東方反転録   作:回忌

20 / 35
【ファイルが存在しないデータです】

「幽々子が紫ねぇ、面白い世界だ」

 

「俺は好きじゃねぇな、その世界

 こんなの聞いててよく飽きねぇな」

 

「世界の話を聞くのは面白いわよん」

 

今回の異変を語った

無論あの宇宙とも仮想空間とも言える世界で、だ

今日の聞き手は何故か1人増えていた

どうやら暇が空いたらしく聞きに来たらしい

 

名前は気桐霊覇、霊夢の旦那らしい

 

もう1人の記録書も霊夢の旦那らしい

だが情報がよく分からなかった、瞬きしたら名前も一人称も変わるって何

 

どうも彼には私の世界はお気に召さなかったらしい

 

「気に入らなかったかな?私の世界は」

 

「複雑なのは嫌いだ、"元の世界"の住人である俺からすればお前の世界は複雑すぎる」

 

確かに複雑だな、私の世界は

いつもの世界にくらしている彼からすれば私の世界はおかしなものだろう

何もかもが反対で、霊夢は魔理沙で、紫は幽々子で

 

「俺は好きだな、斬新で」

 

「私は普通ねぇ、というより…とても興味深いわよーん」

 

面倒くさそうな笑みをへカーティアは浮かべた

少なくとも頭のネジが締まっている人間が見たら、そう思うだろう

ただ、この皆はネジが五六個外れているので胡散臭いと思っている

そこに関してここのキチガイ共は同じ考えにたどり着いた

 

「霊夢に愛されるとか一部の奴に殺されるんじゃないかね」

 

「俺じゃないもう1人の方はそいつに自分自身を投影できるらしい

 羨ましいね、俺なんかただの作者の欲望さ」

 

はぁ、と霊覇はため息をついた

消されようが彼にとってどうでもいいのだろう

消されればその瞬間より自由になれる

なんせ霊覇を消すにはその世界ごと消す必要がある

 

「ご愁傷さん、ヤッコさんはお前に成り代わりたいだろうな」

 

「俺のはトラウマ抱えてそうでその実忘れてんだよな…

 俗に言う"なんか違う"って奴だろう」

 

「全く違うわよん、アレ」

 

へカーティアは容赦なく事実を浴びせる

霊覇は黙っとけと言いながら紅茶を飲んだ

斬鬼とへカーティアからすれば霊覇の世界も面白い世界なのだろう

片方はニヤニヤと、片方はうっすらと笑みを浮かべている

 

「で、お前の世界の霊夢はどうヤンデ霊夢してんだ」

 

「あー?そのちっちぇー頭で考えてみな」

 

瞬間音速を超えた斬撃が放たれる

音と光を置き去りにして、まさに神速と呼ばれる速さで

 

…しかし、それは一本の"大幣"によって防がれていた

 

斬鬼が力を込めればその大幣は同じ力で対抗する

叩き切れないと判断した斬鬼は大人しく刃を仕舞う

すると大幣はまるで目が見えているかのようにさーっと帰って行った

 

斬鬼は若干引いた

 

「思いのほか心を寄せられてるな、えぇ?」

 

「らしいな、血の繋がった妹だし」

 

「おーおー博麗の血があるとか人間からすりゃ羨ましいだろうな」

 

「阿呆か、美味そうとか言って妖怪に襲われるわ」

 

かじかじとせんべいを彼は貪る

博麗の血があるから妖怪がやべぇと逃げていくわけではない

知性があってアホじゃないならそうであろう

無い上に思い上がり者なんかだったら美味そうに感じるらしい

 

「不便か?」

 

「いんや、ストレス発散には丁度いい」

 

「そうかよ」

 

斬鬼はそう言うとぷはーと紅茶を飲む

そして、次の異変を楽しみにしているという旨を残してどこかに消えた

霊覇ははぁ、とため息をついた

 

「俺はあいつが好きじゃねぇな、なんか分からんが好きじゃねぇ」

 

「気にしない方が楽だよ」

 

私はそう言うと席を立つ

へカーティアが楽しそうにしている

 

「次の異変のお話、待ってるわよん」

 

「正確には異変では無いだろ、アレ」

 

私のそれを訳の分からない笑顔でへカーティアは流す

特に反応もしてやらずに私は己の世界に帰還した




もう新作あげようか迷ってーる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。