物騒な東京にフィジカルモンスター(35歳)をぶっこんでみた話   作:ココロ踊りたい

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拙い文章で毎度すいません。第3話目です。
早くフィジカル無双を書きたいのですがなかなか導入に時間をとられてます。

実際リコリコみたいな職場で働けるのなら絶対行くよね?

ちさたきに業務手順を教わりたい…

今日も欲望丸出しの作者です。


3話 よろしく頼むばい!

 江ノ上はソファーの上で目を覚ました。

3人で映画を見ながら明け方まで雑談しそのまま寝落ちしたようだ。両腕に千束とたきながしがみつくようにして寝息を立てている。

 

 「むぞらしかね、こん子達は」

 

 2人の寝顔を見て微笑む。もう少しこのままでいたい気もするが、そろそろ起きなければ。

 

 起こさないように腕を手解き洗面を済ませる。

 

 2人を守ると誓った、そのことに偽りはない。しかし色々と準備をする必要もある。今まで通り会社勤めでは有事の際に間に合わないだろう。ある程度融通の効く仕事を見つけねば。

 

 静かに気合いを入れ、朝食の準備にとりかかる。

 

 セーフハウスにあるものは好きに使って良いと許可をもらっているため冷蔵庫の中を確認する。自炊するのか食材も調味料も充分にあった。

 

 「みそしゅるにベーコンエッグと白飯でよかかな」

 

 35年独身の江ノ上はそれなりの家事スキルを身につけているためシンプルな食事を作る位は可能だ。

 

 2人が起きてくるまでに食事の準備を済ませるのであった。

 

 

 「「ごちそうさまでした」」

 

 「はい、おそまつさん」

 

 起きてきた2人は朝食をペロリと平らげた。

 

 「いやー、美味しかった!家庭の味っていうか?」

 

 「そうですね、江ノ上さんは良いお婿さんになれますよ」

 

 「ははっ!だっかにもろうてもらうとよかばってんな」

 

 「大丈夫だよ!私たちが貰ってあげるからさ!」

 

 「そうですね、2人で養ってあげます」

 

 「こらっ、おませさんどんが。はよう出勤の準備ばせんか?」

 

 はーい!と言いながら2人は自室へ着替えにいく。何とも賑やかな1日のスタートだった。

 

 

 

 リコリコに到着し千束とたきなは、開店準備のために更衣室へ向かった。

 

 「おはよう、江ノ上君」

 

 「ミカさん、おはようございます。昨日はどうも」

 

 仕込みを一通り終えたミカが声をかけてくる。

 

 「一応確認をさせてもらいたいんだが…昨日の話は本気か?日常を捨てる覚悟はあるのか?」

 

 真剣な眼差しで聞いてくる。今更だ、とうに覚悟は決めている。

 

 「本気も本気。大真面目ばい!あの娘らを守る、何がなんでん!」

 

 江ノ上は眼力強めに決意を口にする。

 

 「…そうか、分かった。君の決意を受け取ろう」

 

 さてと、一旦端末を確認してミカが続きを話す。

 

 「今後の君処遇についてだが、君は今後DA東京の支部であるこのリコリコに所属することになる。立場的には外部協力者だ。任務の際は千束とたきなに同行、前線で2人を警護してもらうことになる。任務以外のときは喫茶店の厨房及びホールの一般業務をこなしてもらう。早い話が今後君の職場がここになるわけだ。ここまでは良いか?」

 

 リコリコに就職、融通の効く仕事を探す気だった江ノ上にとっては渡りに船だったが。

 

 「立場とか所属の件は問題なか、ちょうど新しい職場ば探すところやったけん。ばってん今の会社に退職届けしたり、引き継ぎばせなんけど?」

 

 江ノ上は一般の会社員である。数年前に現場主任に昇進し少ないながらも部下を率いて業務にあたっていた。それなりに責任のある人物だったのだ。

 

 「その辺は君に任せる。可能な限り早めに済ませてくれると助かるが」

 

 「了解ばい。ちょうどこの後会社に行こうと思っとったけん」

 

 それにしても、と続きを話す。

 

 「えらい話のはやかったね?人事にはそれなりに時間のかかろうばってん?」

 

 江ノ上も会社で人員配置に頭を悩ませ思い出がある。

 

 「昨日のうちに君のことを本部に報告していたのだ。真島を殴り飛ばした映像と一緒にな」

 

 「…ああ昨日のね?真島ち言うとねあんやつは?ばってんいつ撮ったと?」

 

 「うちの情報戦担当がドローンで千束を捜索していたのさ。発見して私達も駆けつけていたというわけだ」

 

 「そういうこつか」

 

 「ついでに紹介しよう。クルミ、こっちに来てくれ」

 

 奥の扉が開き金髪の幼女が出てくる。

 

 「初めまして、ボクはクルミだ。これからよろしく頼むよ」

 

 お互いに握手を交わす。

 

 「はじめまして、クルミ。江ノ上孝典たい、好きなごつ呼んでくれんね。それにしてもこげん幼か娘が…いや失礼やったね。同志に老いも若いも関係なか!こちらこそよろしくたい」

 

 「ボクはどちらかと言えば、知的好奇心で所属している意味もある。無知であることが嫌いでね。DAやリコリスのことをもっと知りたい。今はお前にも興味がある、その怪力の源が何なのかを知りたい。その内色々と調べさせてくれないか?」

 

 ニヤリ顔をしながらクルミが話していると

 

 「あーーー!!!クルミが私達のいない間にガミさんを口説いてる!!」

 

 奥から喧しい声を上げながらリコリコの制服、和服に着替えた千束とたきなが出てくる。

 

 「クルミ、さっきの恩赦を帳消しにして罰を与えましょうか?」

 

 たきながハイライトの消えた眼でクルミを凝視している。

 

 「いやっ!ちがっ!これはボクの知的好奇心がだなっ…」

 

 「言い訳無用!!たきな!そっちの腕極めて!私はこっち側を…」

 

 一気に店内が賑やかになる。

 

 「3人とも騒ぐのをやめろ。ちょうどいいからミズキもこっちに来てくれ、改めて自己紹介といこう」

 

 ミカがその場を収め、喫茶リコリコの構成員全員がホールに会する。

 

 

 

 ミカは元DA本部の司令官兼訓練教官をしていたが、電波塔事件の解決を最後に司令官を後任の楠木に譲り喫茶リコリコをオープンする。なぜそのような事を?そう尋ねると彼は「千束がそう望んだからだ」と答える。リコリコでは店長兼バリスタを担当。DA支部としての任務では作戦立案・指揮の責任者である。

 

 中原ミズキは元DAの情報部所属だが既に退職している。何故?と問うと「嫌気がさしたのよ…孤児を集めて使い潰す上層部に」と整った顔を歪ませて憤る。根は善人のようだ。リコリコでは作戦立案補助、作戦実行補助を担当している。

 

 クルミはネット界隈では知らないものはいないと言われるほどのウィザード級天才ハッカー、ウォールナットその人であるが今は追手を振り切るために芝居を演じ死亡扱いとしている。リコリコでは敵勢力偵察、地形偵察、作戦立案補助をしている。基本彼女はホールに出ない。「ボクは情報戦専門なんだ」

 

 錦木千束は歴代最強と謳われるファーストリコリスであり、10年前に当時わずか7歳のときにたったひとりで電波塔事件を解決した英雄である。事件解決後にミカを引き抜き喫茶リコリコをオープン。現在はリコリコの看板娘1号を自称している。

 

 井上たきなはDA京都支部から本部へ転属してきたエリートリコリスである。次期にファーストへ昇格かと目されていたのだが、数ヶ月前1000丁を超える銃の取引現場を抑える際に同チーム所属のリコリスが武器商人に捕らえられる事態となり何故か司令部との通信も途絶。その際、機銃掃射にて敵勢力を撃滅し味方を救出したのだが命令違反と取引された銃の足がかりを潰したとしてリコリコへ左遷同様の扱いで転属してきた。看板娘2号として働いている。

 

 なおDA司令部との通信途絶はウォールナットによるクラッキングだと判明したがクルミがたきなに謝罪したきなはクルミを許したため遺恨は残っていない。

 

 江ノ上孝典は5年前から通う常連客である。あくまで一般人だが身長210cm、体重150kgの超弩級の巨漢である。全身が筋肉の鎧で覆われており、悪目立ちする顔立ちをしている。上から見下される威圧感も相まって女子どもからは泣かれることがしばしばある。その後泣かせてしまったことにオロオロする江ノ上をみた相手が呆気にとられ笑いが起こり、仲良くなるといった流れが定番である。出身は九州の熊本らしい。

 

 「自己紹介が終わったところで改めてよろしく。私も君を孝典と呼んでもいいか?」

 

 ミカが訪ねてくる。

 

 「よかよ、俺はミカ店長って呼ぶけん」

 

 ミかと孝典が握手を交わす。

 

 「先生ずるいよ!ガミさん、私は孝ちゃんって呼んでいい?」

 

 「では私は名字で呼んでいたので、孝典さんと呼ばせてもらっても?」

 

 「よかよ!何かもっとなかようなったごたっで嬉しかよ」

 

 

 

 「じゃあ、俺は会社にいってくるけん。何かあったら電話ばしてね」

 

 江ノ上はそう言って出勤して行った。

 

 

 眞壁化成株式会社は従業員数50名以下のいわゆる中小企業である。

 

 江ノ上は退職の件で相談をするために社長兼工場長と話をしていた。

 

 「まさかお前が辞めるなんてな…」

 

 「突然の話ですいません。知り合いの喫茶店の営業を手伝うことになってですね」

 

 江ノ上が頭を下げる。工場長とは十数年来の付き合いだ、怒られること数知れず、殴られたことも数知れずだが、優しく正しく導いてくれた恩師である。身寄りのない江ノ上にとっては親父と言っても過言ではない。

 

 「まあ、会社はやめてもたまには飲みに付き合えよ?俺と飲めるのはお前くらいなもんだしな?」

 

 なお工場長は酒豪である。飲み屋の酒を右から順に制覇するイカれっぷりである。

 

 「そりゃあ喜んで、気軽に誘ってくださいよ?」

 

 「おうよ!ところで後任は誰が良いと思う?」

 

 「田中くんとかどぎゃんですか?仲間思いやし、生産計画も立てらるっし?」

 

 「田中良いよな。でも正直お前と比べてしまうとなぁ…お前がいるとリフト要らないしな」

 

 「そこはしょんなかですよ。ちーっと自分が力持ちやっただけで、本当はリフト要るけんですね?」

 

 江ノ上は持ち前の怪力を活かして原料や製品をパレットごと持ち上げて運び作業効率を上げていたのだ。だがそんな特殊な運用はこれからできなくなる。

 

 「そうだな!まあ、上手くやっていくさ。お前は退職届をだして、田中に引き継ぎをしてくれ。早めにしないと次の勤め先にも迷惑がかかるだろう?」

 

 「了解しました。じゃあ田中くん探してきますんで、主任の件話してよかですか?」

 

 「大丈夫だ、後で正式に辞令出すから」

 

 では!そう言って田中に管理業務を教えながら現場もこなしていく江ノ上であった。




後半の自己紹介は読者向けです。

どういうトラブルをきっかけにフィジカルを出すか悩んでいます。

またぼちぼち投稿していくのでよろしくお願いします。


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