女神様のウッカリで滅びた世界に転生したら、いろいろ勘違いされてめちゃくちゃ甘やかされてるんだが 作:名無しのメカ好き
あの騒動の後、俺は起きた後の精密検査を受けたのだが。
いたって、健康。何ならその日のうちに退院が決まるほどであった。
残念なことに、あの軍病院にはサイクロプスの一件で怪我人が大勢いるらしく治ったのならさっさと退院してくれ、と目にすごい隈を作った医者に言われてそのまま退院した。
だがその前に…
「えぇっと、ブラジャーとかどうつければいいんだっけか?」
「まあ、最初はそうだよね。はい、鏡!これで見える?」
「ありがとう、何とかつけられた。」
「久々の、服。ちょっと、なれない。」
「あーほら動かないで!いま髪縛ってあげてるからっ!!
「うー…」
二人の看護婦によって女として生きるために必要なことを最低限教わっていた。そして今は、退院のために服装を整えている真っ最中(ついでに衣服についての再確認)だ。
何分、俺もツバキも前世は男。この世界に転生してからは、これまでのことを戦いしか知らなかったとごまかしているため教え込まれた。看護師いわくめちゃくちゃ難しいというわけではないとのこと。けれど…元男からしてみればどれもこれもめちゃくちゃ難しいようなことばかりだった。
ちなみにTSしたら自分の身体に興奮するのかどうか試してみたが、テンプレート通りに自分の身体にもツバキの身体にも全然反応しなかった。(ツバキは若干悔しそうにしてたのはどうして…?)
「うし、これで完璧!」
最後に自分の髪形をくしで整えて終わり、確認のため鏡に映る自分の姿を見回すと、上半身は子供用の白い半袖シャツを着込み、下半身はショートズボンと黒いニーソックスとかわいらしいく、その上マニッシュシューズを履いている美少女が俺を見返していた。正直、今でもTSしたことは認めたくないが…なんとなく、幼馴染がファッションに気を使っていたことが分かった気がする。
「そっちはどうだ、ツバキ。」
「うぅ…ヒラヒラ、するし、まだ、スースー、する…」
顔を赤くしながら白から水色のグラデーションカラーの長髪を揺らしつつ、そわそわとしている。
上半身の服装は俺と色違いの黒い半袖シャツだが、下半身はスカートに子供用のストッキングを着用していて、履物は俺と違ってオックスフォードシューズを履いている。
「あんまり文句ばっかだと、これから先どうするんだよ…」
「そ、それ、いうなら、リーダ、だって。」
「う”っ…」
できれば忘れたかったことをツバキに言われて、思い出す。
看護婦によって最低限教えられたことだが、いくら10歳児相当の身体とは言え日を重ねるごとに成長していく…そして成長してくるのはもちろん、女性として大切な生理現象である”月経”…まあ聞き慣れた言い方をするなら生理があることは間違いない。
前世では、生理には個人差で痛みが違ってくる…もちろん、男が思ってるほど些細な違いではなく、アリとゾウのような違いがあるとのことは知っていた。それが、いざ自分の身体に起きるかもしれないと思うと、少しだけ怖く感じてしまう。よく読み漁っていたTSを題材にした創作物だと、大体TSした主人公は思ったよりも生理は軽い。なんて言っていることがあったが…幼馴染も苦労してたんだな……
「でも、仕方、ない、よね。」
「仕方のないことだな。俺たちにとって。」
「や、やあ二人とも準備できたのかい?」
と、俺たちがそんな会話をしていると苦笑いをしている
あー多分、他愛無い雑談を聞かれてまた勘違いされたな…まあいいか。ともかく、
「どうだ
「それ自分で言うことかい…?まあ、似合ってるけど…もうちょっとおめかししてみたらどうかな?」
「ふっふっふっ、そういうならツバキはどうだ?」
「や、やめて、リーダー。はずか、しい。」
「僕にはファッションセンスはないけれど…でも、とてもかわいいよツバキ。」
「か…かわ……うぅ~。」
何か言いたげに顔を赤くして弱い力で
多分、かわいいと言われたことが恥ずかしいんだろう。そんなほほえましい姿を見て俺はニコニコと笑顔を浮かべるのであった。
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病院の正面玄関から出ると、懐かしさを感じる風景が広がっていた。
「ここが、アローケス…か。」
「うん、人類最終国家アローケス。今日から、君たちの住む国でもあるよ?」
高さ60mの鋼鉄でできた外壁がぐるりと大きな都市一つを囲っており、その都市そのものもまだまだ建設の途中なのか工事中なものが多い。
だけど都市そのものの活気は、まるでゲームだった鋼鉄機神の英雄の世界そのもので、絶望から一筋の希望を見出したかのように活気づいている。
「リーダー、すごい、ね。」
「…あぁ。これが、アローケス…なんだな……」
嬉しさと、どこか悲しさが混ざり合い…でも、その風景から目をそらせずにいた。