物騒な東京にフィジカルモンスター(35歳)をぶっこんでみた話   作:ココロ踊りたい

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アドバイスを頂いたので3話を少し修正しました。

何故ちさたきがこんなに懐いているのかと言う疑問についてですが、ぶっちゃけ自分より遥かに人外の異性に普通の女の子みたいに優しく甘やかされたからなんですが。

なかなか話に持っていくのは難しいですね。でも頑張るばい。

皆さんの感想、アドバイスによって作者の欲望がより完全体になって行くと思うとたまりませんなぁ(笑)

というわけで4話です。よろしくお願いします。


4話 OHANASHIばせなんなぁ?

 「いらっしゃいませーこちらの席にどうぞー」

 

 「お待たせしました。三色団子と煎茶です」

 

 ここは喫茶リコリコ、閑静な住宅街にちょこんと佇む和洋折衷の喫茶店だ。

 

 「どら焼きバーガーとブレンドコーヒー上がったばーい」

 

 「「はーい」」

 

 孝典がリコリコに転職してから早くも1ヶ月が経過した。慣れない飲食店業務に四苦八苦しながらも最近ようやく様になってきた。

 

 ふとホールの方に目を向ける。当店自慢の看板娘達が今日もニコニコ笑顔で接客をしている。見ているこっちまで笑顔になってくる。しばし眺めていると千束と目が合いこちらにウインクをしてきた。軽く微笑みで返すと千束も更に笑顔で返し注文を取りに行く。

 

 ここ最近は裏の仕事も難易度の低いものが多く、千束とたきなの安全を何よりも優先したい孝典としてはほっと胸を撫で下ろす思いだ。

 

 ただし本当に何もなかったのかと言うとそんなことはなく少々のトラブルは発生していた。

 

 中でも孝典が激怒した事件は今から2週間前に発生した。

 

 

 

 その日も普段どおりに喫茶店の業務を終了しセーフハウスに帰り、食事を済ませてリビングで寛いでいたのだが、突然千束のスマホからアラートが鳴り響いた。

 

 「まーた来たよ、賊が」

 

 「「賊?」」

 

 「そうそう、長いことこの仕事してるとねー恨みを買うんですよねー」

 

 千束はため息を吐きながらおどけたように言う。

 

 「まだ今はいいよ、昔なんてリリベルが来て大変だったんだから」

 

 「リリベルとは?」

 

 「うーん、簡単に言うと男の子版リコリスだよ。リコリスが暗殺を目的としているのに対してリリベルは複数での殲滅に重きを置いているの。重火器を使うから部屋がメチャクチャになるんだよね」

 

 うへぇという顔で話す千束。

 

 「じゃあ、ちゃちゃっと片付けにいっ…」

 

 行けなかった。孝典が千束の肩を軽く引いていたのでそれ以上先に進むことができない。

 

 「千束は待っとって?俺が行ってくるけん」

 

 いつもの口調なのに有無を言わせない圧がある。ちょっと気温が下がった気がした。

 

 「孝ちゃん?怒ってくれるのは嬉しいけど、殺しちゃだめだよ?」

 

 「殺しはせんけど、中途半端やとこれからも千束ば狙うとやろ?俺は大切な千束にもたきなにも怪我をして欲しくなか。そのために危険を減らしたかだけたい。ボコしてOHANASHIばしてくる」

 

 そう言って孝典はセーフハウス(偽)に向かうのだった。

 

 「大切…」

 

 「私が大切…」

 

 残された美少女達は顔を真赤にしながらトロけていた。

 

 

 

 「おかしい、誰もいねえ」

 

 「嘘だろ!確かにここに入るのを確認したんだぞ?」

 

 JKをひとり殺るのなんぞ簡単。

 そう思っていた侵入者2人が混乱していると、不意に後ろに凄まじい圧を感じて振り返る。

 

 「…なんばしよるとかわっどま?」

 

 恐ろしい巨人が睨みつけていた。

 

 「なっ!なんだてめえは!」

 

 恐怖で怯んだ男たちだったが、見られたからにはと銃を向けて躊躇なく引き金を引いた。

 

 2つの発砲音がなったと同時に巨人の腕が一瞬ブレた気がした。しかしこの距離だ、確実に致命傷を与えたに違いない。

 

 そう思っていたのだが、いつの間にか巨人は片手を前に突き出していた。手には何かを握り込んでいる。

 

 どう見ても全く致命傷を負っていないことに唖然とした男たちはその突き出された手を見つめてしまった。

 

 ゆっくりと開かれた手から何かが2つこぼれ落ち床に小さな落下音を響かせた。

 

 それを認識した瞬間、男2人は恐怖で凍りついた。

 

 巨人の手からこぼれたそれは先程発射されたはずの弾丸だったのだ。

 

 「バケモノ」

 

 男の1人が声を絞り出す。

 

 「失礼かね。だあがバケモンか?」

 

 「いつまでボケーっとしとるとや?まだ一発撃っただけぞ?何発も撃てば倒せるかもしれんとぞ?」

 

 ニヤリ顔で挑発する。実に凶悪な笑顔をしている。

 

 「「うっ!うわあああああああああ!!」」

 

 怒りと混乱でおかしくなった男たちは我武者羅に銃を乱射した。10、20、何度もマガジンを変えて撃ち続けた。そしてやがて弾が尽きる。

 

 「「はぁ、はぁ…」」

 

 男たちの息が上がっている。狙われていたのは巨人の方なのに。

 

 「全部撃ったね?倒せんやったな。残念やったな?」

 

 巨人の周りには掴んだり、弾いたりした弾丸が大量に転がっていた。

 

 「一般人の俺じゃこんなもんばってん、厳しい訓練ばした千束とたきなはもっとすごかとぞ?」

 

 巨人がドヤ顔で話す。

 

 その様子を隠し扉の隙間からみている美少女2人に気づくことなく語り続けた。

 

 「あれよりすごいって?そうなのですか千束?さすがファーストは違いますね?今度見せてくださいね?」

 

 「何言っちゃってんのたきな!?あんなのムリムリムリムリ!孝ちゃんの認識がおかしいの!」

 

 あまりに衝撃的な出来事に思考を破棄したたきなと突っ込む千束。2人のやり取りに気づくことなく孝典はさらに侵入者に向けて語りだす。

 

 正真正銘OHANASHIタイムの始まりである。

 

 曰く、千束とたきなは超がつくほどの美少女であり愛でることはあれど害することは世界の損失だと。つまりてめえらは悪である。

 

 曰く、彼女たちは私事を押し殺してまで日本の平和のために尊い活動を行っている。感謝することこそあれ害をなすことなど許されない。つまりてめえらは大罪人である。

 

 曰く、彼女たちは訳あって日本を出ることは叶わないがそのポテンシャルはいずれ世界にも平和と愛と癒やしをもたらすだろう。つまりは世界の宝である彼女たちを害そうとした時点でお前らは世界の敵であり、不殺の誓いさえなければ俺に細切れにされていただろう。

 

 つまり何が言いたいかというと、自分が大切に大切に思って眼に入れても痛くない彼女たちを殺そうとされたのが悔しくて、憎くて、悲しくてしかし不殺の誓いがあるためどうすれば良いのかわからなくなってとりあえず彼女たちの素晴らしさを語りながらビンタを繰り返して再教育をしていくという事らしい。

 

 

 

 「…もう、戻ろっかたきな…」

 

 「…はい…もう色々耐えられません…」

 

 2人はセーフハウス(真)に戻った。色々考え方がズレているし訂正するべき箇所があるものの、孝典が本気で自分たちを大切に宝物のように思っていることを確認してしまい、嬉しさ半分、恥ずかしさ半分で顔を真赤にしてプルプル震えていた。しばし時間をおいて熱を冷まさなければ孝典の顔をまともに見られない気がした。

 

 実際に孝典がセーフハウス(真)に戻ってからも2人の熱は冷めることなく、まともに顔を見られないためそっけない態度になってしまったが、いつものようにソファーで寝落ちした際はいつにもまして隙間なくくっついていたのだった。

 

 

 

 そんな事もあったなと思いながら業務を遂行していると、ランチタイム最後の客が帰っていった。

 

 「お疲れ様、休憩にしよう」

 

 ミカが皆に声をかける。

 

 「よっしゃ、昼だー!つかれたー!孝ちゃんお疲れ」

 

 「孝典さん、お疲れ様です」

 

 千束とたきながそれぞれ労いの言葉をかけてくる。

 

 「2人ともお疲れ、今日も大盛況やんね」

 

 「商売繁盛ありがたいね!」

 

 「午後からもこの調子で行きたいですね」

 

 賑やかな雰囲気で談笑していると店の電話がなった。

 

 「はいもしもし?喫茶リコリコです」

 

 千束が電話にでる。

 

 『私だ、ミカはいるか?』

 

 電話の相手はDA東京本部司令の楠木だった。

 

 「あー楠木さんお久しぶりです。先生ですか?ちょっと待ってくださいねー」

 

 「せんせー!楠木さんから電話ー!」

 

 奥からミカが出てきて電話を代わる。

 

 「私だ、待たせてすまない」

 

 何やらミカが電話で楠木と話し込んでいる間に皆でまかないを食べて午後からの業務に備える。

 

 やがて電話を終えたミカが微妙な顔をして戻ってきた。

 

 「孝典、急にすまないが、明日本部に行ってくれないか?」

 

 「ほんなこて急やんね?何かあったと?」

 

 「いや、辞令が通達されてから一度も顔合わせの機会がなかっただろう?本部もバタついていたため最近になってようやく落ち着いたから改めて顔合わせをとなったらしい」

 

 「なるほど。まあ構わんよ、要は本社の社長に面談に行く感じやろ?ばってん道ば知らんけど?」

 

 「千束とたきなが案内する。2人とも大丈夫だろう?」

 

 「「大丈夫です!」」

 

 元気に返事をする2人しれっとガッツポーズをしていたのは誰にも見られていない。

 

 「店の方はどぎゃんすっとね?」

 

 「明日は、私とミズキとクルミで何とか回すさ」

 

 「まじかよ!!結構しんどいぞ?」

 

 ミズキが噛み付く

 

 「すまんなミズキ…今度何か埋め合わせばするけんね?」

 

 「じゃあ今度つまみ作って、酒にも付き合いなさいよ?私とサシで飲めるのはアンタだけなんだからね?」

 

 「それくらいなら安かばい」

 

 「ボクには何もないのか?」

 

 クルミがジト目で聞いてくる

 

 「クルミは何がよかな?土産ばこうてくっか?」

 

 「いやそれよりもお前の体をしらべさせて…」

 

 「「…ク・ル・ミィ…」」

 

 千束とたきなが無表情で迫る。

 

 「…お菓子で良いです」

 

 「まあ、調べるのは今度で頼むばい。いとうすんなよ?」

 

 「話がまとまった所で明日は頼むぞ?それでは午後の営業も頑張ろう」

 

 ミカが話を締めくくると皆はそれぞれ持ち場に着くのだった。




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