女神様のウッカリで滅びた世界に転生したら、いろいろ勘違いされてめちゃくちゃ甘やかされてるんだが 作:名無しのメカ好き
シバイヌ整備場が臨時の基地となり、おおよそ5時間。郡犬たちによる襲撃は、郡犬たちの敗北により終わりを告げた。
郡犬たちの過半数は、改修前のマッドドッグ、そしてウォッチドッグと同じ2.5世代と言うことを伝え、一部分でも壊すと機能停止するということを前提に撃破していくと、過半数はそのままコックピットを潰さずに撃破。
残りの3割は、2世代のままと言うこともあり・・・残念ながらコックピットを潰した。
救い出した”白髪の俺”は、最終的に74名。やむを得ずコックピットを潰した機体は26機。
その74名も、重傷・意識不明が36名。軽傷が、14名。奇跡的に無傷なのが、シバイヌ整備場を襲った”白髪の俺”を含めて、24名と言う内訳だ。
協力を求めたパイロットたちも、最初は驚いて・・・何なら今でも、俺に疑問の目を向けている。何せ、俺・・・ソニア・サンダーを含める”白髪の俺”の姿は金髪と白髪と言う点を除いてすべてがそっくりそのままなのだ。疑わないという方が、頭がイカレていると思う。
しかも、”白髪の俺”に関しては・・・この希望の町、アローケスに対して攻撃を仕掛けてきた侵略者だ。正直に言って、このアロケースを包んでいる空気は二つだ。
俺とツバキを含めた”禁忌技術の子供たち”を、アローケスで”公開処刑”するか。それとも、条件付きで受け入れるか。まあ、今のところは前者の声の方が大きいが。
まあ、そういうことで俺とツバキ・・・そして”白髪の俺”たちは、とある場所にひとまとめにされている。
「いやー、暇だ。ツバキー、じゃんけんしようぜー。」
「・・・めんどい。」
まあ、ぶっちゃければシバイヌ整備場の会議室の場所に、だ。監視(兼護衛)の兵士は居るけれど、”白髪の俺”を怯えさせないために、一切の武器を持たずに・・・何なら”白髪の俺”と遊んでいる。
多分、兵士側も心苦しいのだろう。襲撃してきた、とはいえ・・・見た目的には幼い少女だ。しかも、
つまり、”白髪の俺”は自主的にやったわけではない。と言うことが、防衛を担当した兵士やパイロットたちにも広がり・・・怒りをどこにぶつければいいのか分からなくなっている。
だが、軍人たちはそうでも・・・住んでいる人たちはそうではない。洗脳されてようが何だろうが、侵入者は侵入者。攻撃してきたなら殺せ!というムードがあるらしい。今でも、拘束監視の状態でも納得できないらしく、”今すぐ公開処刑しろ”とデモ隊を結成し、政府に訴えているとか。
「まぁ、しゃーなしか。」
「今は、耐える。それしか、ない。」
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side OUT
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ソニアたちが閉じ込めれているシバイヌ整備場から離れた、アローケス政府の会議場。
普段ならその場は、怒号を飛ばさずに静かに討論を行う場であったのだが、今その会議場は怒号と糾弾が飛び交う最低な場所へと変貌していた。
「今すぐ国民の声に答えて、襲撃したガキどもとアンノウンに乗っていた二人のガキを公開処刑にするべきだ!それに、関わったシバイヌ整備場を取り潰した方がいい!」
「そんなことをしてみろ・・・黒い機体に乗った彼女のおかげで、せっかく”野盗連合”から得た信頼を失うことになるぞ!野盗連合の人々が来る前、アローケスは圧倒的な人手不足を抱えていて、野盗連合が外郭にスクラップ街を作り、そこに住む人々が働き手として従事してくれているからこそ、アローケス都市部の建設速度は上がり始めた!危険であることは重々承知だ、だがそれ以上に彼女たちを生かすメリットがある!」
「そうだ!それに、彼らのおかげで食糧事情や資源事情も解決しそうなことを忘れたのか!!彼らの技術のおかげで、荒れ地の開墾や自然の再生が成功しつつある!もし彼らを追い出してみろ、アローケスは再び絶望のどん底に陥るぞ!!」
「そのゴミ漁りどものせいで国家予算が圧迫されていることも知らんのか!?奴ら一人一人に人権を与えてみろ・・・このアローケスは国として機能しなくなるぞ!!」
「付け加えてみれば、奴らはアローケス憲法においてアローケス国内ではない外郭に不法な建築を行って勝手に住み着いている連中だ!そもそも国家予算を割く必要がない!」
「貴様らぁッ!もう一度言ってみろ、貴様らの今の発言は”残された人類の存続”に反する言葉だぞッ!!」
「なら”残された人類の存続”の為に築かれたこの国を潰せというかッ!!」
擁護する政治家と、弾圧をする政治家はもうすでに臨戦態勢に入っており、アローケスの大統領を守る親衛隊が居なければ、すぐさま争いが始まりそうなほどヒートアップしている。
「双方静まりなさい、先ほどから討論が平行線です!これ以上行うのであれば、その場で処罰しますよ!!」
「ぐぬぅ・・・」
「ちぃっ・・・」
一人の女性がヒートアップしたその場にその声を響かせると、その場の熱が少しばかり下がる。
だが、擁護する政治家たちと、弾圧する政治家たちはいまだにお互いをにらみ続け、全くと言っていいほどその会議は進まない。
沈黙が会議場を支配し、政治家たちは誰が再び口火を切るか虎視眈々と・・・しかし、処罰は受けたくはないため誰も声を出せずにいる。
「一つ、いいかい?」
と、沈黙した会議場に一つの男の声が響き渡る。
その男は、会議場に設置されたテーブルの主役席に座り、12人の政治家たちに向け目線と言葉を贈る。
「今のこの場、そもそもの話が間違っている。確かに、アンノウンの彼女たちはアローケスにとって危険かもしれない。だが―――」
「おぉ、分かってくださいました―――」
「黙れ。今、私が話していることを忘れたのか?その鳥頭でも理解できるように、直接頭に言葉を叩き込んでやろうか?」
「も、申し訳ありません!」
弾圧派の一人の政治家が感嘆の声をあげようとすると、その男・・・アローケスの大統領は強い言葉でその政治家を黙らせる。
彼の言葉は、この国を司る政治家たちにとって絶対。だが、反論することも許されてはいる。しかし逆を言えば、現実的で理知的な反論しか許されていないのだ。
彼の言葉に、同情や感謝の言葉は必要ない。
「だが、逆に安全かもしれないという憶測すら立てられる。これに反論があるものは?」
「は、はい・・・失礼ながら、大統領のおっしゃっていることはあくまで可能性であり―――」
「そう、可能性の話だ。キミたち弾圧派は、この現実的な話をする会議場で、可能性の話ばかりをしている。危険だから殺せ、危険だから壊せ、だがそうであるという確証はない。むしろ擁護派の政治家は危険であることを理解したうえで、彼女たちがいるメリットを説明している。」
大統領がそう言い、擁護派の政治家たちに目を向ければ静かに大統領に向け頭を下げる。弾圧派の人間は、ぐうの音も出ずに押し黙り、拳を作ってプルプルと震えだす。
「確かに、アンノウンの彼女たちのみならず、スクラップ街の人々にも危険性はある。だが、危険におびえて、排除をして、つかの間の安堵を手に入れてどうする?それより先に、何がある?平穏だが荒廃した新世界か?それともかつての世界と同じく、緑の大地で暮らす新時代か?おとぎ話だとさんざん言われていた
大統領は最後にそう締めくくり、反論は?と政治家たちに問いかける。
だが、大統領の言葉で弾圧派の全員が理解した。仮に、彼女たちを排し、スクラップ街の人々を追い出して、ひと時の安堵を手に入れたとしても、その先には人間に厳しい荒廃した世界と、その世界を闊歩しているアーマーパンドラしかいないと。
「では、大統領としての言葉を伝える。アンノウンの彼女たちを受け入れ、スクラップ街の人々をアローケスの国民として受け入れる。これに異議申し立てをする者はいないか?」
その言葉により、手を挙げる人物は誰一人とて居なかった。
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その後、活発に行われていた公開処刑を求めるデモは、日を追うごとに勢いを無くしてゆき・・・今では、受け入れ始めていた。
だが、人造人間やスクラップ街の人々に対して、反対するデモは完全には消せなかった。だが、それも・・・時間がやがて解決してくれることだろう。
ようやくここで一区切り。
いったんここまでの説明に入らせていただきます。