情報が少なすぎるので、ほぼ想像で書いてます。もしイメージと違っていたらゴメンちゃい。
そして本編とは全く関係ないんですが、☆評価が下がるよりも、お気に入り数が減る方が残念でならない今日この頃。
とある日の放課後。俺は校内放送で刀奈に呼び出しを受けて、第1アリーナに足を運んでいた。簪? だから左腕に標準装備なんだって。
「織斑先生? それにアーリィも」
「やぁリクにカンザシ、さっきのIS実習以来なのサ」
そう、スコールとオータムの後任として、本当にアーリィが講師役として授業に出ていたのだ。ちなみに生徒からの評判も悪くない。教え方はスコールの方が上だが、質問のしやすさはアーリィが上なんだとか。言いたいことは分かるけどな。
「お前達こそ、どうしてここに?」
「私達は、お姉ちゃんに呼ばれて……」
簪と同じように俺も周りを見回すが、刀奈の姿は無い。呼んだ本人がいないってどういうこった。
「それで、二人はどうしてここに?」
「ログナー・カリーニチェがこのIS学園に来るのは、更識姉から聞いてるか?」
「ええ。ってそうか、今日はその日でしたっけ」
「で、私とチフユにも立ち会って欲しいってお願いされて来たんだヨ」
「まぁ、あいつと二人っきりで会いたくは無いだろうな」
「だよネ~」
織斑先生のため息に、アーリィも苦笑顔。ホント、どんな奴なんだよ?
なんて思ってたら
「お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺達がいる場所と反対側のピットから、絶叫しながら猛ダッシュでこっちに向かってくる刀奈と、それを猛追する女が。
「お、お姉ちゃん?」
「なんだありゃ……」
「寂しかったですぅぅぅぅぅ! だから私とアツアツのハグをぉぉぉぉぉぉ!」
「私にその気はないのよぉぉぉぉぉぉ!!」
目がハートマークになってる狐目女が両腕を広げて、半泣きになってる刀奈を追いかけ回す。
「織斑先生、これって……」
「お前達は更識姉がロシア代表になった時のことを知っているか?」
「いえ、全然」
「お姉ちゃんがログナーさんとの試合で勝って、代表の座を奪った、ですよね?」
「それで合ってるヨ。そしてリクは知らなかったのカ……」
「興味ねぇし」
「Oh……」
何絶句してんだよ。バトルジャンキーのお前が言えた義理か。
「まったくお前ときたら……更識妹が言った通り、ログナーを正面から叩きのめして代表の座を得たわけだが……どうも打ち所が悪かったらしくてな」
「それ以来、タテナシLOVEになったってわけサ」
「「ええ~……?」」
俺と簪、ドン引き。叩きのめされてLOVE勢になるとか、どんだけ性癖歪んでんだよ……。
「陸君、助けて~!」
追いかけっこしていた刀奈が、俺の背中に隠れる。っておい、狐目女がこっちに突っ込んでくるんだが!?
「私のお姉さまに何してくれとんじゃァァァァァァァ!!」
ハートマークから殺意の波動に切り替わった目でこっちを睨みつけてくる。怖っ!
そしてこっちに走ってきながらISを展開……っておぉぉぉぉい!!
「生身の人間にISで突っ込んでくるとかマジかよ!?」
「お姉さまとの間に立ちはだかる壁は、ぶっ壊ぁぁぁぁぁす!」
刀奈のミステリアス・レイディにどことなく似たISが、まっすぐこっちに突進して
――ドドドドドドドッ!!
「ぎゃひぃぃぃん!」
横合いから荷電粒子砲を食らって、きりもみにすっ飛んでいった。
「陸、お姉ちゃん、大丈夫?」
どうやら今の砲撃は、打鉄弐式を緊急展開した簪だったようだ。
「おう、平気だ」
「助かったわ。ありがとうね、簪ちゃん」
「さすがだ、と言ってやりたいところだが……」
「これ、どう収拾つけるヨ?」
俺達4人の視線の先には、目を回してぶっ倒れてる狐目女がいた。
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その後、狐目女のISが待機状態になったので織斑先生が没収、そのまま生徒指導室に運び、
「これはあんまりではないデスカお姉さま!?」
パイプ椅子に縛り付けることになった。 ガッタンガッタン揺らすなって、コケるぞ。
「というかお姉さま、そいつは一体何者なんデスカ!?」
「貴女、知らないでIS学園に来たの……?」
「私はここに来たのはお姉さまに会うため! ついでにクレムリンのお使いで、イタリアのアリーシャが教師になったって噂を確認するのが目的デス!」
「政府からの指令をついでにするな馬鹿者!」
――ゴンッ!
「ぎゃい!」
完全に公私混同した狐目女の頭に、織斑先生から鉄拳制裁が飛ぶ。
「それにしてもアリーシャ、本当に学園で教師してたんデスね」
「そうサ。チフユに嵌められたのサ……」
「人聞きの悪いことを言うな。正当な取引だっただろう」
そう言いながら織斑先生、アーリィの恨みがましい視線から目を逸らしてるじゃないですか。
「それで! そこの男は何なんデスカ! というか、IS学園に男がいることがおかしいデスよ!」
「いやお前、知らないのか?」
「何がデス!?」
「……本当に知らないのか? 男性操縦者が現れたって話を……」
「知ってますよ! 貴女の弟の織斑一夏デショウ!? 彼と全然顔が違うじゃないデスカ!」
「ならその後、2人目が現れたのは?」
「……
ロシア語は分からんけど、たぶん俺のことを初めて知ったって顔だな。その証拠に、織斑先生を筆頭に、アーリィも簪も刀奈も呆れた顔をしてるし。
「そこにいるのが2人目の男性操縦者、宮下陸だ」
「陸だ」
「何デスとぉぉ!?」
「私のパートナーでもある」
「何デスとぉぉぉぉぉ!?」
「そして私の(未来の)旦那様よ♪」
「何デスとぉぉぉぉぉぉぉ!?」
最後はほぼ絶叫に近かったな。
「お、おおお、お姉さまに、、そんな相手が……あ、ああああああ」
「お~いログナー、大丈夫カ~?……ダメみたいネ」
アーリィが顔の前で手を振ってみるが、壊れたような声を出すだけで、全く反応がない。
「お姉ちゃん、モテモテだったんだね」
「やめて簪ちゃん。これはノーカンよ」
揶揄う簪に、刀奈が本気で嫌そうな顔をする。
「アリーナでも言ったけど、私にそっちの気はないのよ。しかも向こうの方が五つも年上だし」
「年上なのに『お姉さま』なのか」
「ホントやめて、陸君まで言わないでよ」
「分かった分かった。だからどさくさに紛れて俺の腹筋を触んな」
「あ、バレた?」
ペロッと舌を出す刀奈。まだ余裕あんじゃねぇかよ。おおん?
「それで織斑先生、彼女をこのままロシアに送り返しても?」
刀奈が訊ねると、織斑先生はやや渋い顔。
「そうしたいのは山々なんだがなぁ……ロシア政府から数日滞在させたいと要請があって、学園側も了承済みなのだ」
「え……」
刀奈の顔が、一瞬で青くなる。
「それってつまり、ログナーさんがIS学園に寝泊まりするってことですか?」
「そういうことだ」
「タテナシには可哀想な話だが、これも決定事項なのサ」
「そんな~……」
これから数日間を想像して、刀奈は泣きそうな顔で膝から崩れ落ちた。
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その夜。
「で、今日もここに泊まると?」
「うん」
枕片手に俺達の部屋にやってきた刀奈は、まるで怖い夢でも見て親の寝室に来た子供みたいだった。
「それはいいけど……お姉ちゃん、そこ私の指定席なんだけど」
「今日だけ、今日だけだから!」
「というか、いつから指定席になった」
部屋に入った刀奈は、ベッドに腰かけてた俺の背中に速攻でしがみ付いてきた。震えてるのがこっちにも伝わってるから、怒るにも怒れねぇ。
「あの後、狐目年増を寮の空き部屋に放り込んだんだけど……」
「だけど?」
「寝る準備をしてたら、部屋のドアが開いて、ドアの隙間から……」
『お姉さま❤』
「「ひぃ!」」
思わず簪と一緒に悲鳴を上げちまった。
「ど、どうしてログナーさんが、部屋のドアを開けられたの?」
「ルームメイトの薫子が買収されてたのよぉ! インタビューと引き換えに部屋の鍵を貸すなんて!」
「ああ、あの新聞部の先輩……」
確かにあの人なら、記事のために友人も売るだろうな。(偏見……でもない)
「それで私達のところに逃げてきたんだ」
「そうよぉ……もう二人と一緒じゃないと、怖くて寝れないわ……」
ガクブルしながら俺にしがみ付く刀奈。元々無かった威厳が、完全に消え失せていた。
「だから、二人にお願いがあるの……」
「お願い?」
「その……手、繋ぎながら寝てくれない?」
「……仕方ないなぁ」
「そんなセリフ吐かれたらなぁ」
まず簪が、刀奈の手を取って俺の背中から引き剥がすと、一緒にベッドに倒れ込む。
そして俺も横になると、簪と反対側の手を握る。
「ほらお姉ちゃん、もう安心だよ」
「うん……」
簪が空いた方の手で、刀奈の頭を撫ぜる。見事に姉と妹が逆転してるな。
そうやって簪が撫ぜていると、握った手から伝わってくる震えが徐々に小さくなっていき
「……すぅ……」
隣から、浅い寝息が聞こえてきた。
「刀奈も寝付いたし、俺達も寝るか」
「うん」
子供を寝かしつけた父母みたいなやり取りをしつつ、俺と簪も眠りにつくのだった。
ーーーーーーーーーーーーー
「お姉さまぁぁ……お姉さまぁぁ……」
学生寮の廊下を徘徊するあやしい人影を見た――怯えた生徒が寮監室にやって来たから見回ってみれば、まさかこいつが原因とは……。
「おいログナー! 貴様一体何をやっている!」
「お姉さまぁぁ……あんな男より、私の愛を受け取ってくだサイ……」
ダメだ、私の声が全然聞こえていないようだ。こうなれば仕方ない、実力行使だ。
私は桜花の拡張領域から、予備武装として入れていた
――ゴンッ!
「げふっ!」
峰打ちでログナーを気絶させて、寮内に用意していたこいつの部屋まで担いでいき、掛布団と拡張領域から出した縄で簀巻きにして床に転がした。
「これでよし」
布団で巻いたから、風邪をひくこともないだろう。明日から早朝ランニングを再開したいし、部屋に戻ってさっさと寝るか。
開幕お姉さま・ログナー。叩きのめされてLOVEになるとかやべぇ……と思ったんですが、よくよく考えたらラウラもそうじゃん。(オイ
シャイニング・ログナー。ドアの隙間から、目がハートマークの女が覗き込んで……想像したら普通に怖いですねこれ。
彷徨う亡者・ログナー。ちーちゃんの(IS用)峰打ち食らっても気絶で済むとか、さすが元国家代表、頑丈さが違います。