俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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久々のギャグパートじゃあ!!

次章突入……なのに前章からの続きってパターン、そろそろ何とかしよう?(反省)


ニ学期終盤~冬休み
第139話 帰還


イギリスのヒースロー空港から航空機に乗ること11時間、日が暮れた頃に日本に戻ってきた俺達を待ち受けていたのは、

 

「いっく~ん! おかえり~!!」

 

「た、束さおぐっ!」

 

束の迎えと熱い抱擁(一夏限定)だった。

 

「あ゛~、イチカニウム補給で元気が出るんじゃ~」

 

「姉さん……言いたいことは分かりますが」

 

「分かるのかよ!?」

 

というやり取りをしている間に

 

「皆さん、お疲れさまでした」

 

虚先輩も出迎えに出てきてくれていたようだ。

 

「布仏姉、私達が学園を離れている間に、何かあったか?」

 

「はい、それについて説明いたしますので、生徒会室までお願いします」

 

「分かった。お前たち聞いたな、これから生徒会室に集合だ」

 

織斑先生の号令で、専用機持ち達はぞろぞろと校舎内に入って行った。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「「「「「「女性権利団体が無くなった!?」」」」」」

 

生徒会室で、全員が驚きの声を上げた。

 

「女性権利団体って、亡国機業と繋がってるって以前言ってた……」

 

「前々から『ISに乗れるのは女だけだから、女は無条件で偉い』っていう頭おかしいこと言ってた団体よ。あたしは嫌いだったわ」

 

「そうだね。フランスにも支部があったけど、色々悪い噂が多かったよ」

 

「男だからという理由で冤罪を吹っ掛けまくるって奴だろ? アメリカも連中の息がかかった議員が大量発生して、逆に団体の犯罪を揉み消してたって話を聞いたな」

 

各国の代表候補生が口々に悪く言うぐらいには、最悪な組織ってことだな。最初に聞いた一夏がすげぇ嫌そうな顔してるし。

 

「それで、無くなったってどういうことなの?」

 

「まずは今日早朝、女権団の本部が崩壊しました」

 

「は? 崩壊?」

 

「はい。本部施設が、文字通り"崩壊"しました」

 

虚先輩が投影ディスプレイを出すと、そこには瓦礫の山が映っていた。

 

「これが、女権団の本部、なんですの……?」

 

「崩壊前に何も通信が無かったことから、政府およびIS委員会は建物の老朽化による崩落事故として処理しています」

 

「事故だと? どこからどう見ても、爆破処理されたようにしか見えんぞ」

 

ボーデヴィッヒの指摘を聞きながらチラッと束の方を見ると、向こうも俺からしか見えないようにピースサインを見せてきやがった。つまり、俺が撤収してからあいつが()()したのか。

 

「そして崩壊から1時間後、各国の警察や司法組織宛てに、女権団の犯罪の証拠が送り付けられました」

 

「はぁ!?」

 

「そこから空前絶後の逮捕者が出たそうです。ちなみにこの学園でも、親御さんが逮捕された生徒が複数おります。おそらく、数日中に自主退学するかと」

 

「なんてことだ……束ぇ!」

 

「うぇっ!? 束さん!?」

 

織斑先生の怒声に、束は驚いた(フリをした)声を上げた。

 

「この件、まさかお前が……!」

 

「ええ~、こんな連中、眼中になかったし~。ちーちゃんは束さんに、こいつら相手にする理由があると?」

 

「うっ、そうか……お前ならそう言うか……」

 

興味のないモノはとことん無視する束の性格を知ってるからか、織斑先生は疑うことなく束を犯人候補から除外した。

あながち間違いじゃない。ただ、今回は束が連中を潰す理由があっただけだ。"一夏の身の安全"という、最重要な理由が。

 

「報告すべき内容については以上です」

 

「そうか。では、今日はこれで解散。疲れてるとは思うが、明日も授業がある。遅刻しないように――」

 

織斑先生が締めようとしていたその時

 

 

「リクー! テンペスタの強化を頼むのサー!!」

 

 

バンッと扉を思い切り開けて、アーリィが乱入してきた。

 

「おいアリーシャ! 今重要な話を――」

 

「それより! リクにテンペスタの改造依頼をするのサ! 女権団とかいう馬鹿共が消えて、やっと私の申請が通ったのサ!」

 

「ええっ、そうなんですか!? そ、それじゃあ宮下君、僕もカーネイションの強化依頼を――」

 

「シャルロット、抜け駆けは許さんぞ! 宮下、是非AICの発展案について意見を――」

 

 

「ええいっ! お前達落ち着け!!」

 

 

――ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ!

 

「ぎゃんっ!」「いだっ!」「~っ!」

 

伊仏独の3人は、織斑先生のゲンコツ制裁を食らってへたり込んだ。

 

「まったく、女権団という重しが無くなった途端これか……」

 

ゲンコツを落とした右手を振りながら、ため息一つ。

 

「とりあえず、そういうのは俺にじゃなくてスコールに言ってもらえるか?」

 

「え? どうしてスコール先生……いや、もう先生じゃないか……とにかくあの人に?」

 

 

「いや俺、ラビット・カンパニーに籍置いたから」

 

 

「「「「「「なんだって~!?」」」」」」

 

「陸、お前いつの間に?」

 

「いつって……簪、いつからだっけ?」

 

「スコールさん達が就任した時だから、先月から」

 

「って、どうして簪ちゃんが知ってるの?」

 

 

「陸が籍を置いた時、私の打鉄弐式も担当企業をラビット・カンパニーにしたから」

 

 

「「「「「「なんだって~!?」」」」」」(天丼)

 

「お、おおお、お前っ、そんなこと聞いてな」

 

「エドワース先生に書類提出して、山田先生にも確認してもらいましたけど……」

 

「やまだくん……?」

 

錆びついてギギギと音がしそうな動きで、織斑先生の顔が山田先生の方を向く。

 

「えっと……特に不備もなかったので、普通に受理してエドワース先生が関係部署に送りました……」

 

「真耶ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「わ、私が悪いんですか~!?」

 

織斑先生と山田先生が鬼ごっこを始めたことで、強化依頼の話は有耶無耶になった。有耶無耶というか、俺にするなって話なんだが。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「それで?」

 

久々に寮の部屋に戻ったと思ったら、なぜか俺、簪に正座させられてるんだが?

 

「それで、とは?」

 

「誤魔化さない。イギリスで何があったの?」

 

「何がって、何がだ?」

 

「ご・ま・か・さ・な・い・で」

 

痛てててててっ! お前いつの間に他人の頬を引っ張るキャラになったんだよ!?

 

「やめなさいって簪ちゃん、陸君をイジメても何も出ないわよ」

 

「そう、それ!」

 

「へ?」

 

ビシッと簪に指をさされ、呆けた顔で固まる刀奈。

 

「お姉ちゃん、イギリスから戻ってから陸との距離が縮まってる」

 

「そ、そうかしら?」

 

『気のせい』と書かれた扇子を開こうとして、手元が狂ったのかそのまま床に落ちた。

 

「(か、簪ちゃん鋭い……!)」

 

「お姉ちゃん、陸と何があったの?」

 

「何って……」

 

「言わないと……」

 

「な、何をする気かしら?」

 

 

「お姉ちゃんのこと、『楯無さん』って呼ぶ」

 

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

簪の最後通牒に、刀奈渾身の泣き土下座が発動した。そんなに嫌か。

 

「実は……」

 

「いや刀奈、勝手に話されるとすげぇ困るんだが」

 

何があったって、俺が年甲斐もなく刀奈の胸の中で泣きじゃくったっていう、凄まじく恥ずかしい黒歴史なわけで。

 

「陸も止めるって言うなら……」

 

「な、何だよ……?」

 

 

<●> <●>

 

 

「すんませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

あかん、その目はあかん!

俺の羞恥心が、恐怖心に負けた瞬間だった。

 

 

 

それから、聖剣奪壊が終わった翌日に何があったか洗いざらい喋らされた俺と刀奈。もう二人揃って簪の尻に敷かれてるぞこれ。

 

「二人だけで秘密共有とかズルい」

 

「いや、恥ずかしくて普通言えねぇだろ」

 

「あの~、簪ちゃん?」

 

「罰として、お姉ちゃんはそのまま」

 

「ひどい!」

 

ベッドの上に座ってる俺に簪が抱っこちゃんしている間、刀奈はステイを食らっている。これが罰? 解せぬ。

 

「ぼっちにされる気分を味わってほしい」

 

「それでもこれはあんまりよ~!」

 

両手をワナワナさせてる刀奈。……いや、そこまで?

 

「……クンカクンカ」

 

「だからそれだけは許容しねぇって、いつも言ってるだろ!」

 

胸元に顔を押し付ける簪をベリッと剥がしてそーい! 俺はその勢いで立ち上がって、ベッドの上には簪のみ。

 

「ひどい」

 

「お前の癖の方がひどいわ! 段々篠ノ之になってるじゃねぇか!」

 

「箒ちゃんが癖の代名詞みたいに言ってるわよ陸君……」

 

「そ、それは困る……」

 

「簪ちゃんも、結構ひどいこと言うわね……」

 

――♪

 

誰の着信音……って、俺のか。

 

「はい、もしもし――」

 

 

「アンタこっちにISの強化案件押し付けてんじゃないわよぉぉぉ!!」

 

 

スコールからだった。

 

「こちとら太陽光発電受信アンテナの件で死にそうなのよ! これ以上こっちに案件振ってくんじゃねぇぇぇぇ!!」

 

「落ち着け。口調がオータムになってるぞ」

 

「オータムなら私より先にダウンしたわよ! 点滴打って半日は動けないって、ドクターストップまでかかってるのよ!」

 

束。お前の会社、ブラックなんだな。

 

「あの紫兎に、事務職の人員増やすか仕事減らすか言ってちょうだい! もう本当にカツカツ――」

 

ピッ ツー、ツー……

 

さすがにもう腹いっぱいだから、通話を切ってスマホの電源も落とした。

 

「……もう寝るかー」

 

「そうだね」

 

「そうしましょ」

 

「いや刀奈、また泊まる気かよ」

 

「もちろん♪」

 

会長権限で正式にこの部屋に引っ越そうかしら、とかそろそろ言い出しそうなんだが。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「いっく~ん♪」

 

「……どうしてこうなった」

 

「知らん」

 

教えてくれ千冬姉、どうして俺は今、箒と束さんに挟まれて寝てるんだろう……。

 

「えへへぇ」

 

(うっ、束さんの、大きい……何がとは言わないが)

 

「む~……」

 

(いや箒! 張り合って腕を……ぐはっ)

 

当たってる! 二人とも腕に柔らかいものが当たってるからぁぁ!

どうすりゃいいんだ千冬姉ぇぇぇぇ!!

 

『男だろ、自力で何とかしろ』

 

イマジナリーでも、マイシスターは厳しかった。




イギリスから帰国、そして女権団崩壊を知る。さらに女権団が消えて、とうとうオリ主にISの強化依頼を出せるようになるという。(次回のモンド・グロッソのハードルが)壊れるなぁ……。

簪最強。そしてスコール壊れる。がんばれ♥がんばれ♥

篠ノ之サンド・一夏味。姉妹ど(ここから先は文字がかすれて読めない)
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