俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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素で忘れてました……。


第143話 IS弄り~おまけ~

模擬戦も終わり、改修業務は終了した……と思ってたんだが

 

「私のテンペスタ改修はどうなってるのサァァァァァ!!」

 

「あ」

 

一夏達がいなくなったアリーナにアーリィが突撃してくるまで、すっかり忘れてた。

 

「あ、じゃないのサ!」

 

「簪、今何時?」

 

「もうちょっとで5時になる」

 

「本日の開庁は終了いたしました。またのお越しを――」

 

「ノットお役所ォ!」

 

分かった。分かったから制服の襟掴むなって。

 

「仕方ない……とはいえ、どういう改修するか決めてねぇからなぁ……」

 

「それなら問題ないヨ! 要望はちゃんとあるからサ!」

 

「ほう? どんな要望だ?」

 

「私に今足りないもの、それは――」

 

 

「情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!そしてェなによりもォ——————速 さ が 足 り な い !!」

 

 

「お前が遅い?お前がスロウリィ!?」

 

 

「陸、ノらなくていいから」

 

「はっ!」

 

危ねぇ……簪に止められなかったら『向こう側』を視ちまうところだった……。

 

「それで、元々スピード重視のテンペスタをこれ以上速くしてどうする気なんだよ?」

 

「まだまだ、チフユにスピードで勝てなきゃお話にならないのサ!」

 

「織斑先生レベルの速さって……出来なくはねぇけど」

 

「出来るのサ!?」

 

「ただ……血ぃ吐くことになるけどいいか?」

 

「は?」

 

キラキラさせたアーリィの顔が一変、目が点になった。

 

「血吐くって……それってどうなのサ……?」

 

「大丈夫、簪も通った道だから。で、どうする? やるか?」

 

「うぅぅ……やるのサ!」

 

「あ、あの、アーリィさん? それは本当にやめた方が……」

 

「いいや! カンザシだってそれでチフユとの勝負に勝ったんだろう? なら私だってやってやるサ!」

 

「よし、そこまでの覚悟があるならやってやんよ!」

 

「頼んだヨ!」

 

「ええ~……」

 

簪がなんか言いたげだが、まあいいや。最初は面倒だと思ってたが、すこ~しやる気が出てきたぞぉ!

 

ーーーーーーーーー

 

陸とアーリィさんの暴走から1時間で、テンペスタの改修は終わっていた。

 

「これが……」

 

「おう。計算上は、テンペスタⅡの2倍以上の最高速度を出すことができるぞ」

 

「2倍!?」

 

第2世代機を第3世代機の2倍にするとか、一体どんな魔改造したの……?

 

「それじゃ、まずは動かしてみて――」

 

 

――ドゴォォォォォォンッ!

 

 

陸が喋り終わる前に、アーリィさんのテンペスタはアリーナの壁にめり込んでいた。

 

「リク……#」

 

「俺は悪くねぇ!」

 

うわぁ、すっごいデジャヴ……じゃない。学年別トーナメントの辺り(第24話)で私も通った道だこれ。

 

「陸、これってまさか、GNドライブ積んだ?」

 

「まさか。単純にスラスターを大出力型に換装して(某上級大尉の)リミッターを外しただけ(フラッグカスタム)だ」

 

私の時と全く同じだったから、アーリィさんにドライブ積んだのかと思った。

 

「と、とりあえず、私の想像以上の速さだったのは確かサ……」

 

「満足してもらえたか?」

 

「出来れば、もうちょっと制御しやすければ良かったんだけどネ……」

 

「それは無理。頑張って慣れてくれ」

 

「慣れ……やってやるサ! そしてカンザシから一本取って、チフユと再戦するのサ!」

 

え、あれと私戦うの?

 

「頑張れー。PICの補助があっても最大8Gの旋回Gがかかるが」

 

「え……」

 

やる気を出していたアーリィさんの顔から、一気に血の気が引いた。

8Gって、戦闘機パイロットが耐えられる限界じゃなかったっけ……?

 

「それじゃ、頑張ってくれー」

 

「え、ええぇ……」

 

茫然としているアーリィさんを置いて、陸はさっさとアリーナを出て行っちゃった……。

ごめんなさいアーリィさん。でも私も通った道だから。(2回目)

 

ーーーーーーーーー

 

「というわけで、改修依頼は全部こなしたぞ」

 

翌日、ラビット・カンパニーの社長室で報告する陸に、スコールさんは

 

「貴方……自重って知ってる?」

 

口元が引き攣っていた。

 

「ドイツの大口径榴散弾の時点でもドン引きなのに、8Gかかるテンペスタって何よ……」

 

「後者はユーザーの要望を最大限汲み取った結果なんだが?」

 

「汲み取り過ぎて溢れてるじゃないのよ!」

 

バンバンッと執務机を叩くスコールさん。元テロリストに常識を諭されるって、どういうこと?

 

「あんまり怒ると、小皺が増えるぞ」

 

――ブチッ

 

あ、スコールさんの方から、切れたらダメなものが切れた音がした気が……。

 

「フ、フフフフ……そんなに私をコケにしたいのかしらぁ……」

 

「あ、やべ」

 

陸が揶揄い過ぎて、とうとうスコールさんがキレた。

 

「許さない、許さないわぁ……」

 

「か、簪。これってどうすればいいと思う?」

 

「私に聞かれても……」

 

「お前ら、何やってんだよ」

 

そんな中、オータムさんはコーヒー片手に高みの見学。(ただし、点滴台が横に付いてるのが痛々しいけど)

 

「お仕置きしてあげるわぁ! オータムゥゥゥゥ!!」

 

なんでオータムさん!? そしてオータムさん、飲んでたコーヒーを垂れ流しながら絶句してるんですけど!?

 

「な、なんで私なんだよ!?」

 

「そっちの二人にやったら報復が怖いじゃない!!」

 

「ひでぇ!!」

 

わけがわからないよ。

 

「それじゃ、俺ら帰るなー」

 

「えーっと……お邪魔しましたー……」

 

「お前らぁ! 散々荒らしたまま帰んじゃねぇよ!」

 

「フフフ……オータム……」

 

「ひぃ! スコール、落ち着け! 落ち着けってあひぃん❤」

 

オータムさんの艶声が聞こえた瞬間、私と陸は大急ぎで社長室から逃げ出した。

 

「陸、そろそろ自重しよう?」

 

「ああ……少なくともスコール相手は自重する」

 

さすがの陸も、あのスコールさんは怖かったらしい。

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

ラビット・カンパニーから学園に戻ってきて、寮でのんびりしていたお姉ちゃん(どうして私達の部屋にいるのかは、もう考えないことにした)に話をしたところ

 

「陸君……」

 

すごく悲しそうな目で陸を見ていた。

 

「私のミステリアス・レイディも改修してよぉ!」

 

「お前もかよ!」「そっち!?」

 

思わず、陸と一緒にツッコんでいた。

 

「みんな陸君の手が入ったら、私ピンチじゃない!」

 

「ピンチって……」

 

「これでみんなに負け越すようなことになったら、お姉さんの沽券が!」

 

「「だからそんなものはない」」

 

「二人共ひどいってばぁ!!」

 

しばらくorzってたお姉ちゃんだったけど

 

「そんなこと言う二人は、こうだぁ!」

 

「うぉ!?」

 

「きゃっ!」

 

私達に抱き着いて、そのままベッドに倒れ込んだ。

 

「お姉さんの心の傷を癒すために、二人まとめて抱き枕よぉ!」

 

「ちょ、落ち着け刀奈って力強ぇなおい!」

 

「お、お姉ちゃん、これ寝返り打てないんだけどぉ……」

 

アームロックが使えなければ、陸も私もただの人。お姉ちゃんにガッチリホールドされて、身動き一つ出来なくなっていた。

 

「あ~、二人の体温でいい感じに温かいわ~」

 

「……もういいや」

 

色々諦めた陸が、そのまま寝る体勢に。

 

「そうだね……」

 

私も諦めて寝よう……寝返り打てない状態で、寝付けるかなぁ?

 

ーーーーーーーーー

 

――ドゴォォォォォォンッ!

 

「……なぁ、アリーシャ」

 

「な、何かナ……?」

 

「お前、何をやってるんだ……?」

 

久々に桜花に乗ろうと思って教員の訓練用アリーナに来たら、国家代表が壁に何度も激突する場面に出くわしたんだが、一体どんな顔をすればいい?

 

「わ、笑えばいいサ……」

 

「笑えんわバカタレ」

 

今日日、初めてISに乗った生徒でも壁に激突したりしないぞ。……いや、入学当初の一夏はやったな。ついでに、地面にクレーターも作ったな。

 

「リクに、最高のスピードを所望した結果サね」

 

「操縦者が乗りこなせないスピードとかダメだろ」

 

相手を倒す前に壁への激突だけでSE切れになるとか、笑い話にもならんぞ。

 

「だが、これを乗りこなせるようになったら、チフユに勝てる気がするのサ!」

 

確かに、そのふざけたスピードで動き回られたら、零落白夜を当てられるか怪しいが……。

 

「というわけで、しばらくは特訓あるのみサ!」

 

「まぁいいが……明日の授業に支障がない範囲にしろよ」

 

「分かってるヨ!」

 

――ドゴォォォォォォンッ!

 

「……今日はもう寝るか」

 

なんかもう、やる気が失せた。

帰り支度する間も壁に激突するアリーシャを置いて、私はさっさと寮監室に戻ってビール呷って寝た。




アーリィ、速さを求める。頑張れアーリィ、世界を縮めるその時まで!

スコール、キレる。特に理由のないお仕置きがオータムを襲う!

たっちゃんの抱き枕。以前抱き枕にしたんだから、今回は、ね?


次回、今度こそクリスマス回。
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