「人事異動?シュンさんの後釜は誰が務めるんです?」
「言うまでもない。俺の後を継ぐのはお前だよ。」
暗くて僅かに明るい部屋で2人の青年が話している。茶髪の青年の名は「ホズミ」、特務機関PACH(パーチェ)に属する兵士の1人である。現在、彼は目の前の上司「シュン」が人事異動を命じられたという事を知らされていた。更に移動した後のシュンのポジションにはホズミが就く事になるとの事らしい。
「えっ?俺が5番隊の隊長を務めるんですか?無理ですよ!絶対ムリ!」
「何を言ってるんだ。俺が見立てでは今のお前なら、充分務まると思ってるぞ。少しは自分に自信を持て。」
自信なさげなホズミに対して、シュンはホズミに自信を持つようにと励ました。
「この後、ジンさんから直々にその事を言われるはずだ。あと、専用の変身デバイスも渡されるぞ。心の準備をしておいてくれよ。」
シュンはそう言うと部屋の扉を開け、小会議室から出て行った。
「俺が特務隊の隊長になるなんてなあ…嬉しいけど俺に務まるのか心配だなぁ…」
誰もいなくなった小会議室でホズミはそんな一言を漏らした。
「シュン君から話は聞いているね?明日から君は特務隊5番隊の隊長を務める事になるよ。」
「本当に俺が隊長になるんですね…分かりました。微力ですが頑張らせて頂きます!」
本当は不安と恐怖が少なからずあった。だが、怖がってばかりでは何も始まらない。ホズミはそんな思いを抱えながら、ジンからの移動命令を承諾した。
「良い返事だ。では早速、コレを進呈しよう。」
ジンはトレーの上に乗った2つの動画をホズミに差し出した。片方は短剣、片方は小銃の様な形をしている。
「コレは一体何でしょうか?短剣と小銃に見えますけど…」
「隊長になる君に、私達が与える力だ。この短剣の様なものは「エボルトランサー」といって、鞘を引き抜く事で君に超人的な力を授ける事が出来る。また、エネルギーを放出して光の壁を生成する事も可能だ。そして小銃の方は「ブラスターショット」粒子状の弾丸を放つ事が出来る銃だ。」
「なるほど、ちなみに超人的な力って何ですか?」
「言うまでもなく、光の巨人「ウルトラマン」の力だ。エボルトランサーは君をウルトラマンに変える装置なのだ。」
そこまで言うと、ジンはマグカップに入ったブラックコーヒーを一口飲んだ。
「俺がウルトラマンに…分かりました。責任を持って預からせて頂きます。」
「ああ、君がその力で多くの人々を救う事を期待しているよ。」
扉を開け、ジンは部屋から退出する。ホズミもそれに続いて退出し、自室に戻った。
「俺がウルトラマンに…夢じゃないよな?」
自室のベットに横になり、ホズミはエボルトランサーを眺める。ホズミの脳裏に様々な出来事が蘇った。ごく普通の日常を送っていた時に邪悪なる暗黒破壊神に狙われ、今の組織に救われた時の事。ジンに素質を見出され、PACHに入隊した時の事。厳しくも優しい教官の事。様々な出来事が脳裏をよぎった。
「コレからは俺が隊長になって、人々を守るんだな…」
そう呟き、ホズミは眠りに落ちた。
導入部分なので、今回は短めです笑