夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業 作:かりん2022
僕は傑の進言によって救われた。
近くで待機してた硝子もすぐ回収に来てくれてさ。
逆に言えば、僕のこと洗脳装置が動かないならいいやぐらいの認識だったんだよね。相手組織。
相手にとって重要なのはトリオンだし、僕のトリオンは使えるぐらいはあるけどモンスターってほどではないし。
傑もトリオン量調べて、いらないって判断して逃してくれたんだと思う。
石ころ判断されるのなんて初めての経験だったよ。
一旦引いて報告をしたんだけど、僕もさ、いたいけな子供を殺すのは嫌なわけよ。
なんとかなんないか訴えたけど、やっぱりダメでさ。
それどころか、夏油傑以外の被害はこの際容認するとか言われるわけよ。
逆に夏油傑がなんなんだよってなるじゃん。
『それでも生きて返したわけか』
『洗脳されかけたんですけど。話、聞いてる?』
『次は行けそうか』
『そりゃ勝つだけだならできるけどさぁ。なんか変なんだよ、あいつら。呪力じゃねーし人でもねーし。でもさ、言っちゃなんだけど、俺らの仕事って普通低級呪霊の討伐じゃねーの? 知らねーけど』
『あの組織が低級の呪霊の仕事を格安で受けているからな。今、仕事は落ち着いている』
『うわ、なんか泥沼の予感。関わりたくねぇ……』
『上層部はこれは呪術界の存亡を掛けた戦いだと息巻いている。任務の拒否は不可能だ』
『存亡を学生に任せんなよな……で、夏油傑は何者なんだよ』
『被害者にしてNo.2。要は呪術師で技術情報も持っているという事だ。術式は見ただろう』
『あー。かなりレアだよな。でも、それだけじゃないだろ』
『それ以上の事は私は知らない』
『あからさまにきな臭いよな、この依頼……』
『……私、怪我の治療くらいだったら出来るけど。近くで待機しようか?』
『あー、うん。頼むわ。助かった』
それで、感触が嫌だったから刀の呪具を持ってまたおばけ研究所に向かったんだけど。
僕を出迎えたのは子供だった。
『お前、五条悟? カオルは僕の友達だったんだ』
『言い訳はしねーよ。出来れば投降してほしいけど』
『冗談だろ?』
飛びかかってきたのを刀で応戦したんだけど、峰打ち効かないんだよね。
トリオン体だと痛みを感じないからなんだけど。
で、仕方なく切ったんだよ。
当然だけど血は出なくて、腕を切り飛ばしてもなんともないように応戦してきて。
なんども警告した後に、仕方なく首を切り飛ばしたけど、普通に、いや、むしろ五体満足になって復活してきたんだよね。
いつの間にかギャラリー出来てるし。
謎物質はいくらでも回復するみたいだし、武器破壊しか打てる手が思い浮かばなかった。
『硝子。……悪い。頼んでいいか』
『ん。私も背負う』
それで、僕はそっと武器を破壊した。
硝子がすぐさま本体の子の治療をしてくれたよ。
『大丈夫そうか? 硝子!』
『うん、なんとかなりそう』
『よし、ひとまず逃げるぞ!』
そうして、少年は死んだ。
一定以上基地から離れると『セーフティ』が発動するようだった。
「……子供がこなせる任務ではありませんね。いくら五条さんとはいえ、任せてもいい任務でもありません」
「めちゃくちゃわかりやすい悪の組織じゃんか」
「五条先生、可哀想すぎませんか?」
「正直、最初の敗北は不意をつかれたとはいえかなり情けないけど、同情の余地はあるかな。難易度高すぎだろ」
『なー、これ大量殺人犯になれって言ってる?』
『これ以上犠牲者を増やすわけにはいかん』
そう言われても困っちゃうよね。
生かして助ける方法が思い浮かばなかった。
しかも、僕はまだ主力と戦ってもいなかった。
三度目の威力偵察では、甚爾と直哉のコンビと戦って捕まっちゃってね。
そこで甚爾が記憶を奪われてて、直哉が甚爾を助ける為に従ってた事を知ってね。
説得したけど失敗。でも、トリガーのヒントはくれたかな。
トリガーを使わせられて、仮想空間にご招待された。
こう、硝子と二人、誰もいない街に降り立ってさ。
『ボーダーへようこそ! 新入隊員くん!』
『レッツ! 訓練!! チュートリアルスタート! アステロイドと言ってみよう!』
まあれだよね。ゲームの中に入っちゃいました的演出。
全てのクエストをクリアしてチームに勝たないと脱出できません的な奴。
もう本当遊ばれた。
勧誘も受けたな。受けるわけないんだけどさ。
ちなみに傑はその時の隠しボス的な立ち位置で出てきたな。
人が必死な時にまー楽しそうに戦う戦う。
トリオン体だと本来の体は格納されてるわけだから、体の動かし方も違うし術式も使うの凄い難しいんだよね。
でもすげー頑張って格納した体から呪力引っ張り出してトリガー破壊して脱出した。
でも、三回目の時にトリオンについては色々聞けたからね。
後は覚悟決めてひたすら武器破壊に専念して、マザートリガー壊して復活阻止して、傑や博士、直哉、甚爾をボコって確保できたってわけ。
「そこらへん詳しく」
大量虐殺の話なんて聞きたい?
皆、嫌になる程無邪気で勇敢だったとだけ。
ああ、博士は研究失敗して狂ってたっけな。物理的にね。トリガーが脳を侵食してたんだ。
そんなわけで、傑を確保する事で、ボーダーの知識を呪術界が取り込もうとしたんだよね。
でも敵もさる者でさ。傑の記憶に限定ロックかけて、条件が達成されたら解放されるようにしてたの。
それで、僕が監視兼保護者になって今に至るんだけど。もうヒヤッヒヤだよね。
いつ記憶が戻って呪術界を裏切るんだろう、っていうか。
って事でお話し終わり。
生徒たちもついたみたいだしね。
すみません、力尽きました。
次回京都校サイド頑張る。