緑礬の錬金術師 作:ONE DICE TWENTY
街のはずれ。
森に近いとある空き家。
そこに、彼らはいた。
「こりゃ……また、こりゃ、なんだ?」
「
「人造人間に、暴食ねぇ。つーことは、こんなんが最低七体いるってことか?」
「そうではないと信じたいがな」
鋼鉄ワイヤー、セメント、その他数々の"固めるモノ"で縛りに縛った化け物。
「で、なんだよ共犯者。俺に何しろってんだ」
「こいつをどうにか調べたい。アイデアをくれ」
「……んなこと言われてもな。そもそも何を調べるんだよ」
「製法、原理、どこが製造しているのか──なんでもいい。わかることは全て知りたい」
ノックス鑑定医。
死体からその死因や凶器、身元などを鑑定する医者。彼を連れてきたのがロイ・マスタングであり──。
「ヤ! 初めましテ、俺はリン・ヤオ。シンの者ダ」
「……ランファン」
「おい……どっからどう見ても密入国者なんだが……?」
「ああ。だが協力者だ」
フーが帰った中で、まぁ色々とあってついてきたのがリン・ヤオとランファンである。
「この化け物の生け捕りに協力してくれた。その上、この化け物の気配を感知できるらしい。護衛兼戦力……で、シンとの内々の繋がり。仲良くしない手はないだろう」
「大総統の座乗っ取る気満々かよ」
「もちろんだとも。それで、できそうか、ノックス医」
「……お前さん、確かヴァルネラと仲良かっただろ。なんであっちに頼まねえ。あっちのが俺なんかより腕も速度も数段上だ」
「それは……」
当然だ。当然、ノックスも知っている。彼もイシュヴァールの戦役に参戦していたのだから。
検死医──として運ばれてきて、そこで、奇跡を見た。
生体錬成の権威。噂には聞いていたし、その功績も実際すごいもの。著書を購入したことさえあるが、実物を見るのは初めてだった。
その時は後学のためにと彼の施術を間近で見て、驚いた。
まだ子供。子供にしか見えない。
だというのに、その手際の良さたるや。生体錬成に関してはノックスのわからない領域だが、それ以外の医療技術も卓越している。そして、なにより、なにより、だ。
彼は瀕死の患者を診て、普通の人間であれば思う「死にそうだ」から「早く助けないと」とか、「この人は無理かもしれない」から「体力を温存しよう」とか──患者一人一人に対する感情のブレが一切ない。
必ず助ける。必ず助かる。
自分が施術をするのだから、死ぬこと自体があり得ない──そんな表情で、ヴァルネラは処置をし続ける。
自身の実力を微塵も疑っておらず、また患者の状態に何の恐れも抱いていない。
格上だった。検死医として──非人道的行為に手を染めかけていることよりも、ただ、ただ、その奇跡を眺め続けて──いつしかノックスの心は折れていた。
失意のまま、医者を止めようかとさえ思ったノックスを救ったのは──彼の帰りを心から待っていてくれた、妻。そして息子。
家族だ。
「……いいよ、聞きやしねぇよ。話さないってことは、話したくねえってことだろ。へいへい、事情を知らねえおっさんはセコセコ働きますってな……」
「すまん」
「すまなイ」
「おーおー謝るならはじめっから説明してから連れてきてくれ」
「……説明せずにつれてきたのカ?」
「いや、その、時間が無いと思った……というか説明はしただろう!」
「あーされたされた。"とても人間とは思えん奴がいる。そいつを調べてほしい"とは言われたな」
空風が吹く。
ロイ・マスタング。彼は今、確実にアウェイだった。
「大佐、周辺域の人払い、警戒用ブービートラップの設置完了しまし……た?」
「ああ中尉さン。鳴子はちゃんとつけられたカ?」
「ええ、単純な仕組みながら、強力ね、あれ。ありがとう」
「協力者なのだかラ、当然ダ」
リザ・ホークアイ中尉が帰ってきても、彼女とランファンがちょっと仲良くなっても、ノックスの嫌味はチクチクチクチクと終わらない。
終わらなかった。
終わらず。
「うー……ウー……」
彼に、そろそろ限界、というものが訪れる。
お腹が空いているのだ。
どこぞの誰かが美味しいモノ食べまくってる中で、もう、お腹が空いて仕方がないのだ。
そこへ、二人である。
二人も美味しそうな女の子が来て、彼の理性(?)のタガが外れない理由が無かった。
「おなが、ずいだ──ッ!!」
一瞬。
一瞬である。本当に一瞬で、消えた。
ノックスの目の前から──四人が。
リン・ヤオ。ランファン。ロイ・マスタング。リザ・ホークアイ。
綺麗さっぱり、地面を抉って。
「……は?」
「オ、オオオ゛……オオオオ゛!」
化け物が雄叫びを上げる。
下あごから下がぱっくりと開き、何か動物の牙のようなものが生え揃い、そして中心には目がある──黒い空間がある──何か。鋼鉄ワイヤー、セメントはまだ取れ切っていない。だからこそ余計にヤバさが伝わる。
ノックスはイシュヴァール戦役に参加した身ではあるが、ただの医者である。
ただの医者でしかない。戦闘などできるはずもない。
ましてや、こんな化け物相手に。
「タベモノ……ダベモ゛ノ゛……!」
「ちょ、おいおいおい、ロイ! こういう奴はお前が相手するんじゃねえのか! 護衛ってのはどうなった、ブービートラップってなんだったんだよ!」
「ダベボボオオオォォオオオ!!」
また、何かが通り過ぎる。
それによって車が一台消滅した。
悟る。ノックスは、これが運の尽きなのだと。
これが、こんな末路が、イシュヴァール人にあのような行いをした自分たちへの罰なのだと。
悟って、天を仰ぎ見て。
その、上から、上空からすっ飛んでくる五人に気が付いた。
「──オイオイ、暴走してんじゃねぇか
「グリードさン! それ、なんですカ!?」
「化け物だよ。俺と同じ、な!」
トゲトゲ頭の男。
それが化け物を組み伏せたと思えば、さらにはその巨体を思いっきり蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた先には大男。無言で構えたハンマーを振り下ろし、次いで真っ白な服を着た男が手に持つ軍刀で化け物を切り裂いた。
「……何が、起きて」
「ロア、ドルチェット! ちっと離れな! 嬢ちゃん!」
「はいでス!」
バチバチと赤い光を立てて治ろうとする──再生しようとする化け物の身体に、苦無が五本刺さる。そしてもう一つ、トゲトゲ頭の男の腕にも同じ形の苦無が五本。
「準備完了でス! 硬化してくださイグリードさン!」
「がっはっは、連携も良くなってきたじゃねぇか──どうだぁ、弟。初めてだろ?」
「オ……オオ、オオオ?」
刺さった場所から、何か──黒いものが、化け物の身体を覆っていくのが見えた。
「"最強の盾"になる感覚。じっくり味わっておけよ、兄弟」
そうして、固まる。
セメントよりも硬いそれ。
「……なんなんだよ、一体」
「同感。私も同じ感想よ」
「うひぃ!?」
もう何が何だかわからないと言った様子のノックス。その頬を、ひんやりと冷たい手が撫でた。
目を開ける。
ここは。
「……つつ……うっ!?」
「起きましたか、大佐」
「あ、ああ。中尉……何が……何が起きた? ここはどこだ? 酷い臭いだな……」
ロイ・マスタングは、目を開けて周囲を見渡す。
ここはどこだろう。
見渡す限りの黒と赤。
悪臭。
とりあえずもう一度、今度は注意深く周囲を見渡してみて。
「……いや本当にどこかわからん」
「私にもわかりません。ざっと周囲を見てみましたが……あまり離れすぎるのは良くないと思い、そこまで遠くへは行けていません。また、無線通信も繋がりません」
「そうか……情報はない、と」
「今ヤオ家の二人が何か目印となるものが無いかを探しに行ってくれています。大佐、周囲のものに適当に火をつけて、ある程度の陣地を固められますか?」
「いいだろう」
パチンパチンパチン、と指を鳴らす。
「……血で、濡れているな」
「つまり今無能ですか大佐」
「待て、焦るな予備が」
──無論、それも濡れていた。
「……何か描くものがあれば……ああ、あそこの岩でいい。あれに焔の錬成陣を刻もう。火花程度でも散らせたら、それで火は焚ける」
「良かったです。大佐が発火布がないと何もできない無能じゃなくて」
「中尉、何かやけに私にアタリが強くないか?」
「いえそんなことは」
なんやかんやして、一応火は焚けた──ものの。
一面の赤。二人にはわかる。それが血液であると。
そして、自身らが立っている場所も──固まった血液だと。
中尉が銃を上空に撃てど、着弾音はおろか反響音さえしない空間。
「待て待て待て待て! 広すぎるだろう! アメストリスのどこにこんな広い穴がある!?」
「……?」
岩に刻んだ焔の錬成陣。そこに出した炎で乾かした発火布を用い、もう適当にパチンパチンパチンパチンパチンパチンと炎を出してみるロイ。
──が、何も起きない。
怖ろしいことに、酸素が減ることもない。
と、そこへ。
「おーイ何やってるんダ。花火カ?」
「すまなイ、収穫はなかっタ」
ヤオ家の二人が帰ってくる。
二人とも、自分の武器こそ持っているが、それ以外に何も持っていない。
つまるところ。
「いやぁ、どこダ、こコ!」
「わかりませンが、果てしなく広い空間であることだけハ……」
「そして果てしなく悪趣味な空間であることもわかるな! これだけの量の血液……一体何人殺している」
情報は、ゼロだった。
「……?」
そんな中で、ホークアイだけが先ほどから首を傾げている。
彼女の様子に気付いたのだろう、ロイが彼女に声をかけ「ちょっと黙っていてください。音を聞いているので」なかった。
一秒、二秒と、ホークアイは耳を澄ませる。
狙撃手の耳だ。その狙撃の腕から鷹の目と称される彼女だが、当然のように耳だって良い。
そしてその耳は、確実に捉えた。
「あちらです。あっちから、微かに反響音が聞こえました」
「……弾丸のかね?」
「はい」
「そうか、少しは希望があるということだな」
壁がある。
なれば、この空間には限りがあるということだ。
全員が心の奥底で思っていた──この空間には果てが無いのではないか、という恐れがこれで払拭された。
「……そういえバ、あのノックスという医者ハ見ていないガ、大丈夫だろうカ」
「恐らくは……でしかないな。ここがどこなのかわからない以上は」
「位置関係を考えると、俺と大佐、ランファンとホークアイ中尉はほぼ直線上にいタ。それが原因なんじゃないカ?」
「なんだ、あの空き家の前で直線上に並ぶと異空間に飛ばされる……そんな魔法のようなことがあるとでも?」
「実際起こってるんだかラ、そう思うしかなくないカ」
歩く。
血液故に足を取られやすく、重たい。けれどそれに音を上げる者はここにはいない。
いや、いた。
「……面倒だな。はぁ、鋼の程便利ではないが……」
等と言いながら、周囲、突き刺さっている鉄板のようなものに何かを焦がし描いていくロイ。
それは錬成陣。けれど焔の錬金術とはまるで違う紋様。
「それハ?」
「いや何、私も別に、焔の錬金術だけしか使えんわけではない、ということだ」
ぽちゃ、と血液の海に落ちた鉄板を、ロイが踏みつける。
瞬間、ざばぁ、なんて音を立てながら、血液の海に鉄橋が掛けられる。まっすぐで、足が等間隔で、手すりまでついた鉄橋。
そう、ロイ・マスタングは普通の錬金術においても超エリートなのである。
「おー」
「……国家錬金術師の力とやらカ」
「それだけではないさ。ここは鉄が腐るほどある。だから存分に使わせてもらった、というだけのこと。あぁだが走るなよ、途中までしか作ってない。途中まで行ったらまた私が作る」
地面がふかふかの血と血液だまりからただの鉄に成れば、疲労はかなり軽減される。
「それで中尉。反響音が聞こえたのはあとどれくらい先かね」
「概算ですが、あと1km先かと」
「おオ、すぐだナ!」
「……遠いな。自動車でも作るか?」
「燃料はどうするのですか?」
「……オ?」
タイミングよく、である。
そんなことをくっちゃべっている四人の、その鉄橋の真横に──自動車が落ちてきた。
流石に無傷とは言わないまでも、ある程度使える状態で。
「中尉。こういうの、天は我に味方した、というのだろうな」
「大佐、変な事言っていないでとっとと引き上げて直してください。それと鉄橋の道幅も変えて。これ、私たちが乗ってきた車ですよ」
「はぁ……最近の君は本当に冷たい。最初の頃が懐かしいよ中尉。あの頃はマスタングさん、なんて呼んでくれていったのに……」
「軍人と一般人でしたので当然では?」
「そういう所だと言っているのだ!」
なんか喧嘩しながら、なんか騒ぎながら──傍目から見たらいちゃつきながら、鉄橋の道幅を変更したり、自動車を直したりしているアメストリス軍人組の一方で、シン国がヤオ家組。
「ランファン。今、落ちてきたよな。出現の瞬間は見えたか?」
「いえ、若様。見えませんでした。ですが、そこまで高空ではないはずです」
聞かせる気がないのでシン国の言葉で。
「入口があるならそこから出られるはずだ。が……上空にある、というわけでもなさそうだな」
「自動車が落ちて、あの程度の破損で済むのであれば……私たちが視認できる距離に入り口があってもおかしくはありません」
「だよなぁ」
それに、と。
周囲。落ちている岩や壁の類を見るランファン。
「私たちも無事で済むとは思えません。外壁の類が壊れてすらいないところを見るに、入り口らしい入り口はなく、ちょうどこの血だまりから少し上の高さくらいの場所に現れる……としか」
「ファンタジーだな」
「すみません。ですがそれしか考えつかず」
「いや、怒っているわけじゃない。……錬丹術の使えない俺にとって錬丹術師はファンタジーの使い手だった。この国に来て、錬金術もそうだと感じた。……が、コレはそのどちらでもない、技術も原理もへったくれも無さそうなファンタジーだな、と思ったんだ」
「……ですね」
クラクションが鳴る。
「そこの二人、置いていくぞ!」
「乗ってください。これで、かなりの疲労軽減が見込めるはずです」
「あア、かたじけなイ。行くぞ、ランファン」
「はい」
元の形、元の機構にまで戻された普通自動車。
運転するのはホークアイだ。もしもまたあの化け物が襲ってきた時、より火力の高い方が手ぶらな方が良い、という考えのもと。
その後部座席にヤオ家二人も乗って、出発する。
速度は出し過ぎない。途中までしか作られていない鉄橋を進んでは作り、進んでは作りを繰り返していく。
何度繰り返しただろうか。
たかだか1kmといえど、周りの景色がほとんど変わらないとなると、進んでいる気がしなくて気が滅入る。
「……あ?」
「……ん?」
そうして、そうして、ようやく何かが見えてきた。
何か──巨大なもの。
シルエットは、例えるのならば。
「……城?」
「城、ですね」
城だった。
随分とメルヘンな城。
近づいてみれば、それはもうキラキラと輝く──ファンシーでメルヘンな色合いのお城。
悪臭立ち込める悪趣味な空間。果てのわからないそこに、そんなものがでん! と建っていたのである。
「……何がいると思う、中尉」
「もう気付いているんじゃないですか、大佐」
「そういう君は、随分と気分が悪そうだ」
「前にも話したように、イシュヴァール戦役で見たモノのせいで私はあの人が苦手なんです」
悟った、という様子の二人に対し、何かわからないのはヤオ家の二人だ。
わからないまま──城の門が開いていくのをみた。
ぎぃぃ、とか、ごごご、とかじゃなくて……さらさらさらと崩れ壊れていく門。
「ハ?」
「お、おいおい遅いっつか今いつなのか知らねーけどやっと来たかよリン・ヤオとエドとエンヴィー……いー……ん?」
現れたのは──金髪金眼の少年。
ヴァルネラだった。
とりあえずの事情を話すロイ達。
ヴァルネラはほー、とかへー、とか適当な相槌を打ちながら、最後にはポン、と手のひらを打って。
「あぶねーなオイ。ロイ・マスタングがいなかったらマジで一生ここから出られなかったぞ。運良いなお前ら!」
なんて快活に笑う。
「そういうということは、あなたはここがどこなのかわかっているのですか?」
「おん。ここは
「疑似……」
「真理の扉?」
「うん、まー聞き馴染みねーよな。なんつーの? アレだよ、錬金術とか錬丹術の深奥がすべて詰まった巻物を強制的に読まされる場所っつーか、この世とあの世の狭間というか、魂がある場所というかなんというか。まー説明難しいんだけど、錬金術使わんお前らは絶対行かないから知らなくていいと思うわ」
「……鋼のが見たという場所、ですか」
この中で錬金術に造詣が深いのはロイだけだ。
他の三人にはあまり理解の出来る話ではない。
「それデ、あんたはなんでここにいるんダ? 今は大総統と食事中じゃなかったのカ?」
「は? 俺がブラッドレイと? ……あっはっは、なんだそりゃ。外の俺そんなことしてんのか。おもしろ」
「外の……俺?」
わけのわからないワードがたくさん出てくる。
訳が分からないんだろうなぁ、と思いながらヴァルネラもしゃべっている。
「いやさ、まぁ俺が俺じゃなくなった時点で俺は俺じゃないから再生しなくても良かったんだけどさ、こんだけ体残ってんならもーちょい色々遊べるな、って思って、残ってみた。ああ、大丈夫大丈夫、俺は一個の空間に一人しか存在できないから、どの道俺が外に出ることはないし、そもそも人体錬成できないからあの道は通れない。つまるところ俺は一生このごみ箱で過ごさないといけないってわけ」
「……あの、ヴァルネラ医師。欠片程度でも良いので、我々にわかる言葉を吐いていただけると」
「俺も飲まれたんだよ、昔。お前らが戦っただろう
「再生、とは?」
「え、だから俺不老不死だからさ。お前らは知ってるよな?」
「あア。ブシュダイレン。不老不死ダ」
「そういうこと。なんだよ、外の俺はまだ明かしてないのか。信用されてないんじゃねえの?」
軽快に、快活に。
どちらかといえば、マスタングが知っている方の──等価交換を押し付けてくる割にお人好しな医者、という印象の方に当てはまるこのヴァルネラは、けれど。
「で、どうするよ。ロイ・マスタング。ここから出るには代価が必要だぜ? ──ちなみに俺は払えないから、そのつもりで!」
サラサラと緑と黄いろの城が崩れていく。
緑礬だ。これは全て緑礬でできている。積もり、崩れ、積もり、崩れ。
その城の前で、さも当然であるかのように犠牲を要すと説明する姿は、外のヴァルネラと完全に重なるものだった。
「さぁどうする、ロイ・マスタング。誰かを犠牲にするか、自分を犠牲にするか──第三の選択肢をつかみ取るか」
怪物は、ニヤニヤ笑って。
「正念場だぜ、20年も待ったんだ。楽しませてくれよ、国家錬金術師」
まるで何かの番人かのように。
(12/28修正)計算ミスです。80年→20年