女神様のウッカリで滅びた世界に転生したら、いろいろ勘違いされてめちゃくちゃ甘やかされてるんだが 作:名無しのメカ好き
アローケスから出発して4日目、ようやくサイクロプス研究所に到着した。
つい昨日、俺が呼び間違えてしまったせいで、アシュリアさんが混乱しタワーシールド隊のみんなの給料がカットされたいといろいろあったが、襲撃とかはなく無事に到着し、戦闘用ロボット用の搬送トレーラーから機体を降ろし、戦闘前の軽い整備をタワーシールド隊の整備士が始めている。その間にオレとアシュリアさんは研究所の責任者と話すことになり、軍用の車に乗って移動を開始した。移動している最中に見た研究所には中破と大破した機体がそのまま放置されている。けれど、サイクロプス研究所の建築物に限っては、路面のクレーター以外に被害はないようだ。
俺は、そこで違和感を感じる。
つまり、何が言いたいかと言うと・・・
(単騎の割にはクレーターが少ない?)
アイツが・・・ハントドッグが単騎であるならば、これ以上のクレーターが・・・いや、建物が崩れていたことだろう。下手すれば、この研究所が焦土になっていたはずだ。ハントドッグが使っている砲は中々にえげつない迫撃砲だったはずだが、ここまで破壊が少ないのにはどうしても違和感を感じてしまう。
だが、俺には一つ・・・ハントドッグがここまで精密な砲撃をする理由に心当たりがあった。
素の砲撃命中精度と言うのは、
(・・・考えられるとしたら、もう一機いるのか・・・それとも、俺たちと同じ特殊な能力か・・・。)
なんてことを考えていると車が緩やかにスピードを緩め、やがて一番大きな建物の前に止まった。
一度考えを終わらせ、アシュリアさんと一緒に降車し、その建物の出入り口へと向かう。警備の兵士がちらりとこちらを見たのだが、アシュリアさんとアシュリアさんについて行く俺をちらっと見て頭を下げた。けれど、もう片方の警備の兵士はこちらを見ることもせずにどこか遠くを眺めている。先ほど頭を下げた警備の兵士が肘で突いて俺たちに気付かせると頭を下げさせていた。
今の警備の兵士、なんだか・・・どこかで見たことがある気がする。けれど、記憶があやふやでどういうわけが思い出せない。
「・・・?どうかしたのか?」
「なんでもない、後で話す。」
「・・・分かった、ともかくこの研究所の所長室に行こう。」
「ああ。」
=====
「いやー、不落と名高い
お腹が出ている中年の男性が嬉しそうにニコニコしながら話している。何なら俺に関してはサインをねだられるほどだ。
「しかもハルマ博士の娘さんと来た、ハルマ博士は元気かな?」
「むしろ元気すぎるぐらいです。毎日オイルまみれになって、洗濯する私の身にもなってほしいもので・・・はい、サインはこちらでよろしいですか?」
「変わらないのぉ、ハルマ博士は・・・おぉ、すまない。実のところ私の孫がキミの活躍を聞いてからファンでのぉ、もし会えたらサインをくれとせがまれて―――」
「ゴホン!失礼ながら、ノノムラ博士・・・」
「うん?あっ!!すまない、つい嬉しくなってしてもうて・・・」
さすがに長くなりそうだったのか、アシュリアさんがちょっと怒った様子を浮かべて中年の博士・・・ノノムラ博士に注意する。隣に控える男性の秘書もホッと一息ついて再びシャキッと背を伸ばした。
・・・ノノムラ博士が秘書さんから渡してくれた資料を見ながら、ノノムラ博士の言葉を聞く。
このサイクロプス研究所とサイクロプス監視前線基地がアンノウン・・・ハントドッグの反応を捉えたのは約1か月前、最初は遠くからこちらを観察してるだけで、特に何もしていなかったが、確認されてから2週間がたったある時襲撃を始めたのだ。
それからと言うもの、何度か襲撃を受けており、建物には目立った被害はないものの防衛に出た戦闘用ロボットが何機が大破・中破し使い物にならなくなっているらしい。幸い、人的被害は一人も出ておらず。そして、警備隊の努力と
「・・・どうだろう。」
「間違いなく俺のよく知るハントドッグだ。」
写真に写っているのは間違いなくハントドッグだ。
無骨さとシャープさが両立されているが無骨さが目立つフォルム。バックパックから延びる280mm滑空砲。両腕の武器腕である30mm機関砲、ホバータンクの脚に、ニット帽とイヤーマフをして猟銃を背負う土佐犬のエンブレム。
懐かしさと共にどうしてお前がこっちに来たんだという、怒りがあふれてくる。
「・・・無理に見なくていい。それに、戦いたくなかったら、私たちに任せてくれてもいいのだぞ?」
アシュリアさんに心配されてようやくハッとする。どうやらひどい顔をしていたらしく秘書さんが少し怯えている。手元の資料に視線を落としてみれば、力をこめていたのか少しだけぐしゃぐしゃになってしまっている。
「・・・いや、大丈夫だ。続きをお願いします。」
「わかった。」
=====
ノノムラ博士との確認や情報共有が終わり、俺とアシュリアさんはサイクロプス監視前線基地の戦闘用ロボットの格納庫へと、行きにも使った車に乗って戻っている。
車に揺られながら、考えるのはとあること……ハントドッグのパイロットについてだ。
ハントドッグのパイロット、そいつの名前は”
(結婚して、子供も作って・・・なんで
誰にも言えない怒りを抑え、俺は青々とした空を見上げた。
ちなみにマッドドッグとウォッチドッグのエンブレムは
マッドドッグが、目を赤く光らせマズルをつけた牙をむき出しのピットブルの横顔。
ウォッチドッグが、鋭い眼光と警官服で座り込んだブルマスティフ。