叶えられない一目惚れ   作:ツーと言えばカーな私

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ガッシュベルの二次創作を書く際『金色のガッシュ!!』か『金色のガッシュベル』どちらをタグ付けすれば良いのかよく分からない人です。

ギルギアの設定乖離が本作にはあります。
ガッシュ基準の世界なので、ご容赦ください。


第1話 家の窓をぶち破ることで始まるストーリー

 

 幼少期の初恋とはこんな感じだったのだろうか。

 当時の僕は大分惚れやすかったと思う。女の子に優しくされたらすぐ惚れた。将来苦労するかさせそうな惚れやすさだった。小学生とはいえ…8人の子に惚れたっけ。それから中学高校と進み、20人以上…。

 結局どれもフラれちゃったけど。

 

 流石の僕も学んださ。よくもまあ、3人目の時点で気づかなかったと思う。

 彼女たちの持っている親切心、好きだと言ってくれた言葉は誰もが持っているだろう優しい心が一時僕に向けられただけ、友愛としての意味合いが最も多く恋愛の意味などないと。

 

 『友達として好き』『そんなつもりで言ったんじゃない』『真に受けてたなんてキモいよ』『冗談なのに』『もっと可愛い子がいるって』

 

 そんな言葉が思い出される。今でも心がチクリと痛むし味があれば苦い。羞恥もあって本当はあまり思い出したくもないが。恋…となっては思い出さざる終えなかった。

 

 「あなた、この本読める?」

 

 ライムグリーン色の本を僕に差し出しながら、恐ろしいまでに感情がない表情の彼女に対し僕は戦慄し、恐怖し、畏怖し……恋をした。嗚呼、嗚呼、これが一目惚れという奴か…。

 流されるまま本を受け取ると、本が唐突に光り出した。

 

 「これは!?」

 「そう…あなたなんだね。私のパートナーは」

 

 え!?それって人生のっていう意味ですか!?

 

 いや違う違う。いくら惚れやすい僕でも出会って数秒で結婚を申し出た事は無かった。というか相手の無表情具合で絶対そうじゃないって察せられただろう僕。どうしてそんな思考になるんだ本当に、頭お花畑か。

 おそらく、相棒という意味合いの方だろう。しかし、理由は見えない。

 

 「私はラムレザル=ヴァレンタイン 。魔界の王になる者」

 

 ん?

 おかしいな。恋愛漫画だと思ったら思いっきりバトル漫画だったぞ?

 

 「私と共に…闘え。人形」

 「かなり強引なお誘いだね。お嬢さん」

 

 抑揚のない機械的な声で彼女はそう言い放った。

 

 

 

♦︎

 

 今更ながら、背景の満月をバックに窓ガラスをぶち破りながら僕の家に入ってきたラムレザルという少女との出会いは最初こそロマンチックであった。まるで、何かの作品であればBGMで『月光』が流れるんじゃ無いかと思うくらい煌めいていた。今でもそれは僕の脳裏に焼き付いている。

 しかして、紡がれる言葉は傲慢不遜、厚顔無恥な代物…雰囲気(ムード)なんてありゃしない。と言いたいところだが、彼女にとっては事情が違ってくるようだ。

 

 今年は千年に一度行われるという100人の魔物の子供達が魔界の王を決める戦いの年で、ラムレザルはその戦いに参加した子供という事を教えてもらった。その中でも彼女はヴァレンタイン家と呼ばれる家系の出で、所謂魔界での貴族。そして彼女はその中でも一族の最高傑作として育てられてきたという。

 

 ここまではまあ、百歩譲り納得した。現に僕よりも小さい女の子が窓を蹴り破ったのに傷1つ見受けられないことや、彼女を象徴とする2つの大剣が黒と白のデフォルメされた可愛い悪魔に吊るされて浮かんでいること、そして先程受け取ったライムグリーン色の魔本から発せられた光と、唯一読める色の変わった文字『カルヴァドス』が異様な彼女の存在を立証していた。

 

 そして普段感じることのない強者の風格。戦いの素人でも、彼女の底知れぬ力を感じざるおえない。恐怖しているとさえ言っていい。何故かそんな彼女を好きでいる自分はマゾヒストかと自分を疑うが多分違う。

 

 鍛え上げられてきたであろう彼女の四肢は筋肉質と言うわけではなく、むしろ女性的な柔らかさを印象付ける。特に太もも。大変目に保養であるが、目のやりどころに困る。正直彼女を覆っているマントらしきものが有難い。…気のせいかなマントの下の部分が牙の様に見えるし、なんだかよだれの様なものがマントから滴っているのも見える。一旦ここも魔物であるとして納得しよう。まあ、これで貴族であり一族の最高傑作である事もなんとなくだが頷ける。

 

 だが彼女との今までの対話で一番不可解な点は、高圧的に来る口調でもなければ、彼女の黒白の使い魔?が合体するとお喋りであるとかそんな事ではない。

 感情の起伏という物が全く見られない点だ。僕に己の事情、魔界の事情を説明するときの声は1度もトーンを外した事はなく、全て一定だ。正に機械が音声を当てていると錯覚してもいい。彼女の声が良い分アンバランス過ぎて不気味さが増す。それに表情も全くと言っていいほど動かない。

 

 一度、思い切って感情はあるのかと質問してみると「王になるのに、そんな物は必要ない」と淡白な返しをされた。

 「ない」ではなく、『必要ない』つまり存在はする。だが彼女の言っている通り必要ないので失くしている状態。

 何故そんな悲しい事を言うのか全く分からなかった。感情は誰しもある、生命であれば絶対に持っている筈のものだ。それが必要ないからと言って容易く捨てられる理由はなんなのか。問いただしてみると「お母さんが、この戦いに感情は邪魔だと言っていた。だから失くした」という返事を聞いた。

 

 少し安堵した。彼女は完全に感情を失くしたわけではないと確認できた。そもそも、本当に感情がなければ僕の質問に答える事などないだろうし、ここまで僕に詳しい事情を説明する事もないだろう。

 だが同時に激怒する。『この戦いに感情は邪魔だと言っていた。だから失くした』…彼女の母親は何を考えている?例え、彼女が王になったとして、感情のない王など傀儡同然ではないか。王になる為に生まれ落としたというのなら、『彼女にそれ以上の価値はない』と暗に言っているようなものではないか。

 

 …ふざけるな。自分の子をなんだと思っている?愛しい我が子ではなく、傀儡の王にするための布石同然であるだと?そして、その為に一族最高傑作として育て上げてきたのなら…幼い頃から虐待染みた訓練を課されてきたという事じゃないか?感情などいらないと言ったのもそうであれば納得する。納得はするが絶対に彼女の母親を許す気にはなれなかった。

 

 彼女から発せられた少しの情報で、最悪な過去を連想してしまう。そもそも、感情がなく生まれてくる子供なんていない筈だ。厳しい訓練に耐えきれず脳の防衛本能が働き、精神崩壊を避ける為に感情を失くしたように僕には見える。

 あるいは精神操作が得意な魔物がいて、その魔物を彼女の母が使役し、彼女の感情を奪った様にしか…僕は思えなかった。まだ彼女と出会ってから1時間だけというのに、彼女を被害者としての側面でしか見れなかった…。彼女からすれば本当に生まれた時から感情はなかったのかもしれない。訓練も苦ではなかったのかもしれない…。

 

 本当に、余計なお節介なのかもしれない…酷いエゴの押し付けなのかもしれないが…彼女に親の愛を受けてもらいたかったと…そう願ってしまう。彼女にとってはそれも『王になるには』邪魔なもの。あるいは必要のないものとして否定されるだろう。だが…あんまりに悲しいじゃないか。

 これから始まる100人の子供達による魔界の王を決める戦い…私は王になる為に生まれ育てられてきた彼女をパートナーとして持った。きっと、彼女のような強者も大勢いるのだろう。その時は戦いの激しさのあまり僕は命を落とすのかもしれない。それぐらい苛烈な戦いになるんだろう…。彼女だって傷つくんだろう。

 

 僕はあまり、この戦いに乗り気になれずにいた。己の身の保身もそうだが、それ以上に彼女にこれ以上傷ついて欲しく無いという…一方的なエゴが僕を拒ませていた。

 彼女からの目は厳しい。

 

 「闘えない?」

 「僕はこの戦いに乗り気になれない」

 「人形に選択権なんて無いよ。いずれ魔本を持つもの同士が惹かれ合い出逢って、戦闘になる」

 「…」

 「もう一度言う。闘え。さもなくばお前の家族を根絶やしにする」

 

 自分は女運がないのだろうかとそう思わざるおえない。一目惚れしたのはそうだし、機械的な声でこんな対話をされても未だ好きな感情は衰えることなくむしろ増していると言える。だからこそ、自分は女運がないと思う…。

 

 魔界の王を決める100人の子供たちの戦い。そして最後に残った1人が王になり…魔界を統治する。

 つまり、勝利しても魔界へと帰還する。あんまりに…この出逢いは…虚しすぎる。永遠に決着が着かなければいいのにとさえ思ってしまった。しかし、彼女は王になる為に誕生させられた。

 自分の価値が王になる以上にないと彼女の発言からはっきり聞いたわけではないが、「そうだ」という様に彼女の今までの言動と目が語っていた。彼女の母親の思惑通りという訳だ。全く腑に落ちない。

 

 「生憎、この家の主人は僕だけだ。家族はすでに死んでいる。大切な人も振られてばかりでいやしない。君は脅しで僕を戦いに参加させるつもりだろうが、君の言ったそれは脅しにはなり得ない。王になる者の交渉力にしてはちょっと幼稚過ぎやしないか?」

 「ならこの街を破壊する」

 「…どうしても戦えというのか。そんなに王になりたいか?」

 「王になる以外。私に価値はない。それ以外のものも意味はない。意味の無いものはなくなった方がいい」

 

 彼女は酷く恐ろしい事を言っているのに、僕の生まれ故郷を滅ぼすとさえ言っているのに、何故だろう。僕には怒りも湧いて来なければ、好きという感情が揺らぐ事もない。狂ってるなぁ…と何処か他人事の様に思う心があった。

 理性の働きはまだある。僕もこれ以上の反論材料は持ち合わせていなかったので彼女の意思に従う他ない。

 

 「…わかった。条件付きだがこの戦いに参加しよう」

 「条件は何?場合によっては拒否する」

 「1つ、僕の名前はヴァイス。ヴァイス・ベルナール。人形ではなくヴァイスと呼ぶこと。2つ、他の人間の事も人形と呼ばないでくれ。名前、もしくは『お前、あなた』でもいいから二人称を使ってくれ。3つ、魔物と出会えば戦うが、相手次第によっては戦わない」

 「拒否する。戦ってはいけない理由がわからない」

 「相手が一般に善良と呼ばれる存在であった場合、彼らは協力関係を結んでくれるかもしれない。この戦いは、協力関係を結んだ方が余計な力を使わずに効率的に戦うことが出来るし、囮として、必要な犠牲として使うことも出来る。他よりも優位に進める利点が多い。情報量とかもそうだ。僕たちだけでは勝てない敵にも勝てる様になる事が多い。また、協力関係を結んだ魔物とその本のパートナーが僕たちよりも弱かった場合、最後の決着においてスムーズに君の勝利が決まることができる。君の存在価値が王になる為というなら、その方が効率的だと思わないか?」

 「ふむ…貴方の戦術に賛同しよう」

 「まあ、悪と僕が決めれば即座に倒す。裏切られた場合、対処が困るからね」

 「分かった」

 

 「あとこれは最後の条件だ。絶対守ってくれ」

 「何?」

 「自分の価値を見つけろ。王になる以外の。勿論、その価値は持ち続けても良い。ただそれ以外を見つけるんだ」

 「了承出来ない。私にそれ以上の価値もなければ役目もない。お母さんがそう言っていた」

 「その母親の価値をなす為に、僕の条件を飲むんだ。役目を果たせなくなるよ」

 「…王になる価値の為の価値を探す?」

 

 初めて、言い淀んだ…。つまり彼女は戸惑ったんだ。感情の起伏が僅かだが初めて見えた。

 

 「そうだ。本当に何でも良い。自分の存在価値を人間界で何か見出すんだ」

 「……分かった。役目を達成する為に必要ならば、私はその条件を飲む」

 「よし、交渉成立だね。明日から旅に出ることにしよう。早速身支度を整えたいところだけど。まずは、食事をしよう。夕食をまだ食べていなかったんだ」

 「食事はここに来る以前に既に満たしている。だから必要ない」

 「何を食べたんだ?」

 「山の獣を食べた」

 「…」

 

 魔物は…やはり生身でも強いんだな。

 

 




この主人公、ラムレザルの過去を大体察するも6歳(ガッシュ世界オリ設定)という事に気づいていない。(ギルギア本編(xrd時点)では一歳4ヶ月という…)
まあ、イリュリアの国王(カイ=キスク)(ギルティギアの準主人公)が4歳のディジーと結婚しているので問題はないです。

分からない人向けにいうと、ギルティギアにはGEAR(ギア)と呼ばれる特殊生命体(大体敵)がおり、めちゃんこ成長が早いです。ラムレザルや前述したディジーも実年齢は幼いですが、肉体年齢は16歳の女性や20歳の女性とそう大差ありません。

作者はギルティギアストライブから格ゲーやり始めた初心者です。
最初は一人称ウチ系金髪男の娘に惹かれましたが、ラムレザルに全て持っていかれました。
褐色肌の子が全体的に好きな作者の性癖でもあります。

ラムレザルの容姿はxrd基準です。『ラムレザル xrd』と検索すればポンと出てきます。
ギリギリガッシュに出ていてもおかしくないビジュアルだと思うんです。
因みに、私はSTよりxrdの方が全体的にデザイン好みです。(共感者求む)

本当はぶっちゃけエルフェルトちゃんも出したい。


エルフェルト…出して欲しい?

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  • 誰っすかそれ?
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