彼女が出来ました。 作:ロリコンじゃありませんフェミニストです
もう少し勉強しなきゃなぁ。
どうも、クルス・アルスです。
現在夏休みのバカンスでカルナージに来てます。
そして2日目。今日は他の皆んながチームに分かれて模擬戦。俺?筋肉痛で観戦です。ヴィヴィオたちが残念そうにしてたけど、こればっかりは無理だ。死ぬ。
「クルスも混ざれば良かったのに」
「筋肉痛なんで。それにこういうのは観戦してる方が楽しいので。あ、バインディングシールド」
あれ結構コツ要るんだよなぁ。ラウンドシールドとバインドの並列処理。
「あっちゃ〜捕まっちゃったわね。でも……」
ニヤリと口角を上げるメガーヌさんに釣られて再度アインハルト達のほうへ視線を戻すと。動きが取れないまま、バインドを引きちぎって高町さんにカウンターをかました。
「へー。足先から伝えて……ふーん……」
技術自体は術式関係ないか……あれは努力でどうにかなる。俺も出来るかな?
「でもモーションがデカいな……アレじゃ的だな……ってはぁ!?」
アイツ魔力弾掴んで投げ返したぁ!?“アイツも”できるんだ……へー。
「古代ベルカって言えば大体のトンデモ通りそうだな」
「否定出来ないのが辛い……!」
あ、ヴィヴィオに似た声のシスターが苦笑いしてる。
「でもクルスはアインハルトに一撃で勝ったんだろ?」
「真正面からやったら相性は良くないです。単純な防御力やタフネスならアイツの方が上ですので、それを盾に無理やり捩じ込まれると詰みます」
「ふふっ。じゃあクルスはどう対応するの?あ、魔道戦競技のルール内ね?」
「遠距離から距離を伺って隙を見て、一点を集中的に狙ってウィークポイントを作ります。いくら射砲撃を投げれると言えど動きは止まりますし隙も生まれる。あとは自由に片付けます。アイツ性格素直なんで罠やブラフに引っかかりそうなので」
「魔法戦競技ってルールだぞ〜……」
「魔法戦競技に弱点を作ってはいけないなんてルールはありません。労せずして手札を晒さず勝つのが1番です」
「うわ〜……理論的ね〜」
あ、エロオのヤツフェイトさんのバリアジャケット破りやがった。アイツなんだ?ホントにエロオなのか?
そんなこんなであれから組みを変え人を変えて模擬戦は行われ。夕方。書くこと少ない?しょうがないだろ。ホントに筋肉痛で動けなかったんだから。
「おーい。大丈夫か?ちびっ子ども」
「クルスさ〜ん。ヘルプ〜」
ソファの上でヴィヴィオたちが張り切り過ぎてグロッキーになってた。
「あとで背中乗っけてやるよ」
やった〜と畳に転がるヴィヴィオ(可愛い)
「お前張り切りすぎなんだよ」
「だぁってぇ〜。盛り上がっちゃったしぃ〜」
「試合では絶対やるなよ」
「分かってますぅ〜」
分かってるならよし。
「クルスさんも参加すれば良かったのに」
リオちゃんは活発だなぁ。
「俺は筋肉痛だ。死んじゃうって」
「クルスさんなら、なんとかしそうな気が……」
ヴィヴィオは俺をなんだと思ってるんだ。
「あ、なのはママとティアさんがクルスさんのことすっごい褒めてましたよ?魔力制御がすっごく上手で戦術判断が早いって」
「エースオブエースに褒められるとは……照れるな「ぜひ一度空戦機動隊の訓練にどうか「それは遠慮する」
ヴィヴィオは、あははは…とやっぱり。と言いたげな笑いをする。さてはなんか言われたな?あっぶねぇ。
「クルスさんって何処でそんな技術身につけたんですか?」
「俺か?……んんん…話すと長くなるから要約すると。たまたま飢え死にしかけてた奴を助けたら、ソイツがたまたま魔導競技選手でソイツから教わった」
「……要約し過ぎですよクルスさん」
苦笑い混じりのヴィヴィオの頭を撫でて俺は続ける。
「まぁ……うん。魔導競技を続けていれば、いずれアイツに会うかもな」
というか当たるかもな。
そんなことを思ってると、俺の端末。ヴァリアントが鳴る。ヴァリアントが鳴るってことは仕事関連だ。
「悪い。ちょっと出てくるわ」
と。部屋の外へ出る。
通話はボイスオンリー。会話は情報漏洩防止のためイヤホン越し。
『やぁクルス君。今いいかな?』
「はい。どうかしましたか?専務」
『はっはっは!やだなぁ。役職じゃなくて気安く呼んでくれたまえよ』
「……どしたの?はーさん」
俺の仕事先の専務。ハーディスさん。娘さんもいるって自慢してた。
『今日の君の戦闘データの件でね。今までのデータも踏まえて、商品としてのヴァリアントは概ね完成と言っていい仕上がりになるだろう』
おおっ!ってことは…
「俺もお役御免ですか……」
かれこれ1年くらい使ったからちょっと愛着あるなぁ。
『商品としてのヴァリアントは完成だ。次は“君の”ヴァリアントを作る番だ!』
「え?……はぁ?!さ、流石にそれは……!」
退職金や成功報酬と考えても貰いすぎだ。
『いやいや!君の働きぶりを労う成功報酬。そしてデバイスのアジャストまで其方で請け負って貰ったんだ。君自身の今までの戦闘データと我が社とマッさんとすーさんの技術も加えた君だけのヴァリアントを作る。成功報酬+君の今までの商品たるヴァリアントへの気遣いのお礼だよ』
「それは……ホントに良いの?」
『いいとも!それにマッさん達も乗り気でね。直ぐにでも君のデータと武装案を聞きたいと言っているんだ』
……この人達、趣味でやるつもりだ。俺も曲がりなりにも技術者だからわかる。こうなると自重しないんだよなぁ。でも、俺の満足行くデバイスって…悔しいけど俺には作れないし……うーん。
「……今旅行なんで。3日後ミッドに帰ってからでも大丈夫ですか?」
『もちろんだとも!あ、ヴァリアントはそのまま使ってくれて構わないよ。データは幾らあってもいいからね』
上機嫌で通話は切られ、俺はマァジか。と今後を思って天井を見上げる。
俺のデバイス──俺の思い描くデバイスはかなり我儘だ。俺は魔力量はあるけど精々が中の上。そんなの学校で幾らでもいる。そんで俺にはレアスキルもない。変換資質も、ティアナさんのような幻影もキャロのような召喚魔法もない。出力はティアナさんの銃撃にだって貫通されるくらいの弾丸しか作れない。
俺は戦術と戦略でどうにかするしかない。だからこそ、多岐に渡る忙しい武装しか俺にはアテがない。
──昔はこんなに強くなくても良い筈だったんだがなぁ──
でも今は──なんと気無しに居間の方。うーうー唸ってるヴィヴィオの方を見てしまう。
「惚れた弱みだな……」
まぁ。嫌ではないんだけど─色ボケし過ぎかな。俺。
「クルスさん。どうかしましたか?」
床に寝そべりながら聞いてくる小さく可愛い恋人に俺は思わず笑ってしまう。
「いや。俺こんなアウトドアだっけなぁって」
公にはヴィヴィオの恋人って言えないけど…せめて言えない分。それっぽく護ろう。
俺はガラにもなく決心した。
─────
その後。明日も俺も加えた合同合宿(エキシビジョンマッチ)ということをノーヴェさんから聞かされて肩を叩かれた。あ、俺、死んだ。