夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業 作:かりん2022
私は、話し始める。
博士の運営するおばけ研究所では、いつも私と子供達が博士にまとわりついて遊んでいた。
行き場のない子供達が多くてね。私は違ったけれど、虐待されてた子や放置されてた子もいて、とにかく、おばけ研究所はそんな子達の居場所だったんだ。
私たちは、家族だった。みんな大切な友達で、仲間で、家族だったんだ。
毎日が夏休み。私達は、あるときは小さな博士で、あるときはお化けをやっつけるヒーローで、あるときはママだった。可愛いだろ?
そんな時に、警報が鳴って、侵入者がやってきた。
びっくりしたよ。真っ黒な学生服にグラサン。背は高くて、不思議な力を持っていた。
明らかに怪しい奴らがやってきて、私達は慌てて、子供なりに頑張って応戦した。
ふふ、もちろん手も足も出なかったよ。
そうして、全部を吹っ飛ばした悟は、私の前に立った。サングラスを取ったその目はあまりにも綺麗で、私はこの人が私の運命、私の死なんだと思ったよ。
いや、ほんっとうに殺されると思ったよ。
そして、悟は手を伸ばした。
「もう大丈夫、絶対助ける」
結論から言って、私は殺される事はなくて、なんだか救助されちゃったんだよね。
それから、悟は、硝子もだけど、私の事をかよわくて可哀想な被害者として扱った。
不器用に優しく声をかけて、手を伸ばして、抵抗しても私を傷つけないようにそれはもう気をつけてくれてね。
硝子だって、非戦闘員なのに、私なんかを助けるために戦場に飛び込んでくれた。
全く話が通じなかったけど、悟は私が保護されて不利な縛りを結ばされそうになった時に庇ってくれたし、呪術界の常識を教えて、親が雛を守るように守って教え導いてくれた。
眠れない日は、いつも二人がそばについていてくれたんだ。
だから悟は、私にとって終わりを運ぶ者で、それでヒーローなんだよ。
「私が手も足も出ないというのは不甲斐ないと思うが、さすが悟だね」
「へー。それで、博士はどうなったんだ?」
こちらの夏油傑が誉めて、パンダが何気なく聞く。直哉は気まずげに目を逸らした。私は微笑んだ。
「悟が殺したよ。私以外の、いや。関わっていた非術師は皆殺された。私だけが、呪術師だから助命された」
空気が凍る。
「……だから君はいかにも非術師側だというように装おうのかな。君が呪術師なのは変えられないのに」
「勘違いしてほしくないんだ、夏油傑。確かに悟は仇だけど、私を守り慈しんでくれた。無償の庇護をくれたんだよ。私は悟に感謝しているよ。信じては貰えないけどね。悟のおかげで……容易く潰されない程度に、大きくなれた」
この話をすると、なんでか皆ドン引きするんだよね。
この事件をきっかけに、私が呪術師を信じる機会というより、呪術師が私を信じる機会が永遠に失われた。
どんなに腹を見せても、謙って見せても、呪術師達は疑ってくる、ならば殺さなければよかったのに。
少しだけ、そう思う。あるいは、あの時私も殺して仕舞えばよかった。
「なるほど、五条先生のファム・ファタールですか」
「どんな感情で確実に復讐してくる相手を守ってんだよ」
「しゃけ……」
「いやまあ、予想つくでしょ。一つ言っとくけど、僕、博士殺したのは間違ってると思ってないから」
そうして、悟は語り始めた。
しかし原作の五条先生も恵を教え子として育てているんだ。
短くて申し訳ない。申し訳ない。申し訳ない……次。次で頑張るから!