俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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最近そっちネタばっかで申し訳ない……。


第123話 お姉さんだってデートしたい!

アーリィを織斑先生に押し付けた夜、簪と部屋でマッタリしていると

 

――コンコン

 

「どちらさん?」

 

「私よ」

 

「お姉ちゃん?」

 

ドアを開けた先に、寝間着姿の刀奈が立っていた。露出は少ないが、あまり外を出歩くような姿じゃない。

 

「ちょっと入っていいかしら?」

 

「まぁ、いいけど」

 

「やた♪」

 

おいコラ、入っていいとは言ったが、ベッドにダイブしていいとは言ってないぞ。

 

「お姉ちゃん、まさかここに泊まるために来た……?」

 

「せいか~い!」

 

「おい」

 

「というのはついでで、本当の用事は別にあるのよ」

 

「ついでに泊まる気なんだ……」

 

刀奈よ、妹に呆れられてるぞ。

 

「で? 何の用だ?」

 

「んもぅ、せっかちねぇ」

 

 

「明日、デートしましょ?」

 

 

「……突然だな」

 

「お姉ちゃんらしくない……」

 

「らしくないってなによぉ!?」

 

「ヘタレてない」

 

「簪ちゃん!?」

 

ああ、簪は刀奈のこと、そう思ってたんだな。当然俺もだが。

 

「そ、それで陸君、OK?」

 

「いやまぁ、明日は日曜だし、簪のニチアサに付き合った後は特に用事もないが」

 

「じ~……」

 

簪、そんなジト目で見んな。

 

「簪ちゃんも一緒にデートする?」

 

「行く!」

 

「すごい食いつき!?」

 

提案した刀奈の方が驚くぐらい、簪が前のめりに食いついてきた。

 

「それじゃあ、集合は……」

 

「ニチアサは7時半から9時まで」

 

「なら、10時半にレゾナンス前の広場に集合ね」

 

「いいんだが……まぁいいか」

 

『同じ部屋から出発するのに、わざわざ待ち合わせをする必要はあるのだろうか? 』とは口には出さない。簪と付き合ってから、俺、学んだ。

 

「んふふ~♪ 明日が楽しみだわ~」

 

「それは分かったから、大の字になって寝るな。俺と簪が寝れねぇだろ」

 

「この拠点は私が占拠した~!」

 

「まったく、お姉ちゃん……」

 

ホント、まったくだ。テンション上がってガキっぽい言動しやがって。

 

「こうなったら、陸」

 

「ん?」

 

簪が耳打ちしてくる。……なるほど、それでいくか。

 

「二人とも?」

 

「えいっ!」

 

「うりゃ!」

 

「え、ええ!?」

 

大の字に寝転がる刀奈に、簪と左右から腕ごと抱き着く。さらに足を絡ませて固定、完全に抱き枕扱いだ。

 

「退かないから仕方ない。刀奈にはこのまま、俺と簪の抱き枕になってもらおう」

 

「うん。お姉ちゃんもいつも抱き着いてばっかりだから、たまには陸に抱き着かれてみるといい」

 

「しょ、しょしょしょしょんなっ! 二人とも落ち着いて! ね!?」

 

まさか俺達がこんなことをしてくるとは思ってなかったんだろう。顔を真っ赤にした刀奈が抵抗してくるが、そこは簪と協力してガッチリホールド。

 

「それじゃ、今日はもう寝るかー」

 

「そうだねー」

 

「二人とも!?」

 

慌てる刀奈を放って、簪が部屋の灯りを消す。

 

「ひぃぃぃん! 二人の温もりが~~!」

 

「おい、意外と余裕あるじゃねぇか」

 

「ないわよぉぉ! 恥ずかしさと幸せで頭がどうにかなっちゃいそう!」

 

まるで妄想を振り払うかのように頭を振る刀奈。

 

「「可愛い」」

 

「にゅあぁぁぁぁぁ!///」

 

その夜、刀奈は加虐心をそそられた俺と簪によって弄り倒されたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

翌日、ニチアサ決めてから集合場所の広場で待っていると、つい1時間前まで一緒に仮〇ラ〇ダーを見ていた二人が現れた。

 

「お待たせ~」

 

「待った?」

 

手を振りながらやってきた二人に、俺も手を振り返す。

刀奈は薄い青のニットセーターに黒のフレアスカート、簪は白のプリーツシャツに青い肩ひもスカートという出で立ちだ。

 

「どうかしら?」

 

「おう、似合ってるぞ」

 

「うふふ、ありがとう」

 

「陸も、いいセンス」

 

「そうか? 雑誌に載ってた服装まんまで、面白味はまったくないが」

 

下がダークグリーンのパンツに、上が白のロングTシャツと紺のニットアウターっていう、典型的な服装だ。

 

「それじゃあ陸君、エスコートよろしくね♪」

 

そう言って、刀奈は俺の右腕に腕を絡めてきた。

 

「私も」

 

簪も左腕を絡めてきて……

 

「陸君?」

 

「どうしたの?」

 

「これ、絶対歩きづらいし悪目立ちするだろ」

 

両手に花ってレベルじゃねぇ。好奇や嫉妬の視線に刺されまくること間違いなしだろこれ。

 

「それは仕方ないわね、私や簪ちゃんって美少女と一緒なんだから」

 

「うん、仕方ない」

 

「自分で美少女言うたよ……否定しねぇけど」

 

「そ、そう……///」

 

「お姉ちゃん、そこで恥ずかしがるなら言わなきゃいいのに……」

 

俺の反撃にタジタジになる刀奈に呆れる簪。そんな二人を伴って、レゾナンスの中を巡り始めた。

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

その後、少し早めの冬物を買ったり、最近来るようになったらしいキッチンカーでフライドポテトを食べたりしながら、レゾナンスの中を見て回った。

ここに来るのも3回目ぐらいだが、まだ見てないエリアもあるんだよな。なんつー広さだ。

 

「~♪」

 

そんな中、刀奈はさっきから自分の右手を眺めながらニコニコしていた。

 

「お姉ちゃん、嬉しそうだね」

 

「それはそうよ! やっと私も陸君から()()、もらえたんだもの!」

 

その右手薬指には、さっき買ったばかりのリングがはまっていた。

……簪が付けてて、刀奈には無いっていうのは、なぁ?

 

「今だから言っちゃうけど、ホントは簪ちゃんの右手を見るたびに羨ましかったのよ」

 

「そうだったんだ」

 

「それは悪かったな」

 

「いいのよ。ちゃ~んと私ももらえたわけだし!」

 

そういう刀奈の指のリングには、簪のものより透明度の高い緑色の石がはまっていた。

 

「ねぇ陸、お姉ちゃんのリングの石にも、何か宝石言葉があるの?」

 

「あるぞ」

 

簪の指輪を選んでた時、もし店にラピスラズリが無ければ、この石を買ってたと思う。

 

「え、宝石言葉って?」

 

「私の指輪に付いてるのはラピスラズリ。『永遠の誓い』って意味がある」

 

「おお~! なんかかっこいいわね! それじゃあ私のにも?」

 

「お姉ちゃんの石は……ペリドット?」

 

「いいや、刀奈のはスフェーンって石だ」

 

「聞いたことないわね。それで、この石の意味は?」

 

「それはだな……『永久不変』だ」

 

「永久、不変……」

 

簪の『永遠の誓い』に近い宝石言葉だな。だからこそ候補に挙がってたわけだが。

 

「そっか……でもね」

 

――チュッ

 

「なっ」

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

「この指輪をもらわなくたって、陸君への想いは永久不変よ。もちろん、簪ちゃんへの想いは言うまでもなくね」

 

不意打ちで、刀奈にキスされた。お前、こんな人通りのあるところで……!

 

「大丈夫よ、周りからは見えない角度を狙ってやったから♪」

 

「お前なぁ……」

 

「お姉ちゃん……私もお店の前でハグしたから分かるけど」

 

「したのね……」

 

あったな、そんなことも(第66話)

 

「なんかテンション上がってきたわ! さぁ二人とも、もっと楽しみましょ!」

 

「おいおい」

 

「お、お姉ちゃん、引っ張らないで……!」

 

本人の申告通り、変な方向にテンションの上がった刀奈に俺と簪は腕を引かれ、まだ回ってないエリアに足を向けたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「は~、今日はたくさん歩いたわね~」

 

「うん、結構疲れた……」

 

「それでもこれは買うのな」

 

全エリアの3割ほどを巡った辺りで外が暗くなったため、今日の買い物「デートだってば!」は終了した。

だが、そのままモノレールには乗らず、俺達は少し寄り道をしていた。

 

「一度食べてみたかったのよ、ミックスベリー味」

 

「お姉ちゃん、ミックスベリーの話知ってたんだ」

 

「ええ、でも一緒に食べてくれる相手がねぇ……あむっ」

 

刀奈のリクエストで、あのクレープ屋がある公園まで足を伸ばしたのだ。

ちなみに俺がブルーベリー、簪と刀奈がストロベリーを食べている。

 

「りーくくん」

 

「はいよ」

 

持っていたブルーベリーのクレープを刀奈の方に向けると、顔だけを乗り出してパクついてきた。

 

「ん~! 美味しい!」

 

「陸、私も」

 

「はいはい」

 

手に持ったブルーベリーをメトロノームのように左右に向ける簡単な作業。報酬は時々食べられる簪達の持つストロベリークレープ。

 

「はい陸君、あ~(pipipi!)もう誰よ、こんな時に」

 

俺にクレープを食べさせようとした刀奈だったが、鳴り出した電子音を聞くとそのクレープを俺に持たせて、懐から小型端末を取り出した。……ニットセーターからどう出した?

 

「え~っと……げっ!!」

 

「お、お姉ちゃん? すごい声が出たけど……」

 

ああ、年頃の女が出すのは憚られる声だったな。

 

「ま、まずいわ……」

 

端末から顔を上げた刀奈の顔は、眉がへの字になって口元が引き攣っていた。

 

「それで、何がまずいんだ?」

 

「奴が……」

 

「「奴?」」

 

「ログナー・カリーニチェが……」

 

「ログナー……それって、前ロシア代表だよね?」

 

「ってことは、刀奈の前任者か」

 

そいつがどうしたんだ? と思ってたら、刀奈は端末が落ちるのも構わず頭を抱えだした。

 

 

「あの"狐目年増"が、IS学園に来るのよぉぉぉぉぉ!!」




たっちゃん抱き枕。学園祭の時も簪を抱き枕にしてたし、これで姉妹コンプだね♪

たっちゃん、念願の指輪GET! 石は作中のスフェーン(永久不変)とタンザナイト(気高き者)とで迷いましたが、簪のラピスラズリ(永遠の誓い)に近い方を選びました。


前ロシア代表襲来決定。原作でも11巻でほんのちょっとしか出てないから、うまく書けるか今から不安……。(ならどうして登場させた)
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