ただただただただアーマードコアの戦闘シーンを描きたかった話 作:気力♪
パルヴァライザー
それは先日起きたアライアンスとバーテックスの戦争の際に
つい先日までクレスト社の一般兵士だった己はそんな化け物と相対している。
「無理があるだろうが! やっとの事でAC買えたってのに!」
仕事内容は企業による中枢調査の露払い。防衛装置や無人兵器を排除するのがAC乗りとしての己の初ミッションだった。
中枢にて青のパルヴァライザーと相対する。パルヴァライザーの初撃を回避できたのは完全に運だ。機体の重心を間違えて前に進み過ぎてしまったのが私の命を救ったのだ。
「……だが! パルヴァライザーにはミサイル迎撃装置が無いと聞く、7連想マイクロミサイルを喰らえ!」
伝え聞いた情報を元に戦闘を開始する。いつも通りにミサイルのロックオンをしてからぶっ放す。連動ミサイルも起動してのミサイルカーニバル。
しかし、それは当然のように迎撃された。レーザータイプのミサイル迎撃装置の軌跡が目に焼き付いて離れない。
「クソが効かねえじゃねぇかよ! ガセネタ掴ませやがって!」
連動ミサイルとマイクロミサイルの両方を即パージ。残りの武装は腕部一体型のバズーカだけ。
残弾、残り48発。
「まずは二次ロックを……速いッ⁉︎」
視界内に捉えていたはずのパルヴァライザーは一瞬で近く移動してくる。右前方のロックオンサイト外から両手のブレードで切り掛かってきた。
後方にブーストしてブレードレンジから離れる。そして一次ロックオン。
至近距離ならばと撃ち込んだその攻撃は案外すんなりと命中した。
残弾、残り46発
腕部バズーカのセレクターを変更する。2発同時発射から4発同時発射へと。短期決戦で決められなければ敵のブレードの錆になるだろう。己の集中力はそこまで上等なものではない。
パルヴァライザーはこちらから距離を離している。放たれる攻撃はエネルギーミサイル。弾頭すらもエネルギーで作られたそれは迎撃装置を受け付けず、しかしこちらを正確に追尾してくる。
ブースターを吹かしてにして引きつけて、切り返し。一発がコアに掠ったが大きく引き剥がせた。しかしミサイルの追尾は止まらない。もう一度切り返す必要があるか? と思ったところでアラートが鳴り響く。
パルヴァライザーの脚部から放たれるエネルギーマシンガン。それは恐ろしい連射速度で放たれ続ける。エネルギーの回復のためにブーストを緩ませれば一瞬で蜂の巣になるだろう。
エネルギー容量のほぼ全てを吐き出してひと段落。連射は無尽蔵に続けられる訳ではないようなので回避は不可能ではないだろう。
回避しきれなかった数発のダメージによって頭部損傷のアラートが鳴り響く、そんな地獄の中で集中力を保てていれば。
「クソが! 当たれよ!」
案の定、焦れて二次ロックオンが完了する前にバズーカを放ってしまう。トリガーを引いた瞬間にギュンと移動されて躱された。ならば止まっている時ならば! と連射するもリロードが間に合わず再び回避された。
残弾、残り38発。
そして、それが己が対応できた攻撃の全て。
まず、先ほどのマシンガンによる射撃よりも速い弾速の赤いレーザー。
正面から撃たれている事を理解できず、周辺に射撃ビットが置かれていたのではないか? と首を無駄に振っていた。
そんな赤いレーザーの後。上空にてパルヴァライザーは動きを止めた。
「馬鹿が! 腕部バズーカの火力は一級品なんだよぉ!」
そして、そんな強がりとともに引かれた3回のトリガー。放たれたバズーカの弾丸12発はパルヴァライザーの前にあるバリアーによって命中することはなかった。
そして、そのバリヤーの向こうから大型エネルギー砲撃が放たれる。
一発目はあまりの出来事に回避できず、直撃。
そこからエネルギー砲撃が連続で飛んでくる。必死にブーストを吹かせ続けて回避しようとするも三発目が腕に命中し、五発目が脚部に直撃する。
鳴り響くレッドアラート。『脚部破損』というシステム音声。
そして、エネルギー容量を使い切ったことによる『チャージング』の発生。
万策はここに尽きた
「畜生、畜生が! 死にたくねぇ、これから俺の人生は始まるって所なのに! 畜生がぁ!」
必死になってトリガーを引き、バズーカの射撃だけは止めずに放ち続けられるようにする。
残弾は26発。これが尽きるまでが勝負。
セレクターを切り替えて2発発射モードにする。これにより13回の射撃ができる。
そして、敵の動きを見る。狙うのはエネルギーミサイルの発射攻撃のみ。それ以外は無視して地上近くで対処し続ける。
残り5発、4発……来た!
「頼むぞ俺の全財産!」
やるべき事はただ一つ。脱出だ。
コックピットを開いてそこから一気に空に飛ぶ。背後にてエネルギーミサイルが着弾して機体の破片や爆風が飛んでくるが、それに当たる事は考えない。なぜならこれ以外の攻撃の際は流れ弾でもっと酷いことになるのだから。
着地のタイミングで訓練通りの5点接地ができるかどうか。俺はできる方に賭けた。
そして、クレスト社にて叩き込まれた訓練は身を結んで俺の命は繋がったのだった。
爆ぜ散った己の全財産、アーマード・コアを犠牲にして。
それからの事で、多く語る事はない。
己はその後なんとか救助され、ACのローンだとかの関係でまたしてもクレスト社に逆戻り。以前のような真っ当な兵隊でなく、後ろ暗い仕事を押し付けられる便利屋に落ちぶれた。
まぁ、生きているのだから良いだろう。生きていればまたチャンスはある。きっと。
そういえば、クレスト社に回収されてから体の調子がいい。もしかしてナニカサレタのだろうか?