物騒な東京にフィジカルモンスター(35歳)をぶっこんでみた話 作:ココロ踊りたい
肥後っ子なのに県境に生まれたせいで方言あやふやです。
言葉は難しか…
東京に行ってみたい。聖地巡礼してみたい。
今日も欲望垂れ流しの作者です。
仕事が忙しくて更新頻度遅いです。ご容赦を。
ミズキの運転で一行は喫茶リコリコに到着した。
追跡を警戒し遠回りをしながらの帰還である。
負傷している千束を江ノ上が横抱きにして座敷へ運ぶ。痛そうに顔をしかめているが、口元が緩んでいる。嬉しさを微塵も隠せていない。
たきなもたきなで羨ましそうに二人を見つめている。
ミズキはチッ!っと舌打ちをした。
微妙に緊張感がなくなったことにミカはため息をついた。
早速話し合いに移ろうとしたが、江ノ上が千束の手当と湯あみを優先したためしばらく時間が経過してからの開始となった。
「では説明するが…」
ミカはちゃぶ台を挟んで正面に座したが、呆れたように江ノ上の両サイドに目をやる。
「なぜお前達はそっちに座っているんだ?」
ミカの視線の先では江ノ上を挟むように右に千束、左にたきながピッタリと寄り添っている。誤差なし、ズレゼロですとでも言うつもりなのだろうか?
「せーんせ、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ?早く説明しないとイケないでしょ?」
「右に同じです」
丸太みたいな腕に絡みつきながら言うセリフじゃない。お前達も説明する側だからな?あとミズキは酒を煽るな。
「まあまあミカさん、ちゃーんと聞いとくけん大丈夫ばい」
「はぁ…分かった、では話そう。今から10年以上前になるが…」
ミカは段階を追いながら江ノ上に語りだした。千束とたきなが元々孤児であり天涯孤独の身であったこと。その後DAに拾われ衣食住を享受する代わりに日本の平和を守るエージェント、リコリスになったこと。秘密組織ゆえに戸籍がないこと。他に何百人とリコリスがいること。千束はその中でも最上位のファーストリコリスでありたきなはセカンドでありながら射撃の腕は並のファースト以上であること。そして最後に…
人を殺していたこと。
心臓のことについては伝えなかった。千束から強く口止めされていたからだ。このことで後に大いに揉めることになるのだが、このときは知るよしもなかった。
江ノ上は黙って話を聞いていた。何かを押さえるように、目を閉じて堪えるように。
そして話が終わる。
「ここまでになるが、何か聞きたいことはあるか?」
「…そうだな、まずは話してくれてありがとう」
江ノ上がらしくない口調で話し始める。
「正直信じられない話だよ。全然納得はできないけど、理解はした」
目を開き千束とたきなを順に見る。
「俺たちの日常は、お前たちが必死に守ってくれていたんだな」
二人にしがみつかれていた腕をやんわり解いて膝の上で拳を握り込む。
「だけどさ…ばってんさ…こげんかこつのあっかよ!」
ミカを睨みつけて続ける。
「あんただけに言ったっちゃ過ぎたこつばってん、にやがんなよ?」
「子どもにピストル持たせて、人殺しさせて平和てや?笑わすんな!!」
「この子達はまだ子どもぞ?しっかりしとるばってん子どもぞ?学校に行って、友達作って、色恋経験して青春を謳歌すっとがほんなこつやろもん!?」
ミカの胸ぐらをつかんで引き寄せる。怪力のせいで上半身が浮く。完全に頭に血がのぼっている状態だった。
すかさず千束とたきなが両方から押さえにかかる。
「ガミさん、落ち着いて!私達を思って怒ってくれるのは嬉しいけど、先生は悪くない。だから、離してあげて?」
「……」
千束がなだめるように言い、たきなが江ノ上の背中を撫でる。腕の力を抜きミカを解放した。
「私たちは確かに死ぬほど辛い訓練を受けてきたし、いつも犯罪者やテロリストと命懸けで戦っている。普通に考えたら酷い人生だと思う。でもそんな人生だったからこそ皆に会えた、かけがえのない皆に大切なお客さん…そして何よりあなたに会えた。悪いことばかりじゃないって」
千束は眩しい笑顔を向けてくる。
彼女の笑顔が美し過ぎて何も言えなかった。
たきなも同意するように頷く。
「そうか、お前たちゃは強かな、敵わんばい」
にししっといたずらっぽく笑う。
「俺も決めたぞ」
?
江ノ上は立ち上がって拳を分厚い胸板に当てる。
「お前たちが日本の平和ば守るなら、俺はお前たちば守る。この身、この生命にかけて守る。絶対に死なせんけん!」
皆が呆気に取られるなかで決意を胸にそう宣言した。
「あれ良かったの?」
江ノ上が守る守ると言いながら千束とたきなをセーフハウスに送りに行った後、リコリコに残ったミズキはミカに呆れ顔で尋ねた。
「あそこまで高らかに言い放ったんだ、何を言っても無駄だろう」
今までは客としてしか接して来なかったが、ミカからみた江ノ上は良くも悪くも猪突猛進。思い立ったら一直線、後のことなんか一切考えない。強すぎる身体能力のせいでイノシシどころの騒ぎではないのだが。
「外部協力者としてDAに報告をする予定だ。いづれは本部で辞令を受けてもらうことになるだろう」
「楠木司令、殴られないわよね?」
「江ノ上も大人だ…おそらく大丈夫だろう」
「なんで間をあけた!?」
「もう帰ったのか?」
店の奥の座敷から金髪の幼女が出てくる。
「クルミ、何か掴めたか?」
「千束を襲撃した連中の主犯が判明したぞ。真島と言うらしい」
ドローンで撮影した写真を見せる。
「真島か、例の件と関係はあるのか?」
「おそらくは1000丁の銃を所持しているのはこいつらだ。使われた銃と取引された銃が一致した」
「そうか…ところでたきなに言わなくて良かったのか?」
「帰ってきたら言おうと思ってたさ…だけどあんな怪物を連れてくるなんて思わないじゃないか!」
「江ノ上はうちの客だぞ?」
「ボクは会ったことなかったぞ」
「あんたはほとんどホールにいないもんね?」
「ボクは電脳戦専門なんだよ。それにしても江ノ上の身体能力はなんだ?バカみたいだな?どこのアメコミだよ」
クルミはドローンで撮影した映像を端末で再生する。
高速で真島に近づき、殴って軽く吹き飛ばした挙げ句、銃弾の雨の中を無傷で走り抜ける。
「はっきり言って異常だぞ?サイボーグじゃないよな?」
「うちで飲み食いしてるんだ、それはないさ。だが気にはなる、調べておいてくれ」
ミカは苦笑する。
「とにかく、あいつは今後リコリコ所属になる可能性が高い。明日にでも顔合わせをしておけよ?」
「調べろって、ばれたときは守ってくれよ?」
「心配はいらん。見ての通りあいつは子どもには甘いからな」
所変わって千束のセーフハウス
「ほんなら、また明日迎えに来るけんね」
「帰る必要あります?」
「えっ?」
「私たちの事守ってくれるんでしょ?なら24時間365日一緒にいてもらわないとね」
「えっ?いや、着替えとかなかしさ・・・」
「そんなこともあろうかと、じゃーん!ガミさんサイズの物を用意してまーす。特注品だよ!あと大判の布団もあるからねっ!」
「えっ?」
「ほら早く行きましょう?今夜は千束特選の映画を見ながらお話しするんです。楽しみましょうね」
「お菓子もあるよー!楽しもーぜ!」
二人の少女に大男が引きずられていく。
おかしい、力では絶対に負けないはずなのに!
こうして江ノ上は美少女二人と比較的健全な夜更かしをすることになるのだった。
すいません。書くのって難しいです。
ある程度ストーリーは練ってるんですが会話とか描写とかスゲー難しい。
拙い文章になってて申し訳ない。
話のペースはゆっくりです。
日常系を挟む形でいきますので、よろしくお願いします。