俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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ちょっと早い気もしますが、新章に入ります。
この章辺りで完結を目論んでいますが、広げた風呂敷畳むのに失敗して増える可能性も……。
なんで完結時期あれこれ書いちゃったんだ先週の自分めぇ……。

何はともあれ、引き続きお楽しみいただければと思います。


学期末トーナメント
第153話 お勤め明け


「兄貴! 姐さん! お勤めご苦労様です!」

 

「……」「……」

 

5日間の自室謹慎が終わり、久々に1年4組の教室に登校したら、クラスメイト達からこんなこと言われて頭下げられたんだが、どう反応しろと。

 

「というか、女子校のノリじゃねぇだろ」

 

「やっぱりそうだよねー」

 

先頭の生徒がケラケラ笑うと、それで解散とばかりに皆自分の席に戻って行く。

 

「とりあえず、二人とも、久しぶりー」

 

「おう。最初からそうしてくれよ」

 

「うん、あれはない」

 

「あははー。だってねぇ?」

 

「宮下君なら分かるけど、あの優等生更識さんが謹慎処分とか、ちょっとびっくりだったもんねぇ」

 

「おい待てや。俺なら分かるってなんだ」

 

まるで俺が、謹慎処分の常連みたいじゃねぇか。

 

「はーい、みんな席についてー」

 

そうやって久々にクラスメイトとやり取りしていると、エドワース先生が教室に入ってくる。

 

「更識さん、お勤めご苦労様」

 

「先生まで……」

 

「そして宮下君、連帯責任お疲れ様」

 

「いや先生、凹んだ簪そのまんまですか」

 

このクラスは生徒から教師まで、俺達をヤクザにしたいのか。

 

「それじゃあ連絡事項だけど、学年別トーナメントについてね」

 

あ、スルーですかそうですか。

 

「それって、1学期にやったやつですかー?」

 

「ええそうよ。1学期に行ったトーナメントはトラブルがあって中止になっちゃったから、学期末に再度行うことになったの」

 

しかも話を聞くに、今度のは完全な個人戦。今回好評であれば、来年から1学期と3学期でそれぞれトーナメントを行う方針にするらしい。

 

「基本は全員参加だけど、理由があって参加できない場合は、今週中に申告すること。勝手に出場しなかったら、不戦敗扱いで成績にも影響があるから注意してね」

 

「「「「はーい!」」」」

 

さてはて、出来れば序盤から強いやつに当たらないことを祈るか。特に専用機持ちと当たった場合、もう一夏相手でも負ける可能性が濃厚だからな。

あ、そうだ。あいつ荷電粒子砲取っ払ったって言ってたし、何か銃器見繕ってやるか。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「久々のかき揚げうどん……!」

 

「かんちゃん、そんなに飢えてたの~?」

 

「おい馬鹿やめろ、なんか俺が簪に何も食わせてなかったみたいじゃねぇか」

 

昼休みの食堂で、簪がかき揚げうどんのドンブリを抱えて目を輝かせてるのを見て、のほほんが人聞きの悪いこと言いやがった。

 

「え? りったんがご飯作ってたの? かんちゃんじゃなく?」

 

「ずるずる~(目を背けながらうどんをすする)」

 

「かんちゃ~ん……」

 

「ちなみに、楯無さんも朝食のトースト以外は作らなかったな」

 

「ええ~……女尊男卑関係なく、それはどうなの~……?」

 

う~む。やっぱ3食中1食ぐらいはどっちかに作らせた方が良かったか。

 

 

 

 

――一方その頃、生徒会室

 

「くしゅんっ」

 

「お嬢様、謹慎明け早々風邪ですか? まだまだ未決済書類が溜まってるので、ダウンされると困るのですが」

 

「なんでよぉ! 謹慎中も虚に書類持ってきてもらって、処理してたはずでしょぉ!?」

 

5日間何もしてなかったならともかく、なんでまだこんなに溜まってるのよ!?

 

「急遽開催することになった学年別トーナメントの用意で、去年よりやることが増えましたからね」

 

「もぉぉぉぉっ!」

 

唸り声を上げながら、書類をどんどん攻略していく。それでもなかなか減らない書類の山。どうなってるのよぉ。

 

「お嬢様、気のせいか、処理速度が以前より上がってません?」

 

「そうよー。謹慎中に並列思考(マルチタスク)を覚えたからねー」

 

「え? 並列思考って、BT兵器の操作に使う、あの並列思考ですか? イギリスの代表候補生が死ぬ気で会得したという」

 

「そうそれ。私の場合はオルコットちゃんと違って、半日かけてゆっくり覚えたんだけど」

 

それでもVRゴーグルで修練した時は頭痛くなったけど。オルコットちゃんの時は、あれを1時間(1年)で覚えさせたんでしょ? 陸君ってば鬼畜だわぁ。

 

「そんなすごい技能を、書類仕事に使うんですか。すごい無駄遣い感が……」

 

「いいじゃない、減るもんじゃないし。はい終わり!」

 

「あれぇ!?」

 

ふふっ、虚ってば驚いてる驚いてる。私が全力を出せばこんなものよ!

 

「普段からこれくらい仕事をしていただければ……」

 

「うっちゃい!」

 

いつも以上に余計よもうっ!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ほんの5日間の謹慎生活だったけど、放課後のアリーナが懐かしく感じる。

さぁ、久々に打鉄弐式に乗って思い切り飛ぼう。

 

「……で、その結果がこれなのサ……?」

 

うん。悪気はなかった。ただちょっと鬱屈した気分を吹き飛ばそうとしたら、アーリィさんをボコってた。

 

「おかしいのサ……やっと改修したスピード域を乗りこなせるようになったのに、どうしてこんな簡単にボコられるのサ!?」

 

「アーリィさん、スピードを制御するために直線機動ばかりで、動きが読みやすくなってます」

 

これじゃあまるで、1学期の頃の織斑君と変わらない。ただのイノシシ。

 

「俺が今まで陸やみんなにボコられてたのは、あれが原因だったのか……」

 

ほら、織斑君が冷静に分析と反省しちゃってる。

それに比べて、偉そうな言い方だけど、織斑君はこの1年弱の間で成長している。少なくともイノシシからは卒業している。

いつだったか篠ノ之さんも

 

『一夏は忌避していた誘い――フェイントも上手く使えるようになってきている。私もうかうかしてられないな』

 

とか言ってたし。

そんな織斑君はどうしてるかと言うと

 

――ドドドドッ!

 

「ちょっと一夏、アンタなんてもの装備してるのよ!?」

 

「良いだろう? 陸に付けてもらった新装備だ!」

 

白式の左腕に装着された銃口――陸の陰流に付いてるのと同じ、KMFのハンドガン――から吐き出される50口径弾が、甲龍に襲い掛かる。

威力自体はさほどでもないけど、接近するための威嚇射撃には十分らしい。

 

「いっけぇぇぇぇ!」

 

――ズシャァッ!

 

「噓でしょ!?」

 

最後は織斑君お得意の零落白夜が決まり、凰さんのSEが持ってかれて敗北が決定した。

 

「一夏に負けた……くやしぃぃぃぃ!」

 

甲龍を待機状態にした凰さんが地団駄を踏み始めた。いくら想い人とはいえ、ISに乗って1年足らずの人に負けたら悔しいよね。分かる分かる。

 

「よっし! 俺もだいぶ強くなったって実感できるようになってきたぜ!」

 

なんて言ってた織斑君だけど、続くオルコットさんに

 

「やっぱそのレーザーが曲がるのって卑怯じゃね!?」

 

「あらあら、そちらばかりに気を取られていると、こっちが躱せませんわよ」

 

「へ?」

 

――チュドォォンッ!

 

「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

偏光制御射撃で追い立てられたところにミサイルを叩きこまれて、見事なヤムチャになっていた。

 

「一夏のやつ、新武装を喜んでくれるのは嬉しいが、それで油断されてもなぁ」

 

「仕方ない。今までSEを削る装備ばっかりで、やっと気にしなくていい装備が手に入ったんだから」

 

「う~ん、そうなんだが……これで俺が慢心の原因とか難癖付けられも困る」

 

「そんなこと言う人……織斑先生ぐらいしかいない」

 

「私だって言わんわ馬鹿者」

 

――スパァンッ!

 

「あいたぁ!」

 

お、織斑先生……いつの間に?

 

「どうですか、愛しの弟君の動きは」

 

「お前も叩かれたいのか?」

 

「いえ、滅相もありません、教官」

 

真顔で敬礼を返す陸に、織斑先生はため息をひとつ。むぅ、これで叩かれないのに、私が叩かれたのは解せない。

 

「それで、結局は何用で?」

 

「来月頭に行う、学年別トーナメントについてな」

 

「あれ、開催日程決まったんですか」

 

SHRでは、開催時期については何も言われてなかったけど。

 

「ああ、先ほど職員会議で決まってな。明日には掲示板にも張り出される予定だ」

 

「そうなんですか。……それを連絡するのが目的じゃないですよね? まさか、また私は参加不可とか?」

 

キャノンボール・ファスト、合同タッグマッチと、すでに2回も出禁(うち1回は未遂)を受けてるのに、またとか言われたらさすがにグレたい。

 

「いや、今回は出禁にはしない。抽選でお前に当たった生徒はご愁傷様だがな」

 

「(PД`q)陸ぅ……!」

 

「ああはいはい、織斑先生の言い方酷いよなー」

 

陸に泣きつくと、すぐに頭をポンポンと撫ぜてくれる。これすきぃ。

 

「おいコラ私を宮下に甘える口実にするな」

 

「……ちっ」

 

「舌打ちっ!?」

 

「簪、ホント最近お前、色々露骨になってきたよな」

 

「正直になったと言って欲しい」

 

「ああうん、やっぱお前楯無さんの妹だわ」

 

お姉ちゃんと一緒で、全く問題なし。……でもやっぱり、サボり魔とは思われたくないかも。

 

『簪ちゃぁぁぁんっ!?』

 

なんかお姉ちゃんの声が聞こえた気がしたけど、たぶん気のせい。

 

「ただし、一部武装を使用禁止にすることが決まった。そのリストをお前に渡すのがここに来た理由だ」

 

そう言って、織斑先生は四つに畳まれた紙を私に渡してきた。

 

「なになに~?」

 

四つに畳まれた紙を開いて見ると、横から陸も覗き込む。

 

 

使用禁止武装一覧

・GNドライブ

・GNコンデンサ

・GNファング

・拡散レーザー砲

・サイクロプス・ボム

・榴散弾

 

 

「これ全部、陸が作った装備じゃ……」

 

「俺をピンポイントでディスるとかいじめか!?」

 

「当然の対応だ」

 

「(PД`q)簪ぃ……!」

 

あ、私が陸の頭を撫ぜるパターン。これはこれでいいかも……❤




オリ主と簪、シャバの空気を吸う。(オイ

謹慎時の食事事情。別に出来ないわけじゃないけど、自分より出来る人がいたらその人に任せっぱなしになるはよくあります。自分の職場では特に。みなさんの学校や職場ではどうですか?

久々の模擬戦。アーリィにはもう少し頑張ってもろて。
そして一夏の成長度である。ちなみに原作12巻では、シャル(カーネイション装備)と模擬戦して両者SE切れで引き分けになってます。1学期にはラファールにボコられてたのに、成長しすぎじゃね?

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