俺と契約して、ブリュンヒルデになってよ!   作:シシカバブP

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サブタイは綺麗ですけど、内容はギャグです。


第92話 渇望する夢(ワールド・パージ)

亡国機業のオータムと、アドヴァンスドとやらの女の子を増援の教師部隊に預けた俺と織斑先生は、その足でIS学園に戻っていた。

その途中、簪とも合流したのだが

 

「織斑先生、これ……」

 

「ッ……!」

 

「いやこいつ、織斑先生そっくりなんだが」

 

簪が抱えていた少女、おそらく"エム"と呼ばれていた、サイレント・ゼフィルスを操縦していた亡国機業のエージェントなんだろうが、顔がまるっきし織斑先生だった。というか、小中学校時代の織斑千冬だと言われても信じるぐらい似てる。

 

「更識妹、そいつはそのまま私が連行していく」

 

「え?」

 

「それとこの件については別命があるまで口外禁止だ。このことを知っている人間を増やしたくない」

 

「……それほど機密性の高い存在だと?」

 

「ああ。私の予想が正しければな……」

 

「だとさ、簪」

 

「うん」

 

簪からエムを受け取った織斑先生は、相変わらず信じられない身体能力で学園に向かって駆けていった。

 

「陸、無理し過ぎ」

 

「突然なんだよ」

 

「亡国機業のエージェント相手に、刀一本で乗り込むとか。しかもお店の中で暴れて、一般のお客さんにも迷惑かけたって」

 

「それは~……はい、頭に血が上ってました、俺が悪かったです」

 

これに関しては100%俺が悪かったし、すでに織斑先生からもお説教されていた。学園の地下区画と違って、無関係の人達を巻き込んじまったからなぁ……。

 

「でも、陸が無事でよかった」

 

簪がいつものように、俺の左腕にしがみ付く。

 

「簪こそ平気だったか? 今の弐式はGNドライブを外した状態だったろ?」

 

タッグマッチ戦のレギュでGNコンデンサーに付け替えてから、元に戻す前に今回の事件だったからな。戦力ダウンは免れないはずなんだが……。

 

「全然問題無かった。どちらかと言えばお姉ちゃんや本音の方が、何をやってくるか分からなくて怖い」

 

「亡国機業のエージェントはのほほん以下かよ……」

 

「というか、陸の関わったISが頭おかしい。お姉ちゃんは操縦技術がおかしいけど」

 

「……俺、その内IS委員会から目の敵にされるんじゃね?」

 

「今更?」

 

解せぬ。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

本土からモノレールに乗って(織斑先生に会わなかったが、まさか泳いで渡ったんじゃねぇよな?)、俺と簪が学園前に着くと、校舎の窓に降りていた防御シャッターは無くなっていた。

 

「一夏の奴、やったんだな」

 

「そうみたい」

 

簪が指さす先には、一夏とハーレムの面々、それに山田先生が……いるんだが……

 

「……一夏、やつれたか?」

 

「そうかも……」

 

そこにはゲッソリした一夏と、一向にこちらと目を合わそうとしないハーレムの面々、そして顔を真っ赤にして手で覆い隠す山田先生。おい……

 

「一夏、電脳空間で何があった?」

 

「それが……」

 

一夏は語る。電脳ダイブ後、幽閉されたハーレムの面々を救い出すため、扉の先に飛び込んだ一夏が見たものは……

 

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■凰鈴音の場合

 

休みの日に出かけた帰り、突然の雨でバスに乗り遅れた一夏と鈴は、停留所で雨宿りをすることになった。

 

「突然降り出してきたなぁ」

 

「ホントよ。ああもうずぶ濡れ」

 

「ほら、タオル使えよ」

 

「ありがと。一夏は?」

 

渡されたタオルで髪を拭く鈴が問う。実際一夏の手には、他のタオルは無い。

 

「俺はいい。鈴が拭けよ」

 

「う、うん……」

 

「さっさと拭いちまえよ。濡れたままだと風邪ひく……はっくしゅん!」

 

「何してるのよ一夏。アンタが先に風邪ひきそうじゃない」

 

鈴の指摘通り、一夏の顔は寒さで血行が悪くなっているのか、少し青い。

 

「ほら、これなら温かいでしょ」

 

「り、鈴?」

 

慌てる一夏に、鈴が抱き着いた場所から、彼女の温もりが伝播してくる。

 

「一夏ぁ♡」

 

「鈴……」

 

他には誰もいないバスの停留所で、二人の唇の距離は縮まっていき、そして……

 

 

「誰もいないからって外で盛んなぁぁぁぁ!!」

 

――バチコーンッ!

 

「あいたぁ!?」

 

一夏(本物)のツッコミを頭から受け、鈴はワールド・パージから抜け出したのだった。

(ちなみに学園祭後のキスも校舎屋上なので、今回のは完全に『おまいう』案件である)

 

 

■セシリア・オルコットの場合

 

オルコット家の当主として、セシリアは精力的に働いていた。その傍らには、優秀な執事兼恋人の一夏がいた。

 

「お疲れ様です、当主様」

 

「もう! 今日の職務は終わって、今は二人きりなんですのよ?」

 

「ああ、分かったよ、セシリア」

 

「はい、一夏さん♡」

 

少し恥ずかしがりながら、セシリアは一夏の手を取り、()()()()()()()バスルームへと入っていく。

 

「それじゃあ、一夏さん」

 

「あ、ああ。やっぱり何度やっても恥ずかしいな……」

 

そう言いつつ、一夏は執事服を脱ぎ始める。そして上半身だけが裸になったところで

 

「はぁ……♡ 一夏さんの胸板、立派ですわぁ……♡」

 

我慢できなくなったのか、セシリアも下着だけを残して着ていた服を脱ぎ、一夏の胸板へ飛び込んでいく。

そして、程よく筋肉の付いた腹筋部に舌を這わせて――

 

 

「そんな癖持ちだったのかよセシリアぁぁぁ!!」

 

――バチコーンッ!

 

「きゃぃん!」

 

鈴の時と同じく頭にツッコミを受けて、ワールド・パージから抜け出した。

 

 

■シャルロット・デュノアの場合

 

「シャルロット」

 

「一夏……」

 

シャルロットはメイド服姿で、一夏と抱擁を交わしていた。

 

「あと一週間で、僕と一夏は夫婦になるんだね」

 

「ああ。今まで、メイドとして扱って悪かったな」

 

「いいんだよ。そもそも織斑家に身請けされなければ、僕は今頃どうなっていたか……」

 

デュノア社の経営が立ち行かなくなり倒産、無一文で一人世間に放り出されたシャルロットには、昔から縁がある豪商の織斑家に引き取られるのが一番良策だったのだ。

しかも、昔馴染みで最近当主になった一夏に『シャルを妻にする』と言ってもらえた時には、涙が止まらなかった。

 

「だから僕の全てを、一夏にあげようって」

 

「全てって?」

 

「全てだよ。一夏が望むなら、なんだってするよ。そ、その……う、後ろの初めても……一夏、好き?」

 

「シャル!」

 

「きゃっ!」

 

一夏に抱きかかえられたシャルロットが、部屋のベッドの上に放り込まれる。

 

「いいんだな? 今更無しなんて言っても遅いぞ?」

 

「そんなこと言わないよ。だから……来て? 一夏♡」

 

メイド服のスカートをめくるシャルロットに一夏は腕を伸ばし、背中から臀部へと指先をスライドし、そしてその先の――

 

 

「俺にそんな趣味はないぞシャルぅぅぅぅぅ!!」

 

――バチコーンッ!

 

「ぎゃんっ!」

 

渾身のツッコミを受けて、ワールド・パージが崩壊した。

この辺りから、一夏(本物)の目からハイライトが消え始める。

 

 

■ラウラ・ボーデヴィッヒの場合

 

「よ、嫁よ。ほ、本当にこんな格好がいいのか……?」

 

「ああ、よく似合ってるよ、ラウラ」

 

新婚二か月目の『嫁』である一夏からのお願いに、ラウラは弱かった。そのため、額へのキスと猫撫で声に屈して、裸エプロンというマニアックな恰好をしていた。

 

「ラウラ」

 

「なんだ」

 

「可愛いお尻♪」

 

「ひゃんっ!」

 

裸のままのそこを撫ぜられて、軍人にあるまじき声を上げる。

 

「ラウラは可愛いなぁ」

 

「こ、こらっ! やめ……あん♡」

 

後ろから抱き締められ、エプロンの上から胸を触られる度に、ラウラの口から艶のある声が漏れる。

 

「い、一夏ぁ……」

 

「我慢できない?」

 

「ああ……」

 

普段、IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』の隊長として見せる、軍人としての誇りも雄々しさも、そこには無かった。

 

「もう、我慢できないのだ……だから……()()くれ……」

 

「いいよ、ラウラ……」

 

一夏の手がラウラのエプロン、その肩紐に触れ、横にずらされて――

 

 

「ラウラは俺がそんなお願いすると思ってたのかよぉぉぉぉぉ!!」

 

――バチコーンッ!

 

「ぬがっ!」

 

一夏(本物)、もう現実世界に帰りたくなるが、あとは箒だけだとやる気を奮い立たせて、なんとか最後の扉を開ける。

 

 

■篠ノ之箒の場合

 

「「998、999、1000っ!」」

 

篠ノ之神社の道場で、箒は一夏と一緒に素振りに精を出していた。

一家離散によって無くなるかもしれなかった篠ノ之流道場だったが、篠ノ之神社の神主で道場師範、篠ノ之柳韻(しののの りゅういん)が戻ってきたおかげで、以前のような賑わいを取り戻していた。

その師範が出稽古に出ているため、今道場には箒と一夏しかいない。

 

「だいぶ腕を取り戻しているようだな、一夏」

 

「ああ。やっと中学3年分の遅れを取り戻せた感じだ」

 

「ふふっ、3年鈍っていた分を、まさか1年で取り戻すとはな」

 

箒にはそれが嬉しかった。やはり自分の夫のなるべき男には、強くあって欲しいというのが彼女の思いだった。

 

「一夏……」

 

「お、おい、箒?」

 

箒が白袴の一夏に抱き着く。そして

 

「一夏ぁ……♡」

 

「仕方ないなぁ、箒は」

 

一夏の方も、箒の背中に手を回して抱き締める。結果、箒は顔を一夏の胸元に埋める形となり

 

 

「一夏の汗と体臭が混じった匂いクンカクンカしたいぞ!クンカクンカ!あぁあ!!」

 

 

「。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。やめろ馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

――ガァァンッ!

 

「ぎゃふんっ!」

 

無意識に、本気のグーパンを箒の頭上に落としていた。

そして一夏(本物)は……泣いていた。

 

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「「これは酷い」」

 

こりゃ一夏もやつれるわ。そんでナビゲートしてた山田先生も、その一部始終を見ていたと。ダメだこの代表候補生達、遅すぎたんだ……!

 

「えっと……そ、そうです! 更識簪さん、お姉さんは医療室の方に移されました。幸い軽傷で面会もOKなので、お見舞いに行くと良いですよ」

 

山田先生がこの気まずい空気を何とかしようと、簪に対してグッドニュースを提示した。

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「ええ。宮下君も、一緒に付いて行ってあげてください」

 

「分かりました」

 

「陸、早く!」

 

「分かった分かった」

 

袖を引っ張る簪に急かされて、俺も保健室へ急いだ。というか逃げた。




原作の朴念仁モードでもあれだったので、一線超えてる本作ではこれぐらい行くだろうと。たぶん一番の被害者は、強制的にエロシーン(一歩手前)を見せられたまーやん。

次回はたっちゃんのデレ、その次で捕まえたオータムとエムの拷問回を予定しています。
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