俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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久々の改造回、はじまるよ~。

え? 女権団の残党? (みんな挽肉か檻の中になったんで)ないです。


第140話 IS弄り~陸編~

宮下陸は激怒した。必ず、かのラビット・カンパニーの横暴を除かなければならぬと決意した。陸には書類手続きの難しさがわからぬ。陸は、機械馬鹿である。機械を作り、更識姉妹とイチャコラして暮して来た。けれどもモチベに対しては、人一倍に敏感であった。

 

「てめぇスコール! ISの改造依頼全部受けやがったなこの野郎!!」

 

「あら、こっちに手続きを回したんじゃないの。それに対して、依頼を受けて実務を所属している貴方に回す。何か問題でも?」

 

所属してから初めて呼び出されたラビット・カンパニーの社長室でキレ散らかす陸に対して、スコールさんは涼しい顔をしながらエナジードリンクを一気飲みした。

 

……スコールさんに全部丸投げした結果がこれだよ。

ものの見事に陸は、専用機6機の改修作業をするハメになっていた。

 

「一応篠ノ之博士が『いっくんと箒ちゃんの分は束さんがやってもいいよ~』とは言ってたわよ」

 

「いや実際、白式の零落白夜とか紅椿の展開装甲とか、俺でも手に余るからありがたいんだがな」

 

「そうなると、篠ノ之さんを除く一夏ハーレム4人分?」

 

「普通個人に任せる内容じゃねぇぞ……」

 

「そうそう、それが終わったらテンペスタ(イタリア女)の改修もよろしくね」

 

блин(ちくしょうがぁ)!」

 

「なんでロシア語なのよ……」

 

確か前回はイタリア語だったような……。

 

ーーーーーーーーー

 

「というわけで、お前らのISを俺と束が弄ることになった」

 

放課後の第3アリーナ。いつ面が集まってる中で、俺はやる気なさげに宣言した。ぶっちゃけやる気ねぇもん。

 

「宮下はいいとして、姉さんも?」

 

「そうだよ箒ちゃん。いっくんと箒ちゃんのISは、束さんが担当するから」

 

「実際問題、製作者が弄った方が安心だろ?」

 

「え? 箒の紅椿はともかく、俺の白式って倉持技研が作ったんじゃ……」

 

え? 一夏、気付いてねぇの?

 

「むふふ~、実はいっくんの白式は、倉持だっけ? そこでポイされてたのを束さんが動くようにしたものなんだよ~♪」

 

「え、ええ!?」

 

「つまり、倉持技研は一夏の白式を自力で作れなかったってこと……?」

 

「打鉄弐式の人員を引き抜いて、それか……」

 

凰やボーデヴィッヒが呆れるのも分かる。俺だってそれを知った時は呆れたもんだ。いつ知ったかって? 学年別トーナメントの辺りだよ。それが倉持に技術提出を拒否った理由の一つだな。ぜってー宝の持ち腐れになるだろ。

 

「俺も、倉持からそっちに移りてぇ……」

 

一夏が遠い目になった。残念だが、お前は政府の紐付きだからな。俺と違ってそう簡単に鞍替えは出来んだろう。

 

「いっくん、落ち込んでる暇はないぞー。ほら、箒ちゃんも」

 

「え、ええ……。一夏、とりあえず今は」

 

「そ、そうだな」

 

現実逃避から戻ってきた一夏。そして篠ノ之と一緒にアリーナの端でISを展開、束が色々計測し始めた。さて、こっちもボチボチやるかぁ……。

 

「えっと、それで宮下君が、僕達4人の改修をしてくれるってことでいいんだよね?」

 

「ああ。会社が合意しちまった以上、歯車の俺は従うしかねぇな」

 

「そんなに嫌なら、ご自分で断ればよかったでしょうに……」

 

やめろオルコット、その言葉は今の俺に効く。何やってんだよ過去の俺ェ……。

 

「ま、まあいい。それでなんだが……」

 

話を仕切り直して、俺は拡張領域から事前準備したものを取り出した。

 

 

「こんなこともあろうかと! お前ら4人分の改修キットを用意してある!」

 

 

「「「「(;; ゚Д゚)どうして!?」」」」

 

 

「陸、いつの間に用意したの? というか、やる気なかったんじゃ?」

 

「やる気はないが、仕事ならしゃーないだろ。そして実は、アルベールさんに前々からお願いされてたんだよな。デュノア社としてだと周囲の圧力があるから、父親から娘への個人的なプレゼントってことで」

 

「お父さん……」

 

まさか自分の父親が、そこまでやらかすとは思ってなかったんだろう。デュノアが顔真っ赤にして、手で顔覆ってしゃがみ込んじまった。

 

「で、ついでだから弐式改造であぶれた武装を固めて、お前ら用の改修キットも作ったってわけだ」

 

要は簪やデュノアの余りもんだが、強化されるならなんだっていいよな?

 

「というか、フランス大企業の社長と仲がいい学生って……」

 

そこかよ。

 

「頭おかしいですわ……」

 

「ああ、頭おかしい」

 

「おいお前ら、そんなに改修したくねぇのか」

 

 

「「「「よろしくお願いしま~す!」」」」

 

 

なんて現金な奴らだ……。

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

1時間ほどで、改修キットの組み込みは完了した。

 

「さて、さっそく動作確認していくか。まずはオルコット」

 

「はい。ですが、見た目は全くと言っていいほど変わってませんわね」

 

オルコットが首を捻るのも分からんではない。実際見た目は変わってないんだから。

 

「今回ブルー・ティアーズには、精神感応の感度を上昇させるソフトをぶち込んだ」

 

「それは、つまり……」

 

「試しに動かしてみな」

 

「え、ええ……」

 

俺に促されて、オルコットは恐る恐るビットを展開した。そして4基のビットを縦横無尽に動かしていく。

 

「こ、これは……今までより思い通りに動いてくれますわ……!」

 

「動作自体は上々だな。そんじゃ次、レーザーを撃ってみてくれ、BT偏光制御射撃(フレキシブル)でな」

 

「そ、それは……」

 

さっきまでと打って変わって、オルコットの顔色が暗くなった。俺も、お前がフレキシブルを使えないのは知ってるがな。だが

 

「とにかく撃ってくれ」

 

「わ、分かりましたわ……」

 

観念したようにレーザーライフルを構える。そして放たれたレーザーが

 

 

緩いカーブを描いて曲がった。

 

 

「……え?」

 

今見たことを信じられないという顔をするオルコット。

 

「今、曲がりました……?」

 

「ま、曲がった……」

 

隣で見ていた簪も驚いている。

 

「み、宮下さんの助けがあったとはいえ、わたくし、やっとフレキシブルを……!」

 

 

「や、やりましたわ~!」

 

 

おうおう、そんなに喜ばれると、こっちもやった甲斐があるってもんだ。

オルコットのやつ、感動で震えてるが、一旦置いといとくか。

 

 

 

「次は凰だな」

 

「ええ。あたしの甲龍も、見た目はほぼ変わってないわね」

 

「だな。甲龍はどっちかっていうと、ナインテールみたいな改修だからな」

 

「ナインテールみたいって……龍咆を弄ったってこと?」

 

「正解だ。どう弄ったかは、撃ってみれば分かる」

 

「いいわ。見せてもらいましょ」

 

胴体はこっちを向いたまま、肩部の衝撃砲だけを90度外側に向ける。砲身斜角の制限がないってのは、こいつの利点だよな。

 

――ドォォォンッ!

 

そして撃ち出されたのは不可視の砲弾ではなく、白い靄を纏った球体で

 

――カキィィィィンッ!

 

「こ、凍った!?」

 

着弾した地面が、瞬く間に凍り付いた。

 

「これ、冷凍弾?」

 

「ああそうだ……って簪、もしかしてこれ、弐式に積みたかったのか?」

 

「分かる?」

 

分かるって。すっげぇ目キラキラさせてからに。

 

「そ、それで、砲弾を変えただけ?」

 

「んな馬鹿な。甲龍の衝撃砲って、空気を圧縮して砲身を作るだろ? その時に発生した熱エネルギーを再利用できるようにした。で、さらに砲弾からも熱を分捕って、冷凍弾を撃てるようにしたってわけだ」

 

「ね、熱エネルギーを再利用って……それじゃ、前よりも龍咆を撃ちまくれるってこと?」

 

「そうなるな。とはいえ、エネルギーの変換効率はそこまで高くないから、無限に撃てると思われると困る」

 

「そこまで望んじゃいないわよ。けど、これで今まで出来なかった戦術が……いける……いけるわ!」

 

凰もトリップしちまったか。

 

 

 

「次はデュノアだな」

 

「僕のはどっちかっていうと、新武装ってことなのかな?」

 

「ああ。アルベールさん曰く『機体の完成を急いだせいで、武装の開発が遅れてしまってな』ってことらしい」

 

「あの期間で武装も作ってたらビックリ」

 

「確かに」

 

俺の説明に、簪もデュノアも納得したように首を振る。夏休みに設計図売ってからロールアウトまで、3ヵ月なかったからな。そりゃそうだ。

 

「そしてこれが……」

 

「おう。まずはショットガン『タラスク』。以前の『レイン・オブ・サタディ』より口径は小さいが、その分十連装になって連射力は上がってるぞ」

 

「いいね。再装填の隙が少なくなるのは嬉しいよ」

 

そう相槌を打ちながら、拡張領域に入ってる他の武装も確認していく。

 

「次に近接ブレード『ジギル・ハイド』だ」

 

「これ、デュアルブレードって書いてあるけど」

 

「これはアルベールさんからのリクエストでな。近接武器がブレッド・スライサー1本だと心許ないってことらしい」

 

「だからって二刀流とか、使いこなせるかなぁ?」

 

そこはデュノアの力量次第としか。俺はリクエスト通り作っただけですしおすし。

 

「最後はデュアルパイルバンカー『灰色の鱗殻(グレー・スケール)Ⅱ』だ」

 

「ま、またデュアル?」

 

両腕に展開されたパイルバンカーを見て、目が点になるデュノア。ちなみにそれも、アルベールさんのリクエストな。

 

「パイルバンカーでデンプシーロールとか胸熱だな」

 

「やらないよ!」

 

「まっくのうち!まっくのうち!」

 

「更識さん!?」

 

さっきまで黙ってたのに、そこだけノッてくんの?

 

 

 

「最後はボーデヴィッヒか」

 

「ああ。私のレーゲンも、見た目に変化はないな」

 

「レーゲンも甲龍同様、既存機能の強化にしたからな」

 

「なるほど。それで、何を強化したんだ?」

 

「それだ」

 

俺は、レーゲンの右肩部に付いているレールカノンを指さした。

 

「これだと? 察するに、鈴と同じように新型砲弾を入れたのか」

 

「察しが良くて助かる。というわけで、さっそく撃って確認だ」

 

「ああ、分かった」

 

言うや否や、ボーデヴィッヒは誰もいない方を向いてレールカノンをぶっ放した。

 

――ドドドドドドドッ!

 

「……なぁ宮下。これは『榴散弾』ではないか?」

 

「おうよ。のほほんのナインテールで効果はお墨付きだ」

 

「アリーナの地面、結構な広さが耕されたんだが……?」

 

「これでレーゲンも、面攻撃ができるようになったってわけだ」

 

「お、おう……」

 

ん? ボーデヴィッヒのやつ、口元引き攣らせながら固まっちまった。まあいいや。




スコールの逆襲。実際受けたら実働するのは、ねぇ?

専用機改修無双。本当なら、原作6巻でフレキシブル撃てるようになってるんですがね、初見さん。

次回は束編の予定です。
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