俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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完全ギャグ回なので、そういうのがダメな方はブラウザバック推奨です。。
(この回を飛ばしても、シナリオにはさほど影響はありません)

「嗅がせてくれ。それが手向けだ」



第20話 kunker

保健室から解放された翌日、俺は今まで通り登校していた。

箝口令の関係上、俺は対抗戦での避難誘導中に怪我をして、様子見のために休んでいたという設定らしい。嘘は言ってないな。

で、4組の教室まで来たわけだが……

 

「……」

 

「ええっと、宮下君……」

 

()()、どうしたの?」

 

呆気に取られたクラスメイト達の視線の先には、俺の左腕があった。……正確には、俺の左腕にしがみ付いている簪が。

 

「あ~……色々あったというか……」

 

「色々って……」

 

俺がどう答えようか考えてる間に、簪が

 

 

「……///」

 

 

顔を真っ赤にしながら、腕でなく胴体にしがみ付いてきた。 ちょっと簪さん!?

 

「「「「キャー!!」」」」

 

黄色い悲鳴が教室中に響いた。

 

「い、いつからそういう関係に!?」

 

席に座っていた生徒達も集まって来て、俺と簪は完全に囲まれてしまった。

 

「ほらほら、SHRも始まりますから、みんな席に着いてー」

 

「「「「ええ~……」」」」

 

質問攻めに遭う前に、エドワース先生が止めてくれて助かった……。

 

 

「ちなみに今日のSHRは、宮下君と更識さんの馴れ初めについて聞いてみましょう♪」

 

 

――神は死んだ……。

 

ーーーーーーーーー

 

4組の連中(+エドワース先生)にもみくちゃにされた後の昼休み。

 

「簪ぃ……」

 

「ごめんなさい……自分の気持ちを抑えられなかった……」

 

それは分かってる。なぜならこうやって昼飯食ってる間も、俺の制服を指で摘まんでるわけだし。

 

「かんちゃんとりったん、やっとくっ付いたんだね~」

 

俺達の向かいには、ニッコニコののほほんが座っている。

ちなみに俺がチョコレートケーキを奢るまでは、死んだ魚のような目をしていたんだがな。そこまで欲しかったか、デザートフリーパス。

 

「やっとってなんだよ、やっとって」

 

「りったん気付いてなかったの~? かんちゃん、たっちゃんとの決闘の時から――」

 

「ほ、本音~!」

 

簪が慌ててのほほんの口を塞ごうとするが、時すでに遅し。というか、決闘の時からってマジか?

視線を簪に向けると、顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 

「Oh……」

 

マジかぁ……俺も一夏のこと、朴念仁とか言えねぇじゃん。

 

「そういえば、一夏と凰は仲直りできたのか?」

 

一夏へのSEKKYOUは二人に話してないから、あくまで"酢豚事件"についてだけのほほんに聞いてみた。

 

「それがねぇ~……」

 

珍しく、のほほんの顔が引きつっている。え? どゆこと? あいつ、またなんかやらかしたのか?

 

「よう、陸……」

 

「一夏か。今お前の、話、を……」

 

聞き覚えのある声に振り返った俺は、目の前の光景に固まった。

一夏を中心に、左腕に篠ノ之、右腕にオルコット、腰に凰がしがみ付いてる状態って……何お前ら、ファイナルフュージョンでもする気か?

簪も呆気に取られてるし、のほほんは引きつった顔を継続中だ。

 

「とにかく、説明を求む」

 

「えっとだな……鈴に"約束"のことを謝ったんだよ」

 

ほうほう、そこまでは想定通りだ。むしろよくやった。

 

「で、『今のままじゃ、"約束"を受けることも断ることも出来ないから、時間をくれ』って鈴にお願いして……」

 

「それは……よく凰が許したな」

 

「それはマジで感謝してる。してるんだが、その場面に箒とセシリアもやって来てな……」

 

ちょっと待て。ここまでの話の流れで、今この状況ってことは……

 

「「「私達、一夏の恋人候補になった/わ/んですの!」」」

 

「……」

 

まさかの女性陣公認3股発言に、二の句が継げなくなった。むしろこの状況で、何を言えってさ。

 

「3人とも、本当にそれでいいの?」

 

再起動を果たした簪が3人に疑問をぶつけたが、

 

「本当は私だけを選んでほしいがな……」

 

「それが一夏さんの魅力でもありますし……」

 

「し、仕方ないじゃない。それぐらい一夏のことがす、好きなんだから……」

 

三者三様顔を赤くしながら返された。何このハーレム。いや、元々この外史は一夏を中心としたハーレムだったか。

 

「陸、俺に何か助言を……」

 

「背中を刺されないように頑張れ」

 

「はい……」

 

がっくり項垂れる一夏。お前はそういう星の下に生まれてるんだろう、諦めろ。

 

ーーーーーーーーー

 

放課後。今日は打鉄弐式の整備と、メメントモリのリミッターを付け直すだけで止めておいた。本当ならエネルギー効率の向上とか、色々やってみたいことはあったんだが……

 

「陸は病み上がりなんだから、自重する」

 

「いや、傷は塞がってるし、痛み止めも保健室の先生にもらったのをちゃんと飲んでるし」

 

「む~……」

 

膨れっ面の簪に止められた。それで止めるとは、俺も丸くなったなぁ。

で、そのまま簪と寮の廊下を歩いていたところで

 

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

「おいおい、なんだ今の悲鳴!」

 

しかもこの声、一夏か!?

 

「あっちから聞こえた!」

 

簪が指さす方を見ると、入口のドアが開きっぱなしの部屋が一つ。

 

「おい! 大丈夫……」

 

部屋を覗き込んだ俺が見たもの。それは床に尻もちをついてる一夏と、

 

「「「あ……」」」

 

ベッドの上に上がって、(たぶん一夏のものであろう)Yシャツを顔の下半分に押し付けてる、一夏ハーレムの面々(篠ノ之、オルコット、凰の3人)だった。ナニコレ怖い。

 

 

 

 

「で? 一体何がどうなってんだ?」

 

「それは……」

 

「ちょっとした出来心ですの……」

 

「見なかったことにしてよぉ……」

 

俺、簪、一夏の前で、正座している3人。いや、言い訳はいいから。

 

とりあえず篠ノ之に説明をさせることにした。

 

「最初は一夏が帰ってくるのを待っていたんだ。山田先生から頼まれ事をされたらしくてな」

 

一夏の方を見ると一夏が頷いていたので、そこは事実なんだろう。

 

「で、ただ待っているのも時間が勿体ないと思って、部屋の掃除をしようとしたんだ。そうしたら一夏の洗濯物が目に入って……」

 

「それでクンカーになったと?」

 

「うっ……」

 

簪の指摘に、篠ノ之が言葉に詰まる。というか簪、クンカーってなんだよ。

 

「そうしたら、セシリアと鈴に現場を見られて……」

 

「魔が差したのよ……」

 

「日本には『赤信号、みんなで渡れば怖くない』という言葉もありますし……」

 

魔が差すなよ凰。それとオルコット、それはダメな集団心理の言葉だからさっさと捨ててくれ。というか自分達がやってたことが赤信号な自覚はあったんだな。

 

「なぁ陸、俺、これからどうすればいいんだ……?」

 

一夏が今にも泣きそうな顔で、情けない声を出して聞いてきた。いや、どうすればって……。

 

「3人とも、Yシャツで満足なの?」

 

「え? 簪?」「更識さん?」

 

「どうして織斑君を直接嗅がないの?」

 

「「「っ!?」」」

 

3人に電流走る――! いや走んなよ!

 

「3人とも、いつも織斑君にくっ付いてるんだから、その時に自然にクンカーできるのに」

 

「そ、そうですわ……!」

 

「確かにそれなら……!」

 

「妙案だ……! ありがとう更識!」

 

なんか正座状態から簪を崇め始めたんだが。というか簪、お前そんな性格だっけ?

 

「な、なぁ陸。これって俺、明日からずっと3人に……」

 

「一夏……」

 

俺は一夏の肩をポンと叩くと

 

「頑張れ」

 

逃げた。お前の嫁(候補)だろ、自分で何とかしろよ。

 

その後、取り残された簪にポカポカ叩かれた。置いてったのは悪かったけど、なーんか釈然としねぇなぁ……。

 

ーーーーーーーーー

 

さて、そんな濃ゆいイベントを消化して消灯時間。あとは寝るだけなんだが……

 

「えーっと、簪?」

 

「何?」

 

「これは一体、どういうことなのかなぁっと」

 

マジで説明してくれ。どうしてさも当然のように、お前のベッドと俺のベッドの間が0cmなんだ。今朝は間にサイドテーブルがあっただろう。(仕切り? 戻すのが面倒でドア側にずっとそのまま)

 

「陸の温もりを感じながら寝たいから」

 

「おおぅ。男として喜んでいいやら、直球過ぎてビビればいいのやら……」

 

少なくとも、入学当初の簪はもういない。

なんて思っている内に、簪が自分と俺の枕と掛け布団を中央に寄せ始めた。わー積極的ー。

 

「ほら陸。早く寝よ?」

 

「……そうだな」

 

俺は考えることを止めた。簪がいいならいいや。(現実逃避)

 

 

 

「……」

 

「温かい」

 

あの~簪? 寝る時も俺の腕にしがみ付くのか?

 

「すごく落ち着く」

 

「そうか……」

 

……うん、簪が落ち着いて寝れるならいいか。(2度目の現実逃避)

 

「それに、陸の匂い」

 

「おいばかやめろ」

 

それはダメだ。クンカー?は一夏ハーレムの連中だけで十分だから。




ギャグ回のはずなのに、気付けば甘じょっぱくなってもーた!
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