夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業 作:かりん2022
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こんな短編描いて欲しいなどのお題、リク受け付けます。(書けるとは言ってない)
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たまに呟いてます
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「百鬼夜行を」爆音。
呪霊が墜落してきて、自然と視線がそちらに向かう。
呪霊から飛び出てきたのは、女の子だった。禪院真依。京都校の女子生徒である。
「ちょっ 夏油先生! 大丈夫!? 備品壊したってなったら後が怖いじゃない、ちょっと冗談でしょ!?」
真依が呪霊から引っ張り出したのは夏油傑。今、まさに百鬼夜行を宣言した人である。
しかもその四肢はなかった。
「あっ おねぇちゃん! 良い所に、ちょっと手伝って! 先生を医務室に……げっ 京都校メンバーが勢揃いじゃない。なんでこんなとこにいんのよ。えっ なんで夏油先生が二人?」
「悟」
「うーん。信じ難いけど、並行世界から来たみたい? その呪霊の力だね」
「夏油様!」
話している間にも、呪霊は消えていく。既にダメージを受けていたらしい。
美々子と奈々子が夏油を案じて駆け寄る。それを真依は威嚇する。
「触んな京都校! 夏油先生は東京校の備品なんだから!」
「はあああ!? 夏油様をもの扱い!?」
「美々子! こいつ吊るす?」
「奈々子、吊るしちゃおうよ!」
「悟。とりあえず怪我人みてーだし、治療しちゃ駄目か? 暴れるにも腕とかねーし」
真希が言う。
「そうだね。呪符で封じて」
「待って、封じるって何よヤンデレ野郎。京都校の助けはいらないって言ってるでしょ。直哉先生か甚爾先生はいないの? 灰原先生でもいいわ」
「東京校ですけど??? あのさ、傑の傷、早くなんとかした方がいいんじゃないの? メンツにこだわってる場合?」
「困っているようだね。私が預かろうか?」
夏油教祖が言う。真依は困ったように周囲を見回す。
そこに、硝子が無造作に歩み寄り、治療をした。流石に四肢は無理だが、擦り傷などが癒えていく。
「あ……」
「これでひとまず大丈夫。で、どうする」
「う……五年ぶりだね、硝子。ありがとう。状況わかんないし、一旦学校に保護してもらっていいかな?」
「いいけど、大人しくしておけよ。こっちのお前呪詛師堕ちしてんだよ」
「そうなのかい? なるべく小さくなってるよ……。真依。そういう事みたいだから、大人しくしてよう」
「……お世話になります。夏油先生を助けてくれてありがとう」
そういうことで、夏油先生は捕まったのだった。
「で、一応聞くけど、君達呪術師だよね?」
「私も夏油先生もボーダーよ。夏油先生も! 東京校の先生だから!東京のだから!」
「はいはい、ここも東京校だよ。で、ボーダー? 何それ」
「あー。やっぱりこっちにボーダーはないんだね。トリガーなんて開発されなかったら、なんてあの時考えちゃったからかな? ええと、トリガーは……ううん。特殊な呪具だと思ってもらえれば」
「ふぅん。強いの? 開発なんて言うからには量産できんの?」
「雑魚専門って所。量産も難しいかな。合う合わないもあるし」
「真依は納得してないようだけど?」
「っ 雑魚専門は雑魚専門だけどっ 私達頑張ってるもの! そりゃ特級に歯は立たないけどっ 呪術師、やはり呪術師は私達を見下すのね!」
「勝手にヒートアップしない。ごめんね、悟」
「ふぅん。簡単に事情を聞いていい? こっちの事情も話すからさ」
「事情……うーん、事情。とりあえず、何者かの襲撃を学校への帰り道で受けたってだけでいい? 同じ呪霊見つけて早めに帰るよ。滞在費については、悪いけど真依にお願いしてもいいかな」
「任せて!!」
「腕と脚について聞いてもいいかな。どこで落っことしてきた?」
「色々ありすぎて、説明し難いんだよね。もうだいぶ前の事だしさ。当事者以外にどうこう言われたくないし、どうしても主観も入っちゃうしね」
「そっちの僕は京都校の教師で、傑が東京校の教師ってこと? いや、東京校じゃなくてボーダーか」
「そうそう」
「こっちの傑は、なんでか離反して、村ひとつ皆殺し。今も百鬼夜行を起こすって予告して行ったんだけど」
「ええ……」
「えっ あんな事されて悪く言いたくないって狂人レベルで聖人な夏油先生が?嘘でしょ?」
「それは止めないとね。真依。頑張れるかい? 敵地に潜入して、私を捕らえてほしい」
「私?」
真依はキョトンとした後、ぱあっと顔を輝かせて言った。
「……やる!! 任せて!! 呪術師と敵対できるなんてそうないし!」
「呪詛師ね。ただ、自分で自分を殺すのも忍びないし、あくまでも捕獲と言う事でいいかな。説得は私がするし、なんならこちらの世界で引き取るよ」
「傑。こっちの傑は特級呪詛師だよ? 向こうには手練れも何人もいる」
「出来るね、真依。A級だものね。私を盗んでおいで」
「六眼と甚爾先生とおねぇちゃんでなければ誰でも騙してやるわよ! 非術師魂見せてあげるわ!」
「意外と多いね。本当に大丈夫? てか君も術師でしょ」
「駄目でも私が捕まるだけでしょ。もちろん、そうなってもいいように準備もしていくけど」
「私の潜伏先の情報は貰えるかな? それと、周辺は結構被害が出ると思う。それでも、並行世界とはいえ、私が無辜の人々を虐殺なんてさせられないしね。……悟。心配かけてごめん」
「はぁ。最低限腕前を見たい。そうじゃなきゃ許可出来ない」
「潜入を前に手の内を見せたくはないのだけどね」
「僕の意見は変わらないよ。真依の腕をみないと許可はできない」
「逆に私は、手の内が晒された状態で真依を向かわせられないよ」
「先生! トリガー制限なしだよね? 五条先生だったら、当然メテオラもありよね? ボーダーだって頑張ってるって教えてやるんだから! 市街戦なら私、すっごく強いし! ボーダーの非術師魂見せてやるわ!」
「はあ、やる気だね、真依。胸を借りてきなさい。後、市街戦は無理だから近距離編成でね」
「いうじゃん、真依。期待してるよ。後君は術師ね」
そして、グラウンドに二人、立つ。
「トリガーオン!」
「! 本体を格納して、呪骸を操る術かな? 呪力、じゃないね」
「スコーピオン!」
伸びる剣で切り掛かる真依。
グラスホッパーを使い、撹乱しながら攻撃する。
「凄いね。それ全部一つの呪具の力? でもこれ呪具って言っていいのかな。電力で動いてんの?」
「トリオンっていう新エネルギーで動いてるの。いろんなことができるわ。こんな風にね!」
軽く攻撃されるのをシールドで防ぎ、グラスホッパー、テレポートで不意をついて斬撃。
当然無限には届かないのだが、これはあくまで訓練だ。
むしろ真依は楽しんでスコーピオンを振った。ストレスが溜まっていたのだ。
「ちょっと待って、これ非術師が使えたりする? ボーダーってそういうこと?」
「あははははは! トリガー解除! トリガーオン!」
そこでハラハラしながら見ていた夏油が慌てる。硝子も車椅子から落ちかけた夏油に慌てる。
「こら、夏油危ないっ」
「アステロイド! アステロイド! メテオラー!!」
真依は勢い余って校舎の一部を吹っ飛ばした。
「だ、だってトリオンで直ると思ったもの」
「真依。こちらにトリガーはないし、建物はトリオンで作られてはいない。何より、巻き込まれた人がいたらどうするつもりだったんだ」
「ごめんなさい……修理費は働いて返します……」
落ち込んだ様子の真依の頭を、五条はそっと撫でた。
「トリガーって凄いね。ボーダーって非術師なんだろ? でも、一番凄いって思ったのは、真依が凄く楽しそうに闘うことかな」
「え、その、怒ってない? ふざけてるとか、真面目にしてない、とか、非術師の分際で、とか」
「悟。真依は、その、呪霊退治にはモチベーションも必要で」
「ふざけたり真面目にしてないとかではなかっただろ。トリガーハッピーはよくないけど、頑張ってたよ。強くなるのに貪欲なのは良い事だ。もう一度聞くけど、非術師でも使えるの?」
ぱああ、っと真依の表情が輝く。
「私、呪霊倒すの好き! 大好きなの!! 友達と訓練するのも大好きだし、ボーダーの事愛しちゃってるの! 見えない子達だってね、見えるようにしてあげれば戦えるんだから! むしろ仕方なく闘うんじゃなくて、戦いたいって人が集まるから、質はいいって自負してるの!!」
「へぇ、いいじゃん。あんな呪具があると、闘うの楽しいでしょ」
真依を止めようとするのを制して、優しく五条は聞く。
「とっても! あのね、いろんなオプションがあって、そこから頭を捻って選ぶのが楽しいの! 全部つけたいし使いたいけど、やっぱり極めるとなると選ぶしかないし、でも私、サイドエフェクトが地味だけどいいのが発現してね」
「サイドエフェクト?」
「トリオンを使ってると発現する事があるの。耳が凄く良くなったり、嘘を見抜きやすくなったり」
「へぇ。真依は何が出来るの?」
「空間把握力が凄く上がったの。範囲も広いのよ」
「いいじゃん。向こうでどんなかわからないけどさ。こっちでは呪霊倒したもん勝ちだから。真依もどんどん任務受けていこうね。直近で百鬼夜行かな」
「えっ 私、夏油先生狩りに行くよ?」
「上の要請で、監視付きで百鬼夜行の手伝いをしろって。君が怖いんだよ、真依。それに手の内も結構見られちゃったしね。後、傑はトリガー使うなって」
「はあ!? トリガー使わないと先生動けないじゃない!」
「それはちょっと困るな。トイレくらいは一人で行きたい」
「介護する程度の呪霊の使用は許可させたから。トリガーの事、もっと詳しく教えてくれて、一般用のトリガーをもっているならそれを傑が使う許可は出してもいいけどね。色々カスタマイズ出来るんだろ?」
真依と傑は顔を見合わせた。
「トリガー関連は私達の世界で凄く色々あったんだよね。私が手足を奪われたのもそうだし、火種を持ち込魔ないか不安で。私と真依個人の呪具として使うならいいけど……」
「もっというなら、呪力通すと劣化するのよ、トリガー。その辺どうするのかは研究中なの。後、20歳でトリオンの成長が止まるから、どうしても20歳で頭打ちなのよね。正直小学生から訓練するものなのよ、トリガーって」
「トリガーはいくつ持ってきてる?」
「悟」
「百鬼夜行の犠牲者を出来るだけ減らしたい」
「……実を言うと、京都校への技術協力からの帰りだったから、トリガーはそれぞれに調節してあるのがある、けど」
「無理やり奪うことはしたくないんだ。そっちの傑は何もしてないわけだしね。ただ、上は臆病だからね。口実を与えないためにも、そちらから技術協力を申し出てほしい。修理費用もそこからさっぴけるしさ。百鬼夜行で傑危険視されてるから、帰還の協力を仰ぐにもそちらの方がいい」
「……わかったよ、悟。初めから術師の呪具ということにすれば、こっちであったみたいな問題も出ないかもしれないしね」
「何があったわけ?」
「各国から技術を狙われた。普通に軍事技術としても有用だからね。一般から公募する都合上、呪霊の事も明らかになったし、呪術も明らかになった。結果、呪術師の誘拐が頻発したり、色々と問題が起きすぎてね」
「気をつけるよ」
そういうことで、トリガーについての短期講習が行われることになったのだった。