そしてUAは20万、登録者数も1000人の大台を突破。これまでご愛顧いただきありがとうございます。
あと何話続くか等は未定ですが、今後ともお付き合いいただければと思います。
というわけで(何が?)、久々の改造回+αです。
――ラビット・カンパニー 社長室
「ああもう! どうして初日でこんなに忙しいのよぉ!」
突然篠ノ之博士に新会社の社長をやるように言われたのが先週。手続きも引継ぎも知らない間に終わっていて、私は週明けにこの『ラビット・カンパニー』の社長室に通された。
そこまでは、百歩譲っていいとするわ。問題は……
「スコール、次の会合は10分後な」
秘書として一緒にこの会社に移ってきたオータムが、小型端末で次の予定を伝えてきた。その内容に、一瞬目眩が……。
「ねぇオータム、私達がここに着任してから、どれぐらい経ったかしら……?」
「今朝就いたばっかだから、4時間ぐらいか?」
「その間、私は何人の人間と顔合わせしたのかしら……?」
「10人は超えてるな」
「やってられるかぁぁぁ!」
4時間で10人!? 世間話じゃないんだから、1人5分やそこらで終わらないのよ!? なのに240分で10人!? 頭おかしくなるわ!
「誰も彼もが、篠ノ之束との繋がり欲しさにやってくっからなぁ」
「そうなのよねぇ……」
あの天才かつ天災の篠ノ之束が興した会社ともなれば、お近づきになりたいと考える輩が大勢いるでしょう。私からすれば地獄だけれど。
「あ、それとその紫兎から伝言があるぞ。『本格的にIS学園に太陽光発電受信アンテナを設置することになったから、決裁よろしく♪』だってよ」
「……」
「スコール?」
「もういやぁぁぁぁぁぁ!!」
私の心、初日で折れそう……。
ーーーーーーーーーーーーー
刀奈達と買い物(デート)をした翌日、俺達(+刀奈)はいつも通り放課後の整備室に集まっていた。
「お姉ちゃん、こっちに来てていいの? 明後日にはログナーさんが来るって……」
「いいのよ簪ちゃん。というか、今だけ思い出させないでほしいの」
「あ、はい」
どうやら現実逃避したくてここに来たらしい。そんなにヤバい奴のか? その前ロシア代表って。
というわけで、久々にISを弄ろうと思ったんだが、のほほんから指摘が入った。
「りった~ん、これ以上弐式を改造しても、公式試合じゃ使えないよ~」
「GNドライブも禁止になっちゃったから、これ以上は難しいと思う」
二人の言うことはもっともだ。弐式の新武装を作っても、どうせIS委員会から嫌がらせ紛いの使用禁止通達が来るだろうよ。
「正直、IS委員会の委員達の喉元に廻転刃刀を突き付けて撤回させたいがな」
「陸、それはアカン」
「かんちゃんかんちゃん、口調がおかしくなってる~」
「んんっ! それと廻転刃刀が何なのかは分からないけど、危ないものだってことだけは分かる」
「陸君、それやったら、逆に締め付けがきつくなるわよ」
「デスヨネー」
さすがに運営を脅すのはまずい。それが原因で簪が出場停止にでもなったら、それこそ本末転倒だ。
「なので、今回はのほほんの方を強化しようと思う」
「本音の……ナインテール・セラフを?」
「もしかして、射撃補正システムが!?」
「いや、それは諦めた」
「ガックシ~……」
いや、さすがにお前の呪いを解呪するのは、俺には荷が重すぎる。だからこそのプランBだ。
「のほほん、前に学園であったハッキング事件、覚えてるか?」
「覚えてるよ~。あの時は大変だったからね~」
「そうねぇ……」
「あれは大変だった……」
のほほんだけでなく、刀奈と簪も眉をしかめる。特に刀奈は油断してたとはいえ、腹に風穴開けられたからな。
「あの時お前のナインテールに装備した『反跳炸裂弾』、あれを使おうと思う」
「おお~!……でもあれ、狭い場所じゃないとダメって言ってなかった~?」
言った。あの弾頭は跳弾しながら目標に近づき、近接信管で爆発する構造だ。だからアリーナみたいな広い空間で使っても、跳弾せず四方八方に散って爆発するだけで終わる。
「だから跳弾する機能は取っ払って、その代わりに……」
俺が改造する内容を話すと、
「すご~い! それならでゅっちー達にも勝てるかも~!」
のほほんは目をキラキラさせて、
「え、エグイわぁ……」
「もうそれ、タッグ組めなくなるよね……」
更識姉妹はドン引きしていた。でも仕方ない、俺にはこれしか思いつかなかったんだ。
ナインテールの改造を……といいつつ、荷電粒子砲の弾頭を換装しただけだから、作業自体は1時間もかからず終わった。
そうなると、次は動作テストになるわけだが。
「というわけで、のほほんと模擬戦してくれ」
「突然やってきて何を言い出すかと思えば……」
第2アリーナで模擬戦をしていた一夏に頼んでみたら、ジト目で睨まれた。
「それ、的に撃つんじゃダメなのか? 模擬戦にする必要あるのか?」
「できれば実践データも欲しいからな。どうしても無理って言うなら諦めるが……」
そう言いつつ、俺は一夏の肩に腕を回して
「一夏、お前がやってくれるなら、報酬を出してもいいぞ」
「は? 報酬って、何言ってんだ?」
「クリスマスプレゼント」
「っ!?」
「あと1か月ちょっとだよな。6人分、いや織斑先生も含めたら7人分か? なかなかの出費だよなぁ」
ニヤニヤしながら一夏の顔を覗き込むと、これからの支出を想像して滝のような汗が流れていた。
なにせ女7人だ。適当な安物で済ますわけにもいかんだろうから、一夏が政府からもらってる額なんかあっという間に吹き飛びかねない。
「俺は少し懐に余裕があるからさぁ、今回手伝ってくれれば、すこーし色を付けてバイト代を出せるんだがなぁ」
「り、陸、お前……」
「どうする? やるか?」
「……やらせて、いただきます」
絞り出すような声だったが、了承は了承だ。さーて試験すっぞー!
「陸、鬼だね……」
「なんだ簪、お前が代わりに「頑張って織斑君」」
「ちくしょう!」
半泣きになりながら、一夏はのほほんの待つアリーナ中央に歩いて行った。
「「「「「二人とも鬼だ……」」」」」
こらこら一夏ハーレム達、そんなこと言うもんじゃないぞ。
「こらこら、そんなこと言わないの。鬼は陸君だけなんだから」
「……」
――バッ! ギュッ!
「みぎゃぁぁぁぁぁ!」
久々に、刀奈にお仕置きアームロックが炸裂した。
「おりむー、よろしくね~」
「ああ、よろしく……陸、給金は弾んでもらうからなぁ!」
一夏の奴、金の力でなんとかモチベを保っているようだ。なら、そのモチベが保ってる内に始めるか。
「それじゃあナインテール・セラフの新武装『雷光』の動作テストに入るぞ」
「りょうか~い。おりむー、いっくよ~!」
「来るなら来い!」
一夏が白式を展開すると、のほほんもナインテール・セラフを展開して、6門の荷電粒子砲の砲口を白式に向ける。
「雷光、はっしゃ~!」
――ドォォォォンッ!
発射された弾頭は、回避行動に入ろうとした白式のやや手前で
外装が弾け、中から大量の散弾がばら撒かれた。
「マジかよぉぉぉ!」
まさかの"面"攻撃に、一夏は回避なんぞ出来るわけもなく、まともに散弾を浴びた。そして
――ドドドドドドッ!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
その散弾全てが爆発し、爆煙の中から一夏の悲鳴だけが聞こえてきた。
そして煙が晴れると、そこにはSE切れで白式が解除され、完全にのびている一夏が。
「ひ、酷い……」
「これはあんまりですわ……」
「「「(コクコクッ)」」」
「陸、これもリミッターが必要」
「だね~」
「というかこれ、公式試合で使えるかあやしいレベルよ……」
とまあ、成果は上々だったものの、簪の言う通りがっつりリミッターを付けての運用となった。
一夏はあの後すぐ目を覚ました。あれ食らったのに、タフだなぁ。
で、約束通りバイト代を払ったら
「な、なぁ。女性物のアクセサリーって、どこで買えばいいか知ってるか?」
と聞かれた。一応俺が知ってる店(簪や刀奈の指輪を買ったところ)を教えてやったが……もし指輪とか買うってなったら、今回の報酬で7人分はきついぞ?
まぁ、そこは一夏の貯蓄と甲斐性に期待しよう。
「これで私も百発百中だ~!」
そして、のほほんの機嫌がめちゃくちゃ良かった。散弾使って百発百中って言えるのか?
スコール、さっそく悲鳴を上げる。そこにおかわりを追加する束、鬼畜である。
やっとのほほんに命中弾が……! 雷光の由来はもちろんあれです。
「超電磁式榴散弾重砲、発射ぁ!」
次回、前ロシア代表訪日。オリ主の運命や如何に。