転生したらヒーローアカデミアだった件 作:生まれ変わったらスライムになりたい
ヴェルドラがヒーローの資格を取った日の翌日。
俺は朝から学校に行っていたのだが、ヴェルドラはその間に事件を数十件も解決していたらしい。
常人の数百倍のスピードで移動することができるヴェルドラなら並のヒーローとは比べ物にならないくらいの効率で仕事が出来るのはわかっていたが、それにしてもここまでとは…
学校から帰ってきた俺はヴェルドラの仕事ぶりを少し見学してみることにした。
「なぁヴェルドラ。次の仕事は一体どんな感じなんだ?」
「ふむ、実は次やろうと思ってたのはさっきまでのヴィラン退治とは少し違うのだリムルよ。どうやら近所の公園に大量にごみが廃棄されているようでな。我がそこに行って掃除してやろうというところなのだ。」
なるほど、要はゴミ掃除か。
ただヴィランを殴りたいだけかと思っていただけに俺は少しヴェルドラに感心した。ここまで根までヒーローになってるとは思わなかったのだ。
ちなみにその海浜公園ではごみが不法投棄されており、住民の方も見てみぬふりをしているらしい。
「しかし!このヴェルドラの能力を使えばゴミなど一瞬で吹き飛ばせるわ!」
「確かにね。それじゃあ一緒に行くか。」
俺達は転移魔法を起動し、海浜公園へ向かった。
--------------------
「公園の入り口まで運ぶんだー!トラックに詰め込め!」
ん?あれはオールマイトと緑谷くんだ。何故ここに居るんだろう。
どうやら緑谷くんが掃除していてオールマイトが掃除をしているみたいだね。話を聞いてみるとしよう。
「おーいオールマイトー!緑谷くーん!」
「む、この声は…リムル少女!と、その隣の方は?」
「リムルさん!と…あ、貴方は!今話題沸騰中の新ヒーローファウストさん!」
緑谷くんはヴェルドラのことを知ってるようだな。って話題沸騰中なの!?
「え、話題になってるの?」
俺が恐る恐る聞いたら緑谷は熱くなって早口で答える
「うん!昨日のヒーロー試験であのNo.2エンデヴァーを一撃で倒してプロになった今大注目の超新星だよ!」
ふーん、そうなんだ…って待て待て待て。
「え、ヴェルドラが一撃で沈めたって言ってたヒーローってエンデヴァーだったの?」
「うーむ…確かそんな感じの名前だった気がするな。まぁ威勢だけはよかったが大したことない方だけな奴だったわ!」
まぁそりゃあ実力差考えたらそうだろうけどさ。
「まったく…そりゃあ話題になるわ。」
「でもなんでリムルさんとファウストがここに?」
あ、そういえば俺ら掃除しにここに来たんだった。エンデヴァーだったことの衝撃で忘れていたよ。
「実は俺らこの海浜公園の掃除をしに来たんだけどね。でもどうやらそれは緑谷くんがやってくれそうだから無駄足だったかな?」
わざとらしく俺はオールマイトと緑谷に聞いてみる。まぁ俺達に任せてくれてもオールマイト達が鍛練に利用してくれてもどっちでも良いんだけどね。
「うーんそうだな…ではこちらに任せて頂きたいかな。」
オールマイトは考えながもそう答えた。
「分かったよ。それじゃあ俺たちは引き上げようか、ヴェルドラ。」
「うむ、それでは達者でな!オールマイトとやら。」
最後に挨拶をした後、俺は転移魔法を発動させ家に帰ることにした。
そして、ヴェルドラの仕事ぶりを見るためにパトロールを見学していたのだが、流石の一言だ。
ヴェルドラの飛行速度は恐ろしいほどに速く、俺でもついていくのに精一杯だった。そして視認できるヴィランを片っ端から一撃で倒していく。
そして悲鳴があったらすぐに助けに行く。
その姿はオールマイトやエンデヴァーといったプロヒーローと比べても遜色ない…いや、移動速度を考えれば救助人数はトップヒーローよりも多いかもしれない。
前世ならこんなこと無かっただろうが、どうやらヴェルドラはチヤホヤされるのが好きらしい。お礼を言われた後にヴェルドラはあからさまに機嫌が良くなっている。
なるほど…だからコイツはあんなにヒーローになりたがっていたのか。
だが、動機はどうあれこれは本当に天職だったのかもしれない。ヴェルドラはあっという間にトップヒーローへと上り詰めるだろうからね。勿論そうなれば経済面に関しても期待して良いだろう。年収数億…いや数十億とかになるかもしれない…なんて考えると俺は期待で胸が膨らむ。
ヴェルドラの今後に期待だな。
--------------------
話は少し飛ぶが、10ヶ月の時が経った。
この10ヶ月は本当にあっという間に過ぎていった。この世界にも大分慣れていった…というか前前世の世界と個性の有無以外にはそこまで違いは無いからね。
ちなみにこの10ヶ月の間にはまぁ色々なことがあった。
どうやら半年に一回、【ヒーロービルボードチャートJP】というビックイベントがあるらしい。
簡単に言えば全国のヒーローに順位を付けて格付けする。
支持率、事件解決数、社会貢献度を基準に順位を付けるシステムなんだそうだ。トップに行けば行くほど、国民の平和と安心を守っているヒーローということになる。
ヴェルドラはエンデヴァーに次ぐ3位という十分すぎる結果だった。まぁ本人は1位になれず悔しがっていたのだが。
勿論デビューして数ヶ月で3位というのは異例中の異例。
しかも事件解決数は2位のエンデヴァーとダブルスコアというダントツ1位だったのだが、知名度はまだ低かった為支持率が足を引っ張った結果3位に落ち着いたといった感じだ。
勿論、今回の結果でヴェルドラの知名度は全国区で知られる程のヒーローとなったので次回は1位を狙えるだろう。
そして今日は待ちに待った雄英高校の入試試験!!
俺はようやくかと思いウキウキになりながら会場へ向かっていった。
家を出る時、母さんは「いってらっしゃい」と言ってくれて、ヴェルドラは「絶対に合格するのだぞ!我のようにな。クァーッハッハ!」と笑い飛ばしていた。やかましいわ。
そんなこんなで雄英の会場に着いた。
落ちる気は微塵もないが、校門を前にしてホッと深呼吸しながら校内へと入っていく。
そして試験説明会場へとたどり着いた
「今日は俺のLiveへようこそー!everybody Say Hey!!」
声でけえしテンション高えなあの人…
『あれはボイスヒーロー【プレゼント・マイク】です。』
ふむふむ、そんなことも知ってるのかラファエルさんは。
そこからは長ったらしい説明が続いた。
簡単にまとめると
・各自指定の演習場にて行う
・演習場には仮想ヴィランを多数配置してある。三種存在しており、攻略難易度に応じてポイントが変わる
・他人への妨害等の行為は御法度
今のところこんな所だ
「質問よろしいでしょうか!」
説明中だというのに急に質問をしたがってるやつがいるな。
眼鏡の長身でいかにも頭が良さそうな優等生って感じの子だね。
「プリントには四種のヴィランが掲載されています。誤載であれば、日本最高峰の雄英において恥ずべき事態!」
「ついでにそこの縮毛の君!先程からボソボソと…気が散る!物見遊山のつもりなら即刻、ここから去りたまえ!」
ほう、なるほど確かにプリントには四種のヴィランが掲載されている…がこれって絶対今から説明するとこだろ。早とちりすぎないか?
ってか縮毛ってよく見たら緑谷くんの事か。ヒーローオタクなのは良いけど、度が過ぎるのは良くないな全く…
「OKOK。受験番号711くん、NICEなお便りサンキューな。四種目のヴィランは0P。ソイツは言わばお邪魔虫。各試験会場で一体大暴れしているギミックよ。倒せないことは無いが、倒しても意味はない。リスナーにはうまく避けることをお勧めするぜ?」
「ありがとうございます!失礼しました!」
「俺からは以上だ。最後にリスナーには、我が校の校訓をプレゼントしよう。かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った。《真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていくもの》と。更に向こうへ、Puls Ultra!」
ようやく長ったらしい説明が終わったな。
「それでは皆、良い受難を」
--------------------
俺は試験会場Cだった。ちなみに緑谷くんはBに向かっていったから、恐らく違う会場だろう。
ちなみに作戦はもう既に考えてある。ラファエルさんに確認したところ問題なさそうだっからまぁ大丈夫だろう。
「はいスタート」
ん?
「どーしたどーした!本番にはカウントダウンなんかねーんだよ。賽は投げられてんぞ?」
プレゼントマイクがそう言うと受験者達は一気に走り出した。
ま、俺はそんなに焦る必要もないしのんびりやるか。
「おいおいお前聞いてんのか!走れ走れ!」
プレゼントマイクはこちらを向いて怒鳴っているから返事くらいはしておくか。
「分かってますよ。そんなに焦んないでくださいな。」
そう言いながら俺は羽でフワフワと上空へ浮かんでいく。
(この技をまた使うことになるとはな…)
巨大な魔法陣を展開させ、広大な面積の試験会場の隅々にまで水滴をポタポタと垂らしていく。
そろそろ水滴が各地に散らばっただろうか。
そう思い俺はこう叫ぶ
「
他の受験生を傷つけず、ロボットの核のみを貫き次々と破壊していく。前の俺ではこんなことは出来なかったのだが、覚醒魔王となった俺は以前使った時とは比べ物にならないほどの膨大な魔素をコントロールすることができるようになっていた。
他の受験生に1Pも与えることさえも許さず、次々と屈折した光線がロボットを破壊していく。
そして全てのロボットを破壊した頃、満を辞して現れた0Pの巨大ヴィラン。しかし、そんな0Pすらも無情にも核を貫き一撃で破壊してしまった。
「終了ーーーー」
完全に全ての仮想ヴィランを破壊したところで数分の時間を残したところで強制的に試験は終了した。
試験開始から1分も経たずに試験が終わったなんて前代未聞…というか時間を残して全ての仮想ヴィランが破壊されたこと自体が想定外であり史上初なのだ。
会場内の受験生達が俺の事を変な目で見てくるが、別に俺は君たちが試験に不合格だったとしても知ったことではない。この世は弱肉強食、早い者勝ちだからね。
--------------------
あれから一週間経った。
母さんはソワソワしながら合格発表を待っていたのに対し、俺とヴェルドラは全く心配していなかった。
まぁ母さんがソワソワしてる姿が可愛かったもんだから、試験の手応えとかは全く伝えていない。流石にイタズラが過ぎたかな?反省するとしよう。
「リムル!手紙来てたよ!」
お、やっとか。雄英からの合格通知。
母さんも一緒に見ようと提案したのだが、まずは1人で見るべきだと言われ、俺は渋々部屋の中で1人で封筒を開けた。
中には小型のプロジェクターが入っていたため、起動ボタンを押す。
『私が投影されたぁぁ!』
そこに映されたのはいるはずのない
これには流石の俺も予測出来ずに驚かされた。
『いやーすまないすまない。思ったよりも手続きに時間がかかってしまって、、、』
『私がここにいるのは他でもない!来年度からは雄英高校ヒーロー科の教師となることになったからだ!』
えええ!マジでか!
そんな事前会った時にも言ってなかったじゃんか!
まぁその時はヴェルドラに全部話題を持っていかれたから仕方がない…としよう。
『筆記試験に関しては全教科満点で合格。凄いね君!どんな頭脳を持ち合わせたらこうなるんだい!?』
まぁラファエルさんの力を借りたらそりゃあこうなりますわ。恐らく俺が自力で解いたとしても合格点ギリギリくらいだっただろうからラファエルさんのお陰で安心しながら試験ができたんだよな。
『そして実技試験に関してだが…まさか全ての仮想ヴィランを一人で倒してしまうなんて想定外だったよ!その記録はなんと500P!2位の77Pと大差をつけて堂々の主席だよ!』
まぁそりゃあそうだろうね。にしても2位の4倍か…我ながらとんでもない記録を叩き出したんだな。
『まぁ実は
いやいやそんなことあるのかよ!
俺は笑いながら液晶越しのオールマイトに突っ込んだ。
『とはいえ、それが悪いわけじゃあない。今回に関しては誰も怪我を負わず、助けるまでもなかった。もし現場だったらそんな状況が一番理想的だからね。素晴らしい判断だったよ。リムル少女!』
『来いよリムル少女。ここが君の…ヒーローアカデミアだ!』
最後まで読んでいただきありがとうございました!
実はヴェルドラの職なんですが、麗日の両親の会社に勤めさせるって案もあったんですが没になったりしてます。
ヴェルドラはヒーローでチヤホヤされるのを望みそうな性格ですからねw
とはいえそんなifのifも面白そうですね