転生したらヒーローアカデミアだった件   作:生まれ変わったらスライムになりたい

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今日は少し長めです。


個性把握テスト

「実技総合成績出ました。」

 

ここは雄英高校ヒーロー科の会議室であり、職員達が会議をしている真っ只中である。

 

「レスキューP0で2位とはねぇ。」

 

「仮想ヴィランは標的を捕捉し、近寄ってくる。後半他が鈍っていく中、派手な個性で迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」

 

「対照的にヴィランP0で8位…」

 

「大型ヴィランに立ち向かったってのは過去にもいたけど…ぶっ飛ばしちゃったってのは久しく見てないねー。」

 

こんな感じで職員達は生徒について意見を言い合っている。

 

「そして…試験会場の全ヴィランを狩り尽くして500P…」

 

職員達はリプレイ映像を見てため息をつく。

 

 

「まさかこんなことになるなんて想定してなかったな…」

 

「いや、そこじゃないだろ。どんな個性を持っていたらこんなことが可能になるんだ?」

 

「はい、それなんですが…どうやら個性届には【スライム】としか記載がされておりませんでした。スライムになれるという個性なのは判明しておりますがそれ以外は…」

 

職員の一人は困惑しながらそう話す。

それを聞いた職員達もまた、困惑しながら聞いていた。

使用中に叫んでいたため命名された【神之怒(メギド)】という技とスライムにはなんの関連性もない。

 

「それにしても強力な技だ…ヴィランじゃなくて本当に良かったよ。」

 

「あぁ、もしこの技が街中で放たれれば都市の壊滅は免れない。それに止めれるプロヒーローもいないだろうからね。」

 

そしてそんな中オールマイトが口を開く。

 

「実は私…このリムル少女と少し面識があってね。彼女はあのファウストの知り合いらしい。詳しい関係はわからないが、かなり親密な仲らしいよ。」

 

その言葉を聞いた職員達は驚愕しながらも少し納得していたようだった。

ファウストというヒーローはかなり出鱈目な強さで有名なヒーローであり、ルーキーにも関わらずNo.3ヒーローなのだ。

そんな彼も素性は謎な部分が多い。丁度リムルと同じように。

 

「こんなことは話すもんじゃないが、話したほうが納得できると思ったね。」

 

「なるほど。それじゃあこの話題は置いておくとして、これじゃあ他の受験生が可哀想過ぎないか?」

 

そう嘆く職員に対し、ネズミのような生物が答える。

 

「それについては心配無用さ!リムル少女に帰ってもらった後にもう一度試験会場Cでは同じように試験をやったからね。」

 

本来ならこういうことは無いが、流石にこれは例外だったのだろう。

 

「そして今年だけ!異例中の異例でクラスの人数を1-A組だけ21人にしたのさ!」

 

これもリムルの影響だろう。今回も例年同様1クラス20人だったのだが、優秀な生徒が多いため21人となったそうだ

 

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今日は入学初日、不安と楽しみが混ざり合って懐かしい感じだ。

 

俺のクラスは1-A組だった。校門をくぐり地図を見ながら1-A組と書かれたクラスを見つけた。

 

(いやドアデカ過ぎでしょ。)

 

異形系個性を考慮した結果だろうか?

 

俺はそんな事を考えながらもドアを開ける

 

「君!机に足を置くな!雄英の先輩方が使っていた机だぞ!申し訳無いと思わないのか!?」

 

「あ?思わねぇよ端役!お前どこ中だ!」

 

「ぼ…俺は私立聡明中学出身!飯田天哉だ!」

 

「聡明〜?糞エリートじゃねぇか!ぶっ殺しがいがありそうだな!」

 

「ぶっ殺しがい!?君口悪いな!?本当にヒーローを目指してるのかい!?」

 

なんだこの光景は…と少し戸惑いながらも俺は教室に入る

 

威張っている方はヘドロ事件の被害者である【爆豪勝己】だったか。

それで怒っている方は試験会場で質問をしていた子か、名前は【飯田天哉】というらしい。

 

自分の机に座り、数分経ったら緑谷くんが入ってきた。

 

それに気付いた飯田くんが緑谷くんに近づいていって何か話をしているのだが、遠くてよく聞こえない。

 

「友達作りたいなら他所へ行け……ここは、ヒーロー科だぞ。」

 

寝袋に入りながらいかにも寝不足って感じの人がゼリー飲みながら説教してきた。

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠けるね。担任の相澤消太だ、よろしく。」

 

なんだよあのオッサン…とか考えてたらラファエルさんが反応した。

 

『彼はヒーローである【イレイザーヘッド】だと推測されます。』

 

イレイザーヘッド…聞いたことない名前だな…

 

『イレイザーヘッドはメディア露出を極端に嫌っており、その素顔を見たことある人間は非常に少ないです。』

 

へーなるほどね。

 

「早速だが体操服着てグラウンド出ろ。」

 

急すぎるって、と戸惑いながらも文句垂れてても仕方ないため急いで着替えてグラウンドへ向かった。

 

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「「個性把握テストォォォ!?」」

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事、出る時間はないよ」

 

いやいやいやおかしいだろ、と俺が心の中で思いつつもまぁ仕方がないので従うことにした。

 

「雄英は『自由な校風』が売り文句、それは生徒だけではなく先生側もまた然り。お前達も中学の頃にやっただろう? 個性禁止の体力テスト。今からやる8種目の競技をお前達にはやってもらう。」

 

相澤はニヤリと笑いながらそんな暴論を口にした。

 

「おいリムル、中学の時ボール投げ何mだった?」

 

え、それは恥ずかしいなちょっと。俺はこの世界では運動が苦手だったことになってるんだから。

 

「じゅっ…18mです…」

 

俺は顔少し赤くし、相澤から目を逸らしながらそう言った。

 

「まぁ女子高生ならそんなもんだろう。そんじゃあ今ここで投げてみろ、“個性あり”で。」

 

なるほど…そういう魂胆ね。この世界ではヒーロー以外は基本的には個性の使用は禁止されている。勿論それは体力テストでも例外じゃない訳なんだが、ここは雄英のヒーロー科だ。

 

「わかりました。」

 

俺はハンドボールを相澤先生から受け取り、暴風之王(ヴェルドラ)を発動させる。

 

まさしく天災と言える程の暴風のエネルギーを右手に集め、ハンドボールにその火力を上乗せして思いっきり投げ飛ばした。

 

「…ほう。♾か…」

 

相澤先生はそう呟きながらタイマーを見ていた。

 

「すっげー面白そう!」

 

「個性使えるのかよ!」

 

おいおいみんな調子に乗りすぎだって…

そりゃあ個性使えるのは嬉しいだろうけどさ、相澤先生ちょっとイライラしてるし。

 

「面白そう…か。君達はこの三年間をそんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

そう言って相澤先生は俺たちを威圧してくる。

こりゃあなんかとんでもないことを言う予感…とか考えてたら本当にとんでもないことを言ってきた。

 

「よし、それじゃあこの体力テストでトータル最下位だった者は見込みなしとして除籍しよう。」

 

はぁぁぁぁ!?

 

そんなの理不尽なんてもんじゃないが、俺たちは誰一人反論することができなかった。

俺達はまだ高校一年生。場数を踏んだプロのヒーローに意見を言う気にはなれずに体力テストが始まってしまった。

 

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1種目目 50m走

 

これは楽勝かなと思いつつ、俺はスタート位置に立ち転移魔法を起動する。

スタートの合図と同時にゴール地点へ転移した。

 

記録は測定不能と診断された。

どうやら座標が50m間に存在しなかったのが原因らしい。

とはいえ相澤先生に記録自体は認められたので問題なかろう

 

 

2種目目 握力

 

さっき俺は運動が苦手と言ったが、それはあくまでも俺がこの世界に来る前の俺の話だ。

覚醒魔王となって身体能力が10倍以上となった今は身体能力はヴェルドラの次に高いと思う。

 

思いっきり握力計を握った。

 

『バキッ』

 

なんか今鳴っちゃいけない音がなった気がする。

恐る恐る握力計を見てみると、ネジが数本外れており故障している握力計があった。

 

これもまた計測不能とは…そりゃあ良い結果?を出せたのは嬉しいんだが、皆からの視線が痛い。か弱い女の子だと思われていたから尚更。

俺は恥ずかしくなって急ぎ足で次の種目へ向かった。

 

 

3種目目 立ち幅跳び

 

これは楽勝かなと思いつつジャイアントバットの羽根を生やしながら滑空する。まぁ空を飛べるってのはそんにに珍しくない気もするが、、

相澤先生もそんなに驚いた顔もせず♾と表示されたタイマーを手に持っている。いや、ちょっと呆れてるかな?

 

4種目目 反復横跳び

 

流石にこんなの普通にやるしかないか。特にスキルを起動する訳でもなく、無難に終わらせた。

記録は62回

 

5種目目 ソフトボール投げ

 

俺はさっき投げた為この種目は免除となった。

それじゃあと思ってゆっくりと見学しようと思ったんだが、どうやらそれどころじゃないらしい。

 

「個性を消した。つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」

 

どうやら緑谷くんと相澤先生が揉めている…というか相澤先生が警告を出しているのか。

 

「消した…!あのゴーグル…そうか!視ただけで人の個性を抹消する個性!抹消ヒーロー・イレイザーヘッド!!」

 

本当にイレイザーヘッドって名前のヒーローなんだな相澤先生。ラファエルさんは流石の推測能力ってところだ。

 

「個性は戻した…ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」

 

相澤先生は捕縛を解き、緑谷くんは円の中に立つ。

 

『課題名:相澤消太は緑谷が個性を発動したとしてもしなかったとしても除籍処分とするでしょう。』

 

まぁそうだろうな、悔しいが現実なんてそんなもんだ。

緑谷くんは縁があるから助けてやりたいが、このくらい彼の力で切り抜けるべきだろう。そうじゃなきゃNo.1どころかヒーローとしてやっていかないだろう。

 

そして緑谷くんは覚悟を決めたような顔となった。どうやら玉砕覚悟の個性使用ってとこか。だがしかし、普通にやってもダメだ。緑谷くんの体がボロボロになってしまい耐えきれず他の種目どころではなくなってしまう。

 

「SMASH!!」

 

叫び声と共にボールは遥か彼方まで飛んでいった。そしてその記録は705.2mといった驚きの結果となった。

 

しかも緑谷は大怪我をしておらず、腫れ上がっているのは右手の人差し指だけであり、最小限の被害で最大限のパフォーマンスをしてみせたのだった。

 

「先生、、まだ…動けます!」

 

少し涙目になっているが、まだまだやる気なようだった。

 

相澤先生も除籍する気が少しは変わったようだし、この場を乗り切った緑谷くんは正直よくやったと思う。

そんな賞賛の意味を込めたご褒美として俺は右手からフルポーションを放出し、緑谷くんの負傷部分にかけた。

 

右手の人差し指の腫れがみるみると治っていく訳なんだが、それを見たクラスメイト達が驚いた顔でこっちを見てくる。

目立ちたくはなかったが、まぁ怪我人が出たなら仕方ないしそっちを優先するよ。

 

「どーゆー訳だデク!てめぇ!」

 

クラスメイトの一人が緑谷めがけて全速力で走ってきたので俺は慌てて鋼糸を使ってそのクラスメイトの動きを止めた。

 

「ふぅ危ない危ない。大丈夫?緑谷くん。」

 

「グッ、、体が縛られて動けねぇ…」

 

止めようとしていた相澤先生は捕縛用ロープを再び首に巻きつけ、クラスメイトに警告する。

 

「全く…何度も個性使わすな。俺はドライアイなんだ!」

 

いや個性凄いのに勿体無いなアンタ。

 

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6種目目 長座体前屈

 

この競技は普通にやる、といっても人間の姿じゃあ関節とか不便だからスライムの姿になり早速…と思ったんだがクラスのみんなから勢いよく突っ込まれた。

 

「はぁ!?スライム!?お前ってどんな個性してんだよ!」

 

そんなに驚くことか?別に異形系の個性だとすればそこまで珍しいことじゃないだろうに。

まぁ個性については皆未知数だし気になるのも当然か。

 

「俺の個性は【スライム】って言ってスライムになることができるんだ。」

 

長座体前屈の機械を掴みながら身体を伸ばしてそのことをアピールする。

 

「マジかよ…てっきり発動系の個性だと思ってたんだが違ったみたいだな…」

 

確かにこの身体能力は増強系に、暴風竜(ヴェルドラ)の力はそれこそ発動系のように映っていたのだろう

 

しかし蓋を開ければ個性名【スライム】という異形系可愛らしい能力なのだ。

 

記録は1200.5cmだったため四捨五入で1201cmとなった。

 

「いや…もうその繰上げ要らないだろ…」

 

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7種目目 上体起こし

 

こんなの普通にやるしかないな。

そう考えながら自分の身体能力に頼ることにした。

 

記録は130回ほどだった。

 

まぁ30秒にしては上出来である。

 

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最終種目 持久走

 

これは一番呆気なく終わってしまった。

50m走と同様に転送魔法を起動し、スタートと同時にゴール地点へと転移した。

 

記録は50m走と同じく測定不能。相澤先生も少し呆れながらもOKを出してくれた。

 

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これで全種目が終了した。

相澤先生の言う通りだったらここで最下位の生徒が除籍されてしまうことになる。

 

ちなみに緑谷くんは大丈夫だろう。大記録と呼べるものはボール投げのみであったが、他の記録も悪くはなかった。

持久走なんかも怪我が治っていたおかげで人並みのペースで走ることができていた。

 

「んじゃパパッと結果発表な…トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括表示する。」

 

相澤先生がそう言うと、結果が映し出された。

 

俺は一位、緑谷くんは12位とまずまずな順位だった。

それで肝心の最下位は…

 

「あ…ぁぁ…」

 

隣にいた生徒が絶望しながらうずくまっていた。

確かあの子は…峰田実くんだったかな。

個性は【モギモギ】といって弾力のある球を頭から生やし、それをもぎ取ることが出来る。

 

反復横跳びは大記録を出してはいたものの、それ以外の記録は今ひとつといった感じだった。

 

「ちなみに除籍は嘘な。君達の能力を最大限引き出す為の合理的虚偽。」

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」

 

ってマジかよ!あの時本気(マジ)な目をしてたから信じちゃってたわ!

 

「あんなのウソに決まっているじゃない、、ちょっと考えればわかりますわ。」

 

『否。個体名:相澤消太は素質がない場合は間違いなく除籍するつもりでした。』

 

クラスメイトの八百万さんに対してラファエルさんが反応した。あの言葉は虚偽でもなんでもない、俺たちがヒーローを目指すための資格があるのか見極めるためだったのだろう。それに俺達が合格したってだけだ。

 

そのことが少し嬉しくもあるが、除籍されそうになるってのは勘弁して欲しいものである。

そんなことを考えながら、教室へ戻った。




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