俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

58 / 182
学園祭、始まります。
先にお伝えしておきます。巻紙さん(オータム)の出番は今回ないです。
(原作でも一夏に接触してますから、オリ主とは接点なしです)


第56話 学園祭開幕~宮下陸の場合~

学園祭当日。一般開放されていないものの、各クラスや部活動の出し物の準備で、校舎内は慌しくなっているはずだ。

さて、なんで学園生である俺が『はず』なんて言ってるかといえば……

 

「り、陸? そろそろ起きて、クラスの手伝いをした方がいいと思うんだけど……?」

 

「もう働きたくないでゴザル!」

 

部屋のベッドで、簪を抱き枕にして登校拒否しているからだ。いつもとは真逆の立ち位置に、簪も困惑している。

どうして俺が簪相手にオギャっているか。それは昨日の放課後にさかのぼる。

 

 

(回想開始)

 

「とうとう明日が学園祭本番だね!」

 

「いやぁ、宮下君と更識さんが準備してくれたから、私達は当日まで楽させてもらったわぁ」

 

「その代わり、当日は任せたからな?」

 

「だいじょーぶ!」

 

というクラスメイト達とのやり取りをしている最中、俺はふと思った。

 

「なぁ、IS学園の学園祭って、一般参加は不可なんだよな?」

 

「そうだよ。私達生徒に配布された入場チケットを持った人以外はね」

 

1学年が30×4で120人、2,3年も含めると120×3で360人。その生徒1人に1枚チケットが配られるから、当日の来客数は倍の720人になる……と、さっきまでは思ってた。だが、

 

「それって来賓、"各国政府関係者やIS関連企業の人間"は含むのか?」

 

「「「え……っ?」」」

 

先日作った10(+予備3)個のゴーグル、それは生徒外の360人(ISに乗ったことがない人)を想定した数字だ。IS体験プログラムが現実世界で1回10分だから、仮に360人全員が来たとしても10台使って360分、つまり6時間だから閉会までには捌き切れると考えていた。だが、そこがズレていたとなれば……

 

 

「「「宮下君! 追加発注プリーズ!!」」」

 

 

「やっぱそうなるよなチクショウメェ!!」

 

 

そういうやり取りがあって、納期間近での追加発注に対応するため、俺は昨晩、豚のような悲鳴を上げそうになりながらゴーグルを30台追加作成したわけだ。

 

(回想終わり)

 

これが作ろうと思ったもんだったらまったく苦もなくやるんだが、もう終わったと思ったもんを、しかも時間制限付きで作るのは非常に精神が疲弊する。

 

 

「だから俺には直前まで簪とゴロゴロする権利がある!」

 

「い、いいのかなぁ……? 私としては、こういう積極的な陸もいいけど……」

 

簪も満更じゃなさそうなので、もうしばらくはこうしていよう、そうしよう。

作ったゴーグル? 今朝登校するクラスメイトに引き渡したから無問題だ。2度寝サイコー。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

陸の抱き枕にされて、ちょっと嬉し(ゴホンッ!)遅れちゃったけど、4組の教室に着くと、もう準備は終わっていた。

 

「おはよう。二人とも、準備は万端だよ」

 

「手伝えなくて、ごめんなさい」

 

「いいっていいって。更識さんにもプログラム丸投げしてたし、当日は全部私達に任せるって話だったしね」

 

「そうだよ。それに準備って言っても、イスとテーブル、それにゴーグルの電源供給用にケーブル這わすだけだし」

 

見回せば、他のクラスに比べて内装も小道具もない。悪く言えば殺風景かも。

 

「まぁ殺風景でもいいさ。仮想世界に入ればそれどころじゃなくなる」

 

「だよねー。呼び込みの子にも、その辺りを強調してもらう予定だよ」

 

「おう。そんじゃあとは頼んだぞ」

 

「「「りょーかい!」」」

 

 

 

4組を離れた私達は、そのまま廊下を通って1組の方に……

 

「なにこれ……?」

 

「これが織斑効果か」

 

陸が関心する先には、1組の教室から延びる長い行列が。

 

「織斑効果?」

 

すると行列のそこかしこから

 

「あの織斑君の接客が受けられるんでしょ!?」

 

「しかも執事服姿で!」

 

「それだけじゃなくて、ゲームもあるらしいよ?」

 

「しかも勝ったら写真も撮ってくれるんだって! ツーショットよ! これは並ぶしかないわ!」

 

という声が。

 

「のほほんも言ってたろ、『執事服おりむーに、ご奉仕してもらう喫茶店』って」

 

「あれ、ホントにそのままだったんだ……」

 

「あれ? 二人とも、どうしたの?」

 

声の方に振り向くと、メイド服姿のデュノアさんが。

 

「今日はメイド服姿なんだな」

 

「今日はって……もしかして、似合ってない?」

 

「別にそんなことはないが……ってそれは一夏に聞いとけ」

 

「あう……」

 

あ、デュノアさん赤くなった。確かに『似合ってる』ってセリフは、織斑君に言ってもらうべきだと思う。陸がデュノアさんに言うのは……あれ、なんかイラッとしてきた。

 

「シャルロット、客引きはもういいから、ホールの方、を……」

 

教室から出て来たボーデヴィッヒさんが、私達と目が合って固まる。ああそうか、どこかで見たことあると思ったら、@クルーズの制服と同じなんだ。……もしかして、借りて来たの?

 

「お、おお、お前達……」

 

「ラ、ラウラ?」

 

「ボーデヴィッヒさんも、グッジョブ (☆`• ω •´)b()

 

とりあえず、以前も言ったセリフを繰り返してみた。

 

「゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!」

 

ボーデヴィッヒさん、泣きながら教室に逃げて行っちゃった……。

 

「更識さん、今のは……」

 

「簪、やり過ぎだ」

 

陸とデュノアさん、二人からダメ出しを受けちゃった。解せぬ。

 

 

1組から離れた後は、陸とあちこち見て回っていた。

 

「ところで簪、4組の方はいいんだろうが、マンガ研究会の出し物とか大丈夫なのか?」

 

「大丈夫。プラモを飾るだけでお茶を濁してる」

 

「それでいいのかマンガ研究会……」

 

「問題ない」

 

最初から特別補助金は諦めてるから、『出すものは出したよー』という証拠さえあればいいのだ。活動実績さえあれば、最低限の部費は付くから。

 

「それにしても、凰のチャイナドレスはすごかったな」

 

「陸ぅ……?」

 

「いやいや、簪だって思っただろ?」

 

「それは、確かに……」

 

私も陸も朝食を食べ損ねてたから、2組の中華喫茶でブランチにしようって話になった時、チャイナドレス姿の凰さんと出くわしたのだ。

スカートタイプの、すごい大胆なスリットが入った……同性の私でも、ドキドキしちゃうような……。

 

「というか、あれを着れるぐらい度胸があるなら、一夏に対してもっと攻勢に出れ……ないか」

 

「それとこれとは別だと思うよ?」

 

「やっぱそういうもんだよなぁ……ちなみに簪は、ああいうチャイナドレスは――」

 

「着ないから!///」

 

あんなチャイナドレスを着るとか、ハレンチすぎる……! あれ? そうなると、あれを着れる凰さんはハレンチ……?

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

簪と学祭を回ってるが、色々イベントやアクシデントが満載だった。

例えば校門前で屋台物を食ってたら

 

『ついに女の園、IS学園に来たぁぁぁぁぁ!!』

 

と大声上げてる怪しさ満点の奴を制圧したところ、

 

『いや、怪しいものじゃないんだ。信じてくれ……』

 

と言って入場チケットを見せて来たから、近場にいた生徒会の虚先輩に引き渡したところ、そのチケットの出処が一夏だったり。

(聞くと、五反田弾っていう一夏の中学からのダチらしい。制圧したのはスマンかったが、あんな職質されそうな行為はやめておけ)

 

美術部の爆弾解体ゲームで

 

『は……くしゅんっ!』

 

パチンッ

 

『あ』

 

――ドガァァァァンッ!

――GAME OVER

 

俺がたまたまくしゃみした所為で、切るコードを間違えて爆発したり。

 

 

「さて、4組の客の入りを確認しに行くか」

 

「うん。みんなに任せてるけど、どうなってるか気になる」

 

「じゃじゃーん! 楯無お姉さんの登場でーす!」

 

「「……」」

 

突然目の前に現れた学園最強(笑)に、俺と簪が目を合わせる。そしてコクリと頷く。

 

回れ右してBダッシュ!!

 

「え? ちょっと二人とも!?」

 

まさか開幕逃げられるとは思ってなかったのか、パイセンの困惑した声が聞こえてきた気がしたが、気のせいだろう。

 

「知らなかったのか? 大魔王からは逃げられない」

 

と思ったら、また目の前にパイセンが……!

 

「マジかよ……」

 

「ほほほほっ! 伊達に学園最強を名乗ってはいないわ!」

 

扇子で口元押さえながらお嬢様笑いすんなよ! それっぽいじゃねぇかチクショウ!

 

「それだけの身体能力があるのに、どうして陸のアームロックは防げないの?」

 

「はぐぅ!」

 

あ、簪の素朴な疑問で撃墜された。

 

「そ、それはそれとして……宮下君に手伝ってほしいことがあるのよ……」

 

「手伝い?」

 

「一応聞くだけ聞きますけど……大丈夫です?」

 

「だ、大丈夫よ……」

 

生まれたての小鹿のように足を震わせながらとか、ホントに大丈夫か?

 

「これから生徒会の出し物で、演劇をするの」

 

「演劇?」

 

「そう、観客参加型演劇」

 

「観客参加型ぁ!?」

 

おいおい、なんだその確実に収拾がつかなくなること請け合いな演劇は。

 

「ちなみに、演目は?」

 

簪の問いに、パイセンは新しい扇子をバッと広げた。そこには『迫撃』の二文字。

 

 

「シンデレラよ!」

 

 

その後、パイセンの泣き落とし等を経て、俺と簪は演劇会場である第4アリーナに連れていかれるのであった。

あれ? このまま演劇手伝ったら、大して学祭回れずに終わるのでは……?




ヒロインが簪だけの所為か、やっぱり原作よりネタ不足を感じますね……。
その分、オリ話の部分で味付けを激甘にしてますが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。