俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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とりあえず土日は休もう、そう思って書いてます。


第30話 インパクト、大事

イジけるデュノアを一夏がなんとか宥め、食堂の利用時間ギリギリで晩飯を食べ終わり、篠ノ之が用事があるからと先に抜けたタイミングで、山田先生がこちらにやってきた。

 

「織斑君、デュノア君、宮下君、朗報ですよ!」

 

山田先生、ガッツポーズはいいんですが、めっちゃ胸が揺れて一夏が目のやり場に困ってます。ついでに俺も。

そして簪。悪かったから、みんなから見えない角度から抓るのを止めろ。地味に痛い。

 

「なんとですね! ついに今日から、男子の大浴場使用がOKになりました!」

 

「おお!」

 

3人の中で、一夏が一番喜んでいた。俺はそこまで風呂好きでもないし、フランス人のデュノアは、あまり湯船に浸かる習慣が無いんだろう。

 

「てっきり来月からだと思ってましたよ」

 

「本当は今日ボイラー点検があって、元々使用できない日なんです。ですが点検自体はもう終わっているので、それなら織斑君達に使ってもらおうって計らいなんですよー」

 

「マジですか!? ありがとうございます、山田先生!」

 

一夏の奴、感動のあまり山田先生の手ぇ握りしめてるよ。

 

「あ、あのっ、そんな握りしめられると、先生ちょっと困るというか、その……」

 

――ギュゥゥ!

 

「あだだだだ!」

 

「……一夏のエッチ」

 

うわぁ、デュノアに思い切りつま先踏まれてら。いったそー(棒)

 

「コホンッ! 大浴場の鍵は私が持っていますから、脱衣場の前で待ってます。なので3人とも、はやく着替え取りに行ってくださいね」

 

そう言うと、山田先生はすたすたと歩いて行ってしまった。

 

「大浴場なぁ……俺はパスでいいかな」

 

「なんだ陸、入らねぇのか?」

 

「別にそこまで風呂好きでもねぇし、デュノアと2人で入ってくれや」

 

「そっか。なら俺とシャルルで……っ!?」

 

直後固まる一夏。ようやく気付いたか、これからデュノア(女)と2人きりで裸の付き合いをすることに。

 

「ど、どうしよう……ね」

 

デュノアも困り顔だ。

 

「白馬の王子様を振り向かせるチャンスだぞ、頑張れお姫様」

 

ボソッとデュノアに耳打ちした俺は

 

「み、宮下君!?」

 

「そんじゃ簪、俺達は部屋に戻るか」

 

「? うん」

 

慌てるお姫様(デュノア)をそのままにして、簪を伴って食堂を出て行った。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

~~~♪

 

俺のスマホに着信。簪がシャワーを浴びてて近くに居ないことを確認してから、応答ボタンを押した。相手は……言うまでもない。

 

「もしもし?」

 

『エーーーークセレント!』

 

そう。毎度おなじみ、駄女神である。もうロキの奴、仕事乗っ取られてね?(今更)

 

『今回もあなたの助言により、一夏様は『誰かを頼る』ことを身につけました。これは今後の成長に対して、素晴らしき礎となるでしょう!』

 

「あっそ」

 

分かったから、その芝居がかった言い方は何とかならんのか。

 

『さらに此度の一夏様の活躍は、遍く世界に伝わるのです!』

 

「活躍……あの黒いISを斬ったことか?」

 

『そうです。あの場面で一夏様が銀髪娘を助けることが、ハーレム完成に不可欠なのですから!』

 

「その言い方だと、あのボーデヴィッヒも一夏の嫁候補だと?」

 

『その通りです』

 

マジで? オルコットと凰を挑発してボコボコにした奴が?

 

『問題ありません。あの娘も今は一夏様に惚れておりますから』

 

「ちょろインすぎぃぃぃ!」

 

一夏に関わった女、全員ハーレムに吸い込まれていくな。奴はダイソンか何かか? 魚雷カットインも吸っちまうのか?

 

「なぁ、ひとつ聞いてもいいか?」

 

『なんでしょう?』

 

「そこまで一夏一筋のお前達が、なんで"前の外史"に手を出していない?」

 

ロキから話を聞いた時から気になってたんだよ。ここまで原作至上主義な駄女神達が、なぜ"一夏が死んだ世界"をそのままにしているのか。

最初は俺も、ショウとミナミ(前作オリ主)を引き揚げさせた上で時間を巻き戻すぐらいしてると思ってた。が、実際はわざわざ並行世界を作ってまで残している。

 

コミケの会場(外史群)で自分が嫌いなジャンル本(一夏様が死んだ世界)を見つけたからと言って、突然その場で破り捨てたり(外史を消去したり)しますか? 精々がSNSで抗議したり、低評価を付けるぐらいでしょう。今回は偶々、私達の抗議の声が出版社(主神)に届いて新刊が出た(その外史が生まれた)のです』

 

「……一気に話が低俗になったな」

 

コミケにSNSって、お前ら本当に北欧の神か?

 

『それに、もし前の外史を消去した場合、後の悪しき前例となるでしょう。そして気に入らないという理由だけで外史を消せるようになれば、最後には何も残らなくなってしまいます。我々も、そのような外史群の崩壊までは望んでおりません』

 

「なるほど、ある程度の節度はあると」

 

『ええ。なのであの馬鹿(ロキ)に折檻をするだけに留めているのです』

 

「うわー……」

 

引いたけど、自業自得だから擁護はしねぇぞ、ロキ。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

翌日のSHR、エドワース先生からあった説明は以下の通り。

ボーデヴィッヒのISが暴走?した事件で、学年別トーナメントは中止。一応、データ取りのために全員1回戦だけはやるらしい。それって俺と簪、それに篠ノ之とボーデヴィッヒはどうなるんだ? もう1回戦やるんだよな? まさかこのまま終わりか?

そんな事を考えていると

 

――ドゴォォォォォンッ!

 

「な、何々!?」

 

「今すっごい音したよね!?」

 

それなりに近くから、何かの破砕音が聞こえたんだが?

 

「今の音、1組の方からじゃない?」

 

「あ、それならいつものか」

 

音の発生源が分かると、さっきまで慌ててたのが何だったのかと思うほど、みんな冷静に席に戻り始めた。

まぁ、うん……1組の方から大きな音がするのが日常になっちまってるんだよな。篠ノ之の暴走とか、オルコットの暴走とか、凰の暴走とか。

 

「騒ぎにならないのは嬉しいけど、これでいいのかしら……?」

 

エドワース先生も、クラスの反応に微妙顔だ。

 

「先生」

 

「あら、更識さん、どうしたの?」

 

「今1組の友人からメールが来たのですが」

 

簪が手を挙げるのとほぼ同じタイミングで、俺にもメールが来た。差出人は、のほほんだ。

 

 

「織斑君のファーストキスは、ボーデヴィッヒさんが奪ったそうです」

 

 

「「「「はぁっ!?」」」」

 

 

俺の方に来たメール曰く、あまりにボーデヴィッヒの強奪キスがインパクト強すぎて、デュノアが決死の想いで告白した『女の子宣言』は軽くスルーされたそうだ。

デュノア、強く生きろ……!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「よ~し、完成完成!」

 

りったんから貰った設計図にあったマイクロウェーブ送電システム、その試作品が完成して、束さんは満足じゃ~♪

 

「あとは太陽光パネルの付いた小型人工衛星を作れば、衛星軌道からの送電実験ができるね」

 

~~♪

 

ややっ! このゴッド・ファーザーのテーマは!

急いで作業台に置いてあったスマホを取ると、応答ボタンを押した。勢い余ってツールキットが散らばっちゃったけど、こっちが優先!

 

「やぁやぁちーちゃん、そっちから掛けてくるなんて珍しいねぇ」

 

『本当は掛けたくなかったがな……お前に聞きたいことがある』

 

「何かしらん?」

 

『今回の件、お前じゃないよな?』

 

「今回? 何だろ?」

 

惚けてるわけじゃないよ、全然心当たりがないんだよねー。

 

『VTシステムだ』

 

「ああ、あのISに付いてた寄生虫? 心外だなぁちーちゃん。あんな不細工なシロモノ、この束さんが作るとでも?」

 

というか、あれを作った研究所、2時間前に地上から消えてなくなったんだけどね。いやぁ、ゴー君Ⅲ号の動作テストに打ってつけだったよ。

 

『そうか。では、邪魔をしたな』

 

「邪魔だなんてとんでもない。ちーちゃんならいつでも掛けてきてOKだかんねー」

 

『……では、またな』

 

ぶつっとちーちゃんからの通話が切れた。

 

「ちーちゃんは大変だなぁ。さて、太陽光パネルから作り始めよう」

 

スマホをパッと手放して、私はまた作業場に戻っていった。臨海学校だっけ? そこでお披露目出来たらいいなー。




学年別トーナメント編終了です。
なんか自分でも短いなーと思ったら、ラウラの出番がほとんど無かったからですね。
だってシャルと違って、強制戦闘で仲間になるし。(暴言)
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