Historia Repetit FINAL FANTASY XIII 作:fミク
ビッキー達は窓の外を確認しつつ、見よう見まねで列車を運転した。ちなみに運転手は窓から捨てた。
ビッキー達には目的とする下車先があるのだ。
ビッキー
「この先の封鎖区画の駅で下車する。そこから侵入するぞ」
ファマス
「そうか。……ここにいる人達はどうすんだ?」
ビッキー
「ここに乗っている人達は不当な理由で追放処分になった人達が多い。……出来る事なら騎兵隊に引き渡して、安全に解放したい」
ファマス
「……わかった。まぁ、お前の好きにしろ
俺には関係ねぇしな」
ビッキー
「そうさせてもらう」
ビッキーは運転席に座っている。
ファマスは銃を扉に向けて待機する。
ビッキーは慣れない手つきで運転を始めた。
暫く進んだ所で、封鎖区画に出た。
全域封鎖となっている貨物線の通り道……もとい、追放者を送る場所。
"封鎖区画ハングドエッジ"に。
ビッキー
「よし。後数メートルで駅だ。上手い事止めてあそこで降りる」
ファマス
「了解」
ビッキーはゆっくり数メートル進めて停止させ、ファマスと共に降りる準備をした。
……のだが。
2人で外に出ようと運転席を抜けると、ドォン!!という音と共に天井が壊れて、白くて丸い巨大回転刃が2人の目に写った。
ビッキー
「来たぞファマス」
ファマス
「デカ!!兵士とかじゃねえじゃんこれ」
ビッキーは壊れた天井から上に上がった。
ファマスも慌てて登り始める。
ビッキーが上がった先にいたのは、さっきの巨大刃が2本、腕にくっついているサソリ型の兵器だった。
兵器の機体は真っ白で、眼はギラギラと光っている。ビッキーを発見すると、更に赤く光る。
この兵器は"マナズヴィン"という名前で、簡単に言えばAIを搭載したスーパー殺戮マシーンである。
ビッキー
「コイツは……政府の新兵器か。神話の兵器を再現したとか言ってたが……」
ビッキー
「まぁ、なんて事は無いな」
ビッキーは銃剣を構える。
ファマス
「おいビッキー、置いてくな」
ファマスがようやくよじよじと登ってきた。
そして銃を2丁取り出し、構えた。
ビッキー
「お前が遅いのが悪い」
ファマス
「は?」
ビッキー
「文句があるなら後で聞いてやる。来るぞ」
ファマス
「えぇ……。おっと!」
刃がビッキーとファマスの間に落ちてきた。
兵器の右腕の方の刃だ。
兵器が左腕の刃をビッキー達に向けている。
ビッキーは右腕が引っ込む前に飛び乗り、駆け上がった。ファマスは関心した様子で、
ファマス
「おおっ!!流石に軍人様は違うねぇ……」
呑気にそんな事を言いながら銃を構える。
ビッキーは機械の肩まで到達した所で剣を兵器の肩に突き立てる。当然刺さらないが、兵器は肩にいるビッキーに刃を向けてくる。
ビッキー
「ファマス!!眼を狙え!」
ファマス
「おう……って、お前は大丈夫なのか!?」
ビッキー
「良いからやれ、早く」
ファマス
「はぁ」
ファマスは銃の引き金を引き、兵器の眼の部分に見事に命中させる。ビッキーは刃を剣でしっかり弾き返し、腕から降りた。
兵器は少し動きを鈍らせる。
予備はあるだろうが、昨今の兵器は「目」と呼べる部分にカメラが付いていることが多く、目を破壊できればこちらを認識出来なくなるのだ。
まぁ、今回は破壊にまでは至らなかったようで、すぐに持ち直したようだが。
ビッキー
「……流石に硬いな。並大抵の武器では太刀打ちできないか」
ファマス
「そりゃ兵器だからな。下手な攻撃は通用しないぜ」
ビッキー
「……面倒くさい」
ビッキー
(さっさと終わらせよう。
ここにいる人に被害が及ぶのは良くない)
ビッキー
「……異能力、悪鬼羅刹」
ビッキーはエネルギーの結晶を作り出し、兵器に向けて投げつける。
このエネルギーの結晶は感情の起伏によって威力を増したり、特性を変えたりする。
ビッキーの異能力「悪鬼羅刹」による物だ。
今作った結晶は怒りの感情が強い。怒りの感情が強い結晶は、かなりの高温で電気を帯びており、機械をショートさせる事も出来る。
ビッキー
「喰らえ!!」
怒りの結晶は兵器の肩に当たり、バチバチと電流を流す。兵器は凄い音を立てて悶えるようなそぶりを見せる。
ビッキー
「……流石に効いたか」
ビッキーは列車の屋根に着地した。
ファマス
「すげえな、お前の異能力はよ」
ビッキー
「まぁな。だがそれでもまだ倒しきれてないな、これは」
ファマス
「……なんちゅうか、ショートしても動き続けるってのは怖えな。ゾンビみてえだな」
部品が弾け飛び、至る所から発火している兵器を見ながらファマスが言った。
ビッキー
「ああ。まぁそれはともかく、コイツにさっさとトドメを刺さないとな。ファマス、異能力で壁を作ってくれ、爆発でもしたら一般人が下に落ちる可能性も出てくる。下は湖だから助かる可能性は低い」
ファマス
「……まぁ確かに俺の異能力は足場を作ったり出来るから、壁くらい作れるが……まぁいいや。わかったよ」
ビッキー
「ああ。頼んだぞ」
───そう。この場所、ハングドエッジは下が湖になっている。逃げられないような仕組みにするために、湖の上に作ったと帝国の兵士から聞いた。……中々に性格が悪い。
しかも湖からかなり高い位置に作られているため、線路は脱線必至なくらいに細い橋脚の上にあるし、殆ど逃げる道がない。
だが、流石に兵士の引き継ぎや見回りの為に足場を作る必要があったらしく、それらを作った結果、今のハングドエッジが完成したのだ。
ビッキー
「行くぞ!!」
ファマス
「おう」
ファマスが異能力で壁を作った。その壁は一瞬で形成され、ビッキーが兵器の前に立ちはだかる頃にはそびえ立つ壁が後ろに出来ていた。
ファマスの異能力は「タージ・マハル」。
頭の中で連想した建材を生成し、壁や足場を形成できる。空中でも生成・形成は行える。
ビッキー
「いくぞ……異能力"悪鬼羅刹"!!」
ビッキー
「"残影響刃"!!!」
ビッキーは青白い不気味なオーラを発生させ、兵器のノコギリと同じ形の物を作り出した。そして、兵器に向かって投げる。
ノコギリはウィンウィンと音を立てながら兵器に刺さり、嫌な音を撒き散らしながら兵器のボディを内側に向かって斬り進み、あっちから出てこっちから戻るといった起動を繰り返しながら、兵器をめちゃくちゃに切り刻んだ。
兵器は叫び声のようなキリキリ音を立てて、爆発した。ビッキーは即座にファマスが作った壁を登り、ファマスの所へ行って爆発を回避した。
ファマス
「……マジで爆発したし」
ビッキー
「足場も少し崩れたが、頑丈だな。あまり被害は無さそうだ」
ビッキー
「取り敢えず、兵器ももうショートしたし、駅には到達してたみたいだから、出口だけ作って降りよう」
ファマス
「OK」
ビッキー達は列車のドアを破壊し、駅に降りた。
ファマス
「さてビッキー、この駅はどこに繋がってるんだろうか」
ビッキー
「ふむ……見回した所、上階まで道が続いているというわけでは無さそうだ。となると何処かにリフトのような物が……」
ビッキーは駅の周りを見回し、通路などを探してみる。すると、巨大な正方形のリフトに繋がる長い通路を西側に見つけた。
ビッキー
「……あったぞ」
ファマス
「……おお、本当だ」
ビッキー達は駅を降りて、リフトに繋がっているであろう通路を進み始める。
周りを見渡すと、小型サイズの飛行艇と呼ばれる空を飛ぶ船や、電子モーターを使って作られた羽を付けて飛行する兵士が見える。
ビッキー
「この調子だと、爆撃はすぐ飛んできそうだな」
ファマス
「そうだな。実際一般兵が向こうで見張りやってるし」
ビッキー
「なっ……お前、そういう事は早く言え!」
前方を見ると、確かに一般兵が5、6人見張りをやっているのが見える。……列車の奴らと同じでヘラヘラしている……。
どうやら、奴らはそういう兵隊のようだ。
ビッキー
「行くぞ、ファマス」
ファマス
「ああ。……なるべく急いでやるぞー」
戦闘に関しては特に言うことはない。
兵士の銃などに当たる理由はない。ただ斬るだけだ。それだけで簡単に倒せる。
ビッキー達は敵兵を倒した後、リフトの近くまでやってきた。
ビッキー
「着いたな。リフトはあれだ」
ファマス
「よし。乗るか……」
と思ったのも束の間。
リフトが兵器による攻撃で爆発した。
ビッキー
「……えっ」
ファマス
「……おい、マジかよ」
後に残ったのは残骸と、ビッキー達。
そして残された追放処分となった一般人のみ。
絶望的である。
to be continued…