みなさんも、シシカバブみたいに熱中症で倒れないように注意しましょう。
(訳:先日は更新できなくてすまねぇ)
学期末トーナメントと言われ、所詮学生のおままごとと思っていられたのは、1日目の1回戦目が始まるまでだった。
「う~ん、やっぱマドっちの壁は高かったかぁ」
「当たり前だ。これでもテストパイロットをやるぐらいなのだからな
「そうだけど、もっとやれると思ったんだけどなぁ」
勘弁してくれ。
煙幕からの瞬時加速による特攻なんて、2度も3度も食らいたくない。
それもこれも、あの宮下がVRゴーグルを1人1台作って配布したからだ。
そのせいで連中、まるで墜落を恐れないバーサーカーと化している。
「どう思う?」
「いや、どう思うって……勘弁してくれっていうのには賛成だけど」
2日目の昼休み。珍しく一夏と食堂で一緒になったので、愚痴ってみたらこの反応だ。
「さすがにバーサーカーは言い過ぎだろ。みんながみんな、特攻してきたわけじゃ……」
「いや、一夏。今回はマドカの言うことが正しいぞ」
「へ?」
まさか篠ノ之から反論が来るとは思ってなかったのか、キョトンとした顔になった。他の連中も、首を縦に振っている。
「い、いやいや、そんな馬鹿な……」
「一夏の対戦相手が、比較的まともだっただけよ。現にシャルロットは一番酷い目に遭ってるし」
「はぁ? シャル?」
「そう、だね……どうしてみんな、ショットガン持って特攻かけてくるんだろうね……」
ああ、デュノアがさっきの試合を思い出したのか、目のハイライトが……
「あと気にしなければならないのは、更識だな」
「あ、ああ……」
「ちょっとラウラ! セシリアがフラッシュバック起こしちゃったじゃないのよ! ってマドカも!?」
「とうっ!」
――ビシッ
「っ! はっ! 私は一体……!?」
一瞬意識が遠くなった気がしたが、気のせいか? あと、首筋がうっすら痛い。
「はっ! わたくし、一体……」
オルコットもか。一体何があったのか……。
「というか、それでアンタ、次の試合大丈夫なの?」
「次の試合? そういえば対戦相手を調べてなかったな……」
凰に言われて、端末から午後の対戦カードを見た私は――
「……オワタ」
「マドカ!?」
「あ~……」
「これは……」
このまま進むと、午後の2戦目は更識だった……。
ーーーーーーーーー
オルコットさんを倒して昼食を挟み、午後の試合でボーデヴィッヒさんを下した次の相手は……
「(ガクガクブルブル)」
「えっと……」
ライフルを持つ手が小刻みに震えている、サイレント・ゼフィルスだった。
まだ私を怖がってるみたいだけど、もうどないせいと……。
そして重要なのが、もうすでに試合開始のブザーが鳴ってることだ。
「あのぉ、もう攻撃していい?」
「(ガクガクブルブル)」
反応がない。ただの屍のようだ。
「あ~……」
仕方ない、ここは早く仕留めて、楽にしてあげよう。
そう思って巡行速度で近づき、メメントモリを使おうとした瞬間
「IS学園、バンザァァァァァイッ!!」
「ファッ!?」
なんか大声上げて、ライフルの先端についた銃剣をこっちに向けて突っ込んできたんだけど!?
「うぉぉぉぉぉっ!!」
「怖っ!」
銃剣持ったISが、奇声上げて突っ込んで来るぅぅぅ!
「い、いいい、行って! ファング!」
全力で後退しながら、このトーナメントで初めてメメントモリ以外の武装を使った。けど
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「うっそぉ!?」
ええ!? ファング10基の攻撃を全回避したの!?
しかも、そのまま勢いを落とさず突っ込んできたぁ!
「貫けぇぇぇぇぇ!!」
雄叫びと共に突撃するサイレント・ゼフィルス。こうなったら……
「こうなったら仕方ない」
私は拡張領域から、
――ボンッ!
「グレネードランチャーだと? その程度!」
――べちゃぁぁ……!
「なぁっ!?」
私がグレネードランチャーから撃ち出した特殊弾頭は、サイレント・ゼフィルスに回避される前に破裂し、ゲル状の物体をばら撒いた。
そのゲルをサイレント・ゼフィルスが浴びて1秒も経たずに、青いゲルが灰色に変色すると同時に固まり始める。
「う、動かない!」
関節部に流れ込んだゲルが硬化したのか、突撃姿勢のままスラスターで浮いているのがやっとの状態になっていた。
「な、なんなんだこれは!?」
「陸が作った武装。
『かんちゃぁぁぁぁぁぁぁんっ!!』
本音の怒号が聞こえた気がしたけど、たぶん気のせい。
「それじゃあ、そろそろ終わらせよう」
「あ、あああ……」
武装だけならまだしも、本体の関節が動かなければどうしようもない。
バイザーで顔が見えないけど、怖がってるんだろう。早く解放してあげないと。(使命感)
ーーーーーーーーー
「はーい、それでは今日の反省会を始めまーす」
学期末トーナメント2日目が終わった夜、寮の部屋で俺は宣言した。
「えっと……」
「どういうこと?」
そんな俺を、更識姉妹は不思議そうな顔をして見ていた。
「まず刀奈」
「え、私?」
「『オレをダシにすんじゃねぇ!』と、
「それは、陸君が私の保護者だから?」
「誰が保護者じゃい!」
――バッ! ギュッ!
「あがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
久々のアームロックが刀奈を襲う! いや、なんで手前の女にアームロックかけなきゃならんのだ。
「うぅ……懐かしき激痛だったわ……もう思い出したくないけど」
「まったく……ただ、サファイア先輩のやる気を出してくれたってことで、ギリシャ政府の役人からは感謝された。なぜか俺が」
「やっぱり、陸君が保護者……」
「(ギロリッ)」
「イエ、ナンデモナイデス」
冷や汗垂らしながら目を逸らすな。そうなるぐらいなら言うなバカタレ。
「そして簪」
「私?」
――バッ! ギュッ!
「あびゃびゃびゃびゃびゃ!!」
俺が覚えてる分じゃ初めてじゃねぇか? 簪相手にアームロックかけたのは。
「うう……お姉ちゃん、こんなの毎回受けてたんだ」
「昔はな。懐かしいなぁ、初めて刀奈にアームロックをかけたの」
「なんかいい雰囲気で言ってるけど、普通に酷かったからね!?」
何を言う。
「そして簪、お前がどうして粘着弾頭を持ってんだ? あれ、のほほんに言われて封印してたはずなんだが?」
「えっと……」
「目を逸らすな」
そう言いながら、俺の手には麻縄と掛け布団が。
「り、陸? その手に持ってるのは……」
「お・し・お・き・だ」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
抵抗虚しく、簪は俺の手によって簀巻きにされると、2つに再度分離させたベッドの片方に転がされた。
「そんじゃ寝るか」
簪を転がした方と別のベッドに寝っ転がると、刀奈をちょいちょいと呼んだ。
「えっ、簪ちゃんは?」
「簪はこのまま。刀奈はアメリカからの抗議分とギリシャからの感謝分、功罪を相殺して残りはアームロックで完済だ」
「あ、そういう」
「むぐぐぐ~!?(私だけこのまま!?)」
簀巻きにした時一緒に猿轡をかました簪が何か言ってるが、おしおきだから仕方ない。
「それとも、今日は簪と一緒に寝るか?」
「ううん、陸君と寝る♪」
「むぐ~ぐ~!?(お姉ちゃん!?)」
姉の裏切りに目を見開く簪。それを見ないようにしながら俺の横に寝っ転がる刀奈。どこで勝敗が分かれたのか。
「それじゃ、明かり消すぞ」
「おやすみ~」
「むぐ~!」
今度は釣れたてのエビのように飛び跳ねる簪だったが、途中で力尽きたのか、明かりを消してある程度経つと静かになった。
「織斑、まーたトラウマが増えてねぇといいなぁ……」
今日の試合を思い出して、俺は心の中で、織斑家に手を合わせるのだった。
マドカ、珍しく一夏と飯を食う。大体がクラスメイトと食べてましたからね。そして今回は、ハイライトが消えるキャラが多いなぁ……。
マドカ、精神的に追い込まれて簪に特攻をかける。なお、突撃時のセリフに意味はありません。
簪、封印指定を勝手に解く。後日のほほんに怒られろ。
という前に、オリ主に怒られる。刀奈もやらかしてますが、本文にある通り功罪どちらもあるので、こんな感じになりました。
次回が最終日、になるのかなぁ。