女神様のウッカリで滅びた世界に転生したら、いろいろ勘違いされてめちゃくちゃ甘やかされてるんだが   作:名無しのメカ好き

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2-1 3か月の月日

 

俺とツバキが、今は少しだけ慣れたアローケスに来てから早3か月。アローケスは相変わらず工事中の場所が多いモノの、多くのビルや工場の主要なものが優先して建設完了していて、本格的に国として動き始めている。なんでもスクラップ街の人々のおかげで、長年アローケスを悩ませていたらしい食糧事情が解消され、人手不足も日雇いや正式採用のおかげで次々と解決しているそうだ。

ちなみにだけれど、ならず者たちは軒並み傭兵としてアローケスに雇われており、最近では”野盗連合”とは別派閥のならず者たちの討伐すらしている。

そして、肝心の白い俺たちについてだが、シバイヌ整備場が預かっており整備の手伝いやワーカーの操縦などで大いに役立っているらしい。

・・・そんな中、俺とツバキはシバイヌ整備場で第3世代戦闘用ロボットフレーム・・・通称”サードフレーム”に換装したマッドドッグとウォッチドッグのテスト運用を続けている。意外とこの3か月間は何もなく割と平和にアローケスでの生活を満喫している。(小学校には通っているが、割とうまくいっている)

 

だが・・・

 

~~~~~

 

「アローケス西部の山岳に謎のアンノウン反応・・ですか?」

「そうだハルマ博士。だから、彼女らに聞きに来た。」

 

どうやら、平和は長続きしないらしい。話を盗み聞きしていたのだが、未確認の機体が出現したとのことだ。俺はシバイヌ整備場の整備長となったサフランに声をかけてから、ツバキと共に養父(とう)さんと、一人の女性に近づく。ちなみにだが、その女性はジャンヌダルクのパイロットを務めている”アシュリア・グレイプニール”と言う人だ。

 

「アシュリアさん、どうしたんだよ。アンノウンがどうたらこうたらって聞こえたが・・・」

「耳がいいな、その通りだ。アローケス西部、山賊組織のあった山・・・現在ではサイクロプスの解体・技術解析研究所がある場所で、この写真に写る機体が目視、そして撮影された。残念ながら真っ暗で輪郭しか見えないがな。」

 

そう言って、アシュリアさんが俺に一枚の写真を渡してくれる。その写真に目を凝らすが、ツバキが無理やりみようと頬で押しのけてきたので、ツバキが見やすいように写真の位置を調整する。・・・確かに、荒れた大地の他には真っ黒で大きな人影があるだけだ。普通に考えて、アンノウンと考えるだろう。だが、俺とツバキにはその機影のシルエットには覚えがあった。

 

「なるほど、猟犬(ハントドッグ)か。」

「うん、間違いなく、猟犬(ハントドッグ)だ。」

 

俺とツバキの言葉に納得したのだろう、養父(とう)さんとアシュリアさんは目頭をおさえたり頭を抱える。気持ちは分かる、正直俺も頭を抱えたい。

高機動高防御が売りの囮役であるマッドドッグと、超遠距離狙撃のウォッチドッグに対して、この”ハントドッグ”は遠距離機動範囲射撃機体つまるところを言えば、砲撃が役割の機体だ。ツバキと組ませると害悪コンビとよく呼ばれていた。そして何より、俺とツバキがその機体を断定したのは、その機体の脚部の特徴的なシルエットにある。

ハントドックの脚部に使われているパーツは、オススメランキングに多くピックアップされるタンク型・・・しかし、鋼鉄機神の英雄(ゲーム)のおすすめサイトのタンク脚の評価の中ではハントドッグの使うホバータンクはタンク脚のクセに重量制限が小さい(他のタンク脚は最重量武装を6つ装備しても重量過多にはならない)、ホバー・・・つまりは機体を浮かせるせいでツルツルと滑って安定した操作ができない、さらにはタンク脚だというのに機体装甲(HPの代わりになる数値)がタンク脚の中でも最低値(それでも他の脚部と比べたら十分高い方)なので、オススメパーツランキングのワースト13位ぐらいの位置にいたはずだ。だが、そんなタンク脚を採用し、タンクらしい戦い方をするのがハントドッグのパイロットだ。

 

「アシュリアさん、まさかとは思うが・・・俺たちの力を貸してほしいってわけか?」

「言ってしまえばそうなる。アンノウン・・・いやハントドッグに対して我々タワーシールド隊は無力に等しい、なにせスモールシールド隊が何もできずに全機中破させらさせられ見逃されたのだからな。」

「だとさ、養父(とう)さん。」

 

難しい顔をしている養父(とう)さんに声をかけると、しばらくまた考え出した後に諦めたようにため息をつく。

 

「わかったよソニア。マッドドッグの遠征準備を僕の方からサフランちゃんにお願いしておく。」

「・・・養父(とう)さま、僕は?」

「ツバキはダメ、ウォッチドッグの武装調整が終わっていないからね。」

「むぅ・・・」

 

養父(とう)さんの言葉にツバキが頬を膨らませて抗議をする。そう・・・3か月の期間が過ぎて、マッドドッグは大型ショットガンとセイバー・・・いや、養父(とう)さんが作ったその二つに匹敵する武器とおまけの追加パーツを装備して実戦はいつでもできる万全の状態だ。しかし、ツバキのウォッチドッグはそうはいかない、重いがその分だけ高威力なスナイパーキャノンに匹敵するほどの武装が作られていないのだ。今まで使っていたスナイパーキャノンも技術解析のために一部分をバラバラにしており、元に戻すとしても養父(とう)さんの話では1週間はかかるとのことだ。

 

「ツバキ、我慢してくれ・・・帰ってきたら買い物付き合ってやるから。」

「・・・約束。」

 

最近のツバキは、俺以上にオシャレにはまっているらしく気が付けばツバキ用のロッカーはカワイイ洋服がたくさんある。・・・俺は、まあ・・・ズボンがいいって言うか、かわいいとは程遠い容姿だし?後、俺は別にボーイッシュ系を目指しているだけだし?

 

「すまない、私たちの都合で争いの場に連れていくことを許してほしい。」

「気にすんなって、アシュリアさん。俺は元々、戦うしか能がない傭兵だぜ?むしろありがたいぐらいさ。」

 

・・・おっと、失言だったかもしれない。養父(とう)さんとアシュリアさんが纏う空気が少し重くなってしまった。

俺はたまらずそそくさと、シバイヌ整備場の敷地内にあるギアメーカー研究所(あとから養父(とう)さんに聞いたのだがこのギアメーカー研究所が俺たちの家らしい)に逃げ込む。

 

「さてさて、数日分の着替えを準備しますか~。」

 

=====

 

『クソっ!足がないくせに速いぞ!!』

『兄弟、ひくぞ!俺たちの手にゃ追えねぇ!!』

 

「・・・逃がすかッ!!」

[トリガーを引く音、ドガァン!ドガァン!!

 

『う、撃ってきやがった!!』

『ち、散れ!ち――[爆発音の後にノイズ音]』

『ひっ、しにた―――[爆発音の後にノイズ音]』

 

『クソッ、アイツら仕事もできないのかよ!!お前ら、予定変更だ!!このまま仕掛ける!!』

『わ、分かったぜボスッ!!』『砲撃機なんざ近づいちまえば!!』

 

「上から三機・・・だが、スカベンジャーか。」

 

ドゥルルルルルルルルルッ!!

 

『ギャァアアアッ!!』

『ボ、ボス!?う、ウワアアアアアアッ!!』

『や、やめ・・・アアアアアアアッ!!』

 

 

「弱いな。さて・・・これからどうするべきか・・・」

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