俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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業務連絡です。
突然出張をぶち込まれたので、明日明後日の更新ありません。
次回更新は来週8/7の予定です。


第157話 成果

その日、IS学園全体を震撼させる出来事が起きた。

 

「これって、VRゴーグルだよね……?」

 

「そう、よね? でも、この数は……」

 

「先生、これって他のクラスにも配るんですか?」

 

そう生徒が言うのも無理はない。なにせ今までクラスごとに3台配布されていたゴーグルが、いきなり30台近く段ボール箱に入って教室に置かれていたのだから。

 

「いいえ。これ全部、ウチのクラス分よ」

 

 

「「「「「「ええぇぇぇぇぇ!?」」」」」」

 

 

この驚きの声が至る所で発生したことで、校舎が比喩でもなんでもなく揺れたのだった。

1年1組の男子生徒曰く、

 

『震度3か4ぐらいあったんじゃないか?』

 

と言ったとかなんとか。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ゴーグルが配布されてから、各部活動は開店休業状態らしい。

1人1台ゴーグルが配られたからか、みんな放課後は寮に戻って訓練に没頭してるらしい。

 

「まさか、これほど好評とは思わんかった」

 

「アンタ、大量に作りすぎよ……」

 

「だからこんなに、人がいませんでしたのね……」

 

「やりすぎだ」

 

「あ、あははは……」

 

トーナメント2週間前。いつ面で食堂で飯食ってたら、一夏ハーレムの面々から集中攻撃を受けたでゴザル。

 

「というか、楯無さんもどうして許可しちゃったんですか……」

 

「面目ない……」

 

「陸のご褒美に目が眩んだ」

 

「ご褒美?」

 

「……///」

 

「い、一体何をしたんですか……?」

 

他方では、篠ノ之が刀奈と簪を追求しようとして、途中で呆れていた。

 

「とはいえ、元々ほとんどの部活がトーナメント1週間前からは休みにする予定だったらしいからな。それがちょっと早まっただけだろ」

 

「そうなのか?」

 

「おう。少なくとも剣道部はそうだ」

 

剣道部だけってこともないだろうから、おそらく一夏が言ってることが正しいんだろう。なら俺は悪くねぇ!

 

「むしろ、みんなが気兼ねなく訓練できるようになったんだから、褒められたっていいだろう」

 

「いやまあ、そうなんだろうけど……」

 

「(これで、完全に学園と本国の予備候補生との差が広がるわね……)」

 

「(下手をすれば、本国の代表候補生より経験豊富な一般生が生まれますわよ、これ)」

 

「(これは、来年以降の入学倍率が恐ろしいことになるな)」

 

「おいコラ、そこの中英独」

 

ヒソヒソ話してるようで、思いっきり聞こえるように話すなコンニャロー!

 

「そういえば、みんなはどの日程で出場することになったの~?」

 

「ああ、それな」

 

のほほんが言うように、今回は個人トーナメント戦のため、とにかく試合回数が多い。

それもあって、当日は第1から第6までの全アリーナを使用する。それでも数日に渡って行うことになってるんだが。

 

「第1と第2が1年、第3,4が2年で、5と6が3年が試合するんだったか」

 

「うん。1試合20分で、2ヵ所で同時に実施して、1学年が約120人だから……」

 

「朝から晩まで試合して、全部終わるのにほぼ3日かかる計算か」

 

オリンピックの体操競技並みの日程だな。

 

「そして20分で決着しなかったら、SEの残量で勝敗を決めるか。こうなると、遠距離でチクチク叩く戦法が有効か?」

 

「どうだろう。私なら開幕瞬時加速してメメントモリで終わらせるけど」

 

「やめたれ。それはさすがに対戦相手が可哀想だ」

 

文字通り秒殺される相手のことを考えろよ。……いや、むしろそんな舐めプは失礼か?

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

陸が作ったゴーグルが配布されて数日。事態はトンデモナイことになっていた。

それに俺達専用機持ちが気付いたのは、IS実習の時間だった。

 

「セシリア、覚悟ぉぉぉ!」

 

訓練機の打鉄に乗った相川さんと、セシリアの模擬戦。

いつもならセシリアが圧勝する、そう思ってたんだが……。

 

「食らいなさい!」

 

――チュィィィィンッ!

 

「うわっとぉ!」

 

「か、躱された!?」

 

「あっぶなぁ」

 

セシリアの偏光制御射撃(フレキシブル)をギリギリとはいえ回避した!? うそだろ!?

 

「そ、そんな、どうして……!?」

 

「VRの中じゃ、散々ビットの偏光制御射撃に落とされたからね。現実世界でお礼参りするために頑張ったんだよ」

 

「ファーッ!?」

 

えぇ!? あのゴーグル、そんな機能まで入れてたのかよ! 配布されてから使ってないから知らなかった……。

一方別の場所でも

 

――ドォォォンッ!

 

「ああもう! いい加減当たりなさいよぉ!」

 

「なーるほどぉ。織斑君はこうやって鈴の攻撃を避けてたのか。でも、やっぱ避けるので精いっぱいだなぁ……」

 

俺がクラス対抗戦でやったのと同じ方法(ハイパーセンサーで空気の流れを見る)で、鈴の衝撃砲を躱していた。

 

「シャルロットさんは高速切替(ラピッド・スイッチ)が鬼門。なら!」

 

「う、うわわわっ!」

 

シャルの対戦相手は接近戦オンリーのゼロ距離を維持し続ける。これじゃあシャルの十八番、銃器の高速切替が使えない。

 

「くそっ! ちょこまかと……!」

 

「だってボーデヴィッヒさんのAICだっけ? 個人戦じゃジョーカーもいいところだもん」

 

逆にラウラの対戦相手は遠距離オンリー。本人が言った通り、AICを警戒した動きだ。

 

「代表候補生対策が、ガッチリされているな」

 

「ああ……。これ、俺や箒もされてるんじゃ……」

 

「おそらくな」

 

今は俺と箒は見学してるが、この後のことを思うと気が重い……。

 

「これは……私も想定外だった」

 

「織斑先生!?」

 

たらーっと頬に冷や汗が流れる千冬姉に、口をアングリさせる山田先生。千冬姉ですら、この流れは想定外だったのか……。

 

 

 

色々対策されていたとはいえ、さすがに訓練機と専用機では性能差があるし決め手に欠けてたから、最終的には専用機組の勝利で終わった。

 

「お、驚きましたわ」

 

「ホント、おっどろいたわぁ」

 

「まさか、訓練機にここまで粘られるとは」

 

「油断してたら負けてたかも」

 

模擬戦を終えたセシリア達も、万一負けたらと冷や汗ものだ。

専用機持ちの代表候補生が、訓練機に負けたとなったら色々まずいんだろう。

 

「次、織斑と篠ノ之」

 

「「は、はい」」

 

さて、俺と箒はどうなることやら……。

 

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

――ドドドドドドッ!

 

「ぜ、全然近づけねぇ!」

 

「だって織斑君に接近戦とか自殺行為だもん!」

 

「こなくそぉっ!」

 

――ドドドドドドッ!

 

「うわっ! 織斑君も撃ってきた!?」

 

同じクラスの岸里さんが乗るラファールからの絶え間ない銃撃に、俺はやりたくもない銃撃戦を繰り広げていた。

弾切れのタイミングを狙って仕掛けようにも、左右でリロードタイミングを上手くズラしてるのか、全然弾幕が途切れやしない。

とはいえ

 

――カチカチッ

 

「やっば!」

 

拡張領域に入ってる弾だって無限じゃない。ましてや同じ銃ばっか使っていれば、その弾だけが先に切れる。

 

「勝機!」

 

――ズシャァァッ!

 

「うわーん! 負けちゃったー!」

 

な、なんとか零落白夜を決められた……。

これ、岸里さんが使う武器を絞って、その弾丸だけを大量に用意してたら、粘り負けしてたのでは?

箒の方は……

 

「刀一本で遠近両方攻撃できるとか卑怯だよー!」

 

「すまんな。これが紅椿の装備なのだから、どうしようもない」

 

ああ、あのエネルギー刃を飛ばすやつ(確か雨月だっけ)。あの武装を攻略できなかったのか。

箒相手に接近戦は不利だし、距離を取っても武装の切り替えなしで攻撃されるっていう。

とはいえ、紅椿の展開装甲も俺の零落白夜と同じ大飯食らいだから、粘られると先にSEが尽きて負ける可能性だってある。

 

「あ~……専用機持ちも、慢心することなく精進するように」

 

まさかここまで俺達が苦戦するとは思ってなかったのか、千冬姉は明後日の方を向きながら模擬戦を締めくくった。

……これ、トーナメント当日まで特訓とかしないとヤバい。




1人1台、VRゴーグル~。そしてみんな引き篭もった。これ、確実に企業とかのテストパイロットより搭乗時間長くなってますよね。

その結果がこれである。専用機が負けるとは思えませんが、結構いいところまで行きそうな気がしてます。……訓練機で専用機を狩るとか、どこの巨乳眼鏡だ。


次回、ようやっと学年末トーナメント開催予定。
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