眩しい朝の光が差し込み、俺の意識はゆっくりと覚醒した。
「ん……朝か……」
まだ少し眠たげな目を擦りながら、ベッドから体を起こす。
寝間着を脱ぎ、トレーニング用の服に着替え、顔を洗いに外へ出た。
台所では母さんが朝食の支度をしていた。
「おはよう、ポップ。今日も早いのね」
「おはよう母さん」
挨拶を交わす。外の井戸で顔を洗うと、まだ日の出直後の柔らかな光が周囲を照らしている。
所々、薄暗さが残る中で、俺は軽くストレッチを行い、日課のランニングを始めた。
ダイを救うために俺は「時の技法」を身に着け、精神だけを過去へ飛ばすことに成功した。
当初はアバン先生に弟子入りする1~2年前の時期に戻るつもりだったが、調整がうまくいかず、結果的に5歳のポップの体に精神が宿ってしまった。
「予定よりだいぶ昔だが……まあ、いいか」
95歳まで生きた経験は今の俺に宿っている。
これなら先生に弟子入りする前から基礎体力も付けられるし、呪文の契約もやり方は全て覚えているから、今すぐにでも済ませられる。
ただ、あまり多くの呪文を一気に契約してしまえば、先生に弟子入りする理由がなくなる。
そこで攻撃呪文と回復呪文の初歩にとどめておくことにした。
「でも、少しでも強くなれば旅も楽になる……」
前回の大魔王戦は奇跡の積み重ねで勝利できたが、今回もそうなるとは限らない。
既に俺と言う不確定要素が存在しているからだ。
それに、過去の俺より少しでも力を付けておけば、奇跡に頼らずにバーンを倒せるかもしれない。
体が精神に引っ張られているのか、今の俺はすでにダイと初めて会った頃と同じくらいの魔法力を備えていて、攻撃呪文、回復呪文、補助呪文の全てが使えるようになっていた。
中級以上の呪文はまだ契約していないが、初級呪文は連続して使える。
ギラに関しては、あと少しレベルを上げれば収束させて撃つことも可能だ。
「何より、相手の戦力や得意技が全部分かるのがでかいな」
前回の経験により、魔王軍の手の内が全て分かっている。これは情報のアドバンテージとして、絶対に生かすべきだ。
できれば今のうちから魔法使いとしての才覚を少しずつ見せ、アバン先生の興味を引いてランカークス村への来訪時期を早めたい。
俺は深呼吸をし、日の光を浴びながらランニングを続けた。
「今度こそ、ダイを救う……」
心の中で何度もそう呟きながら、俺はひたすらに体を鍛え、魔法の感覚を研ぎ澄ませていった。
魔王軍が攻めてくるまで、あと10年。
できる限りの準備を、今から着実に積み重ねていこう。
やっぱり文章を書くのは難しいですね……
一応、ある程度設定は起こしてあるのですが、プロットは深く考えず、行き当たりばったりな感じでやってます。