そして最近、評価やお気に入り数がいい感じに増えて、心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
引き続きご愛顧いただけると幸いです。
「お姉ちゃん、2年の部優勝おめでとう」
簪の声を合図に、俺やのほほん、虚先輩の持ったクラッカーがパァンパァンッと鳴り響く。
「あはは~、こうして祝われると何だか照れるわねぇ///」
生徒会室の応接スペースで、小さいながらも楯無さんの優勝祝いの用意をしていたのだ。
「でも、陸君も簪ちゃんも良かったの? 織斑君の誕生日パーティーに出なくて」
「最初は誘われてたけど、辞退した」
「ただでさえ一夏ハーレムの5人がいるのに、五反田兄妹や他の男友達も来て俺達もってなったら、いくら織斑家が一軒家だって言っても手狭になるでしょうから」
一応篠ノ之に、俺と簪からの誕生日プレゼントを預けてはあるが。なんで篠ノ之かって? こういう約束事に関して一番信用できるから。(偏見)
「それにしても、時間も無かっただろうに色々準備してくれたわねぇ」
そう言ってテーブルの上を眺める楯無さんの前には、俺達4人で調達した料理や飲み物がずらりと並んでいる。
ホールケーキは当然として、フライドポテトやピザ、唐揚げなどのホットスナック、薄切りにしたフランスパンの上にクリームチーズと生ハムが乗ったカナッペ等々。
「それにしても、2年の部は終始楯無さんの独走でしたね」
「まぁね~。と言っても、私以外の専用機持ちのフォルテちゃんは面倒臭がり屋というか、相方のダリル・ケイシー共々、なかなかやる気にならないのよねぇ。だからお姉さんがあっさり勝っちゃったわけで」
「ダリル・ケイシー、先輩……」
「かんちゃんがエキシビジョンで戦った先輩だよね~?」
「うん。アメリカ代表候補生」
ああ、あのコースに炎の壁作ってた3年の先輩か。
「簪様、結局途中からレースではなくバトルになってしまわれたんですよね……」
「虚さん、私悪くない。ケイシー先輩が悪い」
ちなみにレース終了後、
『更識妹ぉぉぉ! あれほど"レースをしてくれ"とお願いしてただろぉぉぉ!?』
『ケイシー先輩に戦えって脅されました』
『お、おい!? 確かに一騎打ちしたいとは言ったがよぉ』
『ケイシィィィ! 貴様こっちに来い!!』
『うわぁぁ! み、耳! 耳引っ張らないでくれよぉ!!』
というやり取りがあったそうな。
「陸君も、織斑先生から色々言われたんじゃないの?」
「言われましたね。『陰流を改造したらいけないとは言われてないですが?』って答えたら、呻き声をあげながら保健室の方に消えていきましたけど」
「ひ、ひどい……」
本当に俺に何もさせたくないなら、他の作業でも振れば良かったんだ。報酬次第じゃ、訓練機のメンテナンスとか請け負ったぞ。いつぞやのオーバーホールみたいに。
「もぐもぐ、うまうま」
「ホントのほほんはブレねぇなぁ」
というか、主役の楯無さんより先にケーキ食うなよ。
「本音……」
「すみません、お嬢様……」
「あはは……ま、まぁいいじゃない。実に本音らしいっていうか」
そんなこと言って楯無さん、やや苦笑いなんですが。
「たっちゃんも、ケーキを食べればいいんですよ~」
8等分したケーキを皿に取って、すすっと楯無さんの前に置くのほほん。最初からそれをしていれば……。
「あら、美味しい」
「くどくない甘さがいいですね」
楯無さんに続いて、虚先輩もケーキを口にしてこの感想。
「このケーキ、どこで買ったの? 今度からこのケーキを食べたいわ」
「本音、どこで買ったの?」
「えっとね、お姉ちゃん……」
「「本音?」」
のほほんが言いにくそうに、フォークで皿をつつく。
「そのケーキ、りったんの手作り……」
「「……は?」」
一拍置いた後、
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」
ガシャンッと音を立てて、二人の持っていたフォークが皿の上に落ちる。
「り、陸君の、て、てててて、手作り?」
「『ケーキなら俺が作れるから、その分他の食いもんに金かけようぜ』って言いだして~……」
「陸の方が女子力高かった……解せぬ」
「簪、俺そこまで言われないとダメなん?」
よく菓子類は『きっちり分量通りにしないといけない』って言うが、逆に言えば『きっちりレシピ通りにやれば、それなりのもんは出来る』ってことだからな。むしろ俺は菓子類しか作れん。普通の料理レシピに出てくる曖昧表現がダメだ。『少々』って何グラムだよ? 『とろ火』って何℃で焼けばいいんだよ?というかだな、
「俺より一夏の方が女子力高いだろ」
「ああ~……」
「おりむーのあれは、もはや反則だよ~……」
「え? 織斑君ってそんなにすごいの?」
「料理はもちろん家事全般に対応していて、さらにプロ級のマッサージ機能も付いたパーフェクト主夫ですよ」
「何それ怖い」
「お嬢様、そのセリフは酷いです。……私も一人の女として恐怖を感じましたが」
楯無さんが驚くのも分かる。俺も最初凰から聞いた時は、何かの間違いかと思ったからな。というか一夏、お前もう将来主夫でいいんじゃね? 嫁達は代表候補生ばっかで普通に稼げるんだし。
「……」
「簪?」
――ムギュッ
俺の左腰にしがみ付いてきた。
「女子力高くても、織斑君に陸は渡さない」
「馬鹿野郎俺はゲイじゃねぇぞ」
何を心配してんだアホか。というか、簪顔赤くね? ふと見ると、そこにあったのはさっきまで簪が持っていたコップ。中にはグレープジュースが……おい、ちょっと待て。
「なぁのほほん、飲み物買ってきたのはお前だったよなぁ?」
「そうだよ~?」
「何買ってきたんだった?」
「え~っと、コーラでしょ~? 烏龍茶でしょ~? あとブドウジュースとオレンジジュース~」
「……虚先輩」
「え?」
俺はすっと、簪が飲んでいたジュースの入ったコップを差し出した。
「このコップが一体……っ!?」
首を傾げていた先輩だったが、コップに顔を近づけた時点で気付いたようだ。
「本音! 貴女これアルコール入ってるじゃない!!」
「え? ええぇぇぇぇぇ~!?」
先輩の指摘に対して、ガチで驚くのほほん。
「何をどうやったら、学生ののほほんが赤ワインを買えるんだよ?」
「ノンアルコールのコーナーにあるのを買ったんだよ~!?」
いやいやそれにしたって、会計通した時点でお前も店員も気付かんのかよ。その店ザルすぎんだろ。
「簪ちゃん、大丈夫!?」
「ふぇぇ? にゃにが~?」
あ、ダメだこりゃ。顔真っ赤で目もトロンとしてる。
「
「簪ちゃん、完全に酔っぱらってるわね……」
「そうっすね……」
「
「酔っぱらい過ぎだ馬鹿野郎!?」
外史とかNGワードを絶叫するなよぉぉぉ! 3人とも分かってないっぽいから良いけどぉ!
ーーーーーーーーー
困ったことになったわ。いえ、あまりに想定外の事態よ。
「あの子が組織を抜けるとか言い出すなんて……」
ミューゼルの末席、私の姪、レイン・ミューゼルが亡国機業を抜けると連絡してきた。そして理由を聞く間もなく通信が切れて、以降は繋がらなくなった。
裏切り者には報復を――と言いたいところだけど、
「くそっ! くそっ!」
ソファに寝転んでいるオータムは、利き腕を折られた上にアラクネのISコアを喪っている。腕の骨折自体はほぼ治ってるけど、ISが無ければ動きようがない。そして
――ガシャンッ
「くっ……!」
食事をとろうとしていたエムの手から、スプーンが落ちた音。
あの一件以来、彼女は手の震えが発作的に起こるようになった。医療班の見解では『時間が経てば治まる』とのことだけど、あの状態でサイレント・ゼフィルスには乗せられないわ。よしんば乗せても、レーザーライフルの引き金を引くのも覚束ないでしょう。
「そしてレインは離脱……ひどい有様ね」
亡国機業の実働部隊『モノクローム・アバター』は壊滅状態となった。それもこれも、以前流れ着いてきた女権団の無能共が流してきた情報が正しくなかった所為よ。
『"2人目"は戦闘力皆無』? その彼に、オータムは腕をへし折られたのよ?
『日本の第3世代機は開発を凍結された。学園内で組み上げたらしいが大したことはない』? その大したことない機体に、
今回の件で、幹部会は荒れるだろう。それで女権団の無能共が一掃されればいいけど、もしそうならなかったら……
「これから、どうなるのかしらね……」
ため息をついても何も良い案なんか出るはずもなく、とりあえず私はオータムの機嫌を落ち着かせることにした。
実際、周りにいた理系(化学系や薬学系)の人って、菓子作りが上手かった印象。薬品計る要領で、材料を正確に計ったりしてるからなんでしょうね。
モノクローム・アバター壊滅状態です。束も宇宙進出に興味が行ってますから、次の全学年合同タッグマッチ編も平和そのもの……って、エムの襲撃無かったから、そもそもタッグマッチ開催されないやん。どないしよ……。