夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業 作:かりん2022
「何これ、傑スッゲーご機嫌じゃん」
それしか言えなかった。もーそれしか言えなかった。
ビルについたでっかい画面に傑が写っている。
そしてノリノリで実況している。
あまりの暴挙に頭が真っ白になった。楽しそうな傑……呪術規定ってなんだっけ?
「大丈夫だよ、帷の外には電波飛んでないから」
そういって、あちこちの非戦闘員らしきスタッフに指示を飛ばすのは僕だった。
「傑には事が終わるまで外部に放映できてないこと絶対バレないようにね。ったく。傑の企みなんかお見通しなんだよ」
「並行世界の僕、かな?」
「やあ。並行世界の僕。今回は演習の場を貸してもらって礼を言うよ」
「貸したつもりはないんだけどね」
「百鬼夜行が行われてたら大変だっただろ。ギブアンドテイクだ」
「呪霊の事全国ネットで放送しようとしておいてその言種?」
「防いだだろ」
「お前の世界の傑ってなんなわけ?」
「ファム・ファタール」
その言葉に、意表を突かれた。
「並行世界の僕って同性愛者なわけ?」
「うるさいな。そうとしか言いようがないんだよ。見てわかんなかった? 傑は」
少し躊躇って、そして言い切る。
「呪術師の救世主。そして呪術師を滅ぼすものだ」
そう。今、確かに呪術師は呪霊に押されている。
でも、非術師が戦えるようになってしまったら。ーー呪術師なんていらないんじゃないか?
「っ!!」
「こうしちゃいられない、傑がこっちの世界で迷惑かけないように忙しくてね。僕は行くよ」
「あ、ちょっ トリガーって傑が作ったのか?」
ちょっと信じられない。だって凄まじい装置だ。
呪霊を攻撃できる。偽物の体を作る。それを壊されたら、流星となってマザートリガーの元へと向かう。そこで復活できる。復活できるのだ。ちょっとした無敵状態、チートじゃないか。
機械だけあって、飛び道具、武器とあって、しかも規格化されている。
規格化されているということは、効率的な訓練が出来る。目に見えて、でも呪霊を攻撃できる兵器達。
画面への呪霊の投影も可能になっている。これなら非術師も呪霊を認識できる。
どれもありえない事だ。これはちょっと凄まじすぎる。
大体、何級から攻撃が通じないなんて嘯いてたっけ? 真っ赤な嘘じゃないか。
「それは非術師の博士が作って傑に託したものだ。ーー博士は上層部の命令で僕が殺した」
僕は絶句した。
そうして、試合は終わって、傑は拘束した傑を連れて僕のところに挨拶に来た。
ほえほえした笑みを浮かべて言ったのだ。
「トリガー技術が欲しかったら言ってね。悟にだったら協力するよ。次来るのは三ヶ月後かな? じゃあね、悟」
「待て。じゃあねじゃねーんだよ、これだけ騒がせてそれかよ!」
俺は、思わず傑を問い詰めていた。
ハラハラしていた生徒達が平謝りする。
「傑! 生徒の前に、お前が! なんかいうことあるだろ!!」
「ごめんなさい……」
「よし」
「ちょろい……」
「ああっ!?」
本当に反省してんのか傑は。そう怒っていると、生徒達がボソボソと囁き合う。
「夏油先生、いくら菩薩のような五条先生でも、その態度は駄目だよ!」
「夏油先生を泣かせるなんて許さない、でも夏油先生もちょっと悪いかもしれないところがあったような可能性が0ではない確率もあったりするからな……」
「夏油せんせーが泣いてる……! 夏油先生が泣くなんて三十連勤で忙しすぎてヘロヘロで頭おかしくなってる五条先生の所にハニトラだよーって税金で女体化トリガー作って遊びに行ってガチで襲われかけて泣いて帰ってきた時以来じゃ?」
「あの五条先生の方が同情された事件か」
「夏油先生が困る時、五条先生はその3倍困るのだ……」
「じゃあ夏油先生が笑う時五条先生は3倍喜べるってこと?」
「ううん、10倍絶望する」
「お前何やってんの? 本当に何やってんの? っていうかもしかして、俺、お前の尻ぬぐい役させられてんの?」
そういえばあの時もやけに手慣れた様子で周囲に指示していた。嘘だろ俺の伊地知がお前の俺なの? いやそれ以上じゃない? 静かに引いてんなこっちの傑、向こうのお前がやったことだろ。そして俺にそんな趣味はない。断じてだ。
「そうだよ。なんたって悟は私のヒーローだからね」
「は。何それ」
「こっちでは私は普通に呪術師で普通に君とは学校で出会ったのだろうけど。私と私の悟は、結構運命的な出会いをしたんだよ。聞きたいかい?」
「あー。こっちとの差異は知っときたい」
「ふふふ。あの日。お化け研究所で私と博士は、その日も学校をサボって研究をしていたんだ」
「出た。出ましたよ夏油先生視点と五条先生視点でジャンルの違う運命の日」
「本当に同じ世界観で起こったことなんですか?」
「温度差で風邪を引く」
生徒がサワサワと騒めく。どうやらこの話は傑と僕の十八番らしい。
「じゃあ、長くなりますし、お茶でも淹れましょうか。どうせ京都の生徒を待たなくては行けないですし。そちらにお邪魔してもいいです? 非術師も入ることになりますけど。こちらの世界のお金は持ってなくて。あ、一応飲食物は自前で用意するのでいいです」
「あ、ああ。むしろ案内させてほしい」
「「「やったーっっ」」」
「あれ、五条先生顔色悪い?」
「こっちの僕、死んでるんだってさ。さっき七海にもあって泣かれたよ。七海を置いて行ったのは僕じゃないんだけど」
話に割り込んできた灰原に僅かに動揺する。
差異の理由。それは考えるまでもなかった。
そうして、向こうの世界の僕も合流し、上層部や僕や傑の見守る中、傑は語り始めた……。
「優しくて好青年な直哉って嘘だろ!? 偽物だ!!」
「なんやえらい言われようやなぁ。いつも言っとるけど、先生なんやからもっと敬って? 甚爾先生からもなんか言うたって」
「ああ? 双子の女帝に褒められてんだからいいじゃねーか」
「そもそもその小っ恥ずかしい二つ名がなんだよ!?」
「よっ 女帝。こわっ」
「しゃけ!」
「め、メテオラーっ」
「うっせーぶん殴るぞ!」
「腹立てた時点で首刎ねてへん真希ちゃんって嘘やろ?」
「うっせー殺人狂みたくいうな!」
一方真希は混乱していた! そして直哉は実際、ある意味偽物である。
本物の直哉? 無理やり東京行きのトリオン兵の中に乗り込んで東京まで向かってますが何か?
展開をメモして未来の自分にプレッシャーを掛けてみる。完結しなさい……完結するのです……。
夏油先生視点運命の日(次話)
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五条先生視点運命の日(次次話)
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京都メンバー視点百鬼夜行(次次次話)
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夏油様呪術科で研修(次次次次話)
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破滅の日
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最終回
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エピローグ
書きたいの実況部分(書き終わった)と運命の日だったので、そこ終わったらサクッと終わります。多分。
次回更新多分遅くなります。次話は長くなるといいな……いいな……一応この話のメインですから。
遅くなると言っても年内にはファムファタールは最終回予定です。