夏油先生と真依のパーフェクトトリオン授業 作:かりん2022
「うーん。やっぱ言わなきゃ駄目だよね。まあ、全部終わった事だし、気持ち的に区切りはついてるし、何より、こっちの九十九さんは何もしてないからね?」
「で、早く話せよ」
「始まりは、トリガーの実用化だった。私の在学中にトリガーが実用化されてね。テスターが非術師なのもあって、呪術規定の改訂までは早かったんだ。九十九さんも研究に乗り気でね。ただ、博士が九十九さん初め呪術師上層部に警戒をしてて、技術公開はされなかった。その内、東京校がトリガー、京都校が呪術になって、直哉が京都校を飛び出して博士に弟子入りして、甚爾が東京校で働き始めて、小中学校が付属になって。軋轢はあったけど収まるところに収まりそうな時に、テロが起きたんだ。小学生が人質になってね。私は切り捨てられなかった。その後の事は記憶の消去処置を受けてるのでわからない。四肢を失ったのもその時かな。ただ、九十九さんの「約束と違う」という言葉は覚えている。で、その時既に学校も呪霊の存在も認知されてたから、問題になって私がマスコミの対応をする事になってね。ただでさえ弱ってる時にそれがとどめになって、人混みやフラッシュが苦手になったんだ。それから、呪術師については今度も伏せる事になって……簡単にいうとこんな感じかな」
「呪霊の生まれない世界どうこうってのは?」
「ああ、九十九さんがなんか色々模索してるみたいだね。私は便利にしていきたいボーダー派閥で、悟は便利にしつつも以前の状態に寄せてきたい保守派。なんだかんだで呪霊だけ相手にすればよかったからね、以前は」
「上層部は?」
「最近悟を盾にして隠れ気味だよね。呪霊のことが公開されてから、政治的に難しい局面に立たされてて呪術師間の争いまで介入できてないんじゃないかな。とにかく外部の干渉を排除するので大変って感じ」
「ふぅん」
「発電所に悟が研究協力させられそうになって全力で止めたとか、色々話は聞いてる」
「え。なんで」
「呪力をエネルギーにできないかってことで、これも九十九さんが関わってるっぽい」
「マジかよ」
「私とか灰原とか真依、直哉はかなり京都校に来いって勧誘を受けるよ。術式使用の基準を緩めてやるって事だけど、生徒達と離れたくないしね」
「術式縛ってくるの本当うざいわよね。生まれ持った術式を好きに使って何が悪いのよ」
「真依ちゃん、制限受けてるん?」
「許可とって呪術師同伴じゃなきゃ作っちゃダメなの。ふざけんなっての。しかも五条先生は必ず同伴とか」
「だって銃弾一個しか作れへんやろ?」
「作れるわよ! 馬鹿にしないでよ!」
プリプリ怒るボーダー真依。
「じゃあ作ってみてよ。見てみたい」
「僕も!」
呪術師の真依と悟がいい、ボーダーの真依は頷いた。
「お姉ちゃんに用意してあげたかったしね。良いわ。本当は直哉先生が1番良いんだけど、夏油先生! 先生に決めた!」
「ええ……」
そこで、二人は黒いトリガーを取り出す。
「それは呪具かな?」
「特殊加工してるトリガーね。呪体転生がちょっとしやすくなるの」
「呪体転生?」
「トリオン体を呪術師の肉体に限りなく近づける技術よ。それによってトリオン体でも術式が使えるようになるの」
二人はトリガーを起動し、夏油はベッドに横になった。
それに跨る真依。
「「「!!???」」」
「で、トリオン体をケーブルで接続」
そして、短く太い管で互いの腰の部分を接続する。
真依は真剣な顔で術式を作動した。
「補助脳起動」
『補助脳起動しました』
「呪具作成。パターン142」
『142了解しました』
「夏油先生」
「ん、送るよ」
「んっ……」
そして、真依の手元でトリオンの光と呪力の黒い光が渦巻く。
「呪霊出して」
「了解」
「呪力をトリオンに変換。そっと流して」
「ん」
「トリオン率あげて」
「ん」
「術式ちゃんと乗せて!」
真依からの無茶振りの数々に懸命に応える夏油先生。二人とも汗だくだ。
しばしして、真依の手元に一振りの刀が出来た。
「五条先生! 鑑定!!」
「呪霊を硬直させる術式を持った刀だね信じ「失敗してんじゃない夏油先生のカス!」」
激昂した真依は刀を夏油先生にブッ刺して生身に戻した。
当然ボーダーの真依は説教された。結構ガチめに。
「あれだよね、真依は術式使った直後は凶暴になるから。頭おかしくなるほど頭も神経も使うって言ってたし」
「傑は真依を甘やかしすぎ」
「金銀財宝なら負担そんなじゃなく作れるわよ!! 直哉先生って呪力タンクがあればだけど」
「そんな事いうとまた秘匿死刑を持ち出されるよ……」
「呪術師嫌いー!」
真依はぶうぶうと文句を言った。
「いや、呪力無制限に使えるってなら真依の術式は確かに強いよ。いや、すごいね」
「冥冥さんと五条先生のコンビほどじゃないわよ。以前見せてもらった時、凄かったんだから」
「あの体勢に意味ってあるん?」
「いや、トリオン接続コードがどうしても長く出来なくてね。密着する関係上、私がのし掛かるようになるのも問題だろ?」
「トリオン体だと性欲でないし、私が乗っかる分には問題ないわよ。圧迫感を感じなくて済むし、私軽いから夏油先生もそんな辛くないし。そもそもそんな事考えてる余裕ないわ。それに、呪霊の術式の呪具を作れるから割と夏油先生って便利なのよ。成功すればだけど」
呪術師の真依は、悩んだ末に叫ぶ。
「あのっ そのトリガー、借りてもいい……?」
「くっっっっっそ面倒よ? これ。トリガー使った応用の極地みたいな感じだし」
「私も今日はも疲れちゃったかな。直哉の方が真依の呪力に近いし使い勝手のいい呪具作れるし良いんだけど、直哉は直哉で奥さんいるからって嫌がるしね」
「私の何に文句があるというのかー!」
「女子高生な所かな。どうしても絵面が犯罪にしか見えないっていう。後トリオンのやり取りがちょっと犯罪かな?って」
「受け入れる私の方が恥ずかしいし大変なんだからね!」
「でも金塊どれだけ作れるかチャレンジには人を巻き込んでくれたんだよね。あの後私までセットで処分されかけたんだけど?」
「呪術師嫌いー! 大体、いくら呪術師の人数少ないからってオーダーメイドで全員に呪具作れとか大変なのよ!」
「うーん、百鬼夜行差し引いてもお釣りが来ちゃう」
「ずーっとここにいてもええんやで。むしろ傑くんとセットで離さへんし」
「あはは。可愛い生徒が待ってるからね。私は帰るよ。そうだ、真依。ダイヤモンドチャレンジだったら比較的簡単だろうし、やってみたら?」「教えて!」「傑それ金塊チャレンジと変わってない」
「私も帰るんだから! ここだとトリオンの試合できないし、みんなできゃあきゃあ言いながら呪霊倒すのできないし!」
「ちなみにトリガー作れる?」
「既にトリガーが二つあるなら私と真依がいればどうにかなるかな」
「はい決定!」
「???」
それから、呪術師の真依とボーダーの夏油教師、直哉とボーダーの真依でトリオン体の受け渡しの練習をした。
「普通にえっちやわ……」
「おねぇちゃ……真希! みてこれ綺麗!」
「おー。すげぇな」
ちょっと照れてしまう直哉とダイヤモンド生成できて喜ぶ真依なのだった。
それからボーダーは保護という名の監視がガッツリキツくなってしまうのだった。
後、その裏で、メカ丸は自由度の高いトリオン体に喜んでいた。日差しが感じ取れるよ! 物も食べられるよ! 控えめに言って最&高だよ!