胴上げし始めたんだが……。あ、2組と3組もゴールして、1組がビリになっちまったか。

 

「うぅぅ……ごめんみんなぁ……」

 

デュノアが半泣きで1組のテントに戻って行く。勝負とはいえ、ちょっと可哀想に思えて――

 

「シャル、転んだけど大丈夫か?」

 

「う、うん、大丈夫……///」

 

一夏に心配されて頭や顔を撫ぜられ、顔を赤くするデュノア。さすがアザトイさん。そして、目が笑ってないクラスメイトに詰め寄られるところまでがセットなのか?

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

そして閉会式。各学年の優勝クラスが発表され、1年は僅差で私達4組が優勝。キャノンボール・ファストに続き、2枚目のデザートフリーパスを手に入れた。……1組の方から、本音の恨めしそうな視線が飛んできてるけど……。

 

「それでは、これでIS学園、秋の運動会を……何ですか?」

 

お姉ちゃんが閉会しようとしたら、山田先生が壇上に上がってきた。なんだろう?

 

「えっとですね、関係者からの要望で、ISによるエキシビションマッチを急遽行うことになりました。更識簪さん、前に出てきてください」

 

「ええ?」

 

なぜか私が呼ばれた。とりあえず言われた通り前に出て、壇上に上がったけど……。

 

「山田先生、簪ちゃんがエキシビションマッチに参加するみたいですけど、対戦相手は……」

 

私ですか? と言いたそうなお姉ちゃんに対して、山田先生は首を横に振って

 

「簪さんの対戦相手は、あちらです」

 

そう言って山田先生が、上空を指さす。

 

「あれは……?」

 

山田先生が指をさした先。正確には、カタパルトからアリーナに入場してきたのは……

 

「織斑先生……!?」

 

訓練用の打鉄とは違うISに乗った、初代ブリュンヒルデだった――




マドカ、シャルロットに競り勝つ。ちなみにマドカが着ていたのは、某お船ゲームの夕雲型16番艦です。(中の人繋がり)

たっちゃん、閉会できず。オリ主が束に拉致られた伏線をここで回収です。以前(ツインドライヴの辺り?)『ちーちゃんを第3世代機に乗せて、簪と互角』みたいなことを書いたので、ならやってみようと。

次回、新旧国家代表が激突します。
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