喧嘩師《セイント》カシオス   作:ソロモンは燃えている

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この回に登場する黄金聖闘士たちは、時系列的に同時には存在しないメンバーですが演出の都合上、時空を超えて集まってもらいました。


聖域の漢祭

 

 

 

 聖域、黄道十二宮の入り口に褌姿の男達が集結していた。

 今日は、年に一度の祭の日。

 雑兵達を中心とした褌姿の男達が十二宮を駆け上がる祭の開始を今か今かと待っているのだ。

 この祭は、漢祭と呼ばれている。

 ある漢に憧れた者たちが、一年間磨いてきた己と言う漢の姿を示すためのもの。

 その中には、光牙たちパライストラの生徒の姿も見える。

 白銀以下の聖闘士たちもいる。

 彼らも褌一つで参加しているのだ。

 正規の聖闘士であろうと、周りの雑兵たちに侮るような視線を向ける者はいない。

 ここでは、クロスの色どころかクロスを所持しているかどうかすら関係ない。

 皆、あの漢に憧れ、あの背中を追いかける同士なのだ。

 クロスを持っていない事で相手を見下すような男などここにいる資格はない。

 彼らの目的は一つ。

 ただ己と言う漢を魅せる事のみ。

 

 

 そして、祭が始まった。

 男達は、脇目も振らずに走り出す。

 上へ上へと十二宮の階段を駆け上がっていく。

 

 十二宮にいる黄金聖闘士達は、待ち受ける側だ。

 中には参加したい黄金聖闘士もいたが、黄金聖闘士が守る十二宮だから意味のある祭のため、残念ながら参加を断念している。

 

 

 白羊宮では、スターダストレボリューションによる無数の光弾で爆撃される。

 

「うわああぁぁぁぁ!」

 

 金牛宮では、グレートホーンで吹き飛ばされる。

 

「ぎょええええぇぇぇ!」

 

 双児宮では、アナザーディメンションで異空間に飛ばされる。

 

「ここは、どこだーーー!」

 

 巨蟹宮では、積尸気冥界波で冥界の入り口まで飛ばされる。

 

「あれっ、一昨年死んだ爺さんじゃないか。

 一緒に行こうって?どこに?

 えっ、あの大穴だって?」

 

 獅子宮では、ライトニングボルトで殴り飛ばされる。

 

「ぐはぁっ!」

 

 処女宮では、オームによって弾き飛ばされる。

 

「うぎゃーーーー!」

 

 天秤宮では、廬山昇龍覇によってぶっとばされる。

 

「あべーーーし!」

 

 天蠍宮では、スカーレットニードルで拷問される。

 なお、男達の中には、美女であるソニアにスカーレットニードルを打ち込まれる事をご褒美だと認識して、死に物狂いでこの宮まで登ってくる猛者も存在していた。

 

「いだーーーっ!」

 

「我々の業界では、ご褒美です!」

 

 人馬宮では、アトミックサンダーボルトによって多数の矢を射掛けられる。

 

「ぶ、武器は禁止されてるんじゃないのかーー!」

 

 磨羯宮では、エクスカリバーによって斬られる。

 

「ぎゃーー!

 あっ、でも、カシオスさんみたいな疵だ♪」

 

 宝瓶宮では、オーロラエクスキューションで凍らされる。

 

「心頭滅却すれば、火もまた涼し・・・(カチン)」

 

 双魚宮では、ロイヤルデモンローズによって毒に犯される。

 

「か、身体が痺れてきた・・・」

 

 それらの試練を乗り越えて、教皇の間にたどり着けた者が真の漢として周りから認められる事になる。

 

 男達は、この一年間、ひたすらに漢を磨いて来た。

 十二宮踏破によって、一年間の歩みを証明するのだ。

 手加減されているとは言え、黄金聖闘士が守る十二宮を登るのは容易な事ではない。

 だが、困難だからこそ登るのだ。

 

 参加者達に尋ねた事がある。

 なぜ、こんな苦しい思いをしてまで登るのかと。

 

 皆が口を揃えて答える。

 

「自分の中の漢を感じたい。

 それだけだ!」

 

 漢が困難に挑戦する理由なんて、それで十分なのだ。

 雑兵達は、毎年疵だらけになりながら上を目指す。

 何度も繰り返される内に、新たな疵がつく事が少なくなってきた。

 やがて、祭で疵が増えなくなった頃、雑兵達の顔には自信が漲っていた。

 

 これは、年に一度、真の漢達が集う祭。

 カシオスに憧れ、カシオスの様になりたいと己と言う漢を磨く者達の祭典。

 彼らはもう、ただの雑兵達ではなかった。

 任侠道を行く者達だ。

 聖域に脅威が迫った時、彼らも立ち上がり戦うだろう。

 聖衣がない。

 そんなものは、戦わない理由にはならない。

 カシオスと言う存在が証明しているのだから。

 

 今年も熱い祭の季節がやってきた。

 男達が聖域に集う。

 自らの漢を魅せるために。

 

 

 

 なお、アテナから男臭くなるからアテナ神殿までは来ないようにと言われたため、ゴールは教皇の間になっている。

 いつの時代も男が憧れる熱い情熱は、女には理解してもらえないものだ。

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