Historia Repetit FINAL FANTASY XIII   作:fミク

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第一章 運命への叛逆
プロローグ 新しい光


 

 

光は闇を照らす、希望の標(しるべ)である。

人類誰しもが光を求め、科学を発達させ、薪を燃やし、様々な"光"を求めてきた。

 

 

光は、我々を照らすあの太陽が、そしてその太陽を作った、大いなる神々が授けてくれた物だ。そして光は、時々人間の身に降りる事もあるという……。

 

 

この物語は、光を求める人類に、新たに降りた2つの光の、葛藤の物語である……。

 

 

 

我らが青い地球。

 

我らが青い地球。

 

2023年10月13日に、この星の太平洋の真ん中に、突如大陸が現れた。

 

その大陸が現れた影響か、各地にモンスターと呼ばれる怪物や、悪魔と呼ばれる異形の物が跋扈するようになり、混乱を生んだ。

 

その大陸には、悪魔やモンスターに対抗する手段を持った人間達がいた。

 

彼らは自らを「東京の民」とし、地上の人間達と協力し、悪魔やモンスターに対抗するようになった。

 

落ち着いた頃、彼らは国を作った。

 

その国の名は「kun帝国」。

彼らは平和を維持するため、各国の首脳と共に、後に「ガーディアンズ」と呼ばれる組織の枠組みを作った。

 

ガーディアンズは国を守り、悪魔やモンスター、時には人間を討伐する集団。元々存在していた組織などをこの枠組みに入れ、まとめ上げていった。

 

そして彼らの台頭により、悪魔やモンスターの脅威、更には戦争の脅威までもが消えていった。

 

 

しかし、それは一般人だけの話である。

これらの脅威は、未だに存在する。

彼らガーディアンズは、日夜この脅威と戦い続けている。

 

 

 

そして、今。

「戦争という脅威」が、ガーディアンズを作った大元であるkun帝国から始まらんとしているのだ。

 

 

 

2049年3月13日。

この国で、クーデターを決行しようとしている男がいた。

 

彼は普段、黒い服と黒いズボンに身を包んでいる、桃髪の青年。

 

今日は、灰色の顔が見えないフードの付いた服を着て、同じ服を着た者と共に列車に揺られていた。

 

この列車は追放列車1号車である。

この男は、帝国から追放処分を受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────静かだ。

この列車の車内からは、外の音は聞こえない。そのためか特定の人間の談笑が聞こえてくるのみで、かなり静かだ。

 

 

 

今、どこを移動しているのだろう。

俺の乗っている列車は窓が閉じられていて、外は見えないから、何処を移動しているのかもわからない。

今の状況で一つわかるのはこの列車を降りたら、俺はもう帰れないのだという事くらいだ。そう思って乗り込んだのでどうでもいいのだがな。

 

この列車は、犯罪者や、kunに背いた物を追い出す、動く檻。追放者達は飛行機などで外に出るが、そのまま事故を装って殺されるのが殆どだ。

 

胸糞の悪い話だが、これも昔は犯罪者に対する刑として有効だった。悪用されているだけだ。

 

俺はこの列車にわざと乗り込み、クーデターを起こすのだ。

もちろん1人ではなく、仲間と一緒に、だが。

 

 

前はこういう状況ではえらく緊張したものだが、不思議と俺は冷静だ。きっと今の俺には、成功以外の事が頭にないからなのだろうが。

 

クーデターを起こす理由はたくさんあるが、一般的には政治への不満が主で、俺も主にそれを理由としている。まぁ、もっと大事な理由があるのだが、な。

 

 

巡回の兵士が2人、何やら談笑しながら俺と乗客達を見張っている。……この列車に乗っているのは追放される者達。故に帝国の兵士が複数人乗り込み、俺達を監視しているわけだ。

 

「そろそろか」

 

俺はゆっくりと立ち上がり、兵士を睨みつけて見せる。追放者は座ってないといけないので、兵士は慌てて座らせようと向かってくる。

 

 

そのタイミングで俺は素早い動きで右脚を振り、兵士の顎を蹴り上げた。兵士は鼻血を噴出しながら上の天井に鈍い音を立てて突き刺さった。腕はだらんとして銃を落としたが、指が動いている所を見ると気絶しただけのようだ。俺はその兵士の銃を拝借し、中の銃弾を抜き取った後、自分の座っていた席の後ろの窓を開けて、外へ投げ捨てた。

 

もう1人の兵士がこっちに向かって銃を向ける。ここまで25秒もあって近付いてこないとはな。

 

 

「無駄だ。銃が異能者に通じるかッ!!」

 

俺はそう言って、左手に持った銃弾を一つ右手に持ち替えて、強く握る。すると銃弾の周りを青い光が包み、手を開くと同時に自動的にもう1人の腹に直撃して貫通した。銃弾は後ろの扉に当たり、ポトっと落ちた。もう1人の兵士は腹と頭を抱えながらうずくまった。

 

「き……貴様……帝国に刃向かうと、どうなるのか……わかって……い る の か」

 

兵士はそのまま気絶した。

 

今俺が使ったのは、世間一般で言う所の「異能力」という物だ。ある者は生まれつき、ある者はきっかけにより習得する、特別な力。俺のは生まれつきの物で、とても使い慣れている。

 

能力の詳細は……秘密にしておこう。

 

俺はフードを外し、灰色の服を破って捨てた。

そうすると俺の顔と髪と、いつもの服が露わになる。やはりこの方が動きやすいし暑くないな。

 

 

乗客がざわめきだし、俺に視線を向けた所で、銃声が耳に入ってくる。前の車両で戦闘が発生しているようだ。恐らく俺の仲間だろう。

 

俺はもう1人の兵士のズボンのポケットからカードキーを取り出して奥の扉へ行き、扉の横のセンサーにカードをかざし、奥の扉を開いた。

 

すると、青い服の青年がこちらへ入ってきた。先程言った仲間のうちの1人、ファマスだ。俺はこいつと2人でこの列車に乗り込んだ。

 

 

「……おい、ビッキー。合図忘れてるぞ」

 

「悪かったな。あまりにも滑稽で我慢出来なかった」

 

「一月前まではお前もあいつらの仲間だったってえのに……まったくよ」

 

「そうだったな。……だがまぁ、ああまで滑稽な振る舞いをしていたわけではないと言っておく」

 

「そうかい。だったらあれだな、今まで頑張ってたのがバカらしくなってくるな」

 

「そうだな」

 

 

そうやって話をしていると、前の車両から何人もの兵士がやってくる。

 

「……おいビッキー、剣」

 

ファマスが剣を渡してきた。俺の持っていた剣銃、"ブレイズエッジ"。剣の鞘の下に銃がくっついている、現時代を象徴する武器。

 

2039年頃にプロトタイプが作られ、その後2045年頃に完成系として「RB-33」という名前で登場した物を、とある技師に改造してもらった。

 

普段は剣として使い、トリガーを引く時は素早く中指をトリガーに指して、引き金を引く。剣先に当たるだのなんだのと散々言われていたが、銃弾が真っ直ぐ飛ぶようになってからは言われなくなった。

 

重量はあるが、両手剣を使う奴よりは軽い。今どき片手剣しか使わないひ弱な人間もそんなにいないから、最軽量の武器として登録されるようになった。

 

 

「……ああ、ありがとう。……じゃあ行こうか」

 

「よし。……さぁ、暴れるぞ!!」

 

 

俺達は次の電車へ、扉を通って乗り移る。

向かってくる兵士達を、1人、また1人と斬っていく。

 

 

「ファマスお前、中々やるじゃないか」

 

「これでも昔は、軍部にいたからな」

 

 

 

 

電動車の一つ前の車両まで来た。

俺は兵士を2人斬り、ファマスは1人を銃で撃ち抜いた。素早かったからか抵抗はされなかった。

ファマスが血で滑りながら運転席へ走っていったのを確認し、俺は現在地を確認するために、車両の窓を

開けた──────────

 

 

────────瞬間、脳裏に浮かぶ"映像"。

 

 

 

「……?」

 

 

何かと重なる。

しかし、それが何かわからない。

 

わかる事は、見えた映像に、確かに─────俺と同じ、桃髪の人間が写っていた事だ。

 

 

 

一抹の不安を抱きながら、

俺は列車に揺られ、窓から外の景色を眺める。

 

 

なんだろうと関係ない。

俺は、俺の大切なものを取り返すだけだ。

 

 

俺は先程倒した3番目の座席に横たわる兵士の側にある、追放者から没収された携帯が入った袋を取り、開けて自分のスマホを取り出す。

 

そして、スマホで、とある連絡先へ繋ぐ。

 

 

 

「こちらビッキー。これより、GM9回収計画を開始する」

 

『了解。ちゃんと繋いだね、ビッキー君。では行きたまえ、君の大切な物を取り返しに』

 

「了解!やらせていただきます」

 

 

 

 

俺の名はビッキー。

帝国でアトラス隊という特殊部隊を率いていた。最高戦力の1人として数えられた時期もあった。でも、昔の経歴など関係は無い。

 

 

俺は、ただの1人の反逆者だ。

 

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