女神様のウッカリで滅びた世界に転生したら、いろいろ勘違いされてめちゃくちゃ甘やかされてるんだが   作:名無しのメカ好き

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1-14 英雄(狂犬)への・・・

「ソニア、ちょっといいかい?」

 

勉強している最中に、養父(とう)さんは俺に話しかけてくる。どうやら『マッドドッグ』の武装のことだろう。一度、勉強の手を止めて養父(とう)さんに目を向ける。

 

「どうかしたのか?」

「あぁ、うん。武装についてなんだけど・・・」

「大方、あの威力のショットガンとブレードがないって話か?代用品でもOKだぜ?」

「…いいのかい?だって―――」

「―――いいもなにも、そのうち養父(とう)さんが作ってくれるんだろ?それで十分だよ。」

 

俺はこういったが、養父(とう)さんも心配なのだろう。何せ大型ショットガンとセイバーを主体でやってきた俺が、いきなり使い慣れない武器を持たされて戦わされるのだ。下手すれば、再び戦場に出て威力の違いのせいで死ぬってことも多いだろう。

・・・・・・でもごめん養父(とう)さん。その二つの武器、前世(まえ)の世界の鋼鉄機神の英雄(ゲーム)内でめちゃくちゃ使ってたから使い慣れてるんだ、多分!(今世(いま)の世界じゃ使ってないから確証はできないけど!)

 

「うれしいことを言ってくれるね・・・よーし、娘に失望されないためにも研究をしないとなぁっ!」

 

俺の言葉が相当うれしかったのか、にんまりと微笑みを浮かべながら背伸びをする養父(とう)さん。その姿を見て、俺も少しだけ恥ずかしさを感じてしまう。

って、おい・・・ツバキ。お前、いま自分がどんな顔してるのか分かって―――わかってやってんのかよ!ちくしょーニマニマしやがって・・・お前だってその内こうなるだろうに!

 

「ハルマ博士、『マッドドッグ』・・・それに”中身”のフレーム換装とアーマーの整備と調整、終わったぜ。」

「・・・ヨシ!っていうのはないよね?」

「どこかの不安になるような指さしポーズをする猫のようなことをする奴はシバイヌ整備場(うち)には居ねぇよ。」

「それをやるのがキミたちだと思うんだけど・・・」

「・・・・・・起動実験、するのか?」

 

あ、カンナ整備長が冷や汗をかきながら目をそらして話題を変えた!言い返せなくて、無理やり話題転換しようとしてる!!

養父(とう)さんが不安そうな表情を浮かべつつ、カンナ整備長の話題転換に答える。

 

「それは無論。本番まで起動しなくて、いざ乗ると”動きませんっ!”っていう状況は嫌だからね。技術者としても、研究者としても・・・そして、父親としても、ね。」

「あいよ、つう訳でソニア。早速だが、新生『マッドドッグ』に乗って起動してみてくれ。起動シーケンスは変えてないから、よろしく。」

 

ボタンを押してジェネレーター(エンジン)に火を入れるだけの作業なんですがそれは・・・。まあいいや、ともかくこれで頭が痛くなる勉強はいったん終わり!ツバキがちょっとしょんぼりとした顔して落ち込んでるけど、今度の空いた時間に埋め合わせするから許せ!

カンナ整備長の言葉に頷き、サフランが手を振る方向に向けて走る。サフランは、工事現場でよく見る高所作業車のようなモノの作業台に乗っているため、俺もそれに乗る。

 

「はい、ちゃんと掴まっててね?あっ、私でもいいよ~?でもでも、えっちなところは触っちゃだめだよ?」

「やめとく、オイルが服についたら臭いとれなそうだし。」

「男の子っぽいのに?も~、奥手なんだから~・・・よかったら、今日の夜一緒に寝る?」

「はぁ~・・・考えとく。」

 

隠すことでもないのだが、サフランとはその3日間の間にかなり仲が良くなった。しかし、俺の口調や性格が(元々だが)男寄りで、一人称が”俺”と言うこともあり・・・サフランからなぜか(恋愛的な意味の)アプローチを受けるようになっていた。いや、まあ・・・中身は前世(まえ)のままだから別に、イケるっちゃイケるけど・・・俺自身としては正直、()()()()()()()()()()()()()()()()感があってちょっと罪悪感を感じている。

そのことに関して、養父(とう)さんとカンナ整備長は、”避妊はしっかりやろうね。”(by 養父(とう)さんの発言、両方ともついてないよっ!)、”戦闘用ロボットは意外と音漏れしやすいからやめとけ”(by カンナ整備長の発言、実体験のような言い方だなおい!)って言っていた。

作業台が『マッドドッグ』のコックピットに限界まで近づいたその時

 

[ズドーン!]

「ッ!?格納庫のドアが吹っ飛ばされた!?どこのバ―――全員伏せろぉッ!!」

 

[ドガガガガガガッ!!]

 

「ッ!サフラン、すまん!」

「キャッ!?」

 

その言葉を聞いて俺は、サフランを掴んでマッドドッグのコックピットに飛び込みすぐさまハッチを閉め、ジェネレーター(エンジン)を起動する。ああくそ、結局ぶっつけ本番かよッ!!

 

「サフラン、俺の膝に乗って抱き着いとけ!!」

「う、うん!」

 

ジェネレーター(エンジン)出力正常・・・フレームも問題なし、各機能正常、アーマーもフル!オールグリーン!!武器はねぇけど・・・やるしかねぇ!

無事に『マッドドッグ』が起動し、メインモニターにメインカメラからの映像が映し出される。シバイヌ整備場は”3機の不明機”の攻撃により、あちこち燃えたり壊れたりしているが、整備士のほとんどが避難し始め、一部の警備員がアサルトライフルでの反撃を試みているが・・・相手も戦闘用ロボット、まるで効果がないらしいく、発砲しながらジリジリと後退している。

 

「サフラン、あの機体に見覚えは!?」

「わ、わかんない!あんな機体・・・いったいどのメーカーなの!?」

「考えるのは後にしてくれ、今はともかく俺に掴まっとけ!!」

 

機体をつかんでおく固定器具を無理やり外し、移動しようとすると不明機に気付かれ・・・持っているアサルトライフルを向けられる。

 

「―――ッ!衝撃に備えろ!!」

「ひぃっ」

 

[ドガガガガガガッ!!]

 

「躊躇ねぇなおい!くそっ、武器さえありゃぁ」

「と、頭部に新型バルカンがっ・・・試射してないから動作するかわからないけど撃って!」

「言ってたアレか、このボタンだな!」

 

[バババババッ!]

 

マッドドッグからバルカンが撃ちだされて、不明機は慌てて防御態勢に映る。

その隙にすべての固定器具を破壊して引っぺがし防御した不明機にブースト移動で接近して拳をたたきつける。それだけで不明機のヘッドパーツは破壊され、見境なく撃ちだす・・・が、そのアサルトライフルを奪い、ソイツのコックピットに向けて発砲する。・・・俺のマッドドッグの装甲を抜けなかった武器だが、不明機の装甲は抜けたらしくパイロットの赤い血と黒いオイルがドバドバと飛び散り、物言わぬ鉄塊となって崩れ落ちる。

 

「思い通りに動く、しかも動きが早いな!!」

「な、何とか武器も!」

「喜べるか、弾切れだ!!」

 

ポイっとアサルトライフルを投げ捨て二機目の不明機に接近するが、もう一機の不明機と連携してアサルトライフルを乱射しながら距離を取る。くそっ、冷静な判断だなめんどくせぇ!

武器は頭部のバルカンしかねぇし、決定打には欠ける。だからと言っても相手は距離を取る・・・どうにか、どうにかできないのか・・・?

 

「あっ、ソニア!今倒した機体の腰脇!!」

「あん?・・・って、ラッキー!ブレードじゃねぇか!!」

 

ブースト移動で倒した機体からブレードを盗み、2機の不明機に向けて突撃する。冷静に射撃しつつ後退しようとするが、動きは遅い!

 

「ひとぉつ!」

 

右にいた不明機の右腕を切り落とし、そのままコックピットにブレードを突きさす。その機体から別のブレードを盗み、もう一機の不明機のコックピットに向けてふるう。しかし、その不明機はすでにブレードを抜剣しており、生意気にもつばぜり合いを始めた。

だが―――

 

「はっ、パワーがちげぇんだよ!狂犬なめんなバァーカ!!」

 

そのままブレードを押し込み、バランスを崩したところでヘッドパーツからコックピットへとブレードを貫通させる。

 

「はっ・・・はっ・・・はぁっ、動かせれば呆気ねぇな。」

「うっ・・・おぇっ。」

「ッスーーー。整備士にはきついか。」

 

戦闘は終わった。しかし、戦闘があったという現場が残り、それを見たサフランは俺が倒した3体の機体のパイロットの最期を想像してしまったのだろう。口を押えてえずきだし、顔は真っ青になっている・・・笑顔が似合いそうなその顔は、すっかり怖がった表情を浮かべている。仕留めるためとはいえ、やり過ぎたな。

 

「大丈夫・・・じゃぁ、なさそうだな。エチケット袋いるか?」

「はぁっはぁっはぁっはぁっ!」

 

・・・マズイ、すっかり過呼吸になってしまっている。

まあいきなり、戦場に放り込まれて目の前で命が終わったんだ。こうなりもするだろう。もし俺も()()()()じゃなければこうなっていただろう。ともかく、まずはサフランを落ち着かせないと。

 

「落ち着け、俺がいる。ゆっくり深呼吸を・・・」

「ひぃっひぃっこわいこわいこわいやだやだやだぁっ!」

「・・・あーくそっ。」

 

どうやら本格的なパニック状態らしい、俺の言葉すら届いていないようで頭を抱えて震えだしてしまっている。・・・仕方ないか。

俺はサフランの顔にそっと手を添えて、サフランにキスをする。唇と唇が触れ合うだけの軽い奴だ。震えと呼吸が一瞬だけ止まり、サフランの体から力がゆっくりと抜けていくので、力強くサフランの体を抱き寄せる。やがて、サフランのパニックは収まり・・・呼吸も落ち着いた。唇を離して顔を見つめると、サフランは顔を真っ赤にして俺を見つめている。

 

「落ち着いたか?」

「うっ、うんっ。ご、ごめんねっ・・・」

 

正直言って、俺も顔から火が出そうなほど恥ずかしいが今は我慢だ。

・・・それにしても、この機体たちは―――いや、思い出した。

 

「『群犬(herd of dogs)』か。」

 

コイツは、()()()()()()()()()()だ。

 

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