夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業   作:かりん2022

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トリオン授業休憩時間

 呪術師の真依は、休み時間にボーダーの真依に話しかける。

 なお、今日も夏油先生は休憩で硝子と五条先生と保健室である。

 

「ねぇ、向こうってどんな感じ? なんで私が夏油先生と一緒にいたの?」

「京都校に入れるの私か直哉先生か夏油先生、灰原先生だけだもの。そして直哉先生が入ったら出てこれなそうだもの。灰原先生は護衛にも助手にも不向きだし」

「ああ……」

「京都校は京都校で呪術師ってモルモット目的とかで狙われるでしょ? 警備ガチガチだし、非術師入れるのいい顔しないのよね」

「いや、狙われるでしょじゃないわ。そんな事になってるの?」

 

 周辺でなんとはなしに話を聞いていた人達がギョッとする。

 

「五条先生とか、あちこちから圧力掛かってて大変って聞いたわ。エネルギー発電に使いたいとかなんとか。誘拐されて救出作戦もボーダーの方で行なわれてるし」

「五条先生が大変ってどんだけよ……」

「一つ一つ撃退しても、キリがないのよ。無数の団体が狙ってて」

 

 真依はふぅ、と息を吐く。

 

「ボーダーもトリガーが狙われて大変だし、なんかね。呪霊退治は楽になったけど、それ以外での苦労がすっごく増えたって京都校の先生達はこぼしてる。呪霊を倒せる手段をない方がよかったとは絶対に言いたくないしボーダーのことも否定したくないし、実際楽な部分も増えたけど、でもちょっとしんどいね、みたいな。あんまりね。派閥のあの人がどうこう、とか話しちゃダメな雰囲気。思う所は色々あるけど、黙ってようねみたいな。歴史の教科書どうするかって凄く悩んでるみたい。入れないわけにはいかないし、事情が込み入ってるし。生徒たちは気にせず今を楽しんでって言ってくれてるけど」

 

 キュッと手を握り締め、真依は言う。直哉が寄ってきた。

 

「なんや問題あるなら知っとかな対策できんやろ。トリガー導入はこっちでもするんやし。保守派と生徒にしか配って辺あたり、不思議や思ってたんや。悟くんやったら革新派とかに配って保守派には渡さへんくらいしそうやし、傑くんかて非術師の教師しとるんやろ?」

「話すとしても夏油先生から話すべきだと思う。私もそこまで深く知ってるわけじゃないし。ただ、こっちの世界ではトリガーは術師の家系の非術師とかが使っていく方が、その。一番いいのかなって」

「君のタイプを教えてくれるかな?」

 

 その言葉を聞いた時、真依の様子は激変した。

 

「あああああああああああああ!!!」

 

 即座にトリオン体になり、ひたすら撃ちまくる。

 

「うわ、っと。酷いな」

「貴方がっ 貴方はっ 何もしてない事もわかってる! 向こうの貴方だって、そんなつもりじゃなくて、良かれと思って、こっちも情報秘匿してて、でもっでもっ……!! あんたにやるような情報はないわ!!」

 

 シャアアアアアっと威嚇する真依。

 

「嫌われてるようだね。そっちの私は何したのかな?」

「しないのがむかつくのよ! 唆して、何もしなくて、自分は何も関係ないって味方面して、それだけならまだなんとか飲み込めたけど、必死でなんとかしようとしてるところで蹴っ飛ばしやがった! 何が呪霊がいない世界のためならなんでもするよ!! あんたボーダーにとって邪魔なのよ!」

「そうかな。別に呪霊がいなくなって困る人なんていなくない?」

「こっちは呪霊退治で一旗上げようとしてんのよ、呪霊退治をどんどん楽にして、楽しく退治してお給料もらおうってのに、呪霊事態がいなくなったら商売上がったりでしょ!」

「……へぇ? 聞き捨てならないな」

 

 底冷えのする目で九十九は真依を見据える。

 

「誰も言わないけど、私は言うもん! 呪霊は飯のタネだからある程度は必要ですー! 呪霊がいるのは昔からで、消えたらどんな不具合起こるかわからないし、一旦いなくして後で復活したら後世の人が困るし、呪霊がいなくなったら呪術師やボーダーがモルモットだ化け物だって矛先が向かうし、私達の技術は現状をより良くする為に生まれたんであって、あんたの勝手な理想の為じゃない、邪魔なのよあんた!」

「夏油くんもそんな考えなのかな」

「夏油……先生は、夏油先生は、博士も、術師だけが犠牲になるんじゃなくて、協力しあって少し負担が減らせればいいねって。呪術師の血も保存して、なおかつボーダーも育てていきたいねって。それだけなのに、ちょっとだけ休憩時間と幸せが欲しいねって、それだけのささやかな願いなのに! そんな博士や夏油先生の救出作戦を邪魔しやがったあんたは絶対に許さないから! そもそも攫われたのだってあんたのリークが原因だし!!」

「私じゃないよ。夏油教師が夏油教祖と違うようにね」

 

 真依は無言でダンダンと地団駄を踏む。

 

「でもまあ、今回はトリガーをもらっていくだけで帰ろうかな。色々話が聞きたかったのだけれど」

「ふざけないでよ、あんた横流しするでしょ!! 呪力が使えるってだけでモルモットとして狙われる人の気持ちわかる!? わかんないわよね、自分だけ安全な特級呪術師様には!」

「まあ、解析はさせるけど。わかったよ。そうならないようには気をつける。また落ち着いた頃に夏油くんには挨拶に行くよ」

「ざけんな!」

 

 さく、と真依のトリオン体の首が刎ねられ、本体が直哉に取り押さえられる。

 

「落ち着くんや、真依ちゃん。言わんほうがええんやろ。まあ、溜まってるもんがあるんはわかるけど。あとで話じっくり聞いたるわ。九十九さんは帰り。真依ちゃんはまともに話できなそうや。あと、トリガー持って行ってもええけど、百鬼夜行で仕事してってくれへん? それぐらいはしてや」

「ふむ。あまり手の内は見せたくなくてね」

「ざけんなや」

「で、呪霊のいない世界って実現できそうなのか? 真依」

「無理やり夏油先生達に協力させようとしてたのは知ってるけど、そんな荒唐無稽な事より大事な研究山程あるし。私も助手だけど協力しないし! より安全に呪霊を倒せる方法とかの方がよっぽど大事でしょ。次点でトリオン体で呪術が使える方法ね」

「それについては道理やね。ちょっと悟くんと話してくるわ」

 

 ところが、夏油先生は九十九が来たことで錯乱してしまい面会謝絶である。

 

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