ただただただただアーマードコアの戦闘シーンを描きたかった話   作:気力♪

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二脚スナイパーと四脚指マシの連戦

 輸送ヘリに揺られるコックピットの中でミッション概要にあった情報を整理する。

 敵ACは軍施設への攻撃を仕掛けた。装備は全てエネルギー系であり、火力が非常に高いとの事。ただ、施設の防衛機構によって手傷を負っているらしくエネルギー防御にさえ気をつけていれば問題なく撃破することができるだろう。

 

 楽なミッションだと素直に思えただろう。もしこのミッションに万全の準備をできていたなら。

 

「……目標地点に到着したけどおかしい。襲撃を受けている様子がないわ」

 

 オペレーターの困惑の声が響く。これはどうにもキナ臭い依頼のようだった。

 

 そうして周囲を警戒しているとレーダーに敵性反応が現れる。敵ACだ。

 

 攻撃を受けていないガレージの中から悠々と現れたその敵機体は、楽しげに語り始めた。

 

「まんまと騙されてくれたな。お前に作戦を依頼したのはこの俺さ。そうとも知らずおめでたい野郎だ」

 

 そうして、こちらの機体に狙いをつけた敵機は、ブースターを吹かして戦闘機動を開始した。

 

「安心しな。今、楽にしてやる!」

 

 敵機体の武装を目視で確認する。敵機体はスナイパーライフルを装備。肩には、複数同時発射で回避させないように狙うマイクロミサイルが搭載されている。

 

 決定力はさほど高くないが、じわじわと相手を弱らせて逃がさない。そんな印象を覚える機体だ。

 

 ついでに言うなら装備にエネルギー兵装は存在しない。決定力の低さを敵に誤情報を流し、誤ったチューンをさせる事で補う作戦でもあるのだろう。

 

 スナイパーライフルの弾丸が腕パーツに命中する。1発1発は大した事ないが、重なれば大事になる。さっさとケリをつけよう。

 

「……無策で前進してくるだと?」

 

 敵のマイクロミサイルとスナイパーライフルが飛んでくる。しかし、今の己には無理矢理にでも接近するしか道はない。

 

「ブレードに望みをかけるとは、愚かな奴め」

 

 敵機の攻撃を最小限の動きで躱し続ける。弾速の速いスナイパーライフルはトリガーを引かれる寸前にサイドブースト。マイクロミサイルは発射されてから引き付けて大きく切り返す。

 

 1回目、回避成功。敵機は後退中

 2回目、ミサイル回避成功。しかしスナイパーライフルは直撃。敵機は後退中

 3回目、ミサイルとスナイパーの偏差撃ちは、近くの工場跡を盾にする事で防御、敵機体をようやく追い詰めた

 

 敵機後方には急斜面の山がある。二脚ACのバランスではあの斜面は登れない以上ここが奴の墓場だ。

 

 レーザーブーストを起動して、コアに突き立てる。一撃ではまだ装甲を抜けなかった。

 

「おい、話が違うぞ! 何をやっている⁉︎早く助けろ!」

 

 ごちゃごちゃと喋る敵機。どうにも伏兵がいるらしいがどうでも良い事だ。

 

 レーザーブレードを再展開し、敵のコアに突き立てる。

 

「冗談じゃ、ねぇ……」

 

 ブレードはコアを貫き内部を焼き払った。これで、まず一つ。

 

 そんな時、背後からミサイルが発射される音が聞こえた。

 ブレードを振り切ったこの機体はすぐに動く事はできず、直撃を喰らってしまった。

 

『腕部、破壊』

 

 ACからのメッセージが無情にも響き渡る。

 

「やはりか。ミッションの前に何かと戦闘をしていたとは驚きだ」

「……別口の依頼でね。断れなかったのさ」

「その代償は命で貰う。死んで行け」

 

 現在、右手に装備しているショットガンは破壊された。幸いなのは残弾がなかった事で誘爆しなかった事。

 背面に装備している装備も残弾はない。グレネードはもう撃ち切っているし、もう片方はレーダーだ。

 

 頼れるのは、左腕にあるブレードのみ。

 

 敵機体は両腕にマシンガンを装備している。発射口が5つあることから指のように見えるマシンガンは砲身冷却効率がよく、連射速度は異次元だ。

 

 距離を離せば弾丸はブレて当たらないだろうが、距離を離せばブレードは当たらない。

 

 潜り抜けるしかないのだ。マシンガンの雨の中を。

 

 

 左右に細かく振りながら様子を見る。

 敵機の射撃は止まらないが、わかることはいくつかある。敵は腕をマシンガン用にしっかりとチューンしているようで、回避に合わせて射撃を補正する速度もなかなかに速い。敵の側面に回り込むのもこれでは難しい。

 

 ならばと正面突破を考えるも普通なら不可能だ。敵の弾丸のブレは大きくはあるが、おおよそ140程度の距離より内側ならばブレても問題なく命中していく。

 

 やはり突撃するしかない。無理無茶無謀は承知だが、今更逃がしてくれる訳もない。

 

 

 左腕を守るように、右半身を盾にした状態で突撃をする。そして、肩に装備されているある兵装の起動トリガーを引く。

 

「何ッ⁉︎エネルギーシールドだとッ⁉︎」

 

 この機体の奥の手。スナイパーの機体相手では追いかけるエネルギーを確保するために起動していなかったが、今回は違う。

 

 敵機体は、こちらとの距離を詰めるように動いている。シールドにエネルギーを回しても十分に敵の眼前へと辿り着ける計算だ。

 

「シールドのない正面を狙えば良いだけだ!」

 

 敵機体は距離をとりながらこちらとの位置を変化させようと動いている。しかし、そうして無駄な方向転換をすれば距離は詰まりやすくなる。

 

 敵のマシンガンを十数発コアで受け止めた段階で

 

 届いた。

 

 エネルギーブレードを起動。ブレードを盾にするようにして振り払う。

 

 身体をずらされて腕に当たった、マシンガン一つを破壊。

 

 次いで、返す刀で左斜め上に振る。

 頭部に命中、敵メインカメラを破壊。

 

 ラスト。振り抜いた腕のまま上段からの切り落とし。

 

 敵のコアを確実に両断できるコースであり、ブレードのエネルギーも十分に残っている。そうして勝利を確信したその時──負荷に耐えきれず、肘から先が折れ曲がって転がり落ちた。

「なっ⁉︎」

「整備不良……いや、これまでのダメージか。どちらにせよ運のない」

 

 最後の頼みの綱であるブレードが使用できなくなった事、それは己の心を折るのに十分な出来事だった。

 

 あぁ、こんな事なら連続出撃に耐えられるようにできる優秀なメカニックスタッフを抱えておけば良かった。

 

 そんな事を、マシンガンで蜂の巣にされるコックピットの中で思うのだった。




24時間戦えました!になるあたりラストレイヴンのメカニックは凄い。
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